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ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

新着アイテム、通販にアップしましたの巻

2011-08-29 15:06:58 | CD

こんにちは、セウ・ジョルジです。ヤキソバッ!ヤキソバッ!
嘘です!
でもヤキソバはホントです!(←わかる人にはわかる)

さて、遅ればせながらサンバタウンにもCD・DVD新譜が到着し、ようやく通販にアップ致しましたのでご案内致します。
旧譜の再入荷、在庫切れアイテムの補充分もついでに載っけちゃってますがご容赦のほど。
リストは以下の通りです。新着ページ一覧はこちらをどうぞ。

CD-Adriana Calcanhotto/ O microbio do samba
CD-Alceu Valenca & Geraldo Azevedo/ Alceu Valenca & Geraldo Azevedo(再入荷)
CD-Alexandre Andres/ Agualuz
CD-Aline Calixto/ Flor Morena
CD-Alegre Correa & Ana Paula da Silva/ Por causa do samba
CD-Ana Paula da Silva/ Aos de casa
CD-Ana Paula da Silva/ Pe de crioula
CD-Andre Mehmari/ Afetuoso(補充)
CD-Andre Mehmari/ Lachrimae(補充)
CD-Arlindo Cruz/ Batuques e romances
CD-Banda Black Rio/ Maria fumaca(再入荷)
CD-Bob Tostes e Marcelo Gaz/ Horizonte
CD-Caetano Veloso e Maria Gadu/ Multishow ao vivo (2CD)
CD-Candeia/ Autentico-Candeia (1970)
CD-Candeia/ Seguinte…: Raiz (1971)
CD-Candeia/ Samba de roda (1975)
CD-Cartola/ O mundo e' um moinho(ベスト盤)
CD-Cerebro Eletronico/ Deus e o diabo no liquidificador
CD-Choro Club with Vocalistas/ Takemitsu Songbook(補充)
CD-Conrado Paulino/ Wrong way
CD-Dorina/ Brasileirice
CD-Gretchen/ Charme talento e gostosora
CD-Hamilton de Holanda & Andre Mehmari/ Gismontipascoal-A musica de Egberto e Hermeto(補充)
CD-Hugo Fattoruso/ Acorde on
CD-Dos Orientales/ Orienta
CD-Hugo Fattoruso y Rey Tambor/ Emotivo
CD-Hugo Fattoruso y Rey Tambor/ Puro sentimiento
CD-Itamar Assumpcao/ Pretobras(変態的再入荷)
CD-Jackson do Pandeiro/ Forro em Limoeiro
CD-Jackson do Pandeiro/ Ao vivo
CD-Joyce/ Curriculum
CD-Joyce Candido/ O bom e velho samba novo
CD-ko-ko-ya/ antique(補充)
CD-ko-ko-ya/ Frevo! (補充)
CD-Leci Brandao/ Isso e' Leci Brandao(ベスト盤)
CD-Leo Minax/ Sem tirar nem por ~引きも足しもせず~ ※再入荷待ち(9/14予定)
CD-Maira Freitas/ Maira Freitas
CD-Marcelo Camelo/ Toque dela
CD-Marcio Faraco/ O tempo
CD-Mariene de Castro/ Santo de casa ao vivo(補充)
CD-Marquinho Mendonca/ Tempo Templo
CD-Mio Matsuda + Jyoji Sawada with Strings/ Canta Jobim(補充)
CD-Monica Salmaso/ Alma lirica brasileira
CD-Nelson Rufino/ Cade meu amor
CD-Noel Rosa/ No tempo de Noel Rosa(ノエール・ローザの時代)(補充)
CD-Orquestra de Berimbaus do Morro do Querosene/ Sinfonia de Arame
CD-O Rappa/ Rappa mundi(祝・再発!)
CD-Orquestra Brasileira de Musica Jamaicana
CD-カンタス村田とサンバマシーンズ
CD-Quarteto Novo/ Quarteto Novo(再入荷)
CD-Quinteto Vento em Madeira/ Quinteto Vento em Madeira
CD-Reinaldo/ Pagode pra valer(再入荷)
CD-Reinaldo/ Pagode pra valer vol.2(再入荷)
CD-Reinaldo/ Pagode pra valer vol.3(再入荷)
CD-Renata Rosa/ Manto dos sonhos(夢のマント)
CD-Samba de Rainha/ Contrariando a regra
CD-Seu Jorge/ Musicas para churrasco Vol.1(怒涛の鉄火巻的入荷)
CD-Sexteto Panorama/ Panorama do choro paulistano contemporaneo
CD-Silverio Pessoa/ Collectiu encontros Occitans
CD-Soraya Ravenle/ Arco do tempo
CD-Tatiana Parra & Andres Beeuwsaert/ Aqui
CD-Tim Maia/ Disco club(再発)
8CD Set-VA/ Bahia Singlar e Plural(8枚セット)
CD-VA/ Uma flor para Nelson Cavaquinho
CD-Vanessa da Mata/ Bicicletas, bolos e outras alegria...
CD-Alcione, Aragao, Beth, Diogo/ Samba na veia(編集盤)
CD-VA/ Soul do Brasil (2CD)
CD-Heitor Villa-Lobos/ Os choros de camara(Kuarup旧譜)
CD-J.C.Assis Brasil, N.Matogrosso, W.Tiso/ Heitor Villa-Lobos - A floresta(Kuarup旧譜)
CD-Yamandu Costa/ Mafua
DVD-Banda Seu Chico/ Tem mais samba
DVD-Caetano Veloso/ MTV ao vivo Zii e zie (2disc)
DVD-Caetano Veloso e Maria Gadu/ Multishow ao vivo
DVD-Exaltasamba/ 25 anos ao vivo
DVD-Gilberto Gil/ Fe na festa ao vivo
DVD-Gilson Peranzzetta e Mauro Senise/ Noel Rosa 100 anos
DVD-Grupo Ponto de Partida e Meninos de Aracuai/ Pra nha terra
DVD-Maria Gadu/ Multishow ao vivo
DVD-Maria Bethania/ Amor festa devocao ao vivo
DVD-Marcelo Camelo/ MTV ao vivo
DVD-Monobloco/ 10(再入荷してまーす)
DVD-Nando Reis e Os Infernais/ MTV apresenta Bailao do ruivao
DVD-Ney Matogrosso/ Beijo bandido
DVD-Orquestra Popular da Bomba do Hemeterio/ Jorrando cultura ao vivo
DVD-Pedro Luis e a Parede/ Navilouca ao vivo
DVD-Quizomba/ Vem pra ca dancar ao vivo
DVD+CD-Roberto Mendes/ Tempos quase modernos Service Pack(再入荷)
2DVD-VA/ Carnaval 2011 RJ
DVD-VA/ E com esse que eu vou
DVD-VA/ Flamengo Hexa 100 anos de futebol
DVD-Alcione, Aragao, Beth, Diogo/ Samba na veia
DVD-Ze Renato e Renato Braz/ Papo de passarim ※SOLD OUT

