医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

秋の夜長に

2017-10-10 05:39:53 | 薬局
やめられない、とまらない。

こんなキャッチコピーがあったが…知らないだろうねぇ。
1964年から販売されている「かっぱえびせん」の宣伝コピーである。
確かに、当時としては「やめられない、とまらない」ほど美味しいかった。

さて、日薬の学術大会には出ていないので分からないが、「敷地内薬局」に対する反対宣言みたいなことがあったのだろうか。
既に、地域ブロックごとに反対などの提言などが出ている。
でも、どうだろう。
こちらも「やめられない、とまらない」の傾向が続くと思われる。

医療機関にとって敷地内であろうが門前であろうが関係ない。
診療報酬には何ら影響などない。
逆に患者にとっては「近くて便利」なセブンイレブンみたいなものだ。
尚且つ、医療機関からの要望で365日、24時間開局なども考えられる。
まさに「開いててよかった」となる。

これだけじゃない。
病院における薬剤師の配置は入院数が70人、外来処方せん枚数が75枚に1人となっている。
この薬剤師の確保がなかなか難しい。
希望者はいるようだが処遇面で確保が滞る。
何と言っても薬学生の半分くらいが奨学金を受けているらしい。
中には卒業と同時に1,000万円を超えるそうだ。
それなりの給与がなければ生活がおぼつかない。
薬剤師不足を解消するには外来処方せんを減らすしかない。
必然的に医薬分業になり、どうせ出すなら患者への利便性が重視される。

では、「門内薬局」がそれほど魅力かと言うと疑問が残る。
確かに、新患にとっては「開いててよかった」「近くて便利」の理由から「門内薬局」が有利だ。
ところが後から出来た「敷地内薬局」は決して超有利ではない。
そこは馴染の強さが発揮される。
期待したほど処方せんは舞い込んでは来ない。

さらに官公立病院などはほとんどがDPCを採用している。
このDPCの診療報酬系数を高めるには「紹介外来率」を上げる必要がある。
目指すのは80%だろう。
となると1日1,000人の外来患者があっても、800人以上が「紹介外来患者」となる。
「紹介外来患者」は地域の医療機関からの検査などの紹介で、検査の結果を持たせて紹介先に返す。
または検査の結果次第では即入院となる。
要は、「紹介外来患者」には処方せんは出ない。
先ほどの例では200人以下の患者にしか処方せんが出ない。
このどこがいいのか。
この傾向は現実に顕著で確実に外来患者が減っている。

しかも、先ほども書いたように365日、24時間対応が「敷地内薬局」の要件だとしたらコスト倒れをしてしまう。
これも病院のご都合で、夜間の薬剤師配置を少なくするのが目的だ。
はっきり言って夜間救急患者が苦しがっているにもかかわらず、処方せんが出て外の薬局で薬をもらってくださいと言うのがおかしい。
その薬も様子見なので翌日までみたいな処方だ。
「これで様子を見て、翌日あらためて受診してください」となるのがほとんどだ。
それくらい院内で対応しろよってならないか。
その面倒なのを患者のために処方せんで出すのか。
中には調子に乗って夜間・休日だけに対応する薬局を希望する医療機関もある。
いい加減にしろって言いたくなる。
薬剤師会が出来るなら会営薬局でも設立してやればいい。
運営に苦労するだけだ。

そもそも医薬分業の趣旨に反するなどと言っているが、もう既に集中率が90%を超えている薬局が30%以上もある。
ここの「調剤基本料」を大幅に引き下げたらますます集中率が高まるだろう。
これも問題にすら上がらないが、何をもって「敷地内薬局」などと言うのだろうか。
既に、診療所や民間病院の敷地内薬局は数多い。
中には日薬の幹部が経営している薬局だってあるはずだ。
今さらやめるわけにもいくまい。
ここには目をつぶるのか。
「敷地内薬局」の問題は官公立病院だけの特別なものなのか。

何だか「やめられない、とまらない」ことに「やめよう、とまろう」としているような気がしてならない。
「敷地内薬局」と言うトラウマから抜け出す勇気を称える薬剤師はいないのだろうか。






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