極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

メリッサの詩と香り

2012年07月09日 | 日々草々

 



   今月、彼らは毎日のようにやってきた。
   かつて僕はこう言ったことがある。
   他に何かをやるような暇がないから僕は
   詩を書くのだと。つまりそれは、詩や韻文なんてもの
   を書くよりも他に、立派なことができないから
   -ということだ。でも今では僕は詩を書きたい
   から詩を書いているのだ。
   というのも、なにしろ
   今は二月で
   この月には通常たいしたことは何も
   起こらないから。でもこの月には
   カラマツの花が咲いたし、
   毎日太陽が顔を見せた。
   たしかに僕の両方の肺は
   まるでオーヴンみたいに熱をもっている。
   もしどこかの人々が、僕のかかわっている
   場所で、僕の「もう一方の靴が脱げ落ちるのを
   待っている」からといって、それがなんだろう。
   さあ、これをあげよう。遠慮しないで
   履いてみればいい。靴のようにうまく
   合うといいのだけれど。
   だいたいよさそうじゃないか、うん、柔らかい靴
   だから、足が呼吸できる余裕もある
   はずだよ。さあ立って、少し歩いてみて
   ごらん。その感じ、わかるかな? あなたの行くところに
   それはついていくんだよ。そしてあなたの旅の終わりまで
   それはあなたとともにいるんだよ。
   でも今のところは、裸足でいるんだね。しばらくのあいだ
   外に出て、遊んでいるといい。

   (訳註) 「もう一方の靴が脱げ落ちるのを待っている」、これは本来は「気をもみな
        がら待つ」という意味ですが、ここではそのまま文字通りに靴の話に移る
        ので、翻訳ではこうなってしまいます。
                     
                      
                                                                 “ Poems

                         レイモンド・カーヴァー 村上春樹 訳  

 


  

彼女がアロマオイルを買ってきたのか玄関に入るとレモンと紫蘇の香りがしていた。買い物から帰って
きたのでそのことを聞くと、一番気に入った匂いを選んだとは言うがアロマオイルの名前はわからない
わと言い、小瓶を持ってきてラベルを見せる。細かい文字で “ citronellal”  と書いてある。サンザ
シ香と匂
い種が紹介されているが、要はレモンバームオイルだから、玄関先のハーブ栽培に植えている。
早速、彼女と二
人で匂いをかいで確認する。匂いがしないというので振り向くと、痩せて色も褪せた葉
をかいでいる。確かに最
盛期は過ぎている。代わりにわたしが手折ったものを彼女にかかせてみると納
得した風だ。なるほど精油は年
中香りが楽しめると腑に落とし部屋に戻る。

Crataegus cuneata f lutea1.jpg

レモンバーム(英語:Lemon balm、学名:Melissa officinalis)はシソ科の多年生のハーブ。南ヨーロ
ッパ原産。和名はコウスイハッカ(香水薄荷)、セイヨウヤマハッカ(西洋山薄荷)。葉はシトラール
を含みレモンの香りがする。夏の終わりに蜜を持った小さな白い花をつけ、それはミツバチをひきつけ
る。このことからメリッサ(Melissa、ギリシア語でミツバチ)という名がついた。繁殖力が強く、レモ
ンバーム自体の価格は安いが、採油率が極端に低いため精油の価格は非常に高い。そのためレモングラ
スなどをブレンドして販売されることがある。純正の精油は「メリッサ・トゥルー(真正メリッサ)」
他の精油とブレンドされた精油は「メリッサ・ブレンド」と呼ばれ区別される。

                                                

“メリッサ”とはギリシャ語で“ミツバチ”を意味する。こんな伝説がある。ティタン神族の一人クロ
ノスは、横暴な父ウラヌスを殺して神々の王となった。しかしウラヌスは死の間際、お前もわが子に殺
されるであろう”という予言をする。その言葉に恐れをなしたクロノス。彼は子供が生まれるたびに、
わが子を飲み込んでしまう。しかしある時、それ見かねた母親レアはクロノスに、石を身代わりとして
食べさせる。こうして彼の子供の一人、ゼウスは九死に一生を得たのであった。父親から隠されて育つ
ゼウス。 彼は半身半人のアマルタイアに山羊の乳を、そしてその妹“メリッサ”から蜂蜜をもらって
成長した。 たくましく成長したゼウス。ついにはクロノスに飲み込まれていた兄弟たちを吐き出させ、
力を合わせて打ち倒す。やはり予言は実現したのであった。彼が後のギリシャの神々の主神となるゼウ
スである。

Cerana.jpg 


この時メリッサが蜜を取っていた植物。これが彼女の名前を取ってメリッサと名付けられる。このクロ
ノス(時間の神とは違う)はローマではサトゥルヌスと呼ばれる。ゴヤの作品に有名な「我が子を食う
サトゥルヌス(クロノス)」というものがある。 レモンバームの“バーム”は“バルサム(芳香のあ
る含油樹脂の意)”を縮めたものであり、ヘブライ語の“バルスミン(油のかしら)”の由来。パラケ
ルススはメリッサの心臓や対しての鎮静効果、そして心に対する効果から、“生命のエリキシル(万能
薬)”と呼ばれた。その後、レモンバームはローマ人によりイギリスに移植する。また14世紀ごろには、
フランスのカルメル会修道女達がトニックウォーターに使用。 アロマセラピーで使われる真正のレモ
ンバームは、精油収率が小さく、高価なエッセンシャルオイルだ。

  
レモンバームインフューズドオイルの作り方  

 

【食用メリッサ】

レモンバームは紫蘇(シソ)科だから、食用にはむいているのか、パスタ・メリッサ・ド・アラビアン
などのパスタが普及している(勿論、ハーブティーも飲まれている)。早速、我が家のメニューに入れ
ることにしよう。と言っても彼女に料理してもらうのだが。

   

虫除けにもなるので、キャンプファイヤなどの蝋燭として使えば蚊に刺されないだろう。ただし、オイ
ル(精油)として使用する場合、濃度が高いと問題になるので要注意。                        

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする