アフガン・イラク・北朝鮮と日本

戦争も人権抑圧もNO!万国のプレカリアート団結せよ!

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 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

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史上最悪の凶暴反動内閣も所詮は「張子の虎」

2006年09月30日 10時05分18秒 | お笑い安倍政権
 鳴り物入りで登場した安倍「SBS」「ネオリベコン」政権ですが、小泉内閣誕生時の様な風は吹きませんでした。それは今回の自民党総裁選の投票結果にも現われています。

・自民党総裁選2006
 http://www.jimin.jp/jimin/jimin/sousai06/sousai/data_01/kekka.html
・同上 都道府県別党員投票結果
 http://www.jimin.jp/jimin/jimin/sousai06/sousai/data_01/pdf/kekka.pdf 

 それによると、自民党員の全国平均投票率が約61%で、そのうちの安倍票がほぼ6割ジャスト。絶対得票率で見ると、自民党員の中でも37%の支持率しか無い事が分ります。

 自民党総裁選は党員割り当て票とほぼ同等の比重の国会議員票の二本立てで行われ、後者の議員票は小選挙区制下の党営選挙(党執行部の独裁)で勝ち馬に乗る傾向が顕著に現われてきていますから、どうころんでも安倍が勝つ事は最初から分っていましたが、それでも66%の支持しか得られなかった所にも、安倍政権の意外な脆さが出ています。実際、マスコミによる鳴り物入りの宣伝にも関わらず、今回は小泉旋風の時の様な風は吹きませんでした。

 そりゃあそうでしょう。昨今の自民党は一昔前と違ってネオコン一色に様変わりしつつあるとは言え、それでも地方農民や中小商工業者が重要な支持基盤である事に変わりが無く、そしてこの層が小泉構造改革の直撃をモロに受けているのですから。東京の所得水準を100とすると青森や沖縄は50行くか行かないかと言う位に都市と地方の格差が広がり、WTO体制下での国内農業切捨てで離農・離村が更に進み、地方都市は軒並みシャッター街と化し、おまけに郵政民営化で郵便局も統廃合され、地方や都市の高齢者には容赦なく医療・年金改悪が襲い掛かる。もう踏んだり蹴ったりなのですから、アホらしくて投票に行く気にもならない。いくらマスコミが安倍人気を煽っても「小泉亜流の、どこぞの苦労知らずのボンボンが、何言ってんねん」という気持ちにしかならないのでは。

 しかもこの政権は「内憂」だけでなく「外患」も抱え、まるで「四面楚歌」の状態にあります。

・米国務長官/歴史問題認めよ/日中関係 安倍政権に注文(しんぶん赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-09-28/2006092801_04_0.html
・「せんべいを食べるBCBG」安倍総裁誕生(ルモンド)
 http://blog.livedoor.jp/sabatasamezo/archives/50731806.html
・安倍氏はまず靖国参拝の自粛を~NYタイムズ、社説で注文(U.S.FrontLine)
 http://www.usfl.com/Daily/News/06/09/0927_020.asp?id=50667
・安倍人気、理由は自民党の衰弱―岩見隆夫氏インタビュー(JANJAN)
 http://www.janjan.jp/government/0609/0609220613/1.php
・【夕刊JanJan】安倍新総裁、海外メディアはどう見た?(同上)
 http://www.janjan.jp/government/0609/0609210538/1.php

 ざっとこれだけ見ても、安倍政権発足当初から、中国・韓国・北朝鮮などの(ウヨクが言う所の)「特定アジア」だけに限らず、アジア・中東・欧米のメディアや政治家から、多数の懸念や憂慮が、この政権に対して表明されています。この前には、米国のハイド下院外交委員長に続いて、とうとうライス国務長官からも靖国参拝に対して物言いがつけられました。こんな事は、小泉政権発足時には見られなかった事です。(これら海外メディア記事をすべて「在外コリアン工作員記者による捏造」で片付けてきたネットウヨクは、ハイドやライスもコリアン系工作員だとか言うのだろうか?w)

 また、マスコミが付けた安倍内閣の愛称にしても、「美しい国へ」内閣とかいうヨイショ呼称以外は全て、大なり小なりマイナスイメージが付きまとうものばかりです。「タカ派」というのはまあそれ自体は当然ではあるが従来からのありきたりな呼称ですが、それ以外にも「論功行賞」「お身内」内閣だとか、米国ブッシュ政権を模倣した擬似大統領制志向の「ホワイトハウス型」内閣だとか。

 安倍内閣登場の裏には当然、テロ勢力との「長い戦争」を唱え(夜郎自大の大国主義を貫き社会的不公正を他国に押付けテロの温床を育てている己のマッチポンプは棚に上げて)共に血を流す「世界の中の日米同盟」を志向する米国政府や日米の軍産複合体、その下でグローバリズムの名目で更なる弱肉強食体制の構築を目論む国際資本の思惑がありますから、確かにその力を侮る事は出来ません。だから今までの「戦後民主主義」の擬制もかなぐり捨てて改憲を第一の政治課題に掲げる「靖国ゾンビの御大」が表に出てきたのですが、その事で逆に、この政権が実際には凡そまともな「改革」とは似ても似つかない、単なる超保守・反動のファシスト政権でしかない事が、今まで何となくイメージだけで小泉改革を支持し騙されてきた(そして客観的に見ればワーキング・プアが主体で、小泉似非改革の最大の犠牲者でもある)「B層」の目にも次第に明らかになっていく可能性も、同時に秘めています。

・安倍政権との対決確認 野党、共闘へ党首会談も(共同通信)
 http://topics.kyodo.co.jp/feature29/archives/2006/09/post_198.html

 安倍「SBS」「ネオリベコン」政権(注)は確かに史上最悪・最強の凶暴な反動内閣ですが、所詮は自民党・世耕弘成の広報戦略とマスコミのイメージ操作に寄りかかるしかない「張子の虎」です。「9条・25条改憲」「教育基本法改悪」「共謀罪法案最上程」と息のつけない闘いが今後目白押しであり、どれもこれも負けられないものですが、「もう後が無い」のは敵も同様です。決して敵の力を侮ってはいけませんが、必要以上に恐れる事も無い。

(注)「SBS」=「勝共・ブッシュ・サッチャー」、「ネオリベコン」=ネオリベ(新自由主義)とネオコン(新保守主義)の結託。いずれも私が勝手に即興で命名した安倍内閣の我流キャッチ。我ながら余り上出来ではないとは思いますが。
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安倍「勝共・ブッシュ・サッチャー」内閣の改憲布陣

2006年09月28日 23時39分10秒 | お笑い安倍政権
(内閣)
総理  安倍 晋三:(若・日)
         靖国・改憲・海外派兵・国家主義教育・新自由主義の信奉者
         元戦犯首相・岸信介の孫(ちなみに佐藤栄作は分家筋に当る)
         統一協会(勝共連合)に祝電
         著書「美しい国へ」もネタは久保木修己の勝共思想
総務(郵政民営化担当)  菅  義偉(よしひで):(若・日・再)
法務  長勢 甚遠(ながせ・じんえん):(若・日)
外務  麻生 太郎:(教・日)
         「外交とはジャイアンに媚びへつらう事」
         敵基地攻撃論者         
財務  尾身 幸次(おみ・こうじ):(日)
文科  伊吹 文明:(日) 年来の教育基本法改悪論者 
厚労  柳沢 伯夫
農水  松岡 利勝:(若・日・再)
経産  甘利 明 :(日)
国交  冬柴 鉄三:(公明党)
         イラク反戦運動を敵視 
         その後明らかになった大量破壊兵器の嘘には沈黙
環境  若林 正俊
官房長官(拉致問題担当)  塩崎 恭久(やすひさ):(若・日・再)
国家公安(防災担当)  溝手 顕正
防衛庁長官  久間 章生(きゅうま・ふみお):
         元国防族 麻生と組んで米軍再編推進
         防衛庁の省昇格を見据えた配置
沖縄北方(イノベーション担当)  高市 早苗:(若・教・再)
         下村・山谷と並ぶバックラッシュの急先鋒 政界版・桜田淳子
         他に男女共同参画などの担当も兼務する安倍勝共内閣の広告塔
経財  大田 弘子:(民間) 竹中平蔵の忠実な後継者
金融  山本 有二
規制改革(行革担当)  佐田 玄一郎:(若)

