医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

逃げるアホウに見るアホウ

2023-03-15 03:17:14 | 薬局
この争いの結末は悲惨な展開になるような気がする。

2024年度の調剤報酬改定に関する要望として、日本薬剤会は敷地内薬局に対し「調剤基本料」のみならず、加算要件や一部の薬学管理の減額などを求めているようだ。
すでに敷地内薬局の「特別調剤基本料」は7点とかなり低い。
これ以上追い込むと”窮鼠ねこを噛む”ことになるのではないだろうか。

敷地内薬局を誘致した病院には、2022年度の診療報酬にて「急性期充実体制加算」の要件に「特定の保険薬局との間で不動産の賃貸借取引がないこと」が盛り込まれている。
この加算は入院患者1人に付き7日以内の期間で460点、8日以上11日以内の期間だと250点、12日以上14日以内の期間では180点と大きい。
これによって既に賃貸借契約を打ち切った病院もある。

そもそもことの起こりは2016年、薬局と医療機関の独立性をめぐる規制が10月1日から一部緩和され、医療機関の敷地内に薬局を開設する、いわゆる“敷地内薬局(門内薬局)”が解禁されたことからである。
規制緩和の発端は2014年10月に「フェンスなどで仕切られていると、身体が不自由な人、車いすを利用する人、子供連れ、高齢者にとっては不便なので、いったん公道に出て入り直すという杓子定規な考え方は見直してほしい」という行政相談を受けた総務省が、厚労省に改善を要請したのが始まりだ。
翌15年には、政府の規制改革推進会議が規制の見直しを答申し、こうした動きに押される形で、厚労省は規制緩和を決めた。
それなりの理由があっての敷地内薬局の成り立ちがある。

私は敷地内薬局の是非をとやかく言うつもりはない。
法的に問題がなければ目ざとい奴がほほ笑むだけだと思っている。
いわゆる”悪法も法なり”である。
それを外部からの圧力で何とかしようとするのはいかがなものか。
あまり圧力をかけると法的手段での応酬も考えられる。
行政は法的手段を極めて嫌う。

ここで考えて欲しいのは、行政はバカじゃない。
2014年に規制緩和で敷地内薬局が認められた。
同時に2015年には「患者のための薬局ビジョン」が発表されている。
その中の「薬局全体の再編像」の2035年には「立地も地域へ」と示されており「一般的な外来受診はかかりつけ医が基本となる」と書かれている。
何度も書くが、これが行く末じゃないだろうか。
時間はかかるが敷地内薬局から外来がいなくなる日が必ずやって来る。
あまり騒ぎ立てて刺激すると、一番から暴れる存在になる可能性がある。
すでに沈む船から逃げ出す賢いネズミもいる。

私は泳げないので逃げ出せない。
そして六十肩からはなかなか逃れられない。
コメント
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