極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ひとり鍋とホットウイスキーの季節

2016年11月20日 | 創作料理

 

 

           心一に意専らにして、然る後に功観るに足るなり  / 管子 『五輔』

           
           ※ 一意専心とは、ひたすら一つのことに心をそそぎ、
         その仕事を公正に評価するとの意。

 

                                                                             
                                                                                
                                                    管子 Guan-zi   720–645 BC

 

  

【今宵もホットウィスキーとひとり鍋:豚肉とレタス鍋】

日本には「ひとり鍋」という食文化、つまり無形文化財がある。秋・冬になると、夕食は、南部鉄
器製の鍋にその日の冷蔵庫にある残り物の食材があればすぐさまアレンジし、岩谷産業製のひとり
ガスコンロに鍋と昆布だし(十王村の水だけで十分だが)を入れコンロで加熱し、出汁が煮立った
らと具材を適当な順序で入れ煮立て、料理とご飯一膳と香物とものがあれば、今宵の
ひとり鍋が手
軽に完成する。そこに、エレキ・ケトルのお湯をトリス・クラッシクのグラスに注いだホット・ウ
ィスキーがあれば「シニアな極楽タイム」を過ごすことができるというわけだ。

材料:豚肉(バラ)140グラム、レタス 1/4玉、だし(昆布などお好みの出汁)タレ(ポン
酢などのお好みで)



ところで、鍋のときのつゆは、便利な市販品があるが少人倣では余ってしまい困る、または、加工
食品のため食品構成素材の由来が不詳ということで、できるだけ使わない方が良いという指南書も
あるが、国内の優良メーカ品なら、購入時に確認すればいいことだと思う。もっとも、具材のもつ
旨み成分の溶出でも十分、市販の成分由来がクリアな香辛料やスープの素
を使っても問題のないレ
ベルだろう。ひとり分の出汁の素も売られているこれも利用できる時代だ(あくまでも自己責任の
上で)。それにしても、サントリーなどの日本のウイスキーは、これまでいろいろ飲んできた中で
世界でもトップクラスの廉価でいて品質が提供されている感心する。
といっても、その日の体調で口
当りもビビットに変わることも確かなのだが、そう思う。

 


● ロールで電解質膜を連続生産装置――燃料電池のコスト削減

SCREENホールディングスNEDOプロジェクトの一環として、固体高分子形燃料電池の電解質膜
に電極触媒を直接塗工・乾燥させる技術の開発に成功。この技術を適用した製造装置を開発(2016.
11.18 スマートジャパン)。NEDOは燃料電池の普及促進・市場拡大を図るための生産技術、高付
加価値化技術、安全技術などの実用化技術開発プロジェクトを推進。その中でSCREENホールディ
ングスは、13年から燃料電池の量産製造技術開発に取り組んできた。燃料電池製造装置のRTシリ
ーズは、燃料電池に用いられる触媒層付き電解質膜を「toロール方式」で連続生産できる。
これはロール状に巻いた材料に加工を施し、再びロールに巻き取っていく生産方法。電子デバイス
を効率良く量産する手法として利用。
 ロールtoロール方式を電解質膜に適用可能にしたことで、
製造時間の短縮と生産コスト低減への貢献が期待できる。さらに電極寸法、欠陥、膜厚などの検査
装置を組み込むことで品質管理も同時に行える仕様なっているとのこと。

※ 参考特許:特開2016-150263 塗工方法および塗工装置(下図ダブクリ)

 

      

【我が家の焚書顛末記 22:中国思想 管子】        

   五 輔    ――政治を正す五つの段階――

 
政治は、ある角度から見れば、一種の蓄積である。実績を積み重ねていく、これが偉大な 為政者の
 歩む道である。善政を残すには、いろいろな段階を経なければならない。それを
確実に一歩一歩路み
 しめていく。ここに国家安定の起がある。
 

 こ と ば -------------------------------------------------------------------------

 「公法行なわれて私曲止み、倉廩ちて囹圄空し」
  「上下義なければ乱れ、貴賤分なければ争い、長幼等なければ倍き、貧富度なければ失う」
 「心一に意専らにして、然る後に功観るに足るなり」
 
「時を審らかにしてもって事を挙げ、事をもって民を動かし、民をもって国を動かし、民を

 もって天下を励かす。天下動かして、然る後に功名成るべし」
 
 
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  「礼」を正す八つの基本(八経)

  こうして、人民は「義」というものを理解するに至る。だが、かれらはまだ「礼」、すなわち 身
 分秩序にたいする観念を知らない。そこで、つぎには「礼」を普及させることだ。

 そのためには、「八経」、つまり、八つの基本を修得させることである。「八経」とはなにか。上下、
 貴賤、長幼、貧富のハ者の間には、それぞれ一定の身分関係がある。これを礼の「
 八経」というの
 である。

  もし、上下の間に「義」がなければ君臣の秩序は保てない。貴賤の間に「分」がなければ争いが絶
 えない。長幼の間に「等」がなければもめごとが絶えない。貧・冨の間に「度」がなけ
 れば統制が
 とれない。上下、貴賤、長幼、貧富の身分秩序が乱れた国が滅びなかったためしは
ないのだ。それだ
 からこそ、昔、聖王が現われて、礼の八つの基本を明らかにし、人民を教化
レたのである。八つの基
 本が守られれば、社会は安定する。すなわち、


  一、君主は公正にして無私であること。
  二、臣下は忠義深く、私党をつくらぬこと。
  三、父はいつくしみ深く、子を教え導くこと。 
  四、子はひたすらに親に孝養をつくすこと。
  五、年長考は年少者をいたわり導くこと。
  六、年少者は年長者にすなおに従うこと。
  七、夫は誠実に妻を愛すること。
  ハ、妻は家事にいそしみ、夫に貞節であること。

  かかる状態にあれば、下の者は上の者にそむかないし、臣下が君主を殺すようなこともない。
 身分の低い者は高い考の分を犯さないし、年少者が年長者をおしのけるようなこともなくなる。
 身のほどをわきまえぬ僣越沙汰は影をひそめ、事の本末は厳正に保たれるようになる。
 人は、礼をわきまえてはじめて身をつつしむ。身をつつしんではじめて人にへりくだる。へり
 くだろことができれば、社会的に相対関係にある者同士がお互いの分を犯さない。こうして、
 秩序は保たれ、禍いも起こらなくなる。
 「礼を守るべきである」というのはこのためである。

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 曰:民知義矣,而未知禮,然後飾八經以導之禮。所謂八經者何?曰:上下有義,貴賤有分,長幼
 有等貧富有度,凡此八者,禮之經也。故上下無義則亂,貴賤無分則爭,長幼無等則倍,貧富無度
 則失。上下亂,貴賤爭,長幼倍,貧富失,而國不亂者,未之嘗聞也。是故聖王飭此八禮,以導其
 民;八者各得其義,則為人君者,中正而無私。為人臣者,忠信而不黨。為人父者,慈惠以教。為
 人子者,孝悌以肅。為人兄者,寬裕以誨。為人弟者,比順以敬。為人夫者,敦懞以固。為人妻者,
 勸勉以貞。夫然則下不倍上,臣不殺君,賤不踰貴,少不陵長,遠不閒親,新不閒舊,小不加大,
 淫不破義,凡此八者,禮之經也。夫人必知禮然後恭敬,恭敬然後尊讓,尊讓然後少長貴賤不相踰
 越,少長貴賤不相踰越,故亂不生而患不作,故曰禮不可不謹也。

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  事態の変化に対処する三つの尺度(三度)

  こうして、社会的責務を自覚させることができた。が、人民はまだ、変化するさまざまな事態
 
にたいし適切な対処の仕方を知らない。そこでこれを体得させる必要がある。
  事態の変化に対処するには、三つの尺度、すなわち「三度」を用いる必要がある。「三度」と
 
はなにか。

  一、天の時を考えること。
  二、地の利を考えること。
  三、人の和を考えること。

  これが「三度」である。

  天の時が幸いしなければ浜水やひでりに見舞われる。拙の利が悪ければ飢民に襲われる。また、
 の和を得なければ叛乱がおきる。そして、この三つの災害はほかでもない、対処の仕方を誤っ
 た結果として招来されるのである。
  事をはかるには、まず天の時と他の利を考慮して決定しなければならない。だがそれを遂行で
 きるのは人の和による。
  一国の人民が団結してこそ国力は発揮される。そして、諸国の力が結集されてはじめて天下を
 動かすことができるのである。天下をひとつの目的のもとに結集しえてこそ、大業は成就するの
 である。

  つまり、臨機応変の処置を心得なければ、適切な行勣はとれない。行動が適切であってこそ、
 人民は一致協力する。人民が一致協力してはじめて大業は成就するのである。
 「臨機応変でなければならない」というのは、このためである。
 
 
《解説》「五輔」篇は「外言」八篇の中に含まれている。「外言」は「経言」を補足するという
 意味で後人が編纂したものである。この篇は論理も、文体も比較的整っている点から推して、後
 代の作 であると主張する学者も多い。

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 曰:民知務矣,而未知權,然後考三度以動之;所謂三度者何?曰:上度之天祥,下度之地宜,中
 度之人順,此所謂三度。故曰:天時不祥,則有水旱。地道不宜,則有饑饉。人道不順,則有禍亂
 ;此三者之來也,政召之。曰:審時以舉事,以事動民,以民動國,以國動天下。天下動,然後功
 名可成也,故民必知權然後舉錯得。舉錯得則民和輯,民和輯則功名立矣,故曰:權不可不度也。

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                                     この項つづく

 

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