(内閣官房)
副長官  下村 博文:(若・教・日)
          「歴史教科書も官邸がチェックする」
          安倍ブレーン「思いっきり保守5人組」(下記参照)の一人
同上   鈴木 政二:(若)
同上   的場 順三
法制局長官  宮崎 礼壹 (れいいち)

(首相官邸)
補佐官(国家安全保障)  小池 百合子:(日) 政界渡り鳥 
同上(経済財政)  根本 匠:(若・日)
同上(拉致問題)  中山 恭子
同上(教育再生)  山谷(やまたに) えり子:(教・再)
          バックラッシュの急先鋒
          大学入試センター試験問題介入事件のA級戦犯 
同上(広報)  世耕 弘成(ひろしげ):小泉政治支えた「B層」産みの親

(自民党)
政調会長  中川 昭一:(若・教・日) 安倍と並ぶNHK番組介入のA級戦犯


<系列団体・人脈>
(若):日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会(発足当時のメンバー)
(教):教育基本法改正促進委員会(役員メンバー)
(日):2005年衆院選で右翼団体「日本会議」の支援を受けたメンバー
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-09-28/2006092801_02_0.html
 http://www.linkclub.or.jp/~teppei-y/tawara%20HP/2003.12.3/1.html#Anchor197500
(再):再チャレンジ支援議員連盟
 衆参両院議員による派閥横断的な安倍私設応援団だが、「小泉改革ではしゃいでいた連中が、今後は安倍というバスに乗り遅れるなと騒いでいるだけ」というのが実態。
 http://doughnuts.blog5.fc2.com/blog-entry-962.html  
「思いっきり保守5人組」:下村博文、伊藤哲夫・日本政策研究センター所長、西岡力・東京基督教大教授(救う会・副会長)、島田洋一・福井県立大教授(同)、八木秀次・高崎経済大教授(つくる会・元会長、日本教育再生機構・代表)、中西輝政・京大教授(日本教育再生機構・設立発起人)の5名。
 http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060909/mng_____tokuho__000.shtml

 上記リストを見ても分るように、安倍内閣というのは、かつての中曽根内閣以上に反動的な、「中曽根と小泉の最悪の部分を掛け合わせた内閣」ともいうべき代物です。ネオリベ(新自由主義)とネオコン(新保守主義)の結託によって、いよいよ「靖国ゾンビの総元締め」が前面に出てきて、本格的な戦争(海外派兵)・差別(サッチャーリズムに基づく弱肉強食)社会づくりに乗り出してきた。

 人気取り政策の「再チャレンジ」にしても眉唾で、今までの経済無策を誤魔化す為に、サッチャーリズムに基づく精神主義をそのまま経済分野に持ち込んできただけの代物。自らの経済政策が生み出した格差社会を、「負け犬に甘んじるのは再チャレンジ精神が足りないからだ」と、個人の心構えの問題にすり替えているだけ。
 階級間格差の拡大を容認したまま形だけの「機会の平等」で取り繕う手法は、一片の解放令だけで「部落解放事足れり」とした明治政府の発想や、抜け穴だらけの男女雇用機会均等法でお茶を濁して男女平等・共同参画社会を詐称する現政府の発想とまるで同じ。

 http://www.kantei.go.jp/jp/abedaijin/060926/index.html
 http://www.k3.dion.ne.jp/~a-246ra/keizukingendai7.htm
 http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-170.html
 http://kodansha.cplaza.ne.jp/wgendai/article/060921/top_01_01.html
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「日の丸・君が代」強制反対:人の道に反しているのは一体どちらか?

2006年09月27日 10時07分02秒 | 反ヘイト・ネオナチ
・国旗国歌:小泉首相が違憲判決に疑問(毎日新聞)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060922k0000m010106000c.html
・国旗国歌:臨時校長会で従来通りの指導求める 都教育庁(同上)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060923k0000m040096000c.html

 前号エントリーでアップした「日の丸・君が代強制反対予防訴訟」東京地裁勝訴判決について、小泉首相や石原・東京都知事が、早速難癖を付けてきています。小泉曰く「国旗や国歌に敬意を表すというのは法律以前の人の道」とか、石原曰く「「日の丸・君が代」強制で校内の乱れた規律を立て直す」云々とか言う趣旨の物言いで。
 彼らにとっては今回の原告勝訴判決は正に「青天の霹靂」だったそうで、それが、あの様な敵意を露にした恫喝的な物言いとなって現われたのでしょう。その小泉の「法律以前の人の道」趣旨発言ですが、その言葉はそっくり己に跳ね返ってくる言葉です。

 まず、その東京地裁の判決文から「日の丸・君が代」強制の違憲性を述べた箇所を、長文になりますが、ここに引用します。

「我が国において、日の丸、君が代は、明治時代以降、第二次世界大戦終了までの間、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたことがあることは否定し難い歴史的事実であり、国歌・国旗法により、日の丸、君が代が国旗、国歌と確定された現代においても、なお国民の間で宗教的、政治的にみて日の丸、君が代が価値中立的なものと認められるまでには至っていない状況にある事が認められる。このため、国民の間では、公立学校の入学式、卒業式において、国旗掲揚、国歌斉唱をすることに反対する者も少なからずおり、このような世界観、主義、主張を持つ者の思想・良心の自由も、他者の権利を侵害するなど公共の福祉に反しない限り、憲法上、保護に値する権利というべきである。したがって、教職員に対し、一律に、入学式、卒業式の式典において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し、国歌を斉唱すること、ピアノ伴奏の義務を課すことは、思想・良心の自由に対する制約になるものと解するのが相当である。」
 http://www003.upp.so-net.ne.jp/eduosk/yobou.pdf

 正に上記判決文の言う通りです。「法律以前の人の道」と言うが、そもそも「日の丸・君が代」が、真に「日本を代表する、国家の象徴」として、「民衆の総意」たるに相応しいものなのか、と言えば、「必ずしもそうだとは言えない」と言うのが実情なのです。それを、大衆的な議論も今まで一切経ずに、国歌国旗法とか言う一片の法律だけで以って決めてしまい、それを「法律以前の人の道」という物言いで誤魔化しているのが、小泉劇場に共通のあのワンフレーズなのです。

 確かに、「日の丸・君が代」の元になるものは、日本古来からありました。
 「日の丸」は「日本」の国名を象徴するものとして、古くは源平の合戦で使われた扇や戦国武将の旗印、江戸時代には薩摩藩の船印として登場しています。面白いのは明治維新(戊辰戦争)で、幕府軍の旗印として用いられていた事。対する新政府軍の旗印は菊花旗で、賊軍の方の旗印が、その後に明治政府の商船規則によって正式に国旗として採用された格好になっています。
 「君が代」の歌詞は、元々は古今和歌集の中の、本来は家族の長寿を祈って謳った和歌の一節から取ったものの様です。そこでは「君」というのは天皇ではなく「あなた」の意味に使われていました。それが明治時代になって、その和歌の一節にドイツ人音楽家が作った曲をつけたのが、国歌としての始まりです。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%AB%A0%E6%97%97
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%9B%E3%81%8C%E4%BB%A3

 要するに、「日の丸・君が代」のいずれも、当時の貴族の歌や武士の旗印の一部として使われていたものであって、当時の農民・町人などの庶民の生活とは全然無縁のものであった、という事です。

