蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

老後早取り・生きがい喪失感

2024-03-28 | 趣味
映画「四月になったら彼女は」を観た。
佐藤健、長澤まさみ、森七菜、実力派揃い。
森七菜は、キラキラしていた。
涙がまたまたツツツーと流れた。
佐藤健と長澤まさみのラブシーンは、ちょっと熱量が足りないと感じた。
長澤まさみはどうも、ラブシーンに向いていないのではなかろうか。
なぜかわたしは緊張して、ハラハラ、手に汗、握ってしまった。
見ている側が、ぎこちない気分になった。

ちょっと進行が遅く感じた。
なぜ?
テンポがゆっくり過ぎて、この調子だと時間がかかりそうだと思った。
演技派の俳優が揃っているのに。
純粋な恋愛ストーリーが、人生後半のわたしの体内時計の早さに合わないのか。

映画には相性があるようだ。
わあ面白い!と感激するものもある。
が、鑑賞中、居眠りしなければ及第点である。
採点基準が甘い。
とは言え、映画は面白い。
ここのところ、邦画ばかり観ているが。

さて。
4月から新年度。
この2年間、熱心に時間を費やしていた事を卒業する。
だが、4月からの予定は真っ白。白紙。
時間の空白を埋められるだろうか。

普通は、卒業の後は入学だったり、入社だったり、新しいフェイズに移行する。
終わってしまったら、静かに力も消滅して止まればよいが、まだ勢いがある分、足は着地したまま、前のめりに引っ張られる。
次に行く慣性の法則の力が働く。
急ブレーキ状態。

もう2週間前ぐらいに方向性は決めたのに、まだ精神的に執着している。
後ろ向きにぐずぐずしている。
決めた後も優柔不断。
なぜ、ぐちぐちしているかというと、仕方なくではなく、選択肢があるのに、自主的に能動的に決めたから。
選択肢が多いと幸福感度が低くなるという説を体感している。
次に進むための卒業なのに、次を用意していない、予定を組んでいないので、空白となる。
真っ白いスケジュール表に、対応出来るか?

ずーーっと前、本当にずっと前、35年近く前に、予定を入れない日がいかに退屈か、という経験をして、(日頃、よほど忙しくして休養が必要な場合は別)前々から予定を作らなければいけないことを思い知った。
空っぽの自分にとことん向き合い、仕事をし始めたので、時間もこころも空白は埋まった。

さて、この度はどうしよう?
いつも、次の予定が決まった上で卒業するから、バトンタッチ、引き継ぎ期間は前と後が重複するのだが。
仕事の場合でも、転職して次に行くところが決まって退職するならともかく、何も決まっていない状態で仕事を辞めることはあまりないだろう。
とても不安だ、、、。

時間を持て余すとなると、虚しい時を過ごすことになる。
なんでもいいから、時間を潰すことを見つけなければ。
何も準備しないで(本来の意味で)卒業してしまうのは、学生時代以来だ。
あの時は半年間、行く道を見失い、生ける屍になっていた。

2回目の卒業にあたる、35年前は子育てに一区切りした時。
末子が幼稚園に行き始め、それまでゼロだった自分の時間が、少し持てるようになった。
ぽかっと開く空白時間は、2回目となる。
卒業と入学の間。
これまで、1回目は学業終了から結婚まで、2回目は子育て一段落から就業まで、
今回は3回目となるわけだが、人生ステップから行くと、次は終活までの間か。
が、終活に手を付ける気がない。
腰が重すぎて一歩も終活方向に足も気も向かない。
もともと、小学生の時から宿題はギリギリまで溜めるタイプ。

普通は、ここで黄金の老後突入となるのだろうけれど、わたしは老後を20年前から先取りしてしまったため、老後が間延びしている。
そして健康で順調なため、心労なくエネルギーが減らず、溢れ余っているにもかかわらず、出口が渋滞している。

黄金の老後、第2弾。
だが、第1弾と第2弾の間の、休憩ではなく、不安な待ち時間の到来となる。
まだ第1弾は終了していないのにこの度、突然の休止となり、強制卒業となった。
たまたま時期が3月だったので、わたしは卒業にしたが、内情的には留年である。
単位が足りず本来なら卒業できない。資格、免状がない中途半端な状態。
でも、学校は卒業。さあ、どうする?
わずかな灯油しか残っていないのに、降りしきる雪の日々をじっと過ごすかんじ?

もうすぐ4月。
快活な明るい季節に、時間と身を持て余すだろうことが予測できる。
どうにかなるか?
いや、どうにもならない。

健康寿命はまだまだ大丈夫な黄金の老後なのに、退職した直後の、何もすることのない人のようになってしまいそう。
季節が背中を押してくれるか?
外因に依存しようなんて、甘い。

空の巣症候群ならず、老後早取り・生きがい喪失症候群。
実に贅沢なことを言っている。
この機会に、母に会いに行ったり、日頃のルーティンからは想定できない、何か全く違うことをしようか。