アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

脱原発ジャスミン革命への萌芽

2011年04月11日 23時48分03秒 | 福島の犠牲の上に胡坐をかくな
若者パワー炸裂!高円寺・反原発デモに15000人


 統一地方選挙前半戦の知事選・道府県議選・政令市議選で、石原慎太郎や橋下チルドレン(大阪維新の会)候補が早々と当選を決めました。震災・原発事故を契機に「国難」キャンペーンが垂れ流される中で、カリスマ性のある候補に票が集まりました。
 右翼の石原、新自由主義者の橋下のいずれも、普天間問題や消費税、原発といった基本政策については「古い自民党政治」をそのまま踏襲し、その矛盾を逸らす為に、官僚・公務員・労組といった「より叩き易い相手」への「鬱憤晴らし」「ガス抜き」で大衆を扇動し、恰も自分がそれと闘うヒーローであるかのように演じる中で、票を掠め取って来ました。失業・不景気が広がる中で、本当は資本主義にその原因があるのに、その矛先を逸らす為に、ユダヤ人叩きで政権の座に就いたヒトラーや、郵政解散で権力拡大を図った小泉と全く同じ「劇場政治」の手法で。

 そうやって「宴」を演じた後には、また相も変らぬ「古い自民党政治」が、政党名の看板だけを塗り替えて、また何年も続くのです。
 今まで何度この同じ手を食らわされてきた事か。古くは明治維新がそうでした。封建制度が行き詰まる中で、百姓一揆や打ちこわしが市民革命に発展する事を抑える為に、儒学者・国学者や下級武士といった、それまで幕府と一緒になって封建制度を支えてきた旧勢力の一部が、天皇という旧来の権威を担いで、明治維新という体制内クーデターで幕府に取って代わりました。でも、そうして江戸幕府から明治政府に代わっても、農民や町人は依然として被支配階級のままだった。橋下が決して「革命」を名乗らず、あくまでも「維新」の体裁に固執するのも、彼自身がそれをよく分かっているからです。

 何の事はない、その明治政府の官僚や2.26事件の青年将校のような「新保守」の旧勢力が、戦後も新自由クラブや新進党、細川・村山政権、民主党・みんなの党・田母神一派・地域新党などに形を変えて、ずっとこの日本に居座ってきたのです。
 国民の約半分も、その事には薄々気付いているから、選挙に行かなくなったのです。それに加え、昨今の労働強化や生活悪化で、日曜日も休めない、選挙どころではない人たちが増えたのも一因です。それで、政治に愛想を尽かし、棄権に回った約半数の有権者を除く、投票者の2~5割(全有権者比ではたった1~2割半にしか過ぎない)の票を、旧来の政治家(元自民・民主の現職議員、伊藤良夏のようなブルジョアのボンボン、東国原やワタミのような欲ボケ電波芸者)が、装いだけは新たに、財界がスポンサーを務めるマスコミの力を借りて、まんまと掠め取る事に「一時的に」成功しているのです。
 それを、政治を根本的に変えるのは難しいからと、手っ取り早く「勝ち馬」に乗る事を選んだ「奴隷・社畜」国民や、旧来のやり方に安住する既成サヨクが支えているのです。

 でも国民もまんざらバカではない。彼ら石原や橋下が、幾ら「改革者」や「ヒーロー」を装っても、安保や普天間、消費税・年金、後期高齢者医療制度、格差・派遣労働の問題と同様に、今回の原発事故でも、旧来の自民党・民主党と同じ、米国や財界の「操り人形・広告塔」でしかない事が、白日の下に晒されました。いずれの政治家も原発肯定(被災者・被曝者見殺し)の大合唱で、反原発・脱原発はおろか原発「見直し」さえも口にしないのですから。
 電力会社の息のかかったマスコミからは黙殺されていますが、準備期間も殆ど無かった素人の反原発デモに蓋を開ければ1万5千人も集まったり(上記YouTube動画、レイバーネット記事参照:その大半がデモ初参加の若者だった)、巷ではそれまで見向きもされなかった反・脱原発の著書が軒並み品薄状態を呈するなど、それまでは考えられなかった状態が起こっています。週刊誌の内容も、「週刊ポスト」のように産経新聞・「2ちゃんねる」顔負けの「国難・自粛」キャンペーンを繰り返すメディアだけでなく(彼らの「反権力」ポーズもせいぜい「反民主党」止まりである事に注意)、「週刊現代」「プレイボーイ」や幾つかの写真週刊誌・女性誌などのように、それとは明らかに一線を画した報道に踏み切るメディアも出てきています。

