ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

もし実現するのなら大変いいことだ(平壌に、日本の連絡事務所を開設する動きがある)(あともう一つ、荒木和博の真意を見きわめたい)

2018-10-19 00:00:00 | 北朝鮮・拉致問題

久方ぶりに、北朝鮮・拉致問題の記事を。

共同通信の記事によると、タイトルのような動きがあるようですね。私が読んだのは、サンケイスポーツの記事です。

>2018.10.15 05:01

平壌に連絡事務所設置、日本政府が北朝鮮に打診
 北朝鮮による日本人拉致問題を巡り、日本政府が北朝鮮との非公式接触で、被害者帰国と真相解明を図るため平壌に連絡事務所を設置したいとの意向を打診していたことが14日までに分かった。

 連絡事務所を拠点に交渉を続けながら、本人と確認された被害者を順次帰国させることも視野に置いているという。複数の日朝関係筋が明らかにした。また、2020年東京五輪・パラリンピックでの北朝鮮選手団の受け入れ協力や植民地支配を巡る「過去清算」の用意など、関係改善に向けた数項目の取り組み方針も伝えているという。

個人的な意見を申し上げますと、これを実現するのはかなり大変だと思いますが、でも実現すれば大変いいことですね。たとえば北朝鮮には、拉致被害者以外にも、何らかの事情で北朝鮮に長期滞在、あるいは自由意思で帰国するのが難しい日本国籍を保持する人たちがいます。日本人妻とか、あるいは理由はともかく長期にわたって北朝鮮に滞在している人がいるわけで、彼(女)らの身分の保証のためには、連絡事務所を設置することはそれなりの効果があるでしょう。設置しないよりは、設置したほうがいい。前にこんな記事を書きました。

まあつまりは、与党(自民党・公明党)の政治家も、(まともな人は)対北朝鮮対応に限界を感じているのだろう

その記事の中で私は、次のように書きました。

>まずは利益代表部や連絡事務所の設置です。日中国交回復前の北京にだって日本の連絡事務所はあったし、米国とキューバだってそれがあったわけです。上の世迷言をほざいた人は、北朝鮮とかかわることはなにがなんでも絶対嫌だということなのでしょうが、そういうことをいっていても話は始まりません。

そしてそのあと、米国とキューバにおいても、米国は、対キューバの利益代表国であるスイスの大使館に、100人以上の政府職員を派遣しているという話を引用しました。北朝鮮は、キューバなどと比べてもはるかに閉ざされた国であることは確かですが、しかしそんなにこういう問題を毛嫌いしてもしょうがないでしょう。それで何とかなるのならいいですが、まったく何ともなっていません。

そもそも国交樹立も連絡事務所設置も、別にその国を支持する、イデオロギーを是認するとかいう話ではない。サウジアラビアでついこの間までやっていた、女性の免許取得禁止などというものを支持する国は、たぶん世界中にそうはないでしょうが、しかしいろいろな理由で、世界中の国がサウジアラビアとはいい関係を保とうとしています。英国でロシア人がたぶんロシア政府によって殺害されても、それだけで英国とロシアが断行するわけではないし、何かと話題のサウジアラビア人記者がトルコの領事館で殺害されたらしいというニュースも、さすがに断交とはなかなかいかないでしょうし、するにしても、それなりの折衝ののちのはずです。

さてさて、荒木和博は、この件についてどう書いているかといいますと・・・

> 「日本政府は北朝鮮に対し平壌に連絡事務所を設置したいとの意向を伝えていた」と共同通信が昨日報道しました。外務省は否定しているようですが、まあそんな話が進んでいても不思議ではありません。

 この交渉が行われているとすれば安倍総理が全く知らないところで進んでいるとも思えません。極めて敏感な問題であり、総理が知らなかったのなら担当者の首が飛んでも不思議ではありませんが、以心伝心程度も含めて、少なくとも官邸と全く別のことをやっているはずはありません。私は総裁選で石破元幹事長が「連絡事務所を設置して」と言ったのを批判しましたが、これが事実ならどっちもどっちということで、批判して悪かったかな、とも思っています。

福島香織などは、たとえば安倍晋三が対中国関係改善に乗り気であっても、役人や自民党幹事長らを非難するばかりで安倍晋三は批判しないという馬鹿でクズで恥さらしなことをしていますが(つまりは、フリーになって仕事が満足にゆかず、反中右翼にこびているんでしょうね)、荒木はそういう気はないようですね。彼は、とっくに安倍なんかに期待はしていないのでしょう。もっとも森友・家計では妙に安倍をかばっていましたが。

それで荒木ですから、(当然)そのあとは日本政府に悪口の連続ですが、でもしょうがないですよね、それは。だって拉致被害者が帰国してもう16年も経つんですから。2002年にサッカーの日韓ワールドカップが開かれ、ソルトレークシティーで冬季オリンピックが開かれました。ワールドカップはその後ドイツ、南アフリカ、ブラジルと開催され、今年ロシアで開催され巻いた。冬季オリンピックは、トリノ、ヴァンクーヴァー、ソチと開催され、今年平昌です。ずいぶん長い時間がたちました。それでその後、これといった進展がないのだから、それは連絡事務所を設置するくらいのことは当然でしょう。ていいますか、遅すぎるにもほどがあるというものです。16年たって事態が動かないのなら、それは対応のやり方が根本的に間違っているか、さもなければ前提が間違っているかです。つまり拉致被害者が、現在北朝鮮で生存していないのではないかということです。これはこの記事の本論と違いますが、荒木がこういう記事を書いているのが非常に興味深いですね。昨日発表の記事です。

