アフガン・イラク・北朝鮮と日本

戦争も人権抑圧もNO!万国のプレカリアート団結せよ!

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保存版:ネオリベ・ネットウヨク新知事の「熱血」偽装集

2008年01月29日 10時25分38秒 | 反ハシズム・弱い者虐め
(転載開始)
●「橋下とおる」の虚像(選挙公報掲載の公約より)

トライ!「おおさか」の笑顔へ。
大阪を明るく元気にしたい!
大阪に人や会社が集まってくるために、
大阪を選んでもらうために、
大阪といえば○○!!という「特徴」が必要です。
府民が明るく元気になること、
人に投資をすることをテーマに、
企業の誘致をめざし、
大阪の活性化をはかります。
私が知事になれば、大阪府内を駆けめぐり、
各自治体の長と調整を行い、府庁が
「府民を笑顔にする事業への投資会社」として
機能することをめざします。

大阪府の投資会社化 人に、まちに、未来に投資します
『おおさか』を笑顔にするプラン
~人と笑顔に投資する大阪府をめざして~

4つのトライ(目標と挑戦)
トライ1 子どもが笑う、大人も笑う大阪に
トライ2 人が集い、交わるにぎわいの大阪に
トライ3 中小企業が活き活きし、商いの栄える大阪に
トライ4 府民に見える府庁で、府民のために働く職員と、主役の府民が育てる大阪に

17の重点事業
1 「(仮称)出産・子育てアドバイザー制度」を創設します。
2 小児科・産科の救急受け入れを促進します。
3 妊婦一般健康診査の受診回数を拡大します。
4 乳幼児医療費助成を拡充します。
5 不妊治療費補助を拡充します。
6 駅前・駅中に保育設備の整備を促進します。
7 子どものいる若い夫婦への家賃補助制度を創設します。
8 障がい者や高齢者への公共公益活動を支援します。
9 大阪府内の公立小学校などの運動場を芝生化します。
10 大阪府内の全公立中学校に給食の導入を促進します。
11 安全な地域づくりをめざして防犯カメラの設置を支援します。
12 大阪府内で冬季イルミネーション・イベントを実施します。
13 「石畳と淡い街灯」の街をつくります。
14 中小企業活性化のため大規模コンベンションを開催します。
15 大阪の活力アップのため知事による積極的なセールスを展開します。
16 セーフティネットを除き大阪府が出資する法人を抜本的に改革します。
17 府立施設や府の事業で必要性のないものは民営化・売却を促進します。


●「橋下とおる」の実像
(「明るい会」政策宣伝委員会1月4日作成の各候補比較ビラより抜粋)

<人物・基本姿勢>
・商工ローン(アイフル関連会社)の元顧問弁護士。裁判でも会社を弁護。
・山口県光事件弁護団にテレビで懲戒請求を呼びかけたことに対して、「弁護士の品位を失うべき非行」として、大阪弁護士会へ懲戒請求で訴えられている。
・大企業の要望を取り入れられる大阪に(マニフェスト)、「経済界の要望を把握してお金をかける」(読売12/30)と財界奉仕を宣言。
・「日本も核兵器を持つべき」と主張(テレビ朝日スーパーモーニング)
・「日本の一番情けないところは単独で戦争ができないところ」(読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」)
・「(中国への集団買春は)中国へのODAみたいなもの」(TBSサンデージャポン)

<太田府政の評価>
・「政策的には満点に近く、問題はない」(読売12/30)

<こども>
・駅前・駅中に民間の認証保育施設(※)を設置
(※認可保育所より低い基準で民間企業等が運営する保育所。設置が進む東京都では劣悪な施設、保育内容で、都議会でも問題になっている。)

<青年>
・ニート対策として「拘留の上、労役を科す」「税金を払わないヤツは生きる資格がない」(読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」)

<お年寄り・くらし>
・出馬記者会見で「高齢者の予算は削る」と発言(12/12)。
 その後批判を受けて、マニフェストに「福祉ボランティア団体等への補助制度」を加える。

<教育>
・(学力テストの)平均値が全国45位でも、大阪府に突出した子が何人かいれば十分。(関西経済同友会への回答)
・「勝ち組、負け組は忍耐力や生きる力の問題。教科を勉強して身につくものではない」(朝日12/28)
・「英数国理社は二の次。やりたいことをやればいい」(朝日12/28)
・「府立高校の学区制を完全撤廃」(朝日12/29)(関西経済同友会への回答)
・中学校に給食の導入を促進。(民間事業者の活用などで)

<経済・中小企業>
・行政に産業振興の立案をできるような能力は基本的にはない。
・財界が必要とする社会的資本や制度などを丹念に情報収集し、そこに集中投資する。(関西経済同友会への回答)

<財政再建・行政改革>
・出資法人は一旦すべて見直し、民営化可能な法人は民営化します。(マニフェスト)
・住民への直接サービスは市町村にどんどん権限を委譲します。(マニフェスト)
・行政サイドには「民間のような経営能力はない」ことを前提に、自ら経営することがムダと判断される事業は民営化・売却をめざします。府立施設・府事業の民営化・売却の推進。(マニフェスト)
・市場化テストを徹底する。(関西経済同友会への回答)
・「府庁の職員から大反発があると聞いていますが、いまは大阪府庁を解体する意気込みでいかないといけない」(日刊スポーツ)

<知事給与・退職金>
・知事退職金は50%の引き下げを行います。(マニフェスト)※約2000万円の削減(にしかならない)

<同和行政>
※マニフェストには同和行政の不正・ムダに対する方針はなし。

<女性の人権>
・出資法人の民営化で、「大阪府男女共同参画推進財団」も対象に。(マニフェスト)
・ドーンセンターを民営化・売却する府施設の対象に。(マニフェスト)

<環境>
・「抽象的な目標を掲げることはいくらでもできるが、現在の大阪の状況に鑑みれば、まずは、環境問題は市町村レベルで対応してもらい、市町村間の調整が必要な問題、市町村だけでは対応できない問題等に府が関与するというほかない」(関西経済同友会への回答)←コメント注:黒田府政とは天と地ほどの差!!
※マニフェストには環境対策なし。

<防災>
・「高齢者の避難行動を地域で確保する事後策に予算を使う」「予防は建物の耐震強化しかない」(毎日12/29)
※マニフェストには防災対策なし。

<道州制>
・現在、府は全く無用の存在。税を無駄遣いしているだけ。(関西経済同友会への回答)
・道州制をめざした投資会社大阪府庁に。(マニフェスト)

<市町村合併>
・場合によっては、合併に際しての特別補助をつける。(関西経済同友会への回答)
(転載終了)

 まあ、こんな知事でも、成ってしまったものは仕方が無い。後は府民が如何に、橋下新知事の上記の言行と実際の行動をチェックしていくかにかかっています。
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橋下は圧勝ではなく敵失に助けられただけ

2008年01月28日 23時14分35秒 | 反ハシズム・弱い者虐め
 今回の大阪府知事選挙は、やはり下馬評通り橋下徹氏が当選しました。しかし、まさか20時の投票締め切り後僅か4分で最初の当確のニュースが流れるとは、思ってもみませんでした。余りにも当確が出るタイミングが早すぎるので、一瞬出来レースを疑ったぐらいです。何でも、投票所での出口調査の結果によって、既に早い段階から橋下に当確が出ていたとの事です。

 それを受けて、マスコミでは「お笑い票が橋下当選を押し上げた」みたいな報道が為されていますが(例:28日付毎日新聞)、私は「これは少し違うのではないか」という気がします。何故ならば、今回の橋下氏の得票は、確かに民主党推薦候補の熊谷氏の得票をダブルスコアに近い形で上回っていますが、この前の参院選比例区の大阪府下での与党合計票と比べれば、僅か21万票余り上回っているだけだからです。そして何よりも、前回知事選よりも投票率が上回ったとは言え、それでも5割以上の有権者が棄権に回っているからです。

 それとは対照的なのが、民主党などが推薦した熊谷候補の得票です。こちらの方は、政党が全面に出て戦ったにも関わらず、参院選比例区の得票から68万票余りも減らしています。事実、民主党支持層の約4分の1が橋下氏に流れました。それに対して橋下氏の方は、勝つには勝ちましたが、自陣営の票を固めて一定の上乗せがされた程度に終わっています。これは圧勝ではなく「普通の勝ち方」にしか過ぎません。熊谷陣営が全然票を固める事が出来ずにボロ負けしたから、圧勝したように見えるだけなのです。