 そういう意味では、「911テロ」直後や「北朝鮮拉致」報道の時期と比べ、時代は少しずつ進歩しているのではないでしょうか。
 チュニジア・エジプトのジャスミン革命も、イスラム原理主義勢力(日本で言えば右翼・ネトウヨ)や体制内野党(日本で言えば共産・社民)とも無関係な一般市民が、若者の焼身自殺を契機に、それまでの奴隷根性を払拭して、独裁政権(日本で言えば自民・民主)打倒に立ち上がり勝利しました。
 既に明治時代に幸徳秋水が喝破したように、「今年も去年と同様、軍拡や資本家の搾取や勝ち組の横暴や賄賂政治はますます酷くなる一方だ。年が明けたからといって何もめでたい事はないじゃないか。でも、それはあくまで社会の表面だけを見ているからであって、その底流では衣食にも事欠く労働者の怒りが益々強まっている。年を経ることに、その怒りは更に強まり、社会変革を求める潮流となって力を増してくるだろう」(1/13日付拙稿「暗潮からのメッセージ」参照)。
 それでもまだ、脱原発に舵を切ったドイツのようには行かない。まだそこまでは行かないが、それでも小泉・ネトウヨ全盛期よりは、少しずつではあっても確実に進歩しているのは事実でしょう。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 転載:チェルノブイリ汚染除... | トップ | 転載:4 ・16緊急シンポ「い... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どうよ、プレさんw ^_^ (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2011-04-12 11:32:54
高円寺デモ参加者の顔ぶれ見ただけでも「原発新党」の可能性って、否定出来ないでしょ?

関西地方と違って、放射能被害の恐怖が今後5年、10年と続きそうな関東圏じゃ、多くの若い無党派が一気に眼を覚ましたようですよ。普段は選挙にさえ行かないオレの姪っ子なんかもあのデモに行ったみたいですw(選挙じゃ、そのまんま入れたらしいからオレは恥じてもいるけどwww)

やっぱ、既成の左翼や緑派じゃダメなんじゃないかなぁ?脱原発運動のことですよ。
既成組織は理論もセンスも古くてあまり進歩ないですからねぇwww

教祖、忌野清志郎(額縁入りの御真影w)で、孫正義党首、小出裕章政策委員長ぐらいの脱原発専門店政党、どうでしょう???
オレは即、入党するんだけどねwwwww
返信する
Re:どうよ、プレさんw ^_^ (プレカリアート)
2011-04-13 07:06:24
>既成組織は理論もセンスも古くてあまり進歩ないですからねぇwww

 それは言えてる。私が共産党を離党した最後のキッカケは、いずみ生協党組織のスターリン主義的体質でもなければ、北朝鮮問題でもない。最後は居住支部の党員だったからね。この際ぶっちゃけて言うが、オジン・オバンばかりで全然魅力がなかったからだ。
 会議に出ても雑談ばかりで、何するでもなし。支部長もオジンで、日朝協会の理事経験者で韓国の教科書の翻訳も手がけたりした一端の知識人なのだが、パソコン音痴でメールも出来ない。要するに感覚がずれているのよ。そんな活動の為に、貴重な休日を半日も割くのが次第に億劫になった。それで、バイトの都合で会議に参加出来なくなった事もあって、次第に足が遠のいた。
 但し、党支部の名誉の為につけ加えておくと、支部は決して何もしなかった訳ではない。地元で保育所民営化に反対して裁判闘争に取り組んだり、最近でもJR高架下集会所の廃止反対活動や、市政アンケートに取り組んだりしている。それなりに活動はしている筈なのだが、勢いが感じられないのよ。
 ただ最近は少し変わってきたようで、今度の市議選でも、私の地区からは、今までの現職のオジンに変わって、元フリーターの若者が出るようになった。彼には出来るだけの協力はしてあげようと思う。

 この地元支部の例でも言える事だが、変に安住してしまって、党活動に全然勢いというか覇気が感じられない。私の若い頃とは全然違う。
 パソコン音痴だから、高円寺の若者による反原発デモや、この前の反「在特会」デモの事も知らないし、知っていたとしても、「赤旗」でちょこっと取り上げるぐらいの事しかしないじゃない。
 党員の高齢化の影響もあるのか、理屈ばかりで、肝心な時には全然動けない。去年の私の職場団交の時も、全労連系の地域労組は全然頼りにならなかった。団交に来たのは委員長のオバちゃんだけだった。こんなので勝てる訳が無い。理屈だけは一人前に「前衛党」ぶっていても、肝心な所で全然「革命政党」としての役割を果たさないのだがら、お話にならない。

