湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

昼の詩パート4

2017-03-24 00:00:47 | オリジナル
共通テーマ「昼」でAが書いた詩を投稿します。

感情の橋渡ると

見えない肘鉄
見えない足蹴
見えない傷と見えない涙
すべての感情が不可視で
聞こえない問いの
答え方がわからない

無表情で自転車を漕いだ
ペンキの剥げた橋まで来ると
風がひゆうと笛を吹き
橋を行き交う笑顔の人々
にぎやかな外国語の談笑
陽気で荒削りな生演奏
肉の焼ける香ばしい匂い
おやまあ
こんな近くに
こんなに明るく
まぶしいラテンの国が
水をたっぷり飲んで
飴玉を舐めて
花束をもらったよう

見えない地雷を踏んだって
脚を失ったり死んだり
するわけじゃない
傷を負う前 負わせる前から
こわれものはこわれもの
笑い飛ばしておけばいい

橋を渡り終えると
その先はまたもとの国で
上り坂が続いていた
上って下った先の
どこかにまた
ペンキの剥げた楽しげな橋が
架かってはいないだろうか
コメント
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