 そして、投票率こそ前回知事選比で8.46ポイント上昇したものの、それでも有権者の半数以上が今回も棄権に回りました。この棄権層の中には、ミーハーだけでなく、「劇場政治批判票」もかなり含まれている様に思えます。実際、自分の身の回りにもいるこれらの人たちの中には、「橋下って何か軽いし、おちゃらけた感じで、余り府政の事など考えていないのでは?」という人も結構いましたから。実はこれらの人たちは、橋下の胡散臭さも、熊谷の公約が財界寄りで、自民党・関西財界が実は橋下と熊谷の両方に二股を掛けていた事も、理屈ではなく庶民の皮膚感覚で感じとっていたのではないでしょうか。だから橋下にも入れずに棄権に回ったのです。(以上、下記参考資料参照)

 では何故これらの棄権層が動かず、熊谷氏や梅田氏に投票しなかったのか。それは両氏とも「旧来型の政治家」のイメージを払拭出来なかったからに他なりません。
 熊谷氏について言えば、以前の記事にも書いた通り、基本的には関西財界の本命候補にしか過ぎません。自民・公明も本音では熊谷氏を推したかったのでしょうが、ここで安直に民主党に相乗りして不戦敗に終わったのでは、与党の権威は更に地に落ち、到底次の総選挙は戦えない。だから知名度に勝る橋下氏を引っ張り出してきたのでしょう。
 共産党推薦の梅田氏について言えば、確かに有力3候補の中では一番公約がしっかりしています。後の2候補みたいに客寄せパンダみたいな公約で誤魔化すのではなく、大型開発や同和予算の問題もきちんと指摘しています。だから私も支持したのですが、しかし如何せん、無党派からすれば、やっぱり従来型の党人候補でしかないのです。「真面目さは認める、だけど勝てないでしょ」で終わり。

 橋下は確かに何か胡散臭い。でも熊谷も自民党と似たり寄ったりで、梅田も良い事言っていても所詮は共産党、どちらも従来型の政治家でしかない。それならば、未知数で確かに胡散臭いけれど、若くて何かやってくれそうな橋下に一縷の望みを託そうか。確かにバックについているのは自民党だが、彼なら是々非々を貫いてくれるだろう・・・無党派の人が抱く今回の選挙のイメージは、大方こんな所ではないでしょうか。それを与党は上手く利用したのです。長年政権についているだけあって、狡猾さにおいては野党の比ではありません。
 だから、今回は民主党・共産党の戦術負けです。橋下はその敵失に助けられて逃げ切ったに過ぎません。橋下への風も確かに少しは吹きましたが、決して無党派が押し上げた訳ではありません。野党が今までの殻を打ち破りさえすれば、決して勝てない相手ではないのです。

 民主党は自民党の物真似など止めて、もっと野党色・革新色・対決色を鮮明にする事です。自党の政権獲得だけに汲々として自民党との裏取引に走るのではなく、自民党の悪政に対する国民の怒りにもっと本気で向き合う事が、この党には求められています。若し本気で向き合っていたならば、今回の様な「告示間際になってやっと即席候補を立てる」愚は犯さなかった筈です。
 共産党は「真面目さ」だけに安住するのではなく、もっと良い意味で「ずる賢く」なる事。この党はよく「与党の横暴にしてやられた」という批判をしますが、そんなに与党が横暴なのが分かっていて、何故十年一日の如く「真面目一辺倒」の選挙戦術に固執しているのかが、全然分からない。相手がネオナチみたいなタレント候補を擁立してきたら、こちらも反自民・反ネオナチ・反格差社会のタレント(有名人)候補を擁立すれば良いじゃないか。それで眠っている無党派層・棄権層を立ち上がらせてこそ、本当の多数者革命であり革新統一戦線ではないのか。

 まあ橋下は所詮タレント弁護士で、それが周回遅れの小泉チルドレンとして当選してきただけです。どう見ても大阪府政に一見識ある人物には見えないし、石原慎太郎ほど詐術に長けているようにも見えません。政治家としては小物の部類に属する。案外近いうちに、下ネタか差別発言で馬脚を現して、最後は安倍と同じ末路を辿るんじゃあないですか。それを私は密かに期待しているのですが。

(参考資料)

●今回(2008年1月27日投票)    参院比例区票との対比
                    
 無所属 橋下 とおる 1,832,857    +214,185 
 無所属 熊谷 さだとし 999,082    -686,418
 無所属 梅田 章二   518,563    + 41,905  
 無所属 高橋 正明   22,154
 無所属 杉浦 清一   20,161  
       合計     3,392,817   -446,469    
       開票率(%) 100.00
       投票率(%) 48.95

●参院比例区・大阪府計(2007年7月29日投票、按分票切捨て)

 自民党    885,294
 公明党    721,848
 維新政党・新風11,530  橋下系計  1,618,672
 民主党   1,312,016
 社民党    156,149
 新党日本   134,531
 国民新党    82,804  熊谷系計  1,685,500
 共産党    461,706
 9条ネット    14,952  梅田系計   476,658   
 女性党     49,189
 共生新党     9,264
   合計  3,839,286
   開票率(%) 100.00
   投票率(%) 55.80

http://www.pref.osaka.jp/senkan/
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大阪のチンチン電車を残そう!

2008年01月27日 00時11分37秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 日本で今も路面電車が走っている都市は全部で12。北から順に札幌・函館・富山・高岡・豊橋・岡山・広島・松山・高知・長崎・熊本・鹿児島。岐阜市でもつい最近まで走っていました。この他にも、郊外電車が併用軌道で市内にも乗り入れている福井市や、都電荒川線が走っている東京都などがありますが、実は大阪にもまだ路面電車が走っている所があるのです。

 大阪市浪速区の新世界と堺市浜寺とを結び(阪堺線、恵美須町・浜寺駅前間14.1km)、途中の我孫子前・住吉公園から天王寺に至る支線(上町線、住吉公園・天王寺駅前間4.6km)を併せ持つ阪堺電気軌道がそれで、「阪堺電車」「チンチン電車、チン電」の愛称で、地元住民の足として親しまれてきました(路線図参照)。
 この路面電車は、明治後期に、浜寺への海水浴客や住吉大社への参拝客の輸送を目的に敷かれました。その後は長らく南海電鉄の傘下に入って、今の通天閣の他に遊園地もあった新世界やターミナルの天王寺と、浜寺の行楽地・海水浴場を結んでいました。昔はこの他に平野線や大浜に向かう支線もあり、大いに賑わったものです。

 路面電車と言っても大半は専用軌道を走るので、それで今まで廃止を免れ、大阪市電無き後も唯一の路面電車として前記の区間を走ってきたのですが、やがて海水浴場がコンビナート開発で埋立てられ、会社の説明によればモータリゼーションの影響もあって、1964年を境に利用客は減少の一途を辿っているとの事です。その流れは再び阪堺電軌道として南海から分かれた後も一向に止まらず、特に阪堺線我孫子道以南の堺市内区間での落ち込みが著しく(最盛期の7分の1にまで減少)、とうとう今や当該区間の部分廃止の話が持ち上がってきています。現在は堺市が現在進めている東西LRT(低床型の次世代路面電車)建設構想との関連で廃止は凍結されていますが、予断を許さない状況が続いています。

 この電車は私も昔利用した事があり、今もたまに見かける事があるのですが、確かに夜などは、昔の賑わっていた頃からすると信じられないくらい、車内はガラガラなのです。部分廃止の話も聞いていて前から気にはなっていたので、私もこの前の仕事休みの日に久しぶりに乗ってみる事にしました。

 1枚600円の一日フリー乗車券を買って、まず浜寺公園から恵美須町行きに乗りました。平日の朝10時半頃とあって、始発から乗り合わせた乗客は6名ほどですが、途中駅から乗客の乗り降りが小刻みに続き、御陵前からの準併用区間(大道筋という4車線道路の真ん中を走るが、センターラインで区切られ自動車は進入できない)に入る頃には10~20人ぐらいの人数になっていました。それも交通弱者と呼ばれる子どもやお年寄りだけでなく、若者や主婦も結構利用しています。この区間では、フリー乗車券を利用してこの後も何度か後続の電車に乗ってみましたが、みんな同様で、それなりに交通需要がある事が分かりました。

 この間途中下車して、アスティ山之口(山之口商店街)にある堺市LRT交流研究センターに立ち寄り、そこの職員の方からも話を伺いました。そして、昼は銀シャリで有名なゲコ亭でランチを食べ、我孫子道で鉄道カフェに立寄った後、上町線で天王寺に出ました。
 上町線は支線であるにも関わらず、本線の阪堺線よりも運転本数は多く(平日データイムのダイヤで比較しても、阪堺線の12分間隔に対してこちらは6分間隔と、倍以上の開きがある)、おまけに利用客数も20人以上で、終点の天王寺付近では座席が全部埋まって立ち客も出る程でした。今やこちらの方がドル箱路線である事が分かります。