お詫びが二点ございまして、「CD-Leo Minax/ Sem tirar nem por~引きも足しもせず~」につきましては大手ショップさんからの予想以上のオーダーをいただきまして急遽CD補充中、再入荷は9月14日(水)の予定です。あーびっくりした。
もう一点、ゼー・ヘナート&ヘナート・ブラスのデュオライヴDVDですが、こちらは入荷と同時に店頭販売のみでほぼ売り切れ状態となり、最後の一本も通販アップするやいなや瞬時に売れてしまいました。恐ろしや。これも再入荷(未定ですけど)までしばらくご辛抱下さいませ・・・。

そして記憶は残された

2011-07-23 20:18:05 | CD

今日はいきなり本題です。
スペイン本国リリースからまる一年の歳月がかかってしまいましたが、ようやく出来上がりました。
サンバタウン、レーベルとしての処女作。

Leo Minax "Sem tirar nem por ~引きも足しもせず~" 7/23(土)発売開始です。

レオ・ミナックスの名を皆さんご存知でしょうか。あるいは憶えておいででしょうか。
2009年、何を思ったかサンバタウン店主、いきなりこのスペイン・マドリード在住のブラジル人アーティストを招聘し、日本でのソロツアーなんぞを組んでしまいました。

「何でそんな無名の人を?しかもブラジル(在住の人)でもないし」という声なき声があったことをワタシはよく理解しています。
ですがそんなことはワタシにとってはあまり関係なかったのです。
ただあの時は「レオ・ミナックスという男の作る音楽世界を日本のリスナーに紹介したい」、その一念だけで、勢いだけで動きました。
それが果たして成功だったのか不発に終わったのか、ワタシ自身では客観的に評価することができませんが、あれから2年、今にして思うと本当に充実した、毎日がチャレンジの楽しい日々でありました。
初めての招聘企画にも関わらず、幸いにして赤字も出さず(いやマジでさ)ツアーを終えられたことは取りも直さず、ツアー各地で応援して下さった皆さんのおかげに他なりません。ありがたきかな人生。

そこで、さて。
今回やっと国内リリースにこぎつけたこのアルバム。
過去のレオの作品を聴けばわかりますが、ここで我々が耳にするのは、あれほどまでに緻密な音作りへのこだわりようとは正反対の、ナイロン弦ギターそして歌のみ。しかも一発録り。その後の音いじり、リバーヴにオーバーダブ、それからゲスト参加、一切ナシ。
ワタシなどは正直、最初にコレ聴いたとき「・・・ところでこれ、ラフミックスでっしゃろ?」とレオに確認してしまいました。
なぜあえてこのような、ある意味過激なまでにアコースティックな作りのCDを製作するに至ったのか・・・。

彼は残したかったのだと思います。日本ツアーと、その直後に回ったメキシコツアーでの、自身初となるソロライヴの記憶を。
いずれかの会場でライヴをご覧になられた方ならきっとわかるはずです。このCDの中に込められた音の意味が。
ライヴをご覧になれなかった方にも是非聴いていただきたいところです。それぞれの会場で流れていたのは、こういう音だったのです。
キャリアの中でも屈指の名曲そして新曲。また山本のりこさんの「Anel de capim(草の指輪)」のカヴァーの素晴らしさにはただただ泣けてきます・・・。

そしてこのアルバムは、我々ツアースタッフにとっても、自分たちの仕事の足跡を残すかたちとなりました。だからこそ、ただ単に輸入盤をそのまま販売するだけでは満足できなかったのです。
とりわけ、レオの日本オフィシャルブログを立ち上げ、ツアーアシスタントを完璧に務めて下さったmarikinhaさんの獅子奮迅の活躍で、とても素敵な日本語対訳冊子を添えることができたのは大きな喜びでした。改めてこの場を借りてお礼申し上げます。

通販ページからもお求めいただけますし、もちろん円頓寺本店にても店頭に並んでおります。
小売店さま向けに卸売(1オーダー3枚以上)も承りますので、ご遠慮なくお問い合わせ下さいませ。

どうぞよしなに。

インストバカ一代

2011-03-30 16:46:34 | CD

こんにちは、ナオチーニョ改めセウ・カンです。但し暫定です。
嘘です!
総理大臣(我が国の)、遂にその言葉を口にしましたね。
「今回のことを教訓に、太陽、バイオなどクリーンエネルギーを世界の先頭に立って開発し、新たな日本の大きな柱にしていく」と。
ワタシは絶対これ忘れませんから。冷静な視点を持つ友人がつぶやきました。「原発やめるとはいってないよね」と。これもまたその通りであります。
従いまして我々国民は以後しっかり国のエネルギー政策についてウォッチ、ポル語動詞で言うところのObservarを続けていかねばなりません。そしておのおののエネルギー節約励行もまた然りなのであります。

