20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『下流社会』(三浦展・中公新書)~『ニッポン若者論』(三浦展・ちくま文庫)

2010年11月15日 | Weblog
   
 久しぶりに『下流社会』を調べてみたくなり、書棚からひっぱりだしました。
 2005年、ベストセラーになったこの本を、なぜ今めくってみたくなったのか・・・。 
 
 実はしばらく前、朝日新聞「be」で特集していた「FUNKY MONKEY BABYS」の記事を読んで、ずっと気になっていたのです。

 私は、「FUNKY MONKEY BABYS」というグループも知らなかったし、彼らが作って歌っている『明日へ』という歌も聴いたことがありませんでした。
 その記事を読んだ日。私はすぐに、ユーチューブで聴いてみました。
 そんな行動に駆り立てられるくらい、あの記事にはインパクトがありました。
 
「FUNKY MONKEY BABYS」の出身である、八王子という街。
 大都市で暮らすことより、郊外の地元で友人たちとツルむ若者がジモティと呼ばれ、新しい消費行動として注目された、あの『下流社会』は確かに衝撃的な本でした。
 若者を知る手がかりを、あの本は私たちに提示してくれていました。
 
 あれから5年。
 若者像。いえ、若者たちの生きる姿勢も多分に変容を遂げているようです。
 バーチャルな世界を当たり前のようにして生まれてきた彼らは、いま、現実と直面し、『下流社会』の若者のように、「いまの自分はまだほんとうの自分じゃない。その気になったらオレだって一発かましてやる」という、上から目線の自画像を描いていません。
 貧困もなにもかもをバーチャルのなかに閉じ込めておくわけに行かなくなった若者たちは、「新しい農業をやろう」「キャバクラ嬢から農業へ」と、より現実的に自分の足もとを見つめだしています。
 そのあたりは、『下流社会』から『ニッポン若者論』へと変化を遂げた、三浦展さんの分析からも感じ取ることができます。
 また「FUNKY MONKEY BABYS」の歌からも感じ取れます。
 ご興味のある方は、ぜひ検索してみて下さい。
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