 そして天王寺で休日を堪能した後、夜に再び我孫子道・浜寺間の廃止検討区間に乗車してみました。その前に電車の運転系統について簡単に説明しておきますと、阪堺・上町両線とも、本社・車庫のある大阪市内南端の我孫子道で運転系統が完全に分かれます。まず、上町線ダイヤの半数が、天王寺から住吉公園ではなく我孫子道まで乗り入れています。そして阪堺線でも、ラッシュやデータイムこそ恵美須町から浜寺までの全線通し運行が主体ですが、流石にこの時間帯に成ると我孫子道止めが多くなり、浜寺までいく乗客はこの駅で乗換えを余儀なくされる事に成ります。

 その乗り継ぎですが、19時までこそ10分間隔のダイヤが組まれているのですが、20時以降は極端に減るのです。20時台は9分、21分、39分、55分の4本。21時台になると8分、28分、48分の3本で、22時台になると6分の次は24分で、これが一日の最終電車となるのです。大都市の鉄道にも関わらず22時台で終電というのにも少しびっくりしましたが、この寒空で待合室も無い停留所で20分以上も待たされるというのも、何だかなあ。地方の人からすれば「何を贅沢な」と思われるでしょうがそれでも、次々やってくる電車が全て当駅止まりで、あふれ出た乗客が大勢駅で佇んでいるのを見ると、もう少しダイヤに検討の余地がないものかという気持ちになります。並行する南海本線では、またこの時間帯では普通電車でも10分間隔で、24時過ぎまで電車が動いているのですから。

 乗ってみた感想ですが、阪堺電軌やLRT交流研究センターのパンフには「モータリゼーションの進展で乗客が減った」としか書かれていませんでしたが、もっと根が深いものがあるように思われます。それだけでは、利用客の落ち込みが何故とりわけ堺市内区間に集中して現われているのかが、説明が付きません。
 上町線が健闘しているのは、天王寺というターミナルに乗り入れているのと、阪堺線と違って競合する並行路線が無いのが大きいのです。南海本線も高野線も乗り入れ先ターミナルは難波なので、上町線以外で天王寺に出るには新今宮でJR環状線に乗り換えなければならないからです。後は、上町線の沿線に高校や私立の小中学校が多い事も、その理由の一つに挙げられるかも。

 翻って阪堺線では、特に堺市内では通学利用は府立泉陽高校の生徒に限られ、それも最近は南海本線に流れる傾向にあります。競合路線の南海本線との距離は1キロ内外なので(住吉大社以北ではほぼ並行)、別に阪堺線を利用しなくても良いからです。
 難波に出る人はみんな南海本線の方を利用します。その方が運転本数も多いし難波にも直接出れるから。阪堺線を利用するのは堺市内・大阪市内の区間利用に限られます。その人たちの交通需要は今でもそこそこありますが、需要規模からすると、路面電車とバスのどちらで担うかが分かれる微妙な所に来ているのではないでしょうか。
 その区間利用客、なかんずく定期券利用客が減っているのは、地域経済の衰退が大きいと思います。堺LRTセンター訪問の際に立寄ったアスティ山之口なんて、平日のお昼時にも関わらずシャッターが下りている店も多く、閑散としていましたから。

 阪堺線起死回生の救世主と看做されている東西LRT路線建設構想(堺臨海部―南海本線堺駅―南海高野線堺東駅―JR阪和線堺市駅を結び、阪堺線とは大小路で連結)ですが、確かに重要なカンフル注射にはなると思います。堺市の公共交通網は南北方向偏重で、そのあおりで堺駅・堺東駅間のシャトルバスはいつも超満員ですから。ただ、これだけで即蘇るというのはどうか。地域経済そのものが冷え込んでいる中では、人の流れは堺駅・堺東駅間の間に限られ、阪堺線の方にはそんなに流れないのではないでしょうか。
 阪堺線の乗客減少は、新世界や浜寺海水浴場が賑わっていた昔とは人の流れが変ってしまった事に根本的な原因があるのです。恵美須町から路線を延長して難波か日本橋にでも乗り入れない限り、大幅な乗客増は見込めません。社内での営業努力だけではどうにもならない部分があるのです。

 また、大阪市・堺市の交通政策の中に、公共交通振興策がきちんと確立されて来なかった問題もあると思います。
 一例を挙げれば、1980年の平野線廃止がそうです。平野線廃止は、路面電車では沿線人口の増加に対応できないという事で、地下鉄谷町線の延伸と引き換えに為されたものです。しかし本気で公共交通の振興を図るつもりであれば、もっと別の対応もあったのではないでしょうか。平野以北の地下鉄延伸経路を国道25号線沿いにして杭全(くまた)方面から天王寺に繋げる形にすれば、平野線も廃止を免れ、地下鉄と一体となって環境保全や平野の街づくりにも貢献出来た筈です。沿線の人口増というのはあくまで表向きの理由であって、本当は阪神高速道路松原線建設の用地買収の手間を省きたかっただけではないのか。
 また、堺泉北臨海コンビナート造成に伴う大浜海水浴場・水族館閉鎖を機に、大浜支線が廃止されましたが、これをそのまま残していたら、南海堺駅に至るLRT区間にそのまま転用出来た筈です。そういう事もせずに、今まで散々クルマ優先で来て、利益が上がらないからと南海電鉄からの分社までしておきながら、今になって俄かに環境保全だLRTだというだけでは、今までの二の舞を踏むだけです。LRT開通は私も基本的には賛成ですが、それだけではなく、開通するまでの間は堺駅・堺東駅間の南海シャトルバスを阪堺電軌に移管するぐらいの事は、行政側がリーダーシップを取って然るべきでしょう。今までの無為無策のツケを払う意味でも。

 それと、阪堺電軌自身の営業努力もまだまだ不足しています。
 これも一例を挙げれば、寺地町や神明町の電停の時刻表が何故バス停のそれと同じ大きさなのか。私、時刻表がどこにあるか探すのに苦労しました。上町線の様に引っ切り無しに電車が来るのなら未だしも、運転間隔が10分以上開くと時刻表の情報開示は絶対に必要です。そもそも時刻表の掲示なんて、鉄道会社にとってはサービス以前の問題でしょう。
 また、我孫子道の駅のトイレが何処にあるのかも、駅員に聞くまで分かりませんでした。表示も何も無くトイレの照明も消されていたので。こういう基本的なサービスが出来ていない。
 沿線案内一つとっても、今の利用客の感覚と全然合っていません。戦前の名所案内じゃあるまいし、未だに神社仏閣や初詣・厄除け祈願の内容が主体では、誰もそんな物は見向きもしません。それよりも今は「帝塚山スイーツ・カフェ巡り」とか「堺レトロ町並みウォーク」でしょう。銚子電鉄の「濡れ煎餅」に倣って大寺さんの「くるみ餅」を売り出しても良いし。パーク・アンド・ライドの一環として駅前の無料駐輪スペースをもっと拡充するとか。

 そういう総合的な観点を抜きにして、単にLRTや行政に「おんぶに抱っこ」ではダメなのです。よく路面電車再生の成功例として引合いに出される事が多い岡山電軌・広島電鉄・長崎電軌などの場合も、決してLRT導入だけで達成された訳ではありません。郊外鉄道線との相互乗り入れ・定時ダイヤ・頻発運転・ワンコイン単一料金制・新型車投入・軌道敷内車両進入禁止の徹底・行政の支援姿勢などの、それまでの長い間の蓄積があって、初めて成し遂げられたものなのです。大阪市・堺市や親会社の南海電鉄からの支援の必要性と同時に、阪堺電軌の方でも、より一層の奮起が求められていると思います。

 以上でとりあえず終わりますが、阪堺線の再生策については、今後も引き続き考えていきたいと思っています。

(参考資料)
・天王寺―堺間を繋ぐ大阪唯一の路面電車(阪堺電気軌道HP)
 http://www.hankai.co.jp/
・阪堺線(堺市内)の年間乗降客数の推移(堺市役所HP)
 とりわけ定期券利用客の落ち込みが激しい事が分かります。
 http://www.city.sakai.osaka.jp/city/info/_tetuki/sien.html
・堺のチンチン電車を愛する会
 http://www.sakai-toshiseibi.or.jp/aisurukai/index.html
・さかいLRT研究交流センター
 http://homepage2.nifty.com/sakai-lrt-sandai/
・日本路面電車同好会
 各地の取組み・ニュースの紹介も。
 http://homepage1.nifty.com/tram/
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ネオコン・ネオリベ起点で大衆を洗脳する翼賛連合(せんのう)発足w