というあたりで今日の社会派サンバタウン店主は終了です。今回は9行でしたね。

さて。

例によっていきなり話は飛びますが、ワタシはCDやDVDのBOXセットという企画があまり好きではありません。ていうかむしろキライな方です。
特に大手レコード会社が安易に乱発する過去ディスコグラフィーを十把ひとからげにした感じのやつ。もう絶対仕入れてやるもんかとムダに反骨心が掻き立てられてしまいます。
買い手すなわちリスナー側からすれば、お目当てのアーティストの作品については持ってないやつもあれば既にもう持ってるやつもあるわけです。サンバタウンみたいなゲリラショップにおいてはかなりツウというかマニアというか、非常に耳の肥えたお客さんが多いですから、そういうケースってしょっちゅうなんですよね。だからレコード会社の企画担当野郎は基本バラで売りやがれ、じゃない、売るように心がけたほうがよろしいかとさしでがましくも申し上げる次第でございます。とりわけ入手困難な名作(だいたいそういうのに限ってなかなか再発されないのだ)はしっかり市場のニーズをチェックの上、プレス枚数も厚めにお願いします。いや、ホント頼みますよ。

話がそれました。
で、そのBOXセットなんですが、今回はそんなひねくれ者のワタシもひっくり返るアイテムが到着しました。
こういう企画が上がるたんびにいつもカネ出してくれる、ブラジルのショーロ系インストミュージシャンにとっては神様みたいな存在の石油会社・PETROBRAS社の協力を得て製作された、2枚組6セットつまり計12枚に及ぶブラジルインスト音楽集、その名も Sons da Musica Brasileira(Sounds of Brazilian Music)。ていうかはっきり言うとショーロ集なんですよ奥さん!(誰が奥さんや)

しかもこのように!



アコーディオン編、カヴァキーニョ&バンドリン編、フルート編、ピアノ編、サックス&クラリネット編、そしてヴィオラゥン編と6冊の豪華製本に収められた2枚ずつのCD。おお、なんと贅沢な!
そして演奏者たちの顔ぶれたるや・・・。

【アコーディオン編(2CD)】
 Bebe do Acordeom, Marcelo Caldi, Kiko Horta, oswaldinho do Acordeom, Sivuca, Chiquinho do Acordeom, Marcos Nimrichter, Luiz Carlos Borges, Toninho Ferragutti, Dominguinhos
 
【カヴァキーニョ&バンドリン編(2CD)】
 Henrique Cazes, Marcio Almeida, Valmar Amorim, Marico Marinho, Jayme Vignoli, Dudu Braga, Warley Henrique, Deo Rian, Bruno Rian, Ronaldo do Bandolim, Luis Barcelos, Marcilio Lopes, Joel Nascimento, Afonso Machado, Hamilton de Holanda

【フルート編(2CD)】
 Andrea Ernest Dias, Leonardo Miranda, Dirceu Leite, Alexandre Maionese, Altamiro Carrilho, Carlos Poyares, Eduardo Neves, David Ganc, Carlos Malta

【ピアノ編(2CD)】
 Marcos Nimrichter, Gilson Peranzzetta, Leandro Braga, Radames Gnattali, Maria Teresa Madeira, Cliff Korman, Cristovao Bastos, Wagner Tiso, Roberto Szidon, Itamar Assiere, Arthur Moreira Lima

【サックス&クラリネット編(2CD)】
 Leo Gandelman, Mario Seve & Daniela Spielmann, Humberto Araujo, Dirceu Leite, Paulo Moura, Eduardo Neves, Carlos Malta, Rui Alvin, Joana Queiroz, Paulo Sergio Santos, Mario Pereira

【ヴィオラゥン編(2CD)】
 Ze Paulo Becker, Yamandu Costa, Henrique Cazes, Sergio Assad, Luiz Otavio Braga, Henrique Annes, Marcello Goncalves, Elias Belmiro & Mauricio Pereira, Raphael Rabello, Baden Powell, Rogerio Caetano, Canhoto da Paraiba, Paulao 7 Cordas, Marco Pereira

製作指揮はカヴァキーニョの名手、エンヒーキ・カゼス。その裏には日本でもファン急増中の7弦ギター奏者マルセロ・ゴンサルヴェスの影がちらほら。当然ながら出来の悪かろうはずがありません。
音源をざっとチェックしたんですが(12枚ですからもう作業時間としては大変なもんです・・・)、本作のための新録曲もかなりの数にのぼり、少なく見積もって半分近く。そのほか今やCDでは残っていないようなエンヒーキ秘蔵の楽曲(おそらくKuarup廃盤モノが多くを占めているとみました)が収録されてたりして、嬉しい驚きもあったりします。ですからKuarupのタイトルはあらかた全部持っているという剛の者を除けば、かなりお楽しみいただける内容になっているんではないかと思います。

店主は大のギター音源好きなものですから、何はともあれヴィオラゥン編から試聴。
即昇天。

いやあ、久々にこれぞBOXセット!という商品を見た気が致します。
もちろんこれだけのボリューム・内容ですから大人買いアイテム相当のお値段(19,950円)となっておりますが、一も二もなく挙手されるお客さんも日本中見渡しゃ三人くらいいるだろうと思って頑張って仕入れてみました。
こいつに限ってはバラ売りなどという罰当たりなことは致しません。是非セットでどうぞ!(通販は明日アップします。待てない方はコメントもしくはメール等の直接コンタクトをお願い致します)
※後日追記:すみません、記事公開の翌朝を待たずして全て予約完売となりました。

ショーロといえばこちらのネタもご紹介させていただきたく。
日本初のショーロ専門ストリーム配信サイト・fonfon(フォンフォン)さんが、今回の震災にあたり、暫時無料試聴ページを提供して下さっています。ショーロにこれまで縁のなかった皆さんも、騙されたと思ってご一聴いただければと思います。
ほんの束の間、ショーロの柔らかい音色に心癒されるひとときがもうそろそろあってもいい頃です。
ホント沁みます・・・。
fonfonさん、ありがとうございます。

2月2日はとうの昔に終わったけれど

2011-03-25 20:43:57 | CD

こんにちは、正力松太郎です。嘘です!
いやしかし、この番組(削除されてたらゴメンナサイ)を見て、読売グループにそこはかとなく(ていうかすっげえ)違和感を昔から覚えていたのにはこういう遺伝子がグループに流れているからか、と改めて思うにわか社会派サンバタウン店主ゼジです。

社会派店主はひとまず4行で打ち切りとして、今回はまたまたCDの話題を。新譜ではありませんが、隠れた良盤をおひとつ。
サンパウロ(だったと思う)のシンガー、マテウス・サルトーリという人のドリヴァル・カイミ集 Dois de fevereiro という2007年の作品でございます。

このマテウス某、アルバムは過去に2枚しか出しておらず(注:書いた直後すでに3枚目も出ていることが判明)、日本ではまだまだ無名の存在ですが、元ボカ・リヴリのゼー・ヘナートに更に透明感を持たせたような美しい声の持ち主。ゼー・ヘナート以上、ネイ・マトグロッソ未満、といったところでしょうか(意味不明)。
クレジットを見ただけでもブラジル音楽ツウの方ならピクッと眉を動かすでしょう。

プロデュース: Rodolfo Stroeter
ミックス&マスタリング: Mario Gil
ゲストギタリスト: Guinga, Paulo Bellinati, Mario Gil, Chico Saraiva, Diego Figueiredo, Webster Santos, etc.


もう泣く子も黙るスーパーメンツ。更には各曲で使用されたギターのメーカー/工房名・機種名・製造年・使用材そして曲によっては使用弦に至るまで克明に記載されており、例えば9曲目のマリオ・ジルが参加した Sargaco Mar という曲の場合、日本語に直すと

【マリオ・ジル】
 スギヤマギター ナイロン弦 1985年製
 モデル ESR 弦長660mm 製造番号285
 使用材:表板/カナダ松 側底板/インディアンローズウッド 指板/エボニー ネック/マホガニー

一体どういう層を狙って製作したんですかとツッコミたくなるようなオタクぶり。申し上げるまでもなく、ブラジリアンギターファンならニタニタ笑いながらお楽しみいただける内容となっております。 

いやしかし、こういう商品説明って、食いつく人には威力抜群ですけど、お客さんによっては(ていうか大多数は)ドン引きもんのマニアックな話ですから、売り手も人を見て法を説け的な分別が問われます。まさにブラジル音楽版「鬼の道」というやつでありますが、サンバタウン、かまわず行きます!

音楽よ、戻ってこい

2011-03-22 19:59:42 | CD

こんにちは、帰ってきたドン・キングです。
嘘です!

先の震災以来、国内外問わずいろんなイベントが次から次へとキャンセルになっていく現状。
我らがブラジル音楽界においてもそれは例外ではなく、先日の記事にてお知らせしました通り、モレーノ・ヴェローゾのソロツアーも残念ながら延期となってしまいました。
ワタシもちょびっとだけお手伝いさせていただいているアンドレ・メーマリさんの来日も、果たしてどうなるものか予断を許さない状況であることは否めません。
ですが我々スタッフは、最後の最後まで諦めずにツアーの開催に望みをつなぐべく頑張っております。

サンバタウン店主は思います。
オマエは間違っている!と指弾されようが思います。
こんな時だからこそ我々は心慰められる何かが必要だと。今はまだ時期尚早だとしても、来月、再来月と時間が経つにつれ、深く傷つき、鬱屈とした感情を洗い流してくれる、あるいはそっと抱きしめてくれるものが。
それは例えば「笑い」であってもいいはずです。そしてワタシの場合、やはりそこに音楽が鳴っている場が、そしてそれを心から楽しめる空気が早く戻ってきてほしい。

震災の直前に、ブラジルからある女性シンガーのCDが3タイトル届きました。
南部ポルトアレグリに住むアナ・パウラ・ダ・シルヴァ(Ana Paula da Silva)という、まだ日本でも知名度の低いアーティストですが、最近めっきりアコースティック化傾向にあるサンバタウンとしましては、もう絶対に捨て置けぬ素晴らしい作品をひっそりと世に出し続けている人なのです。
旦那さんはブラジリアンインストに詳しい方ならおお、と反応するであろうアレグリ・コヘーア(Alegre Correa)。これ意外でしたねえ。

まずはそのアレグリ・コヘーアとのデュオでお送りする鉄板企画「声とギター」の名作 Por Causa do Samba(2006年作)。
硬質にして流麗かつバカウマなダンナのギター一本(あと時々ホベルチーニョ・シルヴァのゆる系パーカッション)をバックにアナ・パウラのナチュラルな歌声が凛とした印象を強く与える良作です。

それから2009年(だったかな?)にピシンギーニャ賞(Premio Pixinguinha)を獲った Aos de Casa も素晴らしいアコースティック作品です。トニーニョ・フェハグッチのアコーディオンが素晴らしいサポートぶりで、時にシンプルなサンバ、ある時にはスロージャズ風、はたまた内陸部の牧歌的なテイストも見え隠れするソフトな作風はとてもリラックスできる仕上がりです。

そして最新アルバムの Pe de Crioula ですが、これがまた徹頭徹尾サンバアルバム。何しろバックのメンバーが凄い。
サンビスタなら誰もがひれ伏すマウロ・ヂニス、カルリーニョス・セッチ・コルダス、クラウヂオ・ジョルジ、マルセリーニョ・モレイラ、そしてゴルヂーニョら錚々たる面々がレギュラーで参加。たとえ「アナ・パウラ・ダ・シルヴァ?誰それ」という風に貴方が思われたとしても、このアルバムは一聴の価値ありです。

3作品ともにそれぞれ全く違った味わいを楽しめる、とても良質なアイテム揃いです。

別に今コレを買ってくれ、と無理に申し上げているわけではありません。
これから再びブラジル音楽を世に紹介していこうという今日、そのスタートとしてこの3枚をピックアップさせていただいた次第です。

