日銀がマイナス0.1%の金利の導入とは驚いた。マイナス金利の決定は 5対 4の僅差の評決で 決まったとの後報にも驚いた。
29日の後場の日経平均も、このニュース速報に、どっと値を上げ・直後に下げ・また上げるといった、乱高下で応えていた…
29日の3時過ぎ、
・原油安 + 中国&新興国経済の減速 = 世界的な金融不安 → 銀行の貸し出し制限 → お金の周りが悪くなって経済は減速 → デフレ懸念があり、
・今まで三年をかけてデフレ克服、2% の物価上昇を目標に金融政策をとってきたが、世界的なデフレ懸念がこのままだと日本にも押し寄せることとなるので → マイナス金利(も従来の金融緩和の継続とともに)導入することにした
と日銀総裁は説明した。
マイナス金利とは、
・銀行の銀行たる中央銀行(日銀)が市中銀行からの当座預金の金利をマイナスとするもの (実際、今回は、1/3の預金量に-0.1%の金利を採用することになるで、トータル量の金利はほぼ0%の模様)で、 市中銀行の中央銀行に預けているお金を、上流(日銀)から下流(個人、企業、公共団体や自社運用)へと注ぐ効果が期待されるもの。 日銀の金融緩和で市中銀行に行き渡るお金を 日銀へ再び還元させない、市中へ出回るようにする、追い打ち策。
・他国(欧州中央銀行、スイス、スウェーデン、デンマーク)でも行っている金融手法。
マイナス金利の効果とは、
・長期金利の下げで、国債の金利を押し下げ、市中の預金金利を下げることとなるので、 収益の薄い地方銀行や主に国債の購入・金利で営んでいる銀行(ゆうちょ銀行等)は経営が苦しくなる。 銀行経営の悪化は市中への貸し出しにマイナスに働くことにもなる。
・金利減で国債の購入意欲は減少し国債の未消化もあり得る。
・金利減で円は他国通貨に対して価値を下げ、円安となる。 円安は輸入物価を釣り上げる。
・市中金利の下げで、借金をしなくては買えない高価なもの、不動産や耐久消費財などはよく売れるようになり、企業にとっても設備投資など決断しやすくなる。
・銀行預金はタンス預金と変わらなくなり、リスク&高利回り金融商品(株式・社債)へお金が周りはじめる、 ということのよう。
米国での評価は、デフレ克服にはこのような手法も必要だ vs. 経済政策を伴わないと無駄使いに終わる、と評価は分かれているようだが、
超低利でも国債の需要が続く限りですが、半強制的ですが銀行の経営改善が促される点、本格的なアベノミクスの実行を促す点で、マイナス金利の導入は英断だったのではと思います。