共通テーマ「屈・伸」でTが書いた詩を投稿します。
還暦
浮いたり 沈んだり
また発熱したり
互いを指でなぞったり
怠惰なまま過ごした
晩夏の午後
萎れた乳房のように
時が伸びて たわんでいる
ベランダの端に屈んで
満ちてくる潮を眺める
川岸にいた鵜が
潜水した
随分長いこと潜っている
突然
これからは単純明快に生きよう
と決めた
ポッと水面に出てきた
鵜と視線が合った
もうじき鋭利な秋が来る
還暦
浮いたり 沈んだり
また発熱したり
互いを指でなぞったり
怠惰なまま過ごした
晩夏の午後
萎れた乳房のように
時が伸びて たわんでいる
ベランダの端に屈んで
満ちてくる潮を眺める
川岸にいた鵜が
潜水した
随分長いこと潜っている
突然
これからは単純明快に生きよう
と決めた
ポッと水面に出てきた
鵜と視線が合った
もうじき鋭利な秋が来る