ちなみにこれらのアルバム、Twitterでちょろっとつぶやいただけなのに、山形の某ロイヤルカスタマー(笑)からいち早くチェックが入りました。幸先の良いオーダーに嬉々としながら発送したその直後、皮肉にもあの忌まわしい震災が起こったのです。
悲しきかなアナ・パウラのCDはお客さんの手に渡ることなく「配達不能」ということでサンバタウンに出戻りとなりました。
震災の被害を思えばこのような出来事など取るに足らぬことかもしれません。しかしこのアルバムがもしもあと一日早くお客さんの手に渡っていれば、メール便でなく宅急便で送っていれば・・・というちっぽけな後悔が頭を離れません。
震災のショックから少しでも立ち直られて、そろそろ音楽でもじっくり聴いてみようか・・・とお思いになられた時、このCDのいずれかを耳にしていただけていたらなあ、と。

音楽が直接的に人の命を救うことは少ないかもしれません。
しかし人の心を救うことって、きっとものすごく多いと思うんです。
ワタシはそのような考えを胸に、いつも通り淡々と己の仕事をまっとうしていきたいと思っています。

ペーやん系をもうひとつ

2011-01-25 22:22:01 | CD

こんにちは、MP,Bのジョアン・マリオです。
嘘です!!!

いやあ、冒頭から力強い嘘で始まりましたが、みなさんもついてますか、メンチーラ。
ひょっとしてワタシはだんだんアタマがおかしくなってきてるんでしょうか。

さて、昨日ご紹介しましたペドロ・ルイス&パレーヂ(以下PLAP)のライヴ盤に関連して、もう一枚オススメのアイテムを記事に採り上げてみようと思います。

アーティストの名はアナ・クララ・オルタ(Ana Clara Horta)。むう、名前の響きからして良さげですね。作品タイトルは「オルビタ(órbita)」とな。ジャケもステキ。ビスコイト・フィーノからのリリースです。
クレジットを見ますと、プロデュースがマリオ・モウラ。PLAPのメンバー(ベース弾いてる長身の人ね。モノブロコではスルド担当)であります。へええ、マリオこんな仕事もするんだ(←しゃべったことないけどな)。
バックメンバーで注目すべきはフェルナンド・カネッカ。前にこんな記事で彼のことを褒めちぎったことがありますが、今回はフォーク/エレキ/テナーギターで大活躍。気になるヴィオラゥン(ナイロン弦ギター)はというと、アナ・クララ嬢ご本人が、耳当たりの実に気持ち良い歌とともにやたら達者な演奏を聴かせてくれます。この人、かなりの才女とみました。特別ゲストにアコーディオン奏者のキコ・オルタが参加していることから、どうも血縁関係にあるんではないかという気がします(←まだ調べてないけどな)。

1曲目・2曲目は現地リオでウケそうなファンキーな出だしのトラックなので、それは一旦おいといて日本のリスナーには3曲目のタイトル曲「órbita」から試聴していただくのがメリョールでしょう。
ペーやんも6曲目にデュエットしてまして、この力の抜け具合がもう凄くイイんです。彼がソロアルバム作るようなことがあれば、こんな感じの曲をベースにした作風にしてほしいですね。

以上、とても良いアルバムでした!PLAPファンはもちろん、ホベルタ・サー、アナ・ルイーザ、アドリアーナ・カルカニョットあたりがお好きな方は撃沈率がすごく高いと思いますので是非チェックを。

いきなり超大作

2011-01-22 21:45:05 | CD
こんにちは、バイーアの怪人メストリ・ルア・ハスタです。
それよりのう、アレ持っとらんか、ほら、アレじゃよ。
なんじゃ持っておらんのか、つまらんヤツじゃのう。
嘘です!!

まあ、ルア・ハスタの欲しがっているアレというのが何なのかはどうでもいいとして、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
くれぐれもインフルエンザにかからないように免疫力つけて無事にこの冬を乗り切りましょう(←我が身が一番心配)。
そんな店休日にもぜじろぐを更新する店主ゼジ、この意気込みは本物でしょうか。本物であってほしい!

さて、1月にして早くもサンバタウン的2011年ベストアルバムにランクインしそうな作品をご紹介します。
あくまでサンバタウン的だけどね!

それはマリア・ベターニア主宰のキタンダレーベル(ビスコイト・フィーノの息がかかってます)からリリースされた、大御所パウロ・セーザル・ピニェイロの新作、Capoeira de besouro(カブトムシのカポエイラ)という一品。
これはものすごいです。バイーア州は今すぐP.C.ピニェイロに感謝状を贈呈すべきでしょう。
もともとは作詞家として揺るぎない地位を得ているパウロ・セーザルですが、これまでの彼のリーダー作も渋いサンバ寄りでツウ好みのものが多かったと記憶しています。

しかしサンバタウンが試しに恐る恐る調達した彼の新作のテーマは、なんとカポエイラ。
どうやらビゾウロ・マンガンガーという伝説の人物へのトリビュート作品であるとのこと。
(残念ながらこのマンガンガーなる人については店主はあまりよく知りません)
作詞家である彼がバイーアの伝統芸能カポエイラを採り上げたというだけではありません。
その演奏陣たるや、ビリンバウ(グンガ)はメストリ・カミーザ。アバダーの首領であります。
この時点で日本全国のカポエイリスタはチェック必須決定。
そしてギターはマウリシオ・カヒーリョ。
カヴァキーニョはパウロ・セーザルの奥方ルシアーナ・ハベーロ(12, 14, 15曲目に参加)。
パンデイリスタはセウシーニョ・シルヴァ。
そして派手ではないけれど今リオで引っ張りだこ状態のパウリーノ・ヂアスが重厚なパーカッションプレイを披露しています。

ブラジルの伝統音楽に興味がある方ならば、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
「ああ、カポエイラのCD?伝統文化いいよね。ビリンバウの音もなんか渋いよね。けどメロディ不在だし。歌とかコーラスとか、はっきりいって調子っぱずれだし。CD1枚通しで聴くの正直ツラいわな。あれに弦楽器とか入ってアレンジちゃんとやったらめちゃカッコいいバイーア音楽になりそうなのに。もったいないよねー」

