ドラッグストアに行きたいのが本音なのか。
薬学生の内定状況が見えてきた。
どうやらダントツでドラッグストアのウエルシアHDの506人のようだ。
500人を超えるのは初めてじゃないだろうか。
2~3年前だったと思うがウエルシアの初任給が600万円と報道されて度肝を抜かれた。
さらに2年目には650万円というから恐ろしい。
但し、3年以降はどうなるのかが心配だった。
さすがに初任から600万円は真似が出来ない。
ドラッグストアの採用はウエルシアだけではない。
ツルハHDが306人、スギHDが305人、マツモトキヨシHDが270人と猛威を振るう。
それに比べて調剤専門の会社はちょっと出遅れ気味である。
中でも検討しているのが総合メディカルHDの380人で、アインHDは250人、メディシスが85人、日本調剤は非公開となっている。
因みに、最近の会社にはHDが付くことが多くなった。
このHDとはホールディングスの略で、その子会社として従来の大手調剤チェーンの会社がある。
これは現場の薬局で不祥事を起こしても、その責任は子会社までにしか及ばないと言う仕組みがあるからのように思う。
HD本体には大事な役員がすえられるかもしれない。
さて、話を戻すとなぜドラッグストアに人気があるのかである。
逆に人気がないのは病院である。
人気がないのではなく採用される条件に適合しないようだ。
何と言っても薬学生の半分は奨学金地獄に陥っていると聞く。
その額も半端なく1,000万円にもなる。
そのために就職してから毎月5万円ほどの返金が待っている。
この5万円は大きい。
従って、ある程度の給与がないとやっていけない。
やっていけないことはないと思うが、10数年もの返済は考えただけで不安になる。
そんな事情があるのか、今どきの学生は報酬の高い方に流れる。
ある地方の薬局では報酬はもちろん高額だが、その他に家賃の補助まである。
これでいいのだろうか。
こんなバブリーな業界は長くは続かない。
何かおかしくないですか?と学生に聞きたい。
そこまでして薬剤師になりたかったのだろうか。
そしてなってみたら望むのか望まないのか分からない就職の現実は厳しい。
初めは何となく良くても、24時間営業のドラッグストアも多くなっている。
地方では薬剤師が足りないので転勤もありだ。
年収600万円はかなり高収入である。
もちろんそれに見合った働き方改革も必要になる。
就職は人生の始まりである。
本当にやりたかった仕事をお金のために妥協だけはして欲しくないと親心がささやいている。