 でも、こんな党でも、他の自民・民主・社民や「みんな」・地域政党は、それ以前に内容自体がムチャクチャだから、消去法で共産党を支持せざるを得ない。共産党への評価が「マイナス10」だとすると、他党は「マイナス1000」ぐらいになる。
 世渡り上手なだけで、政治的素養も何も無い、石原・東国原・伊藤良夏のようなパーが、「改革」「分権」と唱えたり「愛国者」ぶったりするだけで、偉そうに暴言吐けるのが信じられない。それを支持するネオコン・ネオリベっぽい奴らも、何か洗脳されているというか、強迫観念に囚われているような感じで、もはや話が通じないのを通り越して、薄気味悪ささえ感じる(この辺の話については、次回のエントリーで身近な話題を取り上げるつもりでいる)。
 そんな政党・政治家や支持者と比べると、共産党の政治家や支持者の方が、まだよっぽどマシ。但し、あくまでも「マイナス1000」と比べての話だが。

 孫正義氏については、私はまだよく知らないので、ここであれこれ言えない。反原発は私も賛成だが、それだけのワンイシューでは物足らない。他の雇用問題なども、私にとっては切実な問題だし。私としては、フランスの反資本主義新党みたいな党が、この日本でも力を持てたら良いと思う。
返信する
ReRe:どうよ、プレさんw ^_^ (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2011-04-13 16:54:52
>全然魅力がなかった

そうね。
正しい(それも「過半は正しい」ぐらい)だけじゃ、ダメなんですよねwww
正しい政策的主張をどうやって漸次実現出来るか、実現してみせるかという、それこそ「正しい」理論や実践が示されないと魅力にはならない。
さらには、「正しい」だけじゃなく「価値」観をも共有出来る政策提示がないとね。

>理屈だけは一人前に「前衛党」ぶっていて

今の共産党員の多くには、「理屈」すら無いんじゃない?あるのは党決定や「赤旗」記事の受け売りをオウム返しすることぐらいでしょ?

>フランスの反資本主義新党

これもこれで問題はあると思うんですよね。
「反資本主義」の内容が一向に見えて来ない。
「反資本主義」と言っても、単なる抽象的お題目で終わっているんじゃない?
どうでしょ?

>ワンイシューでは物足らない

現在の日本や世界の思想状況、政治状況の下では、「贅沢は敵だ!」なんじゃない?www
返信する
そうそう、 (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2011-04-13 18:03:33
>他の雇用問題なども、私にとっては切実な問題だ

昔、レーニンが、革命家ならしっかり握って絶対に離してはいけない「階級闘争の要の環」だか「政治闘争の重要な環」だかがあると言っていましたよね。
社会生活の中には、全ての社会発展、政治闘争を起動出来るような力と重要性を秘めた要の「環」があるのだ、と。

オレね、大震災以来特に感じているんですけどね、現代における脱原発運動はそういう「環」なのではないだろうか?
脱原発運動は、一方で地球温暖化問題も抱えている21世紀には、そういう「環」になり得るんじゃないだろうか?

だって、「脱原発」のような、多くの人間が共有出来る切実、切迫した課題って、多分野への波及効果や連動性の点で大きいものがあると思うんですよね。脱原発という課題には、右派労働運動お得意の単なる物取り経済闘争の目的成果などより、よっぽど全人類的普遍性や波及性があるから。その上、現在の「脱原発」には、冷戦後の反核運動などよりよっぽど深い切実感もあるし。

脱原発社会の追究過程や実現後では、原発依存脱却から波及して労働環境や消費生活も見直させざるを得ないでしょ?化石燃料エネルギーへの依存の方ももう行き止まりになっている現在の人類社会なのですからね。政府や東電の原発不可欠論が脅しでありウソであっても、化石燃料系依存系の発電もまた、この先縮小が求められていますからね。

つまり、多くの人間が本気になって脱原発社会を追求し始めれば、現在の日本の劣悪な労働条件や大量消費社会の愚劣な生活スタイル、さらには、利潤追求運動によってすっかり無内容化されてしまった文化のあり様(たとえば最近の忌野清志郎復活、再フィーバーを見よ!)まで、多くの領域に波及効果や連動が起こる。
脱原発は、非正規雇用の問題とか福祉の問題などより「自己責任」論とか「自助努力」論の欺瞞や無力がいっそう明白になる問題でもありますしね。

そこらへんを「連想ゲーム」よろしく、ちょっと想像して課題の波及性と重要性を再確認してみるのも必要だと思いますよ。代々木系の我々は、脱原発運動の意識や活動実績が弱いからなおさらにね。

どうでしょう?
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

福島の犠牲の上に胡坐をかくな」カテゴリの最新記事