すみません、それはワタシです。

そしてこれが正にそういう「弦楽器とか入ってアレンジちゃんとやった」作品なのです。

それから皆さん。パウロ・セーザル・ピニェイロについてこんな偏見は持っておられませんか?
「ああ、パウロ・セーザル?歌詞いいらしいよね。バックもショーロ系のミュージシャンとか揃えてさ、とにかく渋いサンバだよねえ。けど正直言ってあの人ダミ声じゃん?歌も取り立てて上手いってわけでもないし。続けて聴くのもけっこうシンドイけど、あまり悪く言うとツウの人から説教食らいそうだし、ここはひとつ見て見ぬフリを・・・」

すみません、白状しますがそれもワタシです。みんなもこの際だから隠さずホンネ言おうよ。おれ勇気出して言ったんだからさあ。

それでですね(コホン)、これが驚いたことに、パウロ・セーザルの歌がかつてないほどにめちゃめちゃカッコいいのです。
あのダミ声(失礼!)が、野性味溢れるカポエイラの世界に溶け込み、見事なまでのオトコ臭さを演出しております。
それはなぜかといいますと、おそらくこれまでの「歌の力量」に関する評価が

巷のMPB歌手 VS パウロ・セーザル

という構図による比較ではなく、

巷のカポエイラのメストリたち VS パウロ・セーザル

という土俵の上での勝負になっているからではないかと店主は見ております。そりゃ相手になりませんわね。こうなると見事パウロ・セーザルの頭上に栄冠は輝きます。いやあびっくりしたなーもう。

更にはブラジルきっての和声感覚の持ち主であるマウリシオ・カヒーリョの7弦ギター。時に不協和音すら交えながら魅惑的なテンションコードを駆使した演奏は、カポエイラの深遠なる世界をこの上ない美しさで表現することに成功しています(これ聴き込んだらギターでバイーアのリズムほぼ刻めまっせ)。
メストリ・カミーザらビリンバウ演奏陣の叩き出す、São Bento Grande, São Bento Pequeno, Cavalaria, Santa Maria, Barravento, Angola Dobradaといったカポエイラのスタンダードリズムパターンとともに展開してゆく歌と演奏は、これぞバイーア文化のエッセンス。ビリンバウやパンデイロ、アタバキの演奏メンバー数を練習時に確保できないカポエイラ団体の皆さん、このCDをかけながらホーダしてみませんか。きっと尋常じゃないくらい気ン持ちええですよ。約束します。
アルバム後半部から俄然盛り上がを見せるサンバ・ヂ・ホーダにふつふつと湧き上がる興奮を感じない方にバイーアファンを名乗って欲しくはないとさえ思わせる、そんな感動をふんだんにたたえたパウロ・セーザル・ピニェイロの新作をどうぞお聴き逃しなく!


(イカすぜ大御所!)

そういえばDufiさんとこのCDは

2010-10-13 18:22:26 | CD

こんにちは、もうあれやこれやの案件でいま何から手を付けていくべきか見えなくなってきたデリケートなサンバタウン店主です。アウ。

しかし「下手の考え休むに似たり」という諺もあるほどですから、こういう時はウジウジ悩まず、「今できることを一つずつ片付けていく」という仕事の基本に立ち返ってコツコツ取り組んでいくしかないのであります。

そんな頑張れ俺的な店主の独り言はどうでもいいとして、名古屋Café Dufiさんにて置かせていただいているサンバタウンセレクトCDラインナップ、10月分ローテーションも半ばに差しかかろうとしております。

もちろん来月に名古屋公演を控えておりますホベルタ・サーちゃんの新譜(Trio Madeira Brasilをバックに迎えたアコースティックな傑作です!)もちゃんと揃えてます。当然のことながらダントツの売れ行きです。
もっとも今回の来日メンバーはトリオ・マデイラ・ブラジル帯同ではないので、新譜レパートリーがどこまで演奏されるかは未知数ですが、そんなのは関係ナシに必聴アイテムと申し上げられます。
他にも素晴らしいタイトルが目白押し。ヤングには必殺のヘタレロックMombojó(ヤングて言うな)、土着系が好きな方には北東部の女性シンガーSocorro Liraなんかオススメです。
いま置かれている全9タイトルは以下の通りです。専用試聴機もありますのでなんぼでも聴けまっせ!

Disc1- Fernanda Guimarães/ Verbo livre
Disc2- Leandro Sapucahy/ Cantando Roberto Ribeiro
Disc3- Marina De La Riva/ Ao vivo em São Paulo
Disc4- Mombojó/ Amigo do tempo
Disc5- Pierre Aderne/ Água doce
Disc6- Renato Motha & Patricia Lobato/ In Mantra
Disc7- Roberta Campos/ Varrendo a lua
Disc8- Roberta Sá & Trio Madeira Brasil/ Quando o canto é reza
Disc9- Socorro Lira/ Lua bonita


しかし来月のローテーションは何にすっかねー。

サーちゃん新譜、再入荷しました

2010-09-09 10:59:11 | CD

サンマの水揚げはダメでも、サーちゃんの新着絶品CDはどっかと入りましたよ!
各方面で大絶賛、そして弦楽器フェチ及びサーちゃんにメロメロの男たちは大悶絶の嵐!
ここサンバタウンでも、通販アップ&入荷案内後24時間以内に初回入荷分がソールドアウトという反響ぶり。
名古屋のお客さまのために、Café Dufiの9月ラインナップとしても今週末に登場予定です。
お早めにどうぞ!