2008年01月23日 08時40分45秒 | 反翼賛・二大政党制
・国民連合「せんたく」2月発足 政治を“洗濯”、50人規模の議員連合も(中日新聞)
 http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2008012102081025.html
・総選挙に向け「せんたく」発足!(21世紀臨調)
 設立趣意書 http://www.secj.jp/pdf/080120-1.pdf
 発起人代表発言要旨 http://www.secj.jp/pdf/080120-2.pdf
 発起人名簿 http://www.secj.jp/pdf/080120-3.pdf
・平成の民権運動なるか 「せんたく」発足記者会見(JANJAN)
 http://www.news.janjan.jp/election/0801/0801200237/1.php 
・「せんたく」の正体!(戌年男かく語りき)
 http://echoo.yubitoma.or.jp/weblog/kamiwaki1958/eid/559081
・小泉チルドレン孤児院+平沼連携の”新党”かも? 次期衆院選:北川前三重知事、東国原宮崎知事ら新運動組織(毎日新聞)(★阿修羅♪ブログ2007)
 http://blog.livedoor.jp/asyura200709/archives/51011331.html
・「社会保障に関する国民会議」に要注意(世界の片隅でニュースを読む)
 http://sekakata.exblog.jp/6575715/

 21世紀臨調(新しい日本をつくる国民会議)の肝いりで、学者や財界人、組合幹部、改革派知事と呼ばれる面々が集まって、「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」という運動体を作ったとの事。何でも、幕末の時代に「これから日本を洗濯してやろう」と言った坂本竜馬の言葉にちなんで、それを選択という同音異義語に引っ掛けて、運動体の略称を「せんたく」としたのだと。北川正恭(前三重県知事)が発起人代表を務め、松沢成文(神奈川県知事)や東国原英夫(宮崎県知事)、キッコーマン会長、連合幹部などが発起人に名を連ねています。

 何か胡散臭いですね。何せ、中曽根臨調行革の策源地にして小泉構造改革の旗振り役の、あの21世紀臨調の肝いりで作られた集団ですからね。21世紀臨調が、まかり間違えても「バカ高い国保料を値下げしろ」とか「公立病院や郵便局の統廃合反対」とかなんて、主張する訳が無い。「地域・生活者起点」なんて事も言っていますが、その「生活者」というのも、「戦争・格差社会に苦しめられている実際の庶民」ではなくて、構造改革のお零れにあやかっている一部の勝ち組の事でしょう。

 21世紀臨調のHPに飛んで、当該団体の文書を読みました。「政党や政治家に物を申すと同時に、国民の意識も変えていく」という意味の事が書かれています。これは要するに、「折角90年代に我々財界が米国の助けも借りて、小選挙区制や政党助成金制度を導入して今の保守二大政党制の仕組みを作ってやったのに、自民党も民主党も国民の目を気にして、なかなか思い通りの政治に踏み出せていない」「改憲も大連立も、構造改革の欺瞞に気付き始めた民意の所為で一頓挫している」「そこで我々がニセの民意をでっち上げて、二大政党に発破をかけて行くと同時に、消費税増税や道州制実現に向けて、世論誘導を図っていこう」という事でしょう。

 彼らが言う「地方起点」「地方分権」というのも、「地方自治の拡充」という言葉本来の意味では決してありません。若し本当に地方自治の拡充を望んでいるのであれば、地方切り捨ての三位一体改革や半強制的な市町村合併、公立病院や郵便局の統廃合、赤字高速道路・空港や環境破壊ダム・原発の建設強要、赤字新幹線建設とセットのJR在来線廃止、国内農業切り捨ての今の農業政策、岩国・沖縄などの米軍基地強化押付けなどについては、反対の意見表明が当然あって然るべきですから。しかし、そんな主張は一切無い。これは単なる「軍事は大きな政府、福祉は小さな政府」「道州制」実現に向けての地均しにしか過ぎません。

 「生活者起点」というのも同様です。本当にそれを望んでいるのなら、巷に餓死者やネットカフェ難民があふれ出て日払い派遣でピンハネされているワーキングプアの現状や、大企業の内部留保や役員報酬・株主配当ばかり膨れ上がり勤労者所得が減少の一途を辿っている事に対して、反対の意見表明があって当然然るべきですが、それもない。どうせ「下見て暮らせ傘の下」宜しく、「生活者」を僭称して、「社会福祉の為には増税止む無し」「公務員給与や生活保護基準引下げでみんな等しく貧乏に」「雇用確保の為に労働ビッグバンやミサイル防衛予算拡充を」とか言い出すのに決まっています。

 そうして戦後の自民党・保守政治の仕組みそのものには目を瞑りながら、それを単なる「霞ヶ関・官僚」退治のレベルに話を止め、小悪退治で溜飲を下げさせ、しかも「国民の意識変革、自己変革」の問題に摩り替えて、大元の保守政治の仕組みそのものは巧妙に温存を図る。それを「民権運動」の名を騙って行う。それがこの運動体の本質です。まるで「中曽根の国鉄分割民営化」や「小泉の郵政民営化」の二番煎じ、三番煎じですね。

 何の事は無い。戦前の大政翼賛会や、今の教育再生会議や社会保障国民会議と同じ、マッチポンプの手法にしか過ぎません。そして、民間運動を装っている点では、「新しい歴史教科書をつくる会」や日本教育再生機構の手法を踏襲したものであるとも言えます。彼の運動体は、差し詰め「ネオコン・ネオリベ起点で大衆を洗脳する翼賛連合」(略称:せんのう)とも言うべきものでしょう。今はまだ「具体的な議論や運動の進め方はこれからだ」という様な事を言うだけに止まっていますが、そのうちにその正体を明らかにしてくるでしょう。どうりで、ネオコンの松沢成文や徴兵制肯定発言の東国原英夫が名を連ねている訳です。要警戒すべき動きだと言えましょう。
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シチュウー懐古から食の問題に話が及ぶ

2008年01月21日 23時35分07秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 この前の休日に、久しぶりにシチュウー(写真及び過去の関連記事参照)が食べたくなって、新世界に行きました。新今宮の駅で降りて、阪堺線の踏切を渡って、環状線のガード下をくぐれば、もう其処は新世界のジャンジャン横丁。確か串カツ屋の斜め向かいにあった様な・・・いくら探しても、シチュウーを出していた”いづみ食堂”が見当たらないのです。確かここら辺にあった筈なのに。

 仕方がないので、近くの別の定食屋でランチを食べました。そこのオバちゃんの話によると、”いづみ食堂”はもう店じまいして、かれこれひと月以上になるとの事でした。それを聞いて、もうがっくり。何故なら、あのシチュウーは、もうあそこでしか作っていないからです。
 あの店は、確かに今風の感覚からすれば合わないのかも知れません。お世辞にもお洒落とは言えない。新世界というどちらかといえばマイナーな立地条件も災いしたのかも。しかし、中にはそういうレトロな感覚が良いという人も少なからずいた訳で、だからこそ「魔法のレストラン」などのテレビ番組にも取り上げられていた筈なのに。

 その日はもうそれでガックリ来て、行きつけの定食屋で晩飯を食べた時に、そこの女将にその事を言ったら、「最近はもう庶民の味の嗜好が変わったからね~」という話になって、そこからマヨラーの話題に発展していきました。「最近の若い子は何にでもマヨネーズを掛けて食べる」というアレです。それで鮭マヨ丼なんてのがランチに出てきます。
 ご飯にマヨネーズなんて・・・考えただけでゾッとする。はっきり言って、あんなもの何処が美味しいのだろうと思います。何時ぞや私もネットカフェのランチでその鮭マヨ丼に遭遇した事があって、しかも当日はそれしかランチメニューが無くて、マヨネーズ抜きにしてもらった記憶があります。

 その女将が言う事には、最近の若い子はもうそういう濃い味付けに慣れてしまって、そんなモノしか食べれなくなっているのだとか。だから、シチュウーの様な昔風の淡白な味付けの料理は、段々と廃れていくのだとか。しかしこれって、オーバーに言えば、国民全体が味覚障害に陥っているという事ではないだろうか・・・。そう言えば、「すき家」のメニューにも「ホワイトシチュー牛丼」とか「メガチーズカレー」なんてのがありましたね。しかし、牛丼の上にホワイトシチュー、カレーの上にチーズ・・・そんなモノ食いたいかなあ。

 そんな事だから、成人男性にメタボな人が増え、腹回りを測る特定検診が導入され、「肥満度×%以上の人からは医療費を余計に徴収する」なんて事を言われるようになるのです。しかし、それだけで済まして良いのだろうか。
 確かに、肥満になるのは個人の自己責任も確かにあります。人間そう簡単にメタボになるものではないし、少し工夫さえすれば、ダイエットは無理でも体重の現状維持くらいなら何とか成るものだからです。私の場合でいえば、タバコは吸わないし酒もそんなに飲まないのですが、かつてはコーヒーをよく飲みました。多い時は一日5杯は飲んでいた。そのウチの殆どをお茶に切り替えただけで、気がついたら体重が2キロは減っていましたから。