 そして、そうして作られた「日の丸・君が代」が、明治以降、特に日清・日露戦争以降に、日本の帝国主義的膨張政策の下で、「進め日の丸、鉄兜」という形で国史や修身の教科書に度々登場する様になり、侵略戦争に国民を精神的に動員していく素地となりました。
 http://www.juen.ac.jp/shakai/kawanisi/research/hinomaru.html

 だから第二次大戦後は、日本国憲法が施行される中で、特に「君が代」についてはその天皇制賛美の歌詞が主権在民の憲法とは相容れないという事で、「君が代」に代わる新国民歌の募集も行われましたが、やがて再軍備・改憲を目指す逆コース化の風潮の中で、折角のその試みも中途半端な形で終わってしまいました。
 http://wwwsoc.nii.ac.jp/gsle/90.nukigaki/nukigaki.namai.html

 「日の丸・君が代」が常に政治問題になるのは、その国旗・国歌の内容や歴史的背景、今までの使われ方に問題があるからです。そういう意味ではキューバの国旗・国歌とは正に好対照を成しています。彼の国の国旗・国歌はいずれも19世紀のスペインからの独立戦争の中で作られたものですが、その後の米国の軍事介入によって独立過程が歪められた後も、国旗・国歌そのものはキューバ国民の独立に対する想いを体現したものとして、1959年のカストロ革命以降も変更されずに使われています。今の日本の「日の丸・君が代」に、このような歴史的正当性があるのかと問われれば、少なくとも私は否と答えざるを得ません。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%90%E3%81%AE%E5%9B%BD%E6%97%97
 
 この点で改憲派・靖国派のおかしな所は、日本国憲法についてはやれ「押付け」だの「国民の手でもう一度憲法を作り直すのだ」と言っておきながら、こと「日の丸・君が代」については、それが「現在の主権在民・平和憲法下の国旗・国歌として相応しいものか否か」という根本的な議論を今まで避け続けてきた事です。マトモに議論する事も無く、「法律以前の人の道」とか言って議論する事自体を封殺しにかかり、現場の教師を大量処分してまで自分たちの結論だけを一方的に押付けてくる点です。
 この動きについては、8月15日に、加藤紘一氏の小泉靖国参拝批判発言口封じを狙って、同氏の実家に放火し割腹自殺を図った右翼や、今月9日に田中真紀子氏宛てに架けられた「おまえの口を金属バットで殴って叩きつぶしてやるぞ。自民党の批判をするのをやめろ!殺してやるぞ」という内容の脅迫電話にも合い通じるものがあります。

 「日の丸・君が代」については、「掲揚・斉唱の強要」も、その反対の、下記HPや旧掲示板の下記過去ログでも言及されている「不起立・不斉唱の強要」も、どちらもあってはならない、という事です。そして、「主権在民・平和憲法下の国旗・国歌としては、どのような形のものが相応しいか」という事まで含めて、きちんと議論すべきというのが、私の意見です。

・日の丸君が代について思うこと
 http://www.fsinet.or.jp/~kaze/Edu/peace/hinomaru.htm 

・狐の正体見たり枯れ尾花"(旧アフガン板、2006年8月3日付拙稿)
・「内心の自由」 (同上、2006年8月4日付まことさん投稿)
 http://afghan2004.hp.infoseek.co.jp/kakolog124.htm
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祝! 「日の丸・君が代」強制違憲・9.21東京地裁判決

2006年09月23日 09時21分57秒 | 反ヘイト・ネオナチ
 9月21日に東京地裁で、石原都政による常軌を逸した「日の丸・君が代」強制恫喝を指弾した違憲判決が出ました。今後の闘いを展望する上での重要な一歩です。これも現行の教育基本法(特に国家の教育介入を排した第10条の規定)が未だ曲がりなりにも機能しているからです。まずは第一報として、国歌斉唱義務不存在確認等と損害賠償を求めた訴訟(いわゆる「予防訴訟」)原告団・弁護団の声明を転載しておきます。

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「予防訴訟」原告団・弁護団・「すすめる会」声明

 本日、東京地方裁判所民事第36部(難波裁判長)は、都立高校の教職員らが原告となって、東京都と都教育委員会(都教委)を被告として、国歌斉唱義務不存在確認等と損害賠償を求めた訴訟(いわゆる「予防訴訟」)について、原告らの訴えを全面的に認め、10.23通達を違法とし、①原告らに卒業式等における国歌斉唱の際に、起立・斉唱・伴奏の義務がないことを確認し、②起立・斉唱・ピアノ伴奏をしないことを理由にいかなる処分もしてはならないとし、③10.23通達によって原告らが被った精神的損害に対する慰謝料の支払いを命ずる、極めて画期的な判決を言い渡した。

 本件は、都教委が2003年10月23日付けで、卒業式、入学式等の学校行事において、教職員に対し、「国歌に向かって起立し、国歌を斉唱する」ことを命じ、それに違反した場合は、懲戒処分を科すとした全国的に見ても異常ともいえる「国旗・国歌」を事実上強制する通達(「10.23通達」)を出したことに起因する。 原告ら教職員は、教育現場での「国旗・国歌」の一律の強制は、教職員一人一人の思想・良心の自由をも侵害することになるとの思いから提訴に至ったのである。

 判決は、義務不存在確認請求、処分差止請求に訴えの利益が認められることを前提に、10.23通達の内容が、過去の歴史的事実から、国民の間にさまざまな見解が存する「日の丸・君が代」を教職員に対して一律に職務命令や懲戒処分等の手段をもって強制するものであって、憲法19条の保障する思想・良心の自由を侵害するものであると明確に判示した。

 また、都教委による10.23通達とその後の校長らに対する指導名目の締め付けが、卒業式や入学式について、各学校の現場における創造的かつ弾力的な教育の余地を残さないものであることなどを理由に、教育基本法10条1項で禁止される「不当な支配」にあたるとした。さらに、判決は、都教委の「不当な支配」の下で裁量の余地なく出された校長の職務命令は、教職員の思想・良心の自由を侵害する「重大かつ明白な瑕疵」があり、違法なものであることを認めた。

 今回の判決は、憲法で保障された思想・良心の自由の重要性を正面からうたいあげたもので、わが国の憲法訴訟上、画期的なものである。

 また、判決は、今まさに改悪の危機にさらされている現行教育基本法の趣旨を正しくとらえ、行政権力による教育への不当・不要な介入を厳に戒めたものであり、教育基本法改悪の流れにも強く歯止めをかけるものといえる。

 都教委は、判決に従い、違法な10.23通達を直ちに撤回し、教育現場での「日の丸・君が代」の強制をやめるとともに、生徒や教職員の自主性、教育の自由を侵害するような教育政策を直ちに改めなければならない。

 この判決を機会に、われわれの訴えに対し、国民の皆様のご支援をぜひともいただきたく、広く呼びかける次第である。


                                  2006年(平成18年)9月21日

                   国歌斉唱義務不存在確認等請求訴訟原告団・弁護団
                   「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会

 http://www003.upp.so-net.ne.jp/eduosk/yobou-seimei.htm


(関連記事)

・[AML 9485] <国旗国歌>学校強制に違憲判決教職員401人が全面勝訴!
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2006-September/009085.html
・[AML 9487] 【都教委News65】《特集》国旗国歌の強制は違憲-「予防訴訟」勝訴!
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2006-September/009087.html
・【解説】『愛国心』教育に一石(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060922/mng_____sya_____009.shtml
・【社説】国旗国歌判決 「強制は違憲」明確に断 (中国新聞)
 http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200609220108.html
 「国旗国歌法が施行されて七年になる。国旗、国歌の意味や指導の在り方を
議論することが置き去りにされ、管理だけ進むようでは本来の教育現場ではない。
判決はそうした指摘も含んでいる。」(当該記事より)
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タイ政変と南部イスラム問題