移ろいゆく恋心

2010-08-30 13:32:19 | CD

ああ、サーちゃん・・・。
君の歌声に包まれながらそのまま海の底に沈んでしまってもいいですか。

2007年は「ああ、モンちゃん・・・」と呻き。←注:マリーザ・モンチ
2010年春には「ああ、ボンちゃん・・・」と身悶えし。←注:アレクシア・ボンテンポ
いやあすみません、恋多きオトコでして。ははは。

のっけから失礼致しました。夏の終わりのサウダーヂ病に悩まされ続けのサンバタウン店主ゼジですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
そんな腑抜けたワタシのハートをガツーンと、シャキーンと目覚めさせてくれる期待のアルバムがようやく届きました。

サンバタウン店主が勝手に「サーちゃん」と幼馴染みのように呼んでいるリオの歌姫、ホベルタ・サー。アルバムリリースのたび国内ブラジル音楽ファンを熱狂させてまいりましたが、今回到着した新作がまた凄まじい。

バックにはブラジル最強弦楽器ユニットの呼び声高い、あのトリオ・マデイラ・ブラジル。そして本作のテーマはバイーアが誇る作曲家ホッキ・フェヘイラ集ときた日には、ショーロ/サンバ系アコースティックファンがもはや黙っておりません。

サポートパーカッションにはSamba de Fatoの活動で現在売り出し中のパウリーノ・ヂアス、そしてネイ・マトグロッソのカルトーラ集でセウシーニョと並んで打楽器班を務めていたゼロが担当しており、サウンドは磐石。ていうかカンペキ。これ以上何を求めろっていうんだ?!

前作「Que belo estranho dia para se ter alegria」よりもナチュラルで、前々作「Braseiro」よりも情熱的。ギターとバンドリンの煌くアコースティックサウンドは、まさにバイーアの海岸を優しくそして爽やかに流れる風のよう。
サンバタウンが全身全霊をかけてオススメする大傑作盤です。

現時点で既に店主の「2010年俺ブラジルディスク大賞」堂々の暫定王者ポジションを獲得。
初回入荷分はどこのショップもほぼ予約がついている状況で、早くも次回入荷分のバックオーダーまで殺到しているとか。
大ヒット間違いなしの好盤ですのでしばらく流通も活況となるかと思いますが、突如としていつ売り切れとなるやもわかりません(輸入盤の場合大体3ヶ月~半年後にはとうにアウトという例多し)。皆さんもなるべくお早めに、是非。

あほぢから

2010-07-14 16:36:18 | CD

今日は久々に書きがいのあるCDに出会えました。

日本が誇るパーカッショニスト、ピュアな野獣こと福和誠司の記念すべきファーストソロアルバム。
その名ももしもパレード(販売:ハピネスレコード)。

誠司さんは店主も昨年のLeo Minaxジャパンツアー・東京公演にてゲスト出演をお願いしたこともあって馴染み深いミュージシャンなのですが、その天然キャラはレオも大のお気に入り。
あれはレオがステージ上で次の曲について説明していた時のやり取り、
  レオ 「Entendeu, Seiji?」
  誠司 「あッ、ハイ、わかります」
  レオ 「Bom」
  (一同大爆笑)

は観た人ならば誰しも忘れない伝説の光景。自然児には言語の壁すら存在しません。楽しい思い出です。


(2009年7月、プラッサ・オンゼにてレオ・ミナックスと)

「普段の演奏活動の中で、実際に演奏している時間よりも移動したりセッティングしている時間の方が私の場合豊富にあるのですが、そんな中例えば車の運転中に『もしもこんな音楽があったら』『もしもこんなパレードがあったら』『もしもこんな部族がいたら』などと空想して一人でにやにやしている事がたまにあります。
その『もしも』を形にしてみたいと考えるようになり、それをベースのPちゃんに話したところ『おもしろそうだから是非やりましょう』と言ってくれたので今回この<<もしもパレード>>を私とPちゃんで製作し発表するに至りました。」


という本人のライナー冒頭紹介文からもわかるように、天然な世界がじわりにじみ出ています。
(その後にも続く本人による抱腹絶倒の曲解説は是非CDをお買い上げの上お楽しみいただきたい!!)

いやあ、国内ミュージシャンでこれほどまでにツボにはまったアホぢから音源は、2005年にギタリスト・Keiが出した「LOST PEOPLE, LOST MUSIC」以来ですわ。
とてもワタシには「もしも『いち、に、いち、に』ではなく三拍子でタイコを叩きながら音楽的に走れたら」というイメージは浮かび上がったりなどしません。
心に愛を、身体に情熱を、脳ミソにアホがめいっぱい詰まった福和誠司その人にしかできないスーパーコンセプトアルバム、理屈抜きで聴くべし!!

あまりに面白かったので、店主、誠司さんに即メールを送りました。

「誠司さま/おはようございます、サンバタウンの上沖です。
 CD昨日届きました!聴きました!抱腹絶倒でした!
 最高です。ブログで記事にさせてもらってもいいですか。
 またよろしくお願いします!」

ほどなく返信が返ってきました。

「ありがとうございます。blogの件大丈夫です。昨日タクシーの運転手が1枚買ってくれました。
 運転席の後ろにチラシも置かせていただきました。誠司」

ノボス・ナニワーノスのキャッチフレーズを拝借させていただくならば、このような「愛・アホ・情熱」に満ちたミュージシャンを、サンバタウンは心から応援しています。


(収録曲を聴けばジャケ裏左下隅『あっ、あっ』の謎が明らかに・・・!)

今月のDufi

2010-07-05 15:46:31 | CD

地元ネタで恐縮です。

Café Dufi 7月のCDローテーションを先週末に実施してまいりました。
入れ替え作業中に折りしもちょうどW杯のブラジル×オランダ戦が始まってしまいましたが、オーナーの水野さん、気を利かせてくれたのか店の壁のスクリーンにわざわざ試合を映し出して下さいました。
したらば、もう点入っちゃってるし!うおおホビーニョ~~~。
ほどなくして作業も終わり、こりゃ家に帰ったらちょうどハーフタイムで前半のダイジェストを観られて、あとは後半戦をこの調子で心ゆくまで堪能できるぜ。くうーッ、今夜も美味いビールが飲めそうだあ!

