医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

締まる真綿

2017-04-10 05:20:16 | 薬局
何かが変わる予兆を感じる。

厚生労働省内には、薬事(医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器関係)、食品、水道、生活衛生、薬剤師国家試験などを所管する“医薬・生活衛生局”がある。
ここの動きが気になる。

4月3日のブログを再度確認して欲しい。
医薬・生活衛生局が「第1回 医薬品医療機器制度部会・資料5」の中に、「かかりつけ薬剤師・薬局に係る評価指標について」がある。
これがKPIにつながっている。
国が薬局・薬剤師に何を求めているのかが見て取れる。
特にKPIの指標になっている以下の内容は要注意である。
・電子お薬手帳又は電子薬歴システム等のICTを導入している薬局数
・在宅業務に過去1年間の実績ある薬局数
・健康サポート薬局の研修を修了した薬剤師がいて、地域ケア会議等に出席した薬局数
・医師に対するトレーシングレポートを提供した実績がある薬局数
気が付いたと思うがKPIで問われているのは薬局の数である。
上記内容は何らかの形で報告の義務が出て来る。
取り組む薬局数が少ない時は何らかのアメとムチが振る舞われる。
(また、この表現を使っちゃった!)

さらに6日には「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」からの報告書も出された。
これも所管は“医薬品・生活衛局”である。
この報告書の「薬剤師の生産性と付加価値の向上」の部分(P36~)に、「医療従事者の生産性と付加価値を向上させる上では、薬剤師の専門性や知見は極めて重要であり、これまで以上にその能力を発揮することが期待される」から始まっている。
何となく薬剤師への期待感を感じさせるが、裏を返すとやっていなかったとも聞こえる。

内容では2014年の「骨太の方針」にあった「調剤重視から服薬管理指導重視」が表現を変えて、処方せん40枚に薬剤師1人を見直すとして出されている。
今後、かかりつけ機能の発揮や地域との連携など薬剤師の機能に期待がかかる。
そして調剤は機械化やオートメーション化が進むと、現状の処方せん40枚に薬剤師1人が適正かどうかを見直す必要があるとしている。
また調剤をより効率化するために「箱出し調剤」も検討するようだ。
いよいよ錠剤のピッキングが調剤から外されそうな気配を感じさせる。
となると錠剤の「調剤料」も危うい。

前回の診療報酬改定では「リフィル処方せん」は医師側の猛反対で見送られた。
しかし、「分割調剤」は認められている。
長期処方と言う意味では基本的に何ら変わりはない。
ここではあえて「リフィル処方せん」を再度登場させている。
何らかんだ言いながらも2014年の「骨太の方針」はしっかり生きている。

かかりつけ薬剤師は要件の見直しも出されている。
ここは32時間の勤務実績が問われている様であるが、私は”かかりつけ薬剤師“から”かかりつけ薬局”への変換を図る一歩になるような気がしている。

とりあえず、これから折に触れて私なりの考察をご紹介したいと思う。

おとっと!
これも注目して欲しい。
「遠隔診療」(P42)についてもすすめる方向のようだ。
上記内容は「ビジョン実行推進本部」(仮称)として、5~10年程度の政策工程表にまとめられる。
それが「政府方針」になるそうだ。

いよいよ2025年に向けて大鉈が振るわれる。






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