 しかし、自己責任だけではどうにもならない部分もある事も確かです。これだけ共働きが増え不規則勤務が増えたら、どうしても外食中心になるし、家庭の食事も出来合いの惣菜で済ます「中食」が中心にならざるを得なくなります。また食品メーカーはメーカーで、一旦濃い味付けに慣れてしまった国民に販路を拡大するためには、更に濃い味付けのものを売ろうとする。子どもを景品でおびき寄せてジャンクフードの味に慣れさそうとしているハンバーガー・チェーンの経営戦略なんて、その最たるもので。そういう店のハンバーガーが得てしてソースとマヨネーズでギトギトなのも、パテ(肉)の味をそれで誤魔化しているという面が無きにしも非ずで。

 それに、肥満の裏にはストレスの蔓延があります。仕事や生活で溜め込んだストレスを紛らわせる為に食欲でそれを満たそうとするから、過食症や摂食障害が広がるのでしょう。それを全て個人責任だけに求めるのは、どうかと思います。特定検診でメタボの注意を喚起するだけでは不充分。今の働き方(働かされ方)や生き方(生かされ方)にもメスが入れられなければ、メタボも味覚障害も解決しないと思います。況してや、それを個人の医療費増の口実にするのには絶対反対。そこまでするのなら、食品メーカーにも健康増進税を課さなければ不公平です。

 更に忘れてはならないのは、こういうレトルト食品やジャンクフード、外食チェーンの蔓延の裏には、先進国プレカリアートの食生活の貧しさや肥満の激増や、食の安全性にまつわる諸問題の発生と並行して、開発途上国におけるアグリビジネス(農業多国籍資本)による農産物買叩き・低賃金搾取・環境破壊が起こっているという事です。そうでなければ、あんな安価なコストで商品が作れる筈が無い。
 ついでに言えば、昨今のバイオ燃料需要増大によるとうもろこし農地の拡大・乱開発も、その発生の根は同じ。先進国の地球温暖化ガス削減は掛け声倒れに止めておきながら、そのくせ自分達の金儲けのためにはバイオ燃料確保に汲々として、途上国の麦作農地を無理やりとうもろこし農地に転換させて、彼の国々で食糧不足や更に新たな環境破壊を引き起こしているのですから、本末転倒も甚だしい。

 本当にメタボも肥満も無くそうとするのなら、それを生み出しているこれらの構造的な問題についても、解決にむけての取組みが為されなければウソになると思います。

 しかし、シチュウーはもう食べれないのだろうか。どっか他で作っていないのだろうか・・・。こんな事になるんだったら、前に”いづみ食堂”に行った時にレシピを聞き出しておけば良かった。
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’08府知事選告示、公約出揃う

2008年01月17日 09時03分26秒 | 反ハシズム・弱い者虐め
 この間少し別件に手をとられていて、当初予定していた大阪府知事選関連の記事のアップが遅れてしまいました。そうこうしているうちに告示日も過ぎて、主要3候補の公約が既に出揃っていました(下記参照)。

●橋下徹(はしもと・とおる):無所属(自民党・公明党各府連推薦)
 弁護士 橋下徹 オフィシャルウェブサイト
 http://www.hashimoto-toru.com/index.html
 「おおさか」を笑顔にするプラン(マニフェスト)
 http://www.hashimoto-toru.com/osaka/index.html
 
●熊谷貞俊(くまがい・さだとし):無所属(民主党・社民党・国民新党推薦)
 熊谷貞俊 ほっとかれへん大阪!(公式HP)
 http://www.kumagai-osaka.com/index.html
 プロジェクト・クマ 「府民の生活が第一」(マニフェスト)
 http://www.kumagai-osaka.com/manifesto.html

●梅田章二(うめだ・しょうじ):無所属(共産党・新社会党推薦)
 庶民派弁護士 梅田章二が行く(公式HP)
 http://www.umesyo.com/
 大阪府政を変える 梅田章二のマニフェスト
 http://www.umesyo.com/wp-content/themes/umesyo02/manifesto.html

 私は今まで選挙では共産党の候補に投票してきました。直近の衆院選小選挙区で民主党候補に入れたのを唯一の例外として。そして今回の知事選でも、知人に頼まれて、近所で梅田陣営のビラ全戸配付を手伝っています。だから本来ならば何も迷う事無く梅田候補に投票するのが筋ですが、今回は少し迷いました。それは、自公与党が擁立してきた橋下候補というのが、またよりによってあんまりにもあんまりな候補だからです。

 彼は所謂タレント弁護士で、光市母子殺害事件弁護団への懲戒請求の仕掛け人としても有名な人ですが、ネットで検索したら、弱者バッシングやバックラッシュ・ヘイトスピーチ発言の数々が、出るわ出るわ。それに、選挙告示前の下馬評やマスコミ報道で「橋下意外と苦戦」と伝えられた事や、民主党支持層にも橋下を嫌う層が結構いるみたいだったので、実は今回は熊谷か梅田のどちらにしようか、少し迷っていました。今は黒田府政の頃とは違い、共産党系候補が知事選に当選する見込みは殆ど無いですから。

 しかしまあそれは、熊谷候補の公約がはっきりしてから最終的に決めようと思っていたのですが、それがなかなか出なかった。それで告示前にやっと出してきたのが上記の公約です。もう少しマトモな事を書くかなと思っていたのですが、はっきり言って興ざめしました。
 「府民生活が第一」という事で8項目の柱を立てていますが、どれもこれも抽象的・総花的で、全然気迫がこもっていません。それでその具体的な中身はというと、「新幹線の大阪駅乗り入れ」だったり「府市二重行政の解消、公立大学の統廃合」だったりで、救急医療対策で少し独自色を出して、それでお茶を濁している程度でした。その一方では「関空を国際ハブ空港に」とか「道州制導入」とかも書いていて、これじゃあまるで「隠れ自民党・財界」じゃないですか。
 自公が地方組織だけの推薦だけに止めて政党隠しに出ているのも、単に無党派を意識しているからだけではなくて、橋下と熊谷のどっちに転んでも良いように、双方に保険をかけているからでしょう。昨年の東京都知事選挙の時の浅野候補と比べても、もうお話にならない。今回も梅田候補に入れる事にします。

 ただ、熊谷陣営の公約の中に下記のデータが掲載されていて、改めて経済の東京一極集中ぶりを思い知らされた事については、こちらも良い勉強にはなりました。これを見ると、大阪も愛知も県民所得が減って、完全な東京の一人勝ちですね。熊谷さんは「だから大阪も頑張って全国順位を上げるのだ」と息巻いているのですが、そんな事は既に20年以上も前から言われていた事で、しかもとっくに破綻済みの論理でしかない。肝心なのは、そんな「椅子取りゲーム」に現を抜かす事ではなくて、地方を犠牲にして東京だけがその上に胡坐をかいている今の経済の仕組みそのものを、もっとみんなが公平に潤うものに変えていく事でしょう。

   1996年度と2004年度の全国県民所得トップ10
    1996年度            2004年度
 1  東京都  428万2千円  1 東京都 455万9千円
 2  愛知県  372万3千円  2 愛知県 344万円
 3  神奈川県357万6千円  3 静岡県 324万7千円
 4  大阪府  353万4千円  4 滋賀県 323万5千円
 5  滋賀県  352万9千円  5 神奈川県317万4千円
 6  静岡県  335万7千円  6 栃木県 306万2千円
 7  埼玉県  332万4千円  7 大阪府 303万9千円
 8  富山県  331万6千円  8 富山県 302万7千円
 9  栃木県  331万4千円  9 三重県 298万8千円
 10 兵庫県  330万1千円  10 千葉県 297万6千円

 橋下の公約はもう論外。「トライ」とか「笑顔」とか言っているけど、如何にも「郊外や都心一等地にお住まいの、セレブな子育て主婦や若者の票に、狙いを定めました」というのが見え見えで。「それ以外はもう人間じゃないから、別に投票に来ずに家にでも寝ていてくれたら良いよ」とあからさまに言われているような気がして、非常に感じが悪い。実際、彼は「今度の選挙では高齢者や経済弱者の問題よりも子育ての問題で行く」という様な事を言っていますしね。「石畳と淡い街灯」だけで知事になれるのなら、誰でも知事になれる。
 それでも多分通るでしょうね。残念ながら。ネット世論調査では確かに熊谷支持が優勢ですが、実際に私の周囲の巷の噂を聞いていると、結構橋下のファンがいる様なのです。但しその大半は、「若そうだし、やってくれそうだから」とかいう程度のミーハーが多い。小泉チルドレンを支持した構図と全く同じです。「橋下は当選してから苦労する」と誰かが言っていましたが、私もそんな気がする。早ければ数ヶ月で安倍さんの二の舞を演じる事になるかも。