死んだ人をどうするのか【調査会NEWS2843】(30.10.18)

荒木によれば・・・

> これは正直考えたくないことですが、拉致被害者の全てが元気で生きている可能性は残念ながらほとんどありません。

 もちろん、全員が無事に帰ってくることが最も望ましいことは言うまでもありません。しかし寺越昭二さんがそうであるとされるように、拉致の途中で殺害された人もいることが想像されます。また寺越外雄さんのように北朝鮮で亡くなった人も、年齢等から考えて相当数いると思われます。北朝鮮にいる人たちの無事を願っていることがいつの間にか「希望的観測」になり、無事でいるのだろうと思い込むのは過ちです。

いや、私もそう考えますが、しかし日本政府は、全員生存を前提というフィクションとしての建前を崩していませんし、過去巣食う会や家族会は、田原総一朗氏や和田春樹氏が、大要有本恵子さんや横田めぐみさんはすでに存命でないと思うと主張したら、激しくそれに反発していませんでしたっけ。和田氏の主張については、こちらをご参照ください。

で、拉致被害者家族たちは、この発言にどう反応するんですかね。荒木を非難するのか、それとも見て見ぬふりをするのか。後者の可能性のほうが高そうですが、いずれにせよこれは私も注目したいですね。もし見て見ぬふりをするのなら、私としてはますます家族会を批判するネタが増えますし、家族会が荒木と絶縁したら、それはそれで非常に面白いと思います。ただその可能性は低いと現段階考えます。どうなるかはともかく、荒木の真意も今後それなりにわかってくるかもしれません。このあたり私なりに非力ながらそれを見きわめたいと思います。

ではすみません。本論に戻ります。

上の続きに、荒木はこう書きます。

> 「先方も政府で、彼らのこの領土の中においてはあらゆる人に対する権限を持っておりますので、これは我々が説得をして、そして彼らがついに、実は生きておりました、全員返しますと言うまで粘り強く交渉をすることが我々の今の方針でございます」

 これは平成17年(2005)6月14日の参議院内閣委員会、当時民主党の森ゆうこ議員が「どうやって具体的に拉致被害者を取り返すのか」と質問したときの細田博之官房長官の答弁です。特に細田さんが北朝鮮寄りで行った答弁ではなく、それまで何十年も続いてきて、その間に政権交代があっても延々と続いている日本国政府の基本です(もしあなたが北朝鮮にこれから拉致されて、北朝鮮が拉致したことを隠したら、日本政府はこう「粘り強く交渉」してくれるのしょう)。

いや、現実に粘り強く交渉するしかできることはないじゃないですか。荒木らがほざく拉致被害者の自衛隊による救出なんて、まったくもって現実性がない。安倍晋三だってそんなことを実行する気はありません。けっきょくこういう荒木らの態度に追随した拉致被害者家族たちが、小泉首相や外務省の田中氏らに暴言を吐いたり蓮池透氏を組織から追い出したりしたわけです。お話にもなりません。それで荒木のこの記述を、読者の皆様はどう考えますかね。

>連絡事務所を置くなら外務省ではなく、似たような名前なので自衛隊の地方連絡部(今は地方協力本部と名前が変わっていますが)でも平壌に置いたらどうでしょう。さすがに募集業務はできませんが、結果の出ない交渉を続けるよりも、いるだけで北朝鮮側にはプレッシャーになると思います。

荒木って、こういうくだらない話を、「ユーモア」「気が利いている」と勘違いしていますね。しょっちゅうのことです。まったくどうしようもない馬鹿でクズです。私が拉致被害者家族なら、「てめえ! いいかげんにしろ!!!」と怒鳴って、こいつを追い出すか、退会するか、そうでなくてもこの人物とは縁を切ります。こんな話は何回書いたかわかりませんが、要はそういうマンガみたいな光景が今日に至るまで続いているのです。荒木も西岡力も、拉致被害者家族から見放されたらそれでおしまいなんですけどね(苦笑)。ほんろ拉致被害者家族を押さえているのは強い(笑)。昨今だいぶ影響力は落ちたとは思いますが、このあたりは荒木や西岡ほかの政治的勝利だと思います。そして蓮池透さんを家族会から追い出したのは、家族会全体としてはマイナスにもほどがあったでしょうが、荒木らにとってはまさに最大の勝利というものでしょう。ただし拉致問題全体についてかんがえれば、まったく無様で無残にもほどがあったと思います。

ところで共同通信の記事で、

>複数の日朝関係筋が明らかにした。

というのは、当然ですがまともな報道機関の仕事ですね。つまり複数の筋に確認を入れているわけです。産経なんか、南京の祈念館の展示の件とか、沖縄の交通事故の件など、祈念館とか警察に確認を入れることすらしませんからね(呆れ)。特に前者は、最初から全部承知のデマ記事だったのでしょうが、いずれにせよあまりにデマの程度がひどくてお話にもなりません。後者は、おいしい情報に夢中になって飛びついたのでしょう。うそつきクズか、都合のいい話にすぐ飛びつく馬鹿というわけで、まったくどうしようもないにもほどがあるというものです。

この記事は、bogus-simotukareさんの記事を参考にしました。感謝を申し上げます。

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