2006年09月23日 09時05分21秒 | その他の国際問題
・タイ・クーデター 陸軍司令官が暫定首相に 現政権は崩壊(毎日新聞)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060920-00000015-maip-int
・国軍がクーデター、タクシン政権崩壊(NNA)
 http://nna.asia.ne.jp.edgesuite.net/free/tokuhou/060919_bkk/06/0920au.html
・<タイ・クーデター>平穏なバンコク 観光客が記念写真も(毎日新聞)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060920-00000034-mai-int

 この19日に発生したタイの政変。正に「寝耳に水」の感の、同国では15年ぶりのクーデターですが、タクシン政権側の抵抗も殆ど無く、ほぼ無血クーデターの形で権力を掌握した模様です。
 クーデター勢力「民主改革評議会」側の発表によれば、今回の政変はあくまでも、前政権のタクシン首相の独断専行と汚職腐敗に端を発する政争にピリオドを打つ為のものであり、今後2週間以内に新首相に権力を委譲した上で、来年10月までの総選挙実施を経て政権を文民に返還する―としています。

 この政変のキッカケとなったタクシン政権の統治ですが、2001年に誕生して以降これまで、一村一品運動などの地方振興策や農民への低利融資、中小企業対策の拡充などで地方農民や都市低所得者層からは強く支持されてきた一方で、同国南部のイスラム教徒に対する弾圧やマスコミ統制強化などの強硬策については批判もありました。
 そして、今年1月に表面化した親族経営企業シン・コーポレーションの巨額株売却益脱税疑惑を契機に政局が紛糾。市民団体・野党側の汚職解明・退陣要求を無視して一方的な禊ぎ総選挙を強行し、主要野党がボイコットする中で与党が圧勝するも、憲法裁判所の裁定で総選挙のやり直しを迫られていました。

 このタクシン政権とクーデター勢力との間の確執については、私は未だ良く分らない部分があるので、この件に関してはコメントを差し控えます。
 ただ一つ私が関心を抱き注目しているのは、今回のクーデターを主導したソンティ陸軍司令官が史上初のイスラム教徒出身者であり、南部イスラム問題ではタクシン首相の強硬策には批判的であったという事です。

 タイでは今までもクーデターが繰り返され、しかもその大半は単なる反共クーデターでした。特に60年代から70年代に至る時期はベトナム戦争に介入して米軍に軍事基地を提供する中で、軍事政権による政治弾圧や人権侵害が繰り返され、民衆の反対運動で軍事政権が打倒され文民政権が一時復活してもまた軍部の巻き返しによって軍事政権が誕生する、それが90年代までのタイの近現代史でした。その中でタイ王制はというと、民主化勢力と軍部の両方から崇拝されながら、ある時は民衆の側に立ち、またある時は軍事政権にもお墨付きを与えるという、相互の力の均衡に依拠しながら、基本はあくまでも反共と王制擁護の国是に沿う形で存続してきました。
 それが90年代に入って以降は軍事クーデターも発生せず、曲がりなりにも議会制民主主義が機能していたので、今回のクーデターについては正に「寝耳に水」でした。ただ今回の場合は、それまでのクーデターとは若干その性格を異にする部分があります。

 人口6千万人余で仏教徒が大半を占めるタイ王国で、約230万人(人口比約4%)の少数派イスラム教徒が、主に同国南部のパッタニー・ヤラー・ナラティワート3県周辺に集中して居住しています。当該地域にはかつてはパタニ王国というイスラム教王国が存在して、タイのスコタイ・アユタヤ両王朝に服属していました。現在でもこの地域ではタイからの分離独立を求める「パタニ統一解放機構」「パタニ独立統一戦線」などのゲリラ組織が活動しており、タイ中央政府との間でテロと弾圧の応酬が繰り返されてきました。最近も、鉄道駅や銀行支店を狙った連続爆破テロがあったり、タイ政府の取締りの過程でイスラム教徒が警察車両に無理やり押し込められて数十人が窒息死する事件がありました。またこの南部イスラム問題については、隣国のイスラム教国マレーシアとの外交問題にまで発展していました。

・タイ南部のマレー系イスラム教徒に忍び寄る恐怖(JANJAN)
 http://www.janjan.jp/world/0510/0510033290/1.php
・深南部 (タイ)(Wikipedia)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B1%E5%8D%97%E9%83%A8%E4%B8%89%E7%9C%8C

 今回のタイのクーデターについては、欧米やASEAN諸国を中心にして「非民主的な暴挙」と非難する声がある一方で、当のタイ国民の声はというと、「概ね支持に傾きつつも批判の声も根強い」といった所でしょうか。
 その中で、早速軍事政権側がゲリラ組織との対話を表明し、ゲリラ側もそれに応じる構えを見せたとの動きもあるようです。若し今回の事態がタイ中央政府とパタニ・ゲリラとの間の和平成立の一契機となるならば、米国ブッシュ政権の単独行動主義・覇権主義的な「反テロ戦争」戦略とは全く異なる解決の道が世界に指し示される事になります。タイの政変については、この南部イスラム問題との関連から、今後の動きに注目していきたいと思っています。
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祝! 沖縄県知事選革新統一候補に糸数慶子氏擁立!

2006年09月20日 00時40分04秒 | 反改憲・戦争協力
 まずは取りあえず第一報として、AMLから転載。地元には「沖縄市長選を制したものはその年の知事選を制する」というジンクスがあるそうですが、この通りになるかどうか。

※尚、このエントリーについては、今後も情報が入り次第、適宜追記・編集を加えていく予定でいます(その場合はタイトル変更も在り得ますのでご注意の程を)。

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村岡到:沖縄県知事選・糸数さん擁立がほぼ確定

 琉球新報によれば、沖縄の野党6党での糸数慶子さん擁立がほぼ確定した。
 共産党県委が15日に「野党5党の共闘、団結を大事にして知事選を戦う。単独で推すことはせず、分裂選挙は避ける」との方針を確認したからである。
 社民は17日の執行委員会で糸数氏擁立を打ち出す見通し。同日午後の社民、社大、民主の3党代表者会議で3党が糸数氏擁立で一致するのは確実な情勢だ。
 共産は、3党から要請を受けた場合、早急に常任幹事会を開いて対応を決める。

 一騎打ちとなれば、勝機はある。勝てば、米軍再編に大打撃である。安倍新政権への痛打ともなる。候補擁立についてのこれまでの経過はいずれ検証するとして、今は、残る2ヶ月を全力で、糸数勝利に向けて支援しなくてはならない。

どうなる沖縄県知事選挙――基地をなくす平和共同候補を!
9月22日(金)午後6時開場 6時30分開会
文京区民センター(後楽園駅)

講 演 二木啓孝(日刊ゲンダイ編集長)
安倍新政権と沖縄県知事選挙

 ☆ 統一候補が決定したら、「沖縄県知事選挙の勝利をめざす東京集会」と名
称を変更します。

主催:沖縄との連帯・平和共同をめざす会
  呼びかけ人 大久保雅充 河内謙策 木瀬慶子 熊谷伸一郎 平山基生 村岡到
 集会の賛同人
石井孝夫 母系社会研究会
江原栄昭 新社会党東京都本部委員長
太田光征 「平和への結集めざす」市民の風
岡田家治 沖縄県民と連帯する府中の会
小野塚正好 いちゃりばちょーでー三茶の会
児玉勇二 弁護士
近 正美 高校教員
早乙女勝元 作 家
佐藤和之 各専労協
大地 実 平和と人権研究会
津波古勝子 平和遺族会
手塚 陽 基地のない平和な沖縄をめざす会
中山武敏 コスタリカに学ぶ会共同代表
南雲和夫 法政大学講師
二田水弘平 全野党と市民の共闘会議代表
福田 実 東京都北区区議会議員
外間喜明 沖縄など日本から米軍基地をなくす草の根運動
丸山南里 全野党と市民の共闘会議・名護市
武藤 功 「葦牙」編集長
山田敏行 東京都新宿区区議会議員 

以上。

http://list.jca.apc.org/public/aml/2006-September/008958.html
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非同盟諸国会議は「反米サミット」?