 だからそういう人とじっくり話をすると、大概は「成る程なあ、3人の中では梅田さんが一番しっかりした事を言っているなあ」となるのですが、それでも実際は大抵熊谷か橋下に入れちゃうんですね、これが。死票になると分かっていても入れる人は、今日び余りいない。それも全ては衆院の小選挙区制優位の選挙制度が為せる技なのですが、今更それを言っても始まらない。
 せめて民主党が、熊谷の「東京に負けるな」式の、党利党略・点数稼ぎでしかない「東京が大阪が」「自民が民主が」の論理じゃなくて、「そういう経済的・社会的格差が生まれる仕組みそのものを変える」という観点から、共産党や新社会党とももっと早くから<本気で>野党統一候補擁立の話を進めていたら、絶対に勝てるのに。こんな世の中が良いと本気で思っている人など、殆どいないのだから。昨年の東京都知事選でも確実に勝てていた筈です。あの時も、三多摩各市では浅野+吉田票の方が石原票を上回っていたのですから。それでこそ民主党の株も本当に上がろうというものを。

 今のままでは、有権者はいつかは民主党にも愛想を尽かす時が来ると思う。その票が90年代後半の様に共産党に流れてくれれば良いのですが、今のままだと自民党やそれ以上に変な極右の方に流れかねない。三流マスコミがそれを盛んに煽っていますから。
 いつぞやも、新保守派(中川昭一など)・穏健派(加藤紘一・鳩山由紀夫など)・中道派(山拓とかだったかな)・日和見派(小池百合子など)と並べて、新保守派を実質的に持ち上げていたアホ番組を目にしましたが、何の事は無い、どれここれもみんな(元)自民党じゃないか。
 そんな時流の中にあって、しかも共産党とは解同問題での路線の違いがある中で、今回梅田候補支持に回ってくれた新社会党の決断については、私は高く評価したいと思います。 
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人民の東アジア共同体

2008年01月12日 00時34分20秒 | 北朝鮮・中国人権問題
 前号に引き続き、北朝鮮問題についてもう少し書きます。
 実はこの正月の間に、北朝鮮問題関連の2つの書物を読みました。読んだと言っても、精読ではなく寧ろ流し読みに近い状態で、何とか読み終えたというのが実情です。正月出勤の合間を見つけて読み進めたので、その点についてはご容赦を。
 それが記事冒頭写真の、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会(守る会)理論誌「光射せ!」創刊号(左)と、渥美文夫著「金日成・金正日体制と東アジア」現代企画室・刊(右)の、2冊の本です。

 その内容に関して言うと、両著とも、私にとっては特に目新しいものではありませんでした。それは、著書の大まかな内容や方向性が、当ブログ前身の旧掲示板でも既に何度か議論になった論点と重なる部分が多かったからです。私にとっては、その論点を改めて再確認・再整理するのに役立ったという感じです。これらの本は寧ろ、今まで北朝鮮・拉致問題に対して、それを右翼や「救う会・つくる会」の専売特許として忌避してきた方が、認識を新たにする為の一つの”とっかかり”として読まれたら良いのではないか、という気がします。
 勿論、新たな発見が無かった訳ではありません。特に「光射せ!」創刊号の中の、帰国事業と朝鮮総連結成との関連を論じた川島高峰論文や、サルトルを戦後左派の限界を乗り越えたものとして評価した三浦小太郎論文については、「へえ~、こういう見方もあるのだな」と認識を新たにする事が出来ました。

 ただ全体を通して見ると、「左派リベラルは何故北朝鮮問題に及び腰なのか」を特集として取り上げた「光射せ!」創刊号は、「単なる北朝鮮バッシングや左派リベラル叩きではない」とは言うものの、やはり「左翼に対する恨みつらみ節」からは一歩も出てないな、という気がします。
 率直に言って、今の北朝鮮を、本当にあれが社会主義・共産主義の真の姿だなんて思っている人なんて、少なくとも今の左翼には殆どいません。にも拘らず、「あれが共産主義の悪い側面だ」とか「北朝鮮礼賛は左翼ドグマの為せる技だ」なんて何度も言われても、全然ピンと来ません。それならまだ、より具体的に、帰国事業に的を絞って未解明の歴史に光を当てるとかした方が、よっぽど後世の為になります。
 この本は、今よりも寧ろ、917直後の拉致問題が公式に明るみになった時期に、左翼の啓蒙書として出されてこそ、その真価を発揮したのに、という気がします。それを何で今頃になって出版されたのか、正直言って理解に苦しみます。

 共産党や社民党が今も北朝鮮問題に後ろ向き(だと言われている)なのは何故かは分かりませんが、少なくとも私の様な左派リベラルな一般大衆から言わすと、それらの人たちがどうしても北朝鮮問題に及び腰にならざるを得ないのは、北朝鮮の人権問題解決を掲げている「救う会」や右翼が、余りにもネオコン・ネオリベ・自民党べったりで、反人権・バックラッシュのダブルスタンダードで、靖国・天皇・日の丸・君が代・家父長制・武士道・封建道徳礼賛、帝国主義・排外主義・弱肉強食賛美の、時代錯誤・アナクロニズム丸出しで、酷いのになると脱北者・帰国者まで反日呼ばわりし「日本人拉致」ばかりを言い立てる偏狭さに、もう辟易しているからです。ただそれだけです。

 「救う会」から言わすと「それは左翼が北朝鮮・拉致問題に冷淡だったからだ」という事になるのでしょうが、私から言わすと「右翼や救う会が、全てではないにしてもその多くの部分が、北朝鮮・拉致問題に託けて弱者バッシングを繰り返しているから」です。要するに「どっちもどっち」なのです。況してや、50~70年代当時の左翼政党幹部の罪ばかりをいつまでも言い立てられるに至っては、その責めを何故今の左派リベラルの一般ピープルが負わなければならないの、というしかない。その責を自覚するのは、あくまでも今の我々左派リベラル一般ピープルの自主的取組を通してでしか在り得ないのに。謂わば、中国の反日デモの映像ばかり見せつけられた今の日本の若者に、南京大虐殺の話を幾らしても、「それだけ」ではなかなか受け入れられないのと同じ理屈です。

 私個人としては寧ろ、第一次・第二次大戦後の反帝・民族解放運動や韓国民主化闘争を支持した左派の立場から、今の中国や北朝鮮の体制を似非社会主義で反人民的と批判し、「戦争・格差社会も人権抑圧も、イラク戦争も金正日もNO!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!」という拙ブログと同じ視点から人民の解放と連帯を目指す、「金日成・金正日体制と東アジア」の立場の方が、よっぽどしっくり来ます。ただ、こちらも如何せん、「今の中国・北朝鮮はスターリン主義の亜流だ」というだけで、更にその先の「スターリン主義体制の分析」については未だ端緒についたばかりという、著者も自覚している限界以上のものは見出せませんでしたが。

 去る1月10日放送のNHK「クローズアップ現代」が、北朝鮮北部のラジン(羅津)港開発計画に食い込もうとする中国・ロシアの思惑について、番組で取り上げていました。北朝鮮と国境を接し改革開放で活況に沸く中国の延辺朝鮮族自治州政府が、日本海への出口を求めてラジン港開発計画への参入を狙う一方で、ロシアも中国に負けじと、北朝鮮国内鉄道網の再建とシベリア鉄道への結合を狙っている、そういう内容でした。

 この問題一つとっても、今の「救う会」や右翼の立場では、「北朝鮮を支援する中国シナをやっつけろ、シナから日本を守れ、シナ主導の東アジア共同体など以ての外」「アフガン・イラク人民が幾ら死のうが、日本国内で幾らワーキングプア・農民・高齢者の自殺が増えようが、そんなの関係ねえ、ひたすら日米同盟につき従うのだ」と、もうまるで嫌韓厨・B層ネットウヨクみたいな事しか言えないじゃないですか。
 そして日米両政府や財界はというと、「ラジン・シベリア開発、中国・北朝鮮の低賃金労働力、美味しいねえ~」と、「財界本位の東アジア共同体」をひたすら目指す。米国主導の東アジア共同体(日米両政府・財界の立場)にしても、米国抜き・アジア中心の東アジア共同体(中国・インドなどの立場)にしても、基本的には資本家主導・人民不在である事には何ら変わりない。

