保健福祉の現場から

感じるままに

自立と協働

2011年02月01日 | Weblog
1月28日のチーム医療推進方策検討ワーキンググループ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000011dxk.html)での前回までの議論整理(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000011dxk-att/2r98520000011e0v.pdf)はみておきたい。「患者もチーム医療の一員という視点も重要」、「医師に全面的に依存するのではなく、医療チームがお互いに自立し、信頼しあいながら医療を進める必要」のフレーズはいろいろ使えそうである。これは、昔ブログった「自立と協働のトライアングル」(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/d851c5a79492c26cd876d4036c6854ca)にもつながるように感じる。以前の産業構造審議会基本政策部会のとりまとめ(http://www.meti.go.jp/press/20060427001/20060427001.html)の中で、持続可能な経済社会を実現するには2つのトライアングルが必要とされている。一つは「豊かで安心して暮らせる国民社会」「活力ある経済」「信頼ある行財政」の同時達成、もう一つは「個人」「企業」「政府」の自立・協働である。これは、社会保障全般にもあてはめたいところかもしれないが、そのためには、医療現場のインフォームド・コンセント相当以上の情報公開が不可欠であろう。
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TPPと医療問題

2011年02月01日 | Weblog
「菅内閣が進めているTPPは、弁護士免許や医師免許なども自由化させるものらしい。」(http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/4f545b4dad4203c4c13bb9931c62b899)。
全国保険医団体連合会「医療の市場化拡大を狙うTPP参加は、国民皆保険制度の崩壊を招く」(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/110131tpp.html)
「TPPは農業だけの問題ではない!」(http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpp_8.html)
「TPP ニュージーランドでも市民、学者、労働組合が反対に立ち上がり、ネットでも訴え」(http://www.the-journal.jp/contents/ono/2011/02/tpp_2.html)

先月の日本医師会「医療における規制改革とTPPについての見解」(http://www.med.or.jp/shirokuma/no1379.html)(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110126_11.pdf)(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110126_12.pdf)、「政府のTPP参加検討に対する見解」(http://www.med.or.jp/shirokuma/no1354.html)(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20101201_1.pdf)では、(1)日本での混合診療の全面解禁(事後チェックの問題を含む)による公的医療保険の給付範囲の縮小、(2)医療の事後チェック等による公的医療保険の安全性の低下、(3)株式会社の医療機関経営への参入を通じた患者の不利益(A.医療の質の低下 B.不採算部門からの撤退 C.公的医療保険の給付範囲の縮小 D.患者の選別 E.患者負担の増大)の拡大、(4)医師、看護師、患者の国際的な移動による医師不足・医師偏在に拍車をかけ、さらに地域医療を崩壊させる―の4点が強く警戒されている。前大臣の発言(http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpp_8.html)にもあるように、TPPが農業問題に矮小化されてはいけない。賛成か反対かの単純二元論ではなく、もっとオープンに熟議される必要がある。「日本の医療が危機にさらされている」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110126_11.pdf)、「国民皆保険制度の崩壊を招く」(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/110131tpp.html)と警告が出ている割には、大手マスコミの医療分野に関する取扱いがほとんどないのは、全く不思議といえるかもしれない。とにかく、公的医療保険に波及するとなれば、この問題は、国民生活に大きな影響があるのは間違いなさそうである。
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市町村保健事業