2006年09月19日 23時50分09秒 | その他の国際問題
 9月15日からキューバの首都ハバナで開催されていた第14回非同盟諸国首脳会議が閉幕しました。会議では、米国の単独行動主義・覇権主義やイスラエルのレバノン侵攻を批判し、キューバ制裁解除やイランの平和的利用の権利擁護を求めた宣言・文書が、それぞれ採択されました。

・カストロ議長出席せず ハバナで非同盟首脳会議(共同通信)
 http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20060915/20060915a3170.html?C=S
・非同盟会議、「反米」基調打ち出す 声明採択し閉幕(朝日新聞)
 http://news.goo.ne.jp/news/asahi/kokusai/20060917/K2006091701980.html?C=S
・イランの核開発権利を確認 非同盟諸国首脳会議が閉幕(東奥日報)
 http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20060917010004061.asp

 上記は、その非同盟諸国会議を取り上げた日本の新聞記事からピックアップしたものです。いずれも、ホスト国キューバのカストロ議長の動向に注目したもの以外は全て、「反米」基調の一点だけを強調したものになっています。これは、ごく一部の例外を除き、此処で紹介しなかったものも含め、私が目を通した全ての記事に大なり小なり言える傾向でした。私はこれを見て、今更ながら、日本のメディアの御用偏向ぶりに唖然とさせられました。

・非同盟ウォッチ
 http://park5.wakwak.com/~asia/nam/nam-j.htm
・非同盟主義
 http://www.tabiken.com/history/doc/P/P137R100.HTM
・非同盟運動(NAM)公式サイト(英語)
 http://www.nam.gov.za/
・非同盟運動関連文献
 http://park5.wakwak.com/~asia/nam/nam_ref1.htm

 非同盟諸国会議というのは、上記の参考資料でも明らかなように、第二次大戦後に独立を勝ち取ったアジア・アフリカ・ラテンアメリカの第三世界諸国の首脳が集まって、大国主導だったそれまでの世界を、より民主的で公平なものに変えていこうと要求している、そういう国々の集まりです。今回の首脳会議で新たに二国が加わり、現在では118ヵ国と1機構(パレスチナ解放機構)から構成される、そういう国家群です。アジアでこれに加盟していないのは、米国と軍事同盟を結んでいる為に非同盟の加入要件を満たしていない日本と韓国だけです。

 非同盟諸国は、バンドン会議(1955年に開催された最初のアジア・アフリカ諸国会議)参加諸国を中心に、1961年に正式に結成されたグループです。
 それらの国々は、戦後50年代の東西冷戦期には、各国の独立・平等・平和共存や軍事ブロックの解消を唱え、反帝・反植民地主義を掲げて未独立地域の民族解放運動を支援しました。そして、各国の政治的独立達成が一段落した60年代後半以降は、経済的独立・経済主権の確立から、公平で民主的な新国際経済秩序の確立に向けての歩みを続けてきました。そして今や、名目上の政治的独立のみに止まらず経済的独立を求めて、南北問題に象徴されるような、大国や多国籍資本によるモノカルチャー・不等価交換貿易によってもたらされた環境破壊や多重債務や生活悪化の押付け・搾取・抑圧からの脱却を求めている、それがこれらの国々なのです。

 勿論、これら非同盟諸国もその内実はピンからキリまで色々あります。国家形態に限ってみても、社会主義を標榜する国(これ一つとってもマルクス主義志向から民族名・自国名を冠したオリジナル「社会主義」まで色々)やその他の普通の共和国からサウジアラビアの様な専制君主国まで多種多様であり、「反米」国家から親西側諸国まで包含しており、その中には軍事独裁を敷いている国々も少なくありません。

 一例を挙げれば、エジプトやオブザーバー加盟のメキシコなどは、いずれも核廃絶・平和運動に多大な貢献を為している有力な非同盟諸国ですが、外交面での進歩性とは裏腹に、国内では非常事態体制を数十年に渡って継続して反政府派の集会・デモを徹底して弾圧したり、米国とFTA協定を結んで国内を農業多国籍資本の草刈場にしたりなど、進歩的とはとても言えないような政治を行っている、そういう一面も確かにあります。

 「国際的に見れば弱者だが、国内においては国家権力として民衆に対峙している事には変わりない」という二重性格を有する非同盟諸国の姿勢を、当該国内においてもより民衆の側に立ったものにするのは、偏に当該国の民衆運動の発展如何に掛かっているのです。

 しかし、「だから非同盟は所詮は絵に描いた餅だ」と言う事にはならないのであって、寧ろそういうピンからキリまである多種多様な国々であるにも関わらず、「大国主導だったそれまでの世界を、より民主的で公平なものに変えていく」という一点では一致している、そういう国々が既に国連加盟国の大多数を占めている、という事が重要なのです。

 そういう下で、SEATO(東南アジア条約機構)やアンザス条約、WATO(ワルシャワ条約機構)などの、かつての米ソ超大国主導の軍事同盟は既に消滅し、ASEAN(東南アジア諸国連合)などの経済主導・共存志向の共同体がそれに取って代わり、NATO(北大西洋条約機構)も今やその性格を米国主導から欧州を中心としたものに大きく変え始めているのです。そんな中で、日本の様に、ひたすら日米軍事同盟にのみ固執して、非同盟、多国間主義、大国も小国もない公平で民主的な国際秩序構築の動きからは徹底的に背を向けている、そういう歪な国の方が、寧ろ今では世界の少数派なのです。

 それが何ですか。言うに事欠いて「反米」? もう「それしか言う事無いのか」という感じ。かつてアフリカ諸国の独立やベトナム戦争、沖縄の祖国復帰運動を取り上げた時の、民族解放や民族自決権擁護の主張に、表向きだけでも連帯・共感を寄せていた、かつての報道姿勢と比べても考えられない位の後退・堕落ぶりです。

 確かに、米国に歯向かうキューバ・ベネズエラ、「悪の枢軸」の北朝鮮、同じく「悪の枢軸」でホロコースト否定発言を繰り返す大統領を戴くイランと、そういう面だけで捉えれば、一面的・断片的な情報操作で悪意を以ってすればいくらでもワイドショー・ネタに貶められるそうな役者も揃っています。しかしこれらの諸国にしても、確かに個別に見れば色々あるものの、少なくとも「大国も小国もない公平で民主的な世界」を希求している、という点では大なり小なり一致しているのです。

 そういう立場からすれば、イラク戦争に見られるような米国の一国覇権主義・単独行動主義に異を唱えるのは至極当然ですし、超大国の核独占やイスラエルの核保有には何ら言及せずに中小国の核平和利用の権利にばかり横槍を入れる横暴にイランが反発するのも、これもある意味では当然です。今回の非同盟会議に際して前ホスト国マレーシアの首相がいみじくも語っていましたが、「我々は別に反米でも何でもない、ただ不公正や不平等に反対しているだけなのだ」という事です。

 「反米」だとか何だとかを強調する前に、もっと強調し報道しなければならない事が幾らでもあるでしょう。例えば、先のレバノン戦争でのイスラエルの蛮行を告発したレバノン代表の発言とか。

 多分、日本の大手商業マスコミは、ブッシュの「悪の枢軸」「対テロ戦争」論に毒された立場から、「親米でなければ全て反米」の論理で前述の記事を書いたのでしょうが、これって、かつての「親ソ・親中でなければ全て反共」の裏返しではないのでしょうか。かつての上辺だけのソ連・中国・北朝鮮礼賛が、そっくりそのまま米国礼賛に摩り替わっただけで、大国や特定の国になびき「長いものに巻かれろ」という、根本にある事大主義・植民地主義の構造はちっとも変わっていないのでは。

