函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

人口減少を考える

2014年09月25日 11時16分05秒 | えいこう語る

▼ 戦後の高度経済成長の牽引役となった首都圏。経済も人口も一極集中し、地方に残されたのは過疎問題だ。しかし、半世紀近くもそういわれると「過疎」という言葉も実感が薄くなる。過疎が身についてしまい、当たり前という感じになっている。ふり返ると、一極集中の是正という観点から「地方の時代」が提唱されたのは、首都圏からだ(神奈川県の長洲知事)。情報も首都圏に集まるので、対処も早く出来るが、地方は情報遅れと、その情報分析が弱いようだ。

▼ 極め付けの過疎地域に住んでいて、何を言うといわれるだろうが、危機感のなさが「市町村合併」へと到達したのを、この目で体験したからだ。

▼ さて、合併した当時の函館市。人口は30万人に膨れ上がった。中核都市という、一ランク上の名?がついたが、合併10年に満たない前に、函館市そのものが「過疎地域」に指定されてしまったのだ。指定されると「過疎債」を使用できるが、日本近代史が街のいたるところに息づく、歴史と文化の街「観光都市函館」、そのプライドにちょっぴり影を残したのではないか。

▼ さらに、函館市の人口予測で、2040年には現在の27万人から17万人に減少だという。巷では「限界集落」よりもっと不名誉な「消滅可能性都市」などとも囁かれている。発信源は元総務大臣なので、信憑性は少なくない。なんだか身につまされそうな気分だ。

※「ムクゲノ花ガ咲キマシタ」という、韓国の反日感情の小説がある。花を愛でる心情は、世界共通に違いないが。

▼ 私は11月の函館市町会連合会の会長研修会でのテーマを「2040年問題」としようとしたが、自分の死んだあとのことは考えが及ばないとして、一蹴された。新聞報道から個々には心配しているのだろうが、これが184町会の組織の組織たる所以というところだろう。

▼ 翻って、函館市の行政だ。「過疎債」を使い、ハード面でのまちづくりが可能と、喜んでいるのかもしれない。10年で切れる「合併特例債」も5年延長になった。市の財政は10数年ぶりで改善したと、市長は胸を張る。だが、もらえるというが一部は借金だ。借りやすい制度が適用されたということだ。

▼ 函館市は北海道新幹線到来に向け、大規模な市街地活性化プロジェクトを展開している。希望に水を差すわけではないが、市民の期待度は、現時点でどんな点数をつけているのだろうか。北洋漁業衰退から、これといった「まちづくりの活性化」を、市民は実感していない。建築様式に歴史的価値のある小学校も、耐震化に問題があるとし解体した。東京駅はその学校より以前に建てられているが、耐震化とさらに階数を高くし、見事に都民の、いや国民の誇りとなって輝いている。

▼ 真のまちづくりとは、先人たちの故郷を築いたスピリッツを保持し、官民一体となり、そのプライドを練り上げていくものではないかと思う。北海道新幹線到来に向けての明るい話題も必要だが、一歩立ち止まり「2040年問題」を市民が大いに討論することで「函館の真のプライド」を再認識することが必要ではないかと思う。

▼ 「新幹線問題」「大間原発問題」「2040年問題」は「市民自治基本条例」に則った「市民参加」の最大のチャンスだ。市長や議員や行政が主役ではない。「市民が主役」という、民主主義の基本を確立することで、「函館市民のプライド」が、強固になっていくと思うからだ。

▼ 最後にもう一つ。幌延深地層研究センターが、高レベル放射性廃棄物の処分研究をするために、現在の350メートルから500メートルに深掘りするという。さらに、小さな記事だが、幌延町長選には、研究推進派の不出馬の現町長の政策を踏襲しようと、元町長が出馬するとされたが、保守の町議が立候補するというので、一本化するために元町長は出馬を取り止めたという。なんだかピントンの合わない話だ。

▼ しかし、この記事って以外に見逃せない内容だ。幌延がもっと過疎になれば「背に腹はかえられぬ」だ。「人口減少問題」は、地域のプライドをなくし、国が人格権を奪う政策でもある。今日のブログは区切りが付かず、だらだらと長く書いてしまったが、長く考えているうち、なんだか頭の霧が晴れたような感じがしてきた。函館市の「2040年問題」の意味がやっとわかったような気がする。「大間原発訴訟」で、国は自治体には人格権がないとして「原告不適格」を主張している。それって、いずれ「消滅可能性都市」だからだろうか?!。

▼私が「情報分析」と呼ぶものも、歳とともに鈍くなり「妄想」に近くなってきているようだ。書き終えたら寒気を感じたので庭に目を移すと、こましげ・イタヤ・石楠花の紅葉が目に付いた。今年の秋は山津波のように、裏山を一気に滑り落ちてきたようだ。


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