2011年02月01日 | Weblog
今週2月3日の地域保健対策検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000010y4g.html)の協議テーマは「市町村における質の高い保健福祉サービス提供体制の今後のあり方について」である。平成19年3月に市町村保健活動の再構築に関する検討会報告書(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/s0330-8.html)が出ていたが、その時の最大の状況変化が、老人保健事業が平成19年度で終了することであった。それから4年近くの間、制度やしくみの変化よりも、ネット社会の定着が最大の変化と感じる。さて、以前の厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/dl/tp0121-1c.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/dbe7d9c245cec89a492576ab002e5284/$FILE/20100115_1shiryou2_2.pdf)p45~に示される「地域保健・保健指導の推進について」の課題である、①市区町村が行う事業(母子、健康増進事業等)と保健所が行う事業(精神・難病対策等)の相補的な技術提供、②特定健診・保健指導における市区町村、医療保険者、医療関係団体の連携の充実及び機能強化、③関係機関と連携・調整された健康危機管理体制の構築、④医療計画(4疾病5事業)にかかる医療提供体制のネットワークの充実及び安心・安全な医療の技術支援や質の向上、⑤調査研究による科学的根拠の確立、疫学情報の解析・提供、⑥公衆衛生従事者の確保・質の向上、については、どれも今回の協議テーマに関連してくるのは間違いない。先般、平成21年度の特定健診・保健指導の実施率(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000010ryg.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000010ryg-att/2r98520000010s06.pdf)が発表されている。市町村保健事業としては、直接的に市町村国保加入者に対する事業であるが、市町村保健事業は国保の保健事業としてのみ存在するのではなく、健康増進事業の対象者がもっと認識される必要がある。例えば、女性特有のがん検診推進事業(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/index.html)による子宮がん検診・乳がん検診の無料クーポンや平成23年度新規予算の「働く世代への大腸がん検診推進事業」(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/fb149b1f68441840f5817b6a2a0162c7)による大腸がん検診の無料クーポンが画期的なのは、勤務の有無にかかわらず、対象年齢者全員に無料クーポンが配布されることである。従来から、勤務者を除いて案内する市町村が少なくないが、メタボ対策やがん対策における地域・職域連携はもっと推進される必要がある。事業のあり方としては、がん検診事業や予防接種事業等での市町村連携による広域実施、がん検診や乳幼児健診等の休日実施、乳がん・子宮がん検診の夜間実施、実施日時・場所・内容・自己負担額のネット公開、等が挙げられるが、利用者の利便性を考慮した対応が今後とも推進されなければならない。また、保健福祉事業の地域格差(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/46e9a5039e7f43118965d433e00d5cac)があって、ともすれば市町村比較が抑制されてきた印象があるが、市町村保健事業を活性化するためにも、県レベルでの様々な一覧作成・公開が推進されるべきかもしれない。「住民による選択と責任」のためには、情報公開の徹底が不可欠と感じるとともに、市町村保健事業における県の役割(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/f1c63471b3f224abcb449b5dbe3f8b9d)がもっと意識される必要があると感じる。さて、母子保健法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40HO141.html)第19条の未熟児訪問指導や第20条の養育医療について、保育や児童虐待の対応等を考慮した場合、このまま市町村事業ではなく、都道府県事業であるべきか、少々疑問に感じないではないが、法改正が伴うため、踏み込んだ検討がなされるか、注目される。市町村における母子保健事業や精神保健事業等では、市町村福祉部局や教育部局等との「横の連携」と、都道府県との「縦の連携」が推進される必要があるのはいうまでもない。また、成人保健と介護保険部局との連携は従来から図られてきたのであるが、PDCA(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/214faab3a063dbe44fb87d9ebce7d5ea)による政策科学を進めるために、市町村保健センターは積極的に医療計画に関与する必要があると感じる(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/942607e44a3b91b191ee04a7b9588d09)。そういえば、先般、新人保健師研修ガイドライン案(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/45c6272d5289e4f3bc20d9d0aa5dbb1a)が示されていた。保健所との連携(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/f1c63471b3f224abcb449b5dbe3f8b9d)が、人材育成の面からも期待されるところである。しかし、市町村保健現場では、平成21年度からの「女性特有のがん検診推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/index.html)、平成22年度の「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/other/101209.html)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou/pdf/110120-1.pdf)の2年連続の大型補正予算事業等で「振り回されている」感があり、余裕がない雰囲気があるかもしれない。財政当局との折衝も大変らしい。昨年10月に保健師活動領域調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/139-1.html)(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hoken/katsudou/09/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hoken/katsudou/09/gaiyou-01.html)が出ていたが、訪問活動が少なくなっているという声を聞くことが少なくない。今後、市町村保健担当者に求められるのは、様々な面の強かさではないか。平素から非常に数多くの直接的住民サービスに関わり、様々な機関、住民組織・ボランティアの方々と連携することは、政治的にも意識される存在であるといえるかもしれない。なお、地域保健現場を離れている立場でのブログであって、無責任と怒られそうであるが、今回は常識的と思われる点のみに留める。今後の市町村保健事業には、情報とマネーを強く意識した、コスト・アクセス・クオリティ管理が求められ、根本のポリシーが極めて重要になると感じている。「信頼関係に基づく顔のみえるヒューマンネットワーク」「地域住民の視点重視」が基本であることは地域保健全般にあてはまるであろう。
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