・・・てな感じで家路につき、帰宅後テレビにかじりついておりましたですよワタシは。
一体何だったんでしょねアレ。
ホント冗談抜きで、国帰ったらボロクソですよ、セレソン。
もうドゥンガ、いいからそのまま成田直行、そのまま亡命して日本代表監督就任。
そんなシナリオを思い描いた知人友人がワタシの周りにわんさかおります。
セレソンの連中もこの際全員Jリーグ入り(←移籍金違約金はどうする)。で、カカー帰化。帰化カカー(意味不明)。
日本サッカー界のレベル底上げは我らがセレソンが急ピッチで進めてくれるでしょう。
嘘です!

まあ、そんなわけで7月のDufiブラジル音楽CDラインナップは以下の通り。

Euterpe/ Batida brasileira
Fernando Salem/ Rugas na pele do samba
Jorge Vercilo/ D.N.A.
MAKO/ Algumas cores
Mariana Baltar/ Mariana Baltar
Monobloco/ 10
Rodrigo Maranhão/ Passageiro
Sérgio Santos/ Litoral e interior
Zé Paulo Becker/ Para tudo ficar bem


ひとつよろしく!

世界のヤマちゃん、健在なり

2010-06-21 12:37:03 | CD

こんにちは、武蔵川理事長です。私どもはやましいことは何一つとしてやっておりません。
嘘です!

さて、そんな腐り落ちた公益法人のことなどはどうでもいいとして、今回は体型だけならそのまま相撲部屋に入門してもよさそうな「世界のヤマちゃん」ことヤマンドゥの新譜について。

本作 "Yamandú Valter" は、ヤマちゃんとValter Silvaというベテラン7弦弾きとのデュオ録音。7弦+7弦。プロデュースはこれまた7弦ギターを熟知したる男マルセロ・ゴンサルヴェス。まあ7弦ギターファンにとってはたまらない作品が生まれちゃったわけでございますよ。

採り上げた題材(ヂレルマンド・ヘイス、ジョアン・ペルナンブーコ、ジャコー・ド・バンドリン、ピシンギーニャ、カニョット・ダ・パライーバ他)から想像するに及ばず、この音、正真正銘ショーロです。しかもバリバリの硬派。なんせ相方のヴァウテルさんの7弦、巻き弦部が「鉄芯」。そう、Violão sete cordas de açoというやつです。今は亡きヂノもこのスタイルでしたね。
その鉄弦によるストイックで太いベースラインと絡み合いながら、いつも以上にエモーショナルに旋律を奏でるヤマちゃんの進境著し。かつてのブチ切れガチャ弾きギタリストの悪評がここでは露ほども窺えぬほど美しいプレイを聴かせてくれます。

これまでもヤマちゃんのリリースしてきたアルバムにつき「これが今までで最高だ!」と店主がはしゃいだものも何作かありましたが、今なら言えます。これが一番好き~。とはいえあくまで個人的感想なので、そのへんは、まあ、割り引いてお考えいただければ助かります。



おひとついかがでしょうか?(←またまたマルメラアダ・アベさん風)

師匠、ここでも仕事してますの巻

2010-06-18 15:29:35 | CD

新譜ではないのですが、こんなCDがあるのを皆さんご存知でしょうか?
セアラー州出身、いまリオ在住(たぶん)のベテラン女性歌手Lucia Menezesの、昨年あたりに入荷したPintando e bordandoという作品です。

このCDを既に買ってらっしゃるというのは、もう相当にマニアか、あるいはレコード屋さんで何かの間違いで買い物カゴに入れてしまった方くらいのもんではないでしょうか。

まあジャケもそうパッとしたものではないし、よく見ればかなりのオバちゃんです(どうもエルザ・ソアレス系の『お手入れ』をされているような・・・)。まあそれはともかく、このLucia Menezes、MySpaceとかにもページをお持ちのようで、試聴してみると一種のロリ声でした(笑)。
歌もいいですが、バックに「師匠」ことジョアン・リラが全面参加。となるとピアノはクリストヴァン・バストスと予想がつきます。その他ベースにジョルジ・エルデル、ドラムはカルロス・バラ、フルートにヂルセウ・レイチ、カヴァコがアルセウ・マイアで7弦ギターはホジェリオ・カエターノ、パーカッションにゃウビラニーまで!もう、巨匠だらけ。リオらしい風通しの良いサンバ/ショーロ/フォホーが心地良いです。
ボサノヴァ/ライト感覚なサンバ(なんだそりゃ)がお好きな方はいざ知らず、師匠のファンならチェックしておきたい、地味ながらなかなかの佳作であります。

こういったマイナー音源も隙間産業ショップらしく、これからどんどん紹介していきたいと思います。



(しかし、これはあまりといえばあんまりな・・・)

使命感に燃えるの巻

2010-06-17 17:54:27 | CD

こんにちは、サンバタウン店主ザジです。地下鉄の。嘘です!

今日も今日とて優れたクオリティのブラジル音楽を紹介すべく、ワタクシ、頑張ります。

さて、今回採り上げるアルバムはMagali(マガリ)というまだ無名の女性シンガーのおそらくはファーストアルバムとおぼしきCD。

どうですこのジャケのあまりの残念ぶり。これを見た時ワタシの頭の中に福助という二文字が思い浮かんでしまいました。
これ、一体何でしょうねえ。
カシシ持ってるくらいだからバイーアもの?
それとも意表を衝いての新世代系?
まさか更に意表を衝いて、ファンキ・・・とかではないよね。いくらなんでも。

ところがなかなかどうして、これが素晴らしいサンバ系MPB
レーベルはDuncan Discos。なるほど、仕掛け人はゼリア・ドゥンカンだったんですね。
(本人もゲストで1曲参加で素晴らしい歌を聴かせてくれます。ていうかこの音バックにサンバアルバム出してくれってばよ姐さん!)
ゼリア本人が惚れ込んだというだけあって、クララ・ヌネスとマリア・クレウザをミックスしたような雰囲気たっぷりのマガリの声がいいですね。
もしクララがまだ生きていