東京新聞(2016年12月23日)
『発言』(投書欄)
予防接種の場は学校ではない
養護教諭 高嶋幸子氏
9日の本欄で、企業でのインフルエンザ集団予防接種だけでなく、学校でも集団接種を望む声がありました。予防接種は医療行為であり、医療機関で行うべきものです。20年ほど前までは学校で集団接種が行われていましたが、保護者が同席しない状況での与診の不十分さや副反応の問題等が反省され、設備の整った医療機関での「個別接種」が原則となりました。
予防接種には副反応もあり、効果も万全ではなく、アレルギー体質や思想信条等で「受けない主義」の方もいます。特に、インフルエンザの場合は、効果は期待できないという専門家もいます。学校や企業の「集団接種」は、希望しない人へも強制する圧力を生み出しかねません。
人権を守り公平な「教育の場」である学校は、予防接種を行う場でないことをご理解いただきたいと思います。予防接種の長所と短所、専門家にも推進派と慎重派、反対派があることを示し、自ら考え選択できるつける教育こそが、学校の役割と思います。
ワクチンに限らず、「自ら考えを選択できる教育」の必要性を私も強く感じています。
さて、インフルエンザワクチンといえば、以前、
20種類以上の遺伝子型に分類される麻疹ウィルス・インフルエンザワクチンを毎年打って免疫悪化
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/0eade728ef9d117a601b9bbca5d6d063
の末尾に、
(ところで、オランダの比較調査、なぜ、接種、未接種共、健康な児童で検査しなかったのでしょうか。オランダでは、健康な子はインフルエンザワクチンを接種しないとか?)
と書きました。
古いものですが(1995年の記事)、一般財団法人海外法人医療基金の1995年の記事には、
http://www.jomf.or.jp/report/kaigai/16/010.htm
「(9)インフルエンザ influenza
これまで我が国では、毎年、小学校、中学校の児童生徒に予防接種を行ってまいりましたが、今回の改正で中止になりました。
世界的にみると、インフルエンザワクチンは高齢者や、心血管系や呼吸器系などの慢性疾患をもっているハイリスク者への接種が中心になっています。
これからは、我が国も同じ方向になると思います。」
と書かれていました。
ざっと調べてみたところ、オランダも「ハイリスク者への接種が中心」となっているようです。
一方、米国などは、薬局やスーパーマーケットで手軽に打てるようです。
回答の一つ:
「アメリカ西海岸です。
インフルエンザがはやるころになると只で予防接種出来ると思います。会社にお医者さんが来てやったり、ドラッグストアと言う雑貨屋さん系のスーパーマーケットに、予防接種をする、と言う張り紙のようなものが出てきます。
申し込むと、注射をする前に、「効果がない場合もある」とか「毎年何百人だか、何千人だかの人が予防接種の副作用で死亡している」と言ったことの書いてある書類を読んでそれにサインをしてから注射をします。」
米国の承諾書、まるで、ラフティングやバンジージャンプをする前の念書のようです。
これは、万が一、副反応が出た時の予防策でしょうが、「「ワクチンを接種しないと・・」と脅しをかけ、副反応については非常に控えめ」の医者たちのツイッターを1年追ってきた私には、非常に良心的に思えます。