 そのどちらでもない、ラジン港埠頭の冷凍倉庫で働かされまくっている北朝鮮のワーキングプアや、中国の物流コンテナ・ドライバー、日本やアジアの名も無きワーキングプア・人民による東アジア共同体こそが、一番求められているのでしょうが。時代錯誤の帝国主義者や逝かれたネオコン、人民の生き血を吸うネオリベ・ホリエモンではなく、プレカリアートの階級的・国際的連帯で、中国・北朝鮮の民主化も日本その他アジア諸国の民主化も勝ち取って、「大東亜共栄圏の現代版」でも「資本家の東アジア共同体」でもない、平和・民主・人権・非同盟・非抑圧の「人民の東アジア共同体」を作らなければ、真の解放も自由も在り得ないと思います。

(参考記事)
・光射せ!北朝鮮収容所国家からの解放を目指す理論誌発行(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会)
 http://homepage1.nifty.com/northkorea/bookhikari.htm
・『光射せ!』を目通しして(TAMO2ちんの日常)
 http://red.ap.teacup.com/tamo2/628.html
・金日成・金正日体制と東アジア(現代企画室)
 http://www.jca.apc.org/gendai/99sin/07index.html
・【読書案内】『金日成・金正日体制と東アジア』(虹とモンスーン)
 http://solidarity.blog.shinobi.jp/Entry/154/
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拉致被害者早期帰国を求める労組の取組み

2008年01月11日 10時01分35秒 | 北朝鮮・中国人権問題
・拉致事件:連合が、金正日総書記にはがき作戦 同胞返して(毎日新聞)
>膠着(こうちゃく)する拉致問題の解決を図ろうと、労働組合の全国組織の連合(高木剛会長)が、被害者の早期帰国を求めて金正日(キムジョンイル)総書記あてにはがきを送る運動を始めた。はがきを刷り込んだチラシ約10万枚を傘下の労組に配るほか、誰でも参加できるようホームページからチラシをダウンロードできるようにしている。
 http://mainichi.jp/select/today/news/20080110k0000e040072000c.html

・北朝鮮による拉致被害者救出に向けてご協力ください(日本労働組合総連合会)
>連合は拉致被害者の救出に向けて、直接、北朝鮮金正日総書記(朝鮮語では総秘書) 宛に、拉致解決を求めるハガキ送付行動を展開することとなりました。(連合第3回中央執行委員会決定/2007.12.20)
>下記のチラシデータをダウンロードして頂き、両面印刷の上、ハガキを切り取り、一筆参加していただきたく宜しくお願いします。
 http://www.jtuc-rengo.or.jp/rentai_katsudo/jinken/index.html

 連合(日本労働組合総連合会)が、なかなか味な取組みを始めました。拉致被害者早期帰国要請はがきを北朝鮮の金正日に送る取組みが、それです。連合のHPからチラシをダウンロードして葉書部分を切り取り、裏面に自分の署名をして(匿名でも可)、70円切手を貼るだけでOKです。私も早速ダウンロードして送らせてもらい、知人にも呼びかけようと思っています。

 この場合、取扱団体が連合というのが一つのミソですね。これが自民党・民主党・公明党・共産党・社民党などの政党が主催では、絶対にダメなのです。せいぜい「拉致問題を選挙に利用している」と思われるのがオチですし、各党ともに「お前とこの党にだけは絶対に入れない」という人を、それぞれ何人も抱えていたりします。それが大衆団体の連合だと、保守系から左翼から「救う会」にも抵抗を感じる人まで、満遍なく受け入れられます。

 たかが署名や請願はがきという無かれ。原水禁運動の出発点となり、朝鮮戦争やベトナム戦争での核兵器使用を阻止した原水爆禁止・反核署名や、最近の法政大学学生弾圧反対署名(拘禁されていた学生の釈放を勝ち取った)の例を見ても分かるように、多数の署名や請願はがきが集まると、その効果には想像以上のものがあるのです。たとえ今回の署名で金正日がウンともスンとも言わなくとも、国際社会が黙っていない。仮に各国政府首脳は直ぐには動かなくとも、世界の民衆が黙っていません。
 
 今更言うまでもない事ですが、労組が政治問題に取り組む事については、何ら問題はありません。賃上げや労働条件の改善を要求していけば、必ず政治の問題に行き着きます。組合員の思想信条・政党支持の自由はあくまで保障した上で、組合員・労働者の生活と権利を守るために、税制・労働法制改悪反対や生活擁護・平和・民主主義の課題を掲げて闘う事は、労組としてごく当然の活動です。拉致問題への取り組みも、その一環として行われるものです。
 また、「何で又よりによって労組が拉致問題を?」という人も、中には居られるかもしれません。しかし、拉致問題は別に右翼や「救う会」だけが取り組むべきものではありません。現に拉致被害者の中には連合労組員の方も一人おられるのですから、労組員の生命・人権を守る意味でも、そういう取組みをされても何ら不思議ではありません。

 請願項目が「拉致被害者の早期帰国を求める」という一点に絞って行われる事にも、非常に好感が持てます。こういう形の署名なら、「救う会」や安倍元首相が掲げる北朝鮮経済制裁や戦後体制見直し・靖国ネオコン思想の焼き直しには賛成できない人も、抵抗無く受け入れる事が出来ますから。

 確かに連合は、旧民社党・同盟系の全民労協が母体となって作られたナショナルセンターです。会社べったりの第二組合・御用組合を多数傘下に抱え、かつては米国や自民党と一緒になって、社会党や国労の解体に手を貸してきました。小泉構造改革についても、当初は露払いの役割を演じて来ました。また、まだまだ民間大企業や公務員の正社員労組員が中心の組織で、労働貴族・「ヌクヌク左翼」の代表とも看做されても来ました。
 しかしそれでも、昨今は戦争・格差社会の下で悩み苦しむ下部組合員の意向を反映してか、日米両政府・財界の進める新自由主義グローバリゼーションや構造改革・規制緩和路線には、真っ向から異を唱えるようになって来ました。未組織・非正規の仲間の権利確立やパート労働者の組織化にも力を注ぎ、労働契約法やホワイトカラー・エグゼンプションの導入を巡る問題でも、財界を向こうに回して一歩も引かない姿勢を鮮明にしつつあります。
 勿論、だからといって手放しで礼賛する気はありません。会社べったりの御用組合を多数傘下に抱えているという点には聊かも変わりはない訳ですから、連合が労働者を裏切る事がないように、今後も監視・叱咤激励していく必要がある事は、言うまでもありません。

 そういう、まだまだ限界を抱えながらも、それなりに大衆の意向を反映した団体が提唱している運動であるという点でも、今回の署名運動については、それなりに評価したいと思っています。
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資本主義は弱肉強食 希望は亡国

2008年01月10日 10時14分34秒 | 反貧困・新自由主義
 昨日、仕事の休憩時間に、若者のバイトとこんな話が出ました。「投票率がどんどん落ちている、みんな政治に関心が無い」と。彼も今まで投票には行った事がないそうです。では本当に政治に関心が無いかというと、さにあらず。何を隠そう、正月明けに「バラエティ番組による愚民化政策」を指摘したのが彼なのですから。そこまで事の本質を見抜いていながら、何故、投票に行かないのか。

 要は「俺らがいくら声を挙げてもムダだ」と。物心ついたのが既に80年代以降で、政治といえば自公民馴れ合い劇やネオコン・ネオリベ・アナクロ政治家の弱者・人権バッシングしか思い浮かばない環境に置かれたら、そりゅあ普通は大抵そうなるでしょう。
 それより前には、60年代の学園紛争や70年代の革新自治体の広がりがあり、1973年の参院大阪補選では共産党の故・沓脱(くつぬぎ)タケ子さんが自共一騎打ちで自民党の森下泰氏を追い落とした事もあったのですが。斯く言う私も、その当時は只のガキでしか無かったのですが、それでもその頃の事を結構鮮明に覚えているのは、やはり黒田革新府政誕生のキッカケともなった地元の公害反対運動の影響からか。

 それが何故、ここまで押し込められてしまったのか。次にそういう話になって、私は彼に、90年代以来の小選挙区制の害悪や、「見ざる・言わざる・聞かざる」の公職選挙法の相次ぐ改悪の歴史を、かいつまんで説明しました。(尚、この問題については、他にも中曽根臨調行革路線、社会党の右転落、ソ連・東欧共産圏の崩壊、新自由主義グローバリゼーション、北朝鮮・拉致問題などの影響もあるのですが、そこまで説明していると話が込み入ってくるので、今回は割愛。)

