湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

絶望名人カフカの詩人イメージ

2015-01-17 01:24:32 | 文学
頭木弘樹編訳「希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話」を読んでいます。
が、二人の言い草が両極端の正反対過ぎなのにいちいちヒーヒー笑ってしまって、なかなか読み進められません。
第1章の目次は下記の通り。×の前がゲーテ、後ろがカフカです。
対話01 前向き × 後ろ向き
1. 希望が助けてくれる×希望は埋葬された
2. 良いことが待っている×真っ黒な波が待っている
3. すべてうまくいく×ぼくは例外
4. ちりも輝く×太陽に耐えられない
5. 希望が救ってくれる×救いはやってこない
6. 希望は高貴×絶望は権利

躁vs鬱?って感じですが、二人ともそういう病はもっていなかったようです。それぞれの言葉は例えばこんなふうに対比されています。
生きている間は、生き生きしていなさい!(ゲーテ「ファウスト」より)
ぼくは静かにしているべきだろう。息ができるというだけで満足して、どこかの片隅でじっと。(カフカの日記より)
解説によると二人は人生に共通点が多いのだとか。なのにキャラはこんなに両極に振り切れているとは、本当に不思議だし面白い

この本の中に、カフカが言った詩人のイメージが紹介されています。
詩人は世の中の平均よりも、はるかに小さくて弱いのです。そのため、この世を生きることの重みを、他の人たちよりも、はるかに強く激しく感じています。詩人の歌は、当人にとっては、ひとつの悲鳴でしかないのです。

繊細なんです…
コメント
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