Death & Live

いわゆる日記とは違うようで。死に様や心の疲労について、つれづれなるままに書き綴るだけ。

映画 『理由なき反抗』

2006-08-11 13:08:57 | 映画 「い段」
何回観たか見当つかないくらい観たな。

『理由なき反抗』  1955年
原題 : REBEL WITHOUT A CAUSE
監督 : Nicholas Ray

去年の10月24日、第18回東京国際映画祭での特集上映で観たっけ。
ビデオでは何度も観たし、高校の時の視聴覚教室でスクリーンでも観てるけど、名作は名作なので、何度観てもいいんですな、これが。

映画としての出来ウンヌンではないのですよ。

自分の心に残るシーンがある。
そこなんです。

○1つ目
<タイトル・ロール>
ジム(James Dean)が酔っ払って、硬く冷たいコンクリートの地面に倒れこんで来る。目の前にシンバルを持った猿のおもちゃ。ジムは、片手に乗ってしまうほど小さいその猿のゼンマイを巻いて地面に置く。シンバルを打つ猿。すぐにジムはその猿を握り締め、地面に寝かせてやる。そばにある包装紙らしき紙をブランケット代わりに、リボンを枕代わりに、猿にやさしく添える。そして、その猿の横にジムは添い寝をする。

 ○2つ目
<ラスト・シーン>
ジムがプラトンを必死で助けようとする。にも関わらずジムの赤いジャケットを着たプラトンは外へ飛び出し、撃たれ、死ぬ。それを離れたところから見ていたジムの父親は、赤いジャケットだけを見て自分の息子が撃たれたのだと勘違いし、駆け寄る。父親に見えていたのは息子ではなく、息子のジャケットだけだった。プラトンもジムも自分を支えてくれる父親が欲しかった。プラトンはそれをジムに求め、ジムは自分の父親を責めた。プラトンは暴走し、ジムの父親はジムと向き合おうと決意する。

ジムの寂しさとやさしさに、してやられてしまうタイトル・ロール。
あまりにも対象的な二人のエンディング。

その哀しさがたまらなく良いのです。
自分にとって、人生のBest3です。