 そうしたら次に彼曰く、「それならばもうテロに走るしかないな、という人が必ず出てくる」と。私は彼のこの言葉に最初は少しギョッとしましたが、なるほど彼の言う通りです。
 自民党はケシカラン→しかし自民も民主も似た者同士→それならば、長いものには巻かれろで、自民党に付いていた方がまだマシか。こういう事が繰り返されると、国民はもう政治自体にウンザリして、棄権に回ってしまうのです。自民党にとっては、こんな流れこそ願ったり適ったりなのでしょう。元首相の森喜郎なぞ、「投票日にはみんな棄権して家で寝ていてくれたら良い」という事を、露骨に言っていましたから。何時爆発するかもしれない噴火口の上で暮らしているのにも気が付かずに。

 何時爆発するかもしれない噴火口。これは皮肉でも単なる比喩でも、何でもありません。実際に進行している現実の一端です。「知事に合わせろ」といって香川県庁に乱入した高校生の事件が、正月明け早々にニュースで報じられていましたが、こんな事件が現に、既にあちこちで起こっているではないですか。過去にも、生活保護の申請を断られてヤケッパチになった失業者がJR下関駅に放火した事件がありましたが、これなどもその典型でしょう。

 そういえば先の彼も、こんな事を言っていました。「政治に棄権する若者の間では、こんな政治しか出来ない国なら、もうとっとと米国に身売りするなりして、一層の事潰れてしまった方が良いと思っている人が増えている」と。もうここまで来たら、日本もアフガン・イラクも、政治的にはそう変らないのでは。確かに、方やそれでもまだ曲がりなりにも経済大国と、もう方や紛争下のイスラム・第三世界という違いはあれど、「諦め・自暴自棄」の感情が国民の間に沈殿していっている様については、両者の間にそんなに違いがあるとは思えない。

 そういえばウチの職場でも、何かといえば「資本主義は弱肉強食だ、俺らはそれを宿命として受け入れていくしかない」と口癖の様に言う社員がいます。普段はバイトにも良くしてくれている人なのですが、その口癖が余りにも鬱陶しいので、「じゃあ、その資本主義の下でワーキングプアしているアンタは一体何なのよ、そこまで自分で自分の事を卑下したいのなら、アンタだけ1日15時間でも20時間でも只働きすれば?」と、いつか言ってやろうと思っているのですがw。しかしその彼にしても、そうやって無理からに自分を納得させなければ、とてもじゃないがやってられないので、そうしているだけにしか過ぎないのです。

 また、かつてこのブログでも取り上げた赤木智弘の論考「『丸山眞男』をひっぱたきたい、31歳フリーター、希望は戦争」にしても、上記の「資本主義は弱肉強食」と同じ反語でしかありません。
 赤木はその中で、非正規雇用・ワーキングプアの問題を等閑にしてきた大企業・公務員労組の運動を「ヌクヌク左翼」として非難しています。しかし、労働者の非正規雇用・ワーキングプア化を推し進めてきたのは、そもそも米国や財界や自民党政府などの「ヌクヌク保守」なのです。でも、それを今更言ってもどうにもならないので(先の棄権に回る若者層や、「資本主義は弱肉強食」口癖社員と同じ発想)、それに有効な闘いを組めて来れなかった(と主観的に思っている)左翼の不甲斐なさを非難しているだけなのです。「ヌクヌク左翼」が新自由主義グローバリゼーションに対して有効な闘いを組めてさえおれば(既にその反撃は始まっている)、その矛先は当然「ヌクヌク保守」に向けられる筈です。

 そういう事を「ヌクヌク保守」は、「ヌクヌク左翼」以上に全然理解していないのでしょう。理解していないからこそ、「俺はアルカイダの友達の友達だ」なんてバカな事をいう鳩山邦夫や、欠陥だらけのミサイル防衛構想への参加を取り繕う為に、「宇宙人が地球にやって来たら主権侵害になるのか」なんて寒いギャグを飛ばすしか能の無い石破守が、能天気に閣僚などしていられるのです。まあ後者の件については、年金・格差・薬害患者救済などそっちのけに、国会で石破とUFO談義に現を抜かしていた民主党の暇人議員も、「どっちもどっち」でしかないですが。
 多分これらの人たちは、「棄権に回る若者達」の存在や「資本主義は弱肉強食」「ヌクヌク左翼」言説には、多分糠喜びするのでしょうね。「これぞ国民総保守化の証」とか何とか言って。それが「総保守化」どころか、実は「希望は亡国」のヤケッパチの心理でしない事には、一切気がつかずに。そして、もうそうなれば、国家主権だの国益だの言っていられるどころではない、戦国時代の様な状況に立ち至る事にも、一切気がつかずに。
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民意に励まされるもの戦くもの

2008年01月10日 07時44分07秒 | 反翼賛・二大政党制
・新テロ法案、週内成立…与党が半世紀ぶり再可決へ(読売新聞)
>インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開するための新テロ対策特別措置法案が、今週末に成立する見通しとなった。
>与党側は、参院で同法案が否決された場合は11日にも衆院の3分の2以上の賛成で再可決する。採決が行われない場合も「衆院が可決した法案を参院が受け取った後、60日以内に議決しない時は否決とみなすことができる」との憲法の規定が適用できる12日には、再可決する方針であるためだ。
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080108it12.htm

・薬害肝炎:救済法案が可決、衆院通過 11日成立へ(毎日新聞)
>薬害C型肝炎訴訟で被害者全員の一律救済を目指す「感染被害者救済給付金支給法案」が8日午後、衆院本会議に与野党共同の衆院厚生労働委員長提案の形で緊急上程された。同法案はただちに採決され、全会一致で可決し衆院を通過した。参院に送付され、11日に成立する見通しだ。
 http://mainichi.jp/photo/news/20080108k0000e010083000c.html

 新テロ法案と薬害肝炎救済法案。両法案とも、11日から12日にかけて衆参両院で可決される見通しだそうです。互いの間には何の関係も無いかの様に思える両法案ですが、そこには隠れた共通のキーワードが存在しています。そのキーワードとは「民意」、より正確に言うと「長年の自公民馴れ合い政治によって疎んじられ続け、特に小泉・安倍時代には邪魔者の様に扱われてきた末に、先の参院選での与党惨敗を機にようやく主権者として立ち現われてきた、戦争・格差社会NO!の民意」です。

 薬害肝炎救済法案が、その何よりの証拠です。先の参院選で与党があそこまで惨敗しなければ、この法案も多分日の目を見る事は無かったでしょう。与党にとっては、名も無き薬害肝炎患者の声なんて、何の票にもなりませんから。米国の息のかかったハゲタカ資本や軍産複合体との談合に現を抜かしながら、適当にB層やネットウヨクをたぶらかして、戦争熱や弱者バッシングを繰り返しておれば、それで良かったのですから。この法案は、謂わば、先述の民意の励ましを受けて成立したものなのです。

 方や新テロ法案。こちらは前記の薬害肝炎救済法案とは正反対に、先述の民意に戦(おのの)くものが、あたふたと成立させようと躍起になっている悪法です。テロやテロ戦争の定義や、アフガン・イラク戦争の正当性といった、本来ならば法律の前提条件とすべき事項については一切審議せず、兎に角「米国の主張するテロ戦争のお先棒担ぎ」で、「何が何でもアフガン戦争協力先に在りき」の法律でしかないのですから。
 読売新聞の引用記事では、まるでもう再可決が決まったものであるかの様に書いていますが、こんなモノは次の衆院選で「衆院と民意との残存ねじれ」を解消さえすれば、幾らでも否決する事が出来ます。もっと言えば、「現代の姥捨て山」後期高齢者医療制度改悪法案や消費税増税法案も葬り去る事が出来るし、安倍マルコス時代に改悪された「やらせ」教育基本法を元のまともなものに戻して、更に「憲法・民意とのねじれ」を解消する事も出来ます。
 だから、そうさせないために自公与党は、中曽根康弘・森喜郎などの「過去の人」や読売のナベツネを使って、「民主党よ、民意なんて怖れるな」「また今まで通り一緒に美味しい思いを味わおうぜ」と盛んに秋波を送っているのでしょう。読売記事の行間にも、そのいじましい想いがあふれ出ています。

 参院選での与党惨敗・過半数割れと、小泉郵政解散で掠め取った虚構の多数議席の上で胡坐をかいて与党が好き勝手な事をしている衆院の議席配置との格差を指して、「ねじれ国会」という事が言われています。まるで、恰も「ねじれ」そのものが悪であるかの様にまで言われて。先の読売の引用記事なども、その立場から書かれたものです。しかし、「戦争・格差社会NO!の民意」の側から言わせれば、「ねじれ」ているのは寧ろ衆議院の方です。そんなに「ねじれ」ているのが嫌であるのなら、「洞爺湖サミットの後」などと言わずに直ぐにでも衆院解散・総選挙を行って、「残存ねじれ」を解消するのが筋でしょうに。あんな何ちゃらチルドレンとかいう衆院のバカ議員たちに、いつまでも国民の税金を食い物にされて堪るか。
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