 麻生外相が「弱いものが虐められないようにするには、喧嘩の強い相手に追従して守ってもらうしか無いのだ、それが日本の外交だ」みたいな事を自分のHPに書いていますが、「これって根本的に間違っているのでは」と私は思いますね。この思考なども事大主義の典型例です。
 一番大事な事は「喧嘩の強い相手に追従して守ってもらう」事なんかではなく、そんな卑屈な真似をしなくても良いように、公平・平等で民主的な関係を一歩一歩作っていく中で、弱者・強者とか支配・被支配とかいう関係を止揚して、それぞれの多様性が尊重され共存されるような世界を作っていく事が一番肝心な事ではないでしょうか。そしてこれは、軍事力などではなく道義に基づいた外交力に依拠して、初めて可能になる事です。
 http://www.aso-taro.jp/lecture/kama/2006_2.html
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貸金業規制問題でも明らかになった国際資本・ネオリベ・ネオコンの結託

2006年09月13日 10時00分02秒 | 反貧困・新自由主義
 昨年から今年にかけて、過払い金返還訴訟でグレーゾーン金利を無効とする最高裁判決や、かねてから過剰融資や過酷な取立てを行っていたサラ金大手のアイフルに対する全店業務停止命令が出されるなどの動きを受けて、貸金業規制法改正にむけての動きが次第に本格化していました。

 サラ金・クレジットなどのノンバンク系の貸金業は今まで、罰則規定のない利息制限法(年15~20%)と違反には刑事罰が課される出資法(年29.2%)の二つの上限金利の間の「グレーゾーン金利」で貸出業務を行っていました。この「グレーゾーン金利」というのは、貸金業規制法43条の「みなし弁済」規定によって任意に支払われた利息として、本来はあくまで例外的に認められてきたものですが、それが今までは業界に都合よく拡大解釈されて運用されてきたのです。

 この様な世の中の動きの背景には、其処に至るまでの数多くのサラ金・ヤミ金被害や、クレサラ対策協議会・クレサラ被害者連絡協議会などの債務者・弁護士団体による高金利撤廃運動の歴史がありました。それがやがて、ヤミ金規制法や、「高金利が当たり前となる社会を作ってはならない」という与謝野金融相の国会答弁を引き出し、多重債務防止、金利二重基準の解消、利息制限法の上限金利への一本化の方向で、法改正の議論が進められていました。

・グレーゾーン金利問題 上限見直し論議加速(読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20060405mh08.htm

 しかし、その後の業界団体の巻き返しによって、実際に金融庁が自民党金融調査会に提出した貸金業規制法改正案は、かなり業者寄りに歪められたものになりました。下記が、その改正案の内容です。

(1) 貸金業の上限金利を利息制限法の年15~20%に引下げ(施行3年後)。
(2) 貸金額によっては逆に現行金利より引き上げになる。利息制限法の現在の金利区分は、借金額の元本が10万円未満で年20%、100万円未満で同18%、100万円以上で同15%。これに対し、金融庁案は「物価上昇分を考慮」して、区分額の10万円を50万円に、100万円を500万円に引き上げる。
(3) 少額・短期の高金利特例(年28%)は、元本50万円または30万円を限度に2~3社で借入れ可能。
(4) 特例は金利引下げから最大5年間で見直し。

・灰色金利、過払いは「任意」を明記 貸金業法改正案(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/business/update/0904/041.html

 この問題に対する業界側の言い分というのは、その立場に立った主張も少し読みましたが、「無理な金利引下げ強行は業者側の融資自粛を招く」「融資を断られた客はヤミ金に流れる」「貸金業者の倒産を招き不況に拍車を掛ける」「規制緩和の流れに水を差し経済成長を鈍化させる」「金利は市場での自然な競争原理に委ねるべきだ」などの、いずれも私から見たら牽強付会としか思えないものばかりです。

 然りながら、消費者金融市場では、自由競争によって「良貨が悪貨を駆逐する」という意味での需給バランスは、そもそも最初から成り立たないのです。こういう需給バランスは、需要側(利用者)と供給側(業者)のフィフティー・フィフティーな対等関係を前提とした完全市場であって初めて成り立つのです。
 ところが消費者金融の顧客というのは、「消費者金融白書」「貸金業白書」などの統計からも明らかな様に、年収200~400万円台の、中小・零細企業サラリーマンや自営業者、パート・アルバイトなどの、一定の収入はあるが低所得に止まっているワーキング・プア層に偏在しているのです。それ以上の、銀行が金を貸す高額所得者層は、そもそも最初から消費者金融などは利用しないのです。

 年収200~400万円台、月収換算にすれば10~30万円台でボーナスの恩恵に浴する事も殆どない層にとっては、毎月の収入だけでは家計を遣り繰りするのは難しく、どうしても恒常的に赤字が出ます。そんな貯蓄もない層の日常生活費のアカの穴埋めに銀行が融資する訳がなく、どうしてもサラ金に手を出さざるを得ないというのが現状です。
 そして、そのサラ金の借金と言うのが、業界が宣伝するような「ご利用は計画的に」すればいつかは完済できるような代物では決して無いのです。

 成る程、年利29.2%と言っても、10万円借りても翌月にきっちり返済できれば、利息はたったの2920円です。本当に短期・少額で借りるだけなら確かに大した利息ではない。しかし、毎月の収入は決まっており、常に日常生活費にアカが出るような状態の中で、借金が最初の一月だけ、10万円だけで、いつまでも済む筈がない。運良くたまたま翌月に返済できたとしても、直ぐに又借りなければならない破目に陥ります。
 そうすれば後は、利息はあくまで複利で計算されますので、借金が10万円づつ増えるたびに利息も雪たるま式に膨らんでいきます。利息だけしか返せず、返しては借りるを繰り返していると、2、3年で借金は倍に膨らみます。そして一定額を超えると、年20数%の高利では、月に数万円の支払でも全て利息だけにしか充当されず元金は一向に減らないという事態に陥り、あとは自転車操業で他社からの借金で返済しなければならなくなります。

 問題は、そういう債務者の自転車操業を当然の前提として、それで貸出極度額なり貸出枠なりを決定して顧客に融資しているという、業界そのものの体質にあります。消費者金融業者が査定する債務者の「返済能力」というのは、債務者が普通の生計を維持した上での「其れ」を言うのではありません。債務者がいよいよ行き詰まり、親戚や知人から借金したり保証人を立てさせられたり土地や財産を手放さなくなる、そういう借金や土地の売却価格も含めての「返済能力」なのです。商工ローンや街金の融資に至っては、最初から保証人の資産収奪が目当てです。
 それで債務者が自殺しようが自己破産しようが、業者にとっては「後は野となれ山となれ」です。年2~3%の調達金利で銀行から資金を調達してそれを年20数%の高利で貸付けるのですから、多少の貸倒れがあっても数多く貸した方が勝ちなのです。

 これは何もヤミ金や街金、中小のサラ金に限った事ではなく、一部上場の大手サラ金も含めた業界全体の体質なのです。「融資を断られた客はヤミ金に流れる」という業界大手やその他の登録業者の言い分からして、その大半は眉唾です。武富士の盗聴事件やアイフルの暴力的取立てを見ても分るように、業界大手もヤミ金も「高金利・過剰貸付・過酷な取立て」の三悪については大同小異なのです。行政のお墨付きの登録業者にしてからが、4万円余の登録料さえ払えれば誰でもなる事が出来るのです。実際、都(1)××××の東京都知事認可の登録業者のかなりの部分が、その実態はヤミ金だと言われています。

・新自由主義の高金利正当化論を切る(鳥畑与一)
 http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kasikin/siryou/20060727/18-23.pdf#search='%E3%82%B5%E3%83%A9%E9%87%91%20%E8%A6%8F%E5%88%B6%E7%B7%A9%E5%92%8C%20%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%B3%E9%87%91%E5%88%A9'

 この様に、貸金業規制法改正を骨抜きにする業者側の言い分というのが、いずれも底の割れた粗雑な後付の「理論」でしか無い訳ですが、では何故こんな粗雑な「理論」を持ち出してきてまで、改正骨抜きを図ろうとしているかと言えば、そこにはやはり、日米国際資本の結託が垣間見えてくるのです。

・上限金利引き下げに反対 米業界団体が金融相に書簡(U.S. FrontLine)
 http://www.usfl.com/Daily/News/06/08/0824_004.asp?id=50162
・アメリカの経済介入はどう進められてきたか(大門実紀史のHP)
 http://www.daimon-mikishi.jp/ronbun/data/roudou0602.htm
・貸金業制度懇談会に提出されたACCJ(在日米国商工会議所)資料
 http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kasikin/siryou/20060727/18-16.pdf

 また、ともすれば突出した事例であるが故に、サラ金などのノンバンクだけがいつも真っ先に槍玉に挙げられますが、お堅いイメージの銀行からしてからが、「野となれ山となれ」という意味ではノンバンクとも大同小異である事についても言及しておく必要があります。消費者業界自体が内包する構造的矛盾もなんのその、彼の業界を単に新規の融資開拓先としか見ずに、サラ金とも業務提携してモビットやアットローン、キャッシュワンなどの無担保融資に乗り出してきて、サラ金の与信・回収ノウハウとシェアの獲得だけに汲々としているメガバンクの姿勢が、それを如実に現しています。そしてそのメガバンクを後押しして、サラ金を傘下に収めようと虎視眈々と日本進出の機会を狙っているのが、レイクを買収したGEコンシューマー・ファイナンスなどの米国資本なのです。
 何の事はない、そこにも郵政民営化や医療改悪などにも見られるのと全く同様の、日米国際資本による「下流喰い」の現実があるのです。「国際競争力の強化」や「経済活性化」などの美名の下で、「儲かりすれば良い」「後は野となれ山となれ」「騙されるのは騙された方が悪い」「自己責任」とばかりに、ワーキング・プアを喰いモノにしようと襲い掛かってくるグローバル資本の実態があります。

 そして、そのグローバル資本を露骨に擁護するネオリベ(新自由主義)・イデオローグだけでなく、そのグローバル資本の「拝金・投機思想」「利潤偏重」「横暴」を批判してみせ、「国家の品格」「日本古来の伝統」とやらをそれらに対置してみせるネオコン(新保守主義)・イデオローグについても、「下流喰い」の階級的本質については前者と全く同じである事も、同時に見ておかなければならないでしょう。
 今回の自民党総裁選でも明らかな様に、よりネオリベ色の強い谷垣にしてもネオコンの安倍・麻生にしても、同じ小泉新自由主義の一卵性双生児でしかないのですから。実際彼らも、消費税10%や医療改悪、自己責任論や受益者負担論の吹聴によって、社会的生存権として勝ち取られてきた社会保障制度を19世紀的な救貧制度にまで後退させようとしている、という意味では、ブッシュ・小泉や米日国際資本と全く同じ立場に立っています。

 ネオコンのネオリベ批判というのも結局は、「下流喰い」の搾取・不公正・不平等そのものを批判しているのではなく、「下流喰い」による社会不安の増大や、封建的家族観、企業・国家至上主義などの保守的価値観の掘り崩しが広がるのを、単に危惧しているだけなのです。それでも現実の政治闘争において新自由主義に対抗していく為には、草の根保守の良心的な部分とも、あくまで統一戦線の観点から、ネオコン中枢とは区別した上で手を組まなければならない場面も確かにありますが、彼らの「ネオリベ批判」の本質と限界についてはきちんと認識しておく必要があるでしょう。

・主張:「安倍教育改革」 国家主義強化と同時に格差を拡大(社会新報)
 http://www5.sdp.or.jp/central/shinpou/syuchou/syutyou0906.html
・安倍氏推進の自民政策機関/セミナーに公益企業(しんぶん赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-09-03/2006090301_02_0.html
・あべんつう 安倍+電通の造語(笑)(らんきーブログ)
 http://rankeyblog.blog68.fc2.com/blog-entry-228.html

 北朝鮮・中国・戦後民主主義からの自立は説いても米国年次改革要望書の内容(今回の金利規制撤廃要求もこの延長線上にある)やイラク戦争については容認し、新自由主義の鬼っ子でしか無いホリエモンを恰も憲法や教育基本法にその原因があるようにこじつけて、グローバル資本主義、新自由主義による階級格差の矛盾から目をそらせるのが、彼らネオコン・イデオローグの本質なのです。

 この様に、一見すれば純粋な経済問題の個別のイシューでしかない、それでいて実は自分たちの生活の帰趨を決する問題でもある貸金業や金利規制の問題も、その裏には国際資本や現代政治の動向が色濃く陰を落しているのです。


(追記:参考記事)

・貸金業規制法「高金利2年、年利25・5%」で決着(読売新聞)

>自民党は15日、貸金業制度に関する合同会議を開き、グレーゾーン(灰色)金利の廃止や規制強化を内容とする貸金業規制法の改正案をまとめた。<
>焦点となっていた少額・短期の融資に限って認める特例高金利は「適用期間2年、利率25・5%」とすることで決着した。この結果、特例措置の適用期間を含めて高金利が残る期間は、原案より約4年短い、2011年までの5年となった。<
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060915-00000013-yom-bus_all
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覚書:今後上映予定の北朝鮮関連の映画など

2006年09月11日 08時55分12秒 | 映画・文化批評

 先日、映画「蟻の兵隊」を見に行った時に目にしたりして知ったのですが、これから数ヶ月の間に、下記の北朝鮮関連の映画が次々にアップされる様です。それらの北朝鮮関連の映画に関して、とりあえずブログにも覚書の形でメモしておきます。尚、これらはあくまで「今後見てみたい」と思った映画に関するメモであって、「必ず次に見てブログにアップする」かどうかは分りません。念のため。

 ●「ディア・ピョンヤン」

(解説・作品紹介/抜粋など)
大阪で生まれ育った映像作家ヤン・ヨンヒが、自身の家族を10年間にわたって追い続けたドキュメンタリー。
愛しい人たちが暮らすその地には、どうしても受け入れられないシステムがある。30数年前、朝鮮総聯の幹部である父は、日本で生まれ育った3人の兄たちを、彼らが見たこともない「祖国」に送った。
下町人情あふれる大阪の路上で、金日成賛歌が流れる万景峰号の中で、兄の家族が生活するピョンヤンのアパートで、真っ正面から父にカメラは向けられる…。

(公式サイト)http://www.film.cheon.jp/
(大阪での公開予定)http://www.nanagei.com/movie/schedule.html

●「ヒョンスンの放課後」

(解説・作品紹介/抜粋など)
あなたの知らない国に、あなたの知っている家族がいます。
ヒョンスンは平壌に住む、体操の得意な女の子。マスゲームへの出演は3度目。でも前回選ばれたからといって又選ばれるとは限らない。練習はきびしく、どんなに寒い冬でも毎日最低、2時間は行う。最初はつらくてさぼってしまったこともあった。それが先生に見つかって…。
子供らしいあどけない姿。歌い、はしゃぐ声。おじいさんとおばあさんの笑顔。家族で過ごす祝日。停電のなかの夕食。カメラに映し出されたのは、初めて見るけど、どこか懐かしい日常だった…。

(詳細)http://www.asiancrossing.jp/movie/2006/0410/m7.html
(大阪での公開予定)東京では既に公開中。大阪では十三の第七劇場で11月以降に公開予定との事(詳細未定)。

●「送還日記」

(解説・作品紹介/抜粋など)
キム・ドンウォン監督が12年をかけて追い続けた、「北のスパイ」と呼ばれた人間味あふれる老人たちのドラマ。
30年以上ものあいだ囚われ、歴史に翻弄された老人たち。家族や兄弟たちとも会うことが出来ず、釈放後も韓国社会の中で、孤高で複雑なその人間性を守り通してきた人たち。キム・ドンウォン監督は、カメラで寄り添いながら、彼らの純真な心から、涙で磨かれた宝物を受けとっていく。12年間の長期取材は、老人たちの北朝鮮への送還で中断する。生きている間には二度と会えないだろう老人たちは、ビデオレターで、キム監督を息子のように感じていたと告白する。キム監督は再会をあきらめ、ほんとうの父親のような彼らの姿を胸に、映画の編集を始めるのだった……。

(公式サイト)http://www.cine.co.jp/soukan/index.html
(大阪での公開予定)旧掲示板でも話題に上ったこの映画ですが、実は今年に入ってから上記の第七劇場で公開されていたのですが、見そびれてしまいました。京都ではコカンホさんたちの「医療ゲリラ」が中心になって、11月12日に蹴上の国際交流会館で自主上映されます。「上映を成功させる為にご協力をお願いします。映画のチラシ、ポスターなどを預かっていただけると助かります」との事です。

●「拉致」

(解説・作品紹介/抜粋など)
「狭山の黒い雨」などの社会派映画を手がけてきた須藤久監督による、それまでの映画とはまた異色な、北朝鮮による日本人拉致をテーマとする劇場用映画。
この映画の目的は、拉致された同胞を如何に救出するかということである。さらに重要な目的は、この「民族の受難」をどうしても明らかにしたくない「闇の権力」が我が日本に隠然として存在していることを描ききることである。そして最後に、さらに決定的に重要な目的は、「人間とは何か」を問うことである。拉致された日本人がいることを我々は知っている。知っていながら、我々は行動することがイヤなので、“対話で”“対話で”と叫ぶクセがある。これは、もはや「政治」などではない、「人間」の問題である。

(公式サイト)http://kouzanji.s220.xrea.com/
(大阪での公開予定)未定。現在、上記HPで実行委員会を立ち上げて製作準備中との事なので、実際の上映は大分先になるのでは。


 それと最後に。これは映画ではありませんが、興味を引いた情報なので。
 「日本発の脱北者ブログ」という事で、「ぱく・よんの<北朝鮮とニッポンと>」というブログの内容が、APNで取り上げられています。それ以上の詳細については私もよく知らないのですが、とりあえず参考までに。
 http://apn.on.arena.ne.jp/0201/0208/

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映画「蟻の兵隊」でも暴き出された「軍の論理」

2006年09月10日 00時11分13秒 | 映画・文化批評
 この前の定休日に、「蟻の兵隊」という映画を見てきました。この映画については、旧掲示板でも話題に上っていた事もあって、私も一度は見たいと思っていましたので。

 この「蟻の兵隊」は、日本軍山西省残留問題を追ったドキュメンタリー映画です。中国山西省に駐留していた旧日本軍の一部が、当該部隊の軍司令官と現地軍閥との裏取引によって、終戦後も武装解除されずに国民党軍に組み入れられ、引き続き国共内戦に従軍されられた問題を取り上げたものです。

 当時山西省を支配していた国民党系の軍閥が、来るべき国共内戦に備えて、現地に駐屯していた日本軍司令官に、「売軍」の話を持ち掛けたのが、この話のそもそもの発端です。軍司令官は自分の保身の為に、ポツダム宣言違反も承知の上で、軍の一部に残留命令を出しました。残留兵には「身分は国民党軍に変わっても、大日本帝国を再興するつもりで、あくまで皇軍として戦うのだ」と説きながら、軍閥の手配した飛行機で己だけはいち早く日本に逃げ帰ったのでした。

 残留兵はその後も国民党の軍隊として内戦を戦わされ、戦場では「天皇陛下万歳」と言って死んでいった兵士もいました。そして捕虜となり抑留され、何年もかかってやっと日本に帰れたのでした。しかし帰ってきても中共帰りと後ろ指をさされ続けた挙句、日本政府からは「自分の判断で勝手に居残った」とされて戦後補償の対象外とされ、軍籍すら抹消されてしまっていたのです。

 この問題を巡っては、早くも昭和20年代には国会で取り上げられていたのですが、政府はそこでも「勝手に居残った」と言い張る軍司令官たちの言い分だけを聞き、「軍命令で残留させられた」と主張する現地将兵の証言は悉く黙殺したのです。
 その後は長らくこの問題は世間から忘れ去られていたのですが、90年代に入ってから、元残留兵の人たちの手で国家補償を要求する裁判が起こされ、今もその裁判が闘われているのです。

 映画は、この北支派遣軍の中隊所属の兵長だった元残留兵の一人の行動を追ったドキュメンタリー作品です。

 彼は、未だ当時の弾痕が体内に残っている高齢の身を押して、山西省現地に何度も足を運び、軍の命令で残留させられた証拠を探し出そうとします。その過程で、抗日戦争や国共内戦で殺された遺族や当時の共産党軍の兵士などにも遭う中で、自分は国・軍に騙された被害者でありながら、一方では被侵略国の戦後内戦にも加担した加害者である事も、改めて思い知らされます。

 とりわけ圧巻なのは、内戦で自分たちが殺した相手というのが、実は自分たちの部隊が戦争中に守っていた炭鉱の警備隊員たちで、共産軍の攻撃を前に敵前逃亡した人たちだった、という事を知った場面です。「こいつらはひょっとして、共産党軍に内通していたのか」という意識がもたげてきて、相手への質問も次第に詰問調になっていきます。国に騙されて、軍高官の保身の犠牲にされながらも尚、帝国軍人としての意識から逃れられずに、「敵に内通した相手なら殺されて当然」という「軍の論理」に一瞬陥ってしまうのです。民衆の論理に立つならば、自分の身を守る為には逃げて当然であるにも関わらず(自衛反撃が積極的な抵抗であるとするならば、逃亡や脱走も消極的な抵抗の一形態である。詳しくは中山治著「誇りを持って戦争から逃げろ」ちくま新書を参照の事)。

 長所も弱点も併せ持った生身の人間から、人間らしい感情を全てそぎ落として(寛容とか慈悲と言ったものは特に)、人間を一種の復仇殺人マシーンに変えてしまう―それが、「軍の論理」です。

 一兵卒はこの様にして「軍の論理」に絡め取られて殺人マシーンに仕立て上げられ、一個の部品・消耗品として死傷させられ、幸運にも無事に母国に帰還できたとしても戦争後遺症に苦しめられる一方で、命令する側の軍の高官・将校たちはというと、あくまで自分の保身や権力闘争に汲々とし、場合によっては敵とも裏取引する。そしていざとなったら、インパール作戦の時の様に、消耗品は戦場に置き去りにしたまま自分だけさっさと安全地帯に逃げ帰る事も出来るのです。
 それによって引き起こされたのが、シベリア抑留や中国日本人孤児、満蒙開拓団、「ビルマの竪琴」などの悲劇だったのです。

 これは、視野狭窄で排外主義的な復仇感情に根ざした「軍の論理」や、それによって引き起こされる「報復の連鎖」に絡み取られる事の恐ろしさが垣間見える、そういう映画でもありました。

(参考資料)

・映画「蟻の兵隊」公式サイト
 http://www.arinoheitai.com/index.html
・中国山西残留の日本兵問題(ゴジラズ・ワイフ)
 http://www1.odn.ne.jp/~aal99510/daiicigun_mokuji.htm
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