極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ドンキホーテとクロミズム革命

2010年11月26日 | 新弥生時代



木綿針 石を貫く ドン・キホーテ 兜を脇に 美酒を飲み干す

【経営なき農政の退場】


国会中継を見ていると「マネジメン
ト」という言葉を思い浮かべた。国
政のチック機能という煩瑣な「管理」
の議論に終始し、本来の国政の「経
営」という議論がいまいち明確でな
い。

例えば、国防という基本政策はさて
おき、農政の基本政策明らかに時代
背景が変わっている。昨日のブログ
でも指摘し通り、半世紀の間、人口
は倍増し、穀物生産は三倍増にもか
かわらず人口当りの農地は半減以下
だ(食肉生産量は倍増)。高度な
際分業、食糧安全保障、国土保全の
3つのバランス
をどうするのかとい
う政策論と農業保護から能動的な農
業転換への経営をどうするのかが
‘わ・か・ら・な・
い’(『地球温
暖下のTPP
』)。


表 この50年間での経済変化指標

  倍率 人口比 注釈
人口

2.1

1.00

倍増

総生産

5.0

2.38

倍増

世界貿易

11.5

5.48

5倍増

穀物総生産

2.8

1.33

微増

穀物総生産(1人当り)

1.3

0.62

半減

農地面積

1.2

0.57

半減

農地面積(1人当り)

0.6

0.29

1/3減

食肉生産量

3.8

1.81

倍増


 


 








【クロミズム革命】
 


光を当てると曲がる樹脂フィルムを
作ることに、理化学研究所と東京大
のチームが成功。光を感知して変形
する化学物質「アゾベンゼン」を使
い、ごくわずかな変形が目に見える
動きになるよう工夫した。光で動く
「人工筋肉」や電子部品、太陽電池
の材料など幅広い応用が可能だ。




分子ペンチ

アゾベンゼンはオレンジ色の染料。
紫外光を当てると分子の構造が変化
し縮み、可視光を当てると元に戻る
性質がある。縮み幅は0.4μmとごく
わずかだ。理研の福島孝典・基幹研
究所チームリーダーらは、アゾベン
ゼン3個をつなげた「毛」を持つブ
ラシ状の部品「ポリマーブラシ」(
直径5万分の1ミリ、長さ1万分の
1ミリ)を作製。これを並べ薄膜に
加工し、光を当てると自ら曲がる新
素材を作ることに成功した。

  アゾベンゼン

ポリマーブラシは、非常に長い側鎖
を持った高分子の一種で、側鎖同士
の体積による影響で、筒状形状をと
る。研究グループは、光応答性分子
群の開発を目的として、光を感じて
構造変化するアゾベンゼン分子(

ロミズム
)を側鎖に高密度に組み込
んだポリマーブラシを設計、1本当
りの平均分子量が約15万のポリマー
ブラシを合成。

このポリマーブラシをフィルム材料
に加工には「キャスト法」では不可
能で、得られたフィルムには分子配
向がなく、光に対する応答能力は見
られなかったが、上下から温度と圧
力をかけて素材をつぶす「ホットプ
レス法」と呼ぶアイロンに似た手法
で作製したフィルム(幅5ミリメート
ル、長さ6 ミリメートル、厚さ10マ
イクロメートル)は、紫外線(波長
360 ナノメートル:10-9m)を当てる
と大きく素早く湾曲し、可視光線(
波長480ナノメートル)を照射すると
元に戻るという興味深い光応答性を
示す。このポリマーブラシフィルム
の内部構造を、大型放射光施設(SP
ring-8の放射光X線(BL45XU))を
用い解析すると、ポリマーブラシ1
本1本が2次元矩形格子を組んで集
積化し、90%以上のポリマーブラシ
がフィルム表面に対して垂直に立っ
て配列していることが分かった。

 福島孝典

この理由は、ホットプレス後のフィ
ルムの剥離用テフロンシートが、配
向メカニズムに重要な役割を果たし
ホットプレス時には、ポリマーブラ
シを2枚の延伸処理したテフロンシ
ートに挟んで130℃まで加熱した後、
115℃で1時間程度置き、室温。この
間にポリマーブラシは、
テフロンシ
ート表面の1次元の炭素骨格の分子
配向情報を捉え、それに従って2次
元矩形格子を組み、規則性のある3
次元集積構造を形成
していることを
発見。

図4 ポリマーブラシが形成する階層構造の模式図


このポリマーブラシの3次元集積構
造は、上下2枚のテフロンシートか
ら別々に誘起されるため、表裏別々
の配向方向を持ったフィルムを作り
出すことができ、この上下テフロン
シートの相対的な向きでフィルムの
光応答性が変化する事実を発見、動
作メカニズムの検討を進めたが、フ
ィルム表裏には、それぞれ別々に伸
張応力が内在しており、そのバラン
スがアゾベンゼン分子の光反応によ
って変化しフィルムの湾曲の大きな
動きは、既知のものとはまったく異
なる新たなメカニズムで動作する。

図3 ポリマーブラシのつくる2次元格子のX線回折パターン

この発明の凄さはここからだ。機能
分子が一方向に完全に並んだフィル
ムは、機能分子にフィルムの表から
裏まで電子を運ばせることが可能と
なり、高効率な有機薄膜太陽電池な
どの開発に非常に有効で(ナノメー
トルの大きさで分子を配向させる技
術は存在したが、
その107倍の1cm、
ましてや、109倍の1mの大きさで分
子を完全に規則的に並べる技術は存
在しなかった
。この分子配向技術に
よる大面積での分子配向制御の実現
は、有機薄膜太陽電池などの有機デ
バイス開発だけでなく、有機材料科
学分野全体に大きな波及効果をもた
らすことにある。また、今回のフィ
ルムが示す光応答機能は、光エネル
ギーを運動エネルギーに変換するた
め、光で収縮・膨張を繰り返す新た
な人工筋肉材料への応用・展開が見
込まれる。

「ネオコン」技術を持ちいて製造す
れば、有機薄膜太陽電池(光電変換)
のコストは格段に安くなる。定期的
な取り替え作業の工夫次第で一気に
半永久的なエネルギー変換技術とし
て世界を革命的に席捲する可能性を
もち、新石器時代では大量のエネル
ギーを浪費する生産方式から脱却で
きる新弥生時代への移行
をも意味し
ている。



開発の現場をドン・キホーテにたと
えコミカルに歌を書いた。デスクワ
ークにしろ、実技作業にしろ、試行
錯誤の連続と忍耐の連続だ。喩えて
みれば、鋼の壁に木綿針で突き抜く
ような作業の繰り返しだ。


 まだまだ夜だ夜だ。
 流れ入る生気と真の温情とは
 すべて受けよう。
 暁が来たら俺達は、
 燃え上る忍辱の鎧を著て、
 光り輝やく街に入ろう。


   アルチュール・ランボー    
       『地獄の季節』   


若きランボーは、この時パリ・コミ
ューンの挫折を経て奴隷商人として
生きる。歌
を詠みつつセルバンテス
とランボが頭のなかで交差していた。
  

 

コメント
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