極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

白山のOLEDs

2010年10月06日 | ネオコンバーテック


雲海の 白き一路の 結界に 吾は踏み入れ 光明を感ず




【白山登山前夜】

白山市役所 本庁舎

今朝、目を覚ましTVで天気予報観る。週
末は崩れる。咄嗟の判断で 『百名山』の
白山に登ることに。日帰りは厳しそうだが
準備を始めるが、高村光太郎の言葉もあ
るし侭よ。






【ドイツのOLEDs 開発    



有機EL(OLED)の研究開発は欧州、
韓国に遅れを取っている。既にドイツ
では国家的バックアップ体制を整えた。
これは太陽電池の生産量において抜か
れた(それ以前の事例には半導体メモ
リもあるが)ケースと同じだ。

欧州での OLED 照明の新しい開発プロ
ジェクトとしては、ドイツ教育研究省
が支援し、世界のOLED市場(ディス
プレイ、照明)全てでのリードを狙う
So-Lightプロジェクトがある。予算は
1470万ユーロであり、2012年6月まで
に、OLED のサインや特殊用途の照明
用途開発を行う。プロジェクトの開発
の狙いは、



・新材料;透明材料、ドーパント、マ
 トリックス材料、導光材料
・光分布誘導のための新光学技術
・照明適用OLEDの特性評価技術
・低分子材料OLEDの更なるプロセス
 開発である。重点適用対象は自動車
 建築、大型ディスプレイ用バックラ
 イト分野である

さらに、ドイツ教育研究省が支援する
OLED2015イニシアティブの第2フェー
ズとしてTOPASプロジェクトがスター
トした。TOPASは Thousand lumen Organic
Phosphorescent devices for
Applications in
lighting System 
の略である。目標は燐光
材による1,000ルーメン級OLED照明機
器開発で、革新的な材料、建築用照明
機器及び高効率OLED照明製造装置の
開発で、OPAL2008の後継プロジェクト
である。目的は照明アプリケーション
向け OLEDで青色を中心とした燐光材
料とデバイス構造、蒸着装置などの製
造装置の開発であり、OPAL 2008 の研
究成果を引き継ぐ。

このプロジェクトでは寿命は1
万時間
以上を目標としている。高効率でCRI
が80以上の高演色であることも照明機
器として目標としている。開発担当・
分担企業は

OSRAM ・・・1m2サイズの透明OLED
BASF  ・・・安定で効率的な青色発
             光材料
Philips   ・・・1000 lm光束出力のモノ
             リシックOLED
Aixtron     ・・・有機物の蒸着コンセプ
             トの製造装置
          
である。

また、ドイツ教育研究省が支援する
NEMOプロジェクトは、塗布(solution)
系のOLED開発プロジェクトである。
NEMONew Materials for OLEDs from
solutions
を意味し、予算は32百万ユーロ
である。開発目標は、テレビ、交通表
示・照明システムに使用する大面積
OLEDの製造用の革新的な材料の開発
multi-layer OLED)。
          
材料とプロセス装置に関してもBMBF
LILiプロジェクトを2009年7月にスタ
ートした。予算は7.5百万ユーロで、
このうち独連邦教育/研究省が326万ユ
ーロ(約4億4,000万円)を提供し、残
る423万ユーロ(約5億7,100万円)を
企業パートナーで負担する。3年間の
プロジェクトである。LILiは Light inline
を意味する。開発目標は、

・大面積OLED高効率デバイス設計
・大面積OLED量産プロセス開発
 
であり、OLEDを一般照明に応用する
上での問題を解決していく。

Applied Materials(開発リーダ) 
Merck KGaA (OLED材料開発)



【2009年 政策動向分析】

有機EL表示装置に関連する政策につい
て、日本、韓国、米国、欧州の状況を
調査。日本、韓国では表示装置に関連
する政策が実施されているが、米国、
欧州では有機EL照明とフレキシブル表
示装置に関連する政策が中心(2010年
度 特許庁「特許出願技術動向調査報
告書」)。

日本

日本では新エネルギー産業技術総合開
発機構(NEDO)を中心に有機EL表示装
置に関連したプロジェクトが実施され
ており、現在40型以上の大型有機EL表
示装置の製造プロセス技術の開発と低
消費電力化を目指した「次世代大型有
機EL表示装置」プロジェクトが実施さ
れている。また、有機EL関連のプロジ
ェクトとして照明技術開発を目指す「
有機発光機構を用いた効率照明技術」
プロジェクトも実施されている。

韓国

韓国では「フロンティアプロジェクト
2001」と呼ばれる、2010年代に世界ト
ップレベルの技術力を確保するための
戦略技術支援プロジェクトが実施され
ており、その中の1研究テーマに「次
世代表示装置」の研究がある。「次世
代表示装置」には有機EL表示装置も含
まれており、次世代表示装置の研究は
「フロンティアプロジェクト2001」の
中心的なテーマである。

米国

米国では有機EL照明とフレキシブル表
示装置に関する支援が政策の中心であ
る。有機EL照明はエネルギー省を中心
に支援が実施されている。フレキシブ
ル表示装置は軍用途向けを目的とし国
防総省を中心に支援が実施されている。
フレキシブル表示装置向け支援として
アリゾナ州立大学のFlexible Display Center
に5年間で5000万ドルの支援が行われて
おり製造方法が研究されている。

欧州

欧州では有機EL照明に対する支援が中
心となっている。支援は国ベースで行
われているものとEU全体の研究支援制
度であるフレームワークプログラムを
通して行われているものがある。例え
ば、フレームワークプログラム支援の
もと有機EL照明で100 lm/Wの効率、10
万時間以上の寿命を目指すOLED100.eu
プロジェクトは2008年から2011年の3年
間で約2000万ユーロの支援が予定され
ている。また、ナノエレクトロニクス
の研究拠点であるベルギーのIMECでは
有機エレクトロニクスが研究されてお
り、有機太陽電池や有機EL照明を含め
た広い範囲の研究を行っている。その
中で有機EL表示装置に関する技術開発
も行われている。



日本は液晶一辺倒で、ヨーロッパに遅
れをとり、サムソン(韓国)に大きく
溝を空けられている。事業仕分けで一
躍脚光を浴びた蓮舫流に「それで?」
ということになるが競争相手、欧米も
アジアも新重商主義政策をとっている
中にあり、政府としての産業政策の見
識を示すべきだ(段々、民主党も自民
党と変わりがなくなっているが)。



 表 既存照明との比較表

  有機EL照明 白熱電球 蛍光灯 LED

有機EL照明

白熱電球

蛍光灯

LED

発光原理

有機材料に電圧をかけることで発光 フィラメントという金属に電流を流すことで発光 電流によって発生した紫外線が、蛍光物質にぶつかるとこで可視光に 無機半導体に電圧をかけることで発光

特徴

○照らす範囲広い
(面光源)
○省エネルギー
○発熱少ない
○薄い、軽い
○フレキシブル
(プラスチック基板の場合)
○環境に優しい
・照らす範囲狭い
(点光源)
×電力使用大
×発熱が多い
○自然光に近い
・照らす範囲は点光源と面光源の中間
(線光源)
○省エネルギー
×有害物質(水銀)の使用
・照らす範囲狭い
(点光源)
○省エネルギー
○寿命長い
○小型化容易
○環境に優しい

用途

居住空間、オフィス、装飾照明、車内照明、POP照明などでの活用が期待される 撮影用の照明、居住空間のダイニングや寝室など 居住空間、オフィス、商業施設など 間接照明、足元灯、店舗用スポットライトなど

有機ELデバイスは、実は「新弥生時代」
の本格化ととらえている。ここでの遅
れは、21世紀のリーディング・カン
トリーからの滑落を意味している(登
山に行くのに縁起が悪い?)。今後は
「有機EL」と表示せず
oledsと表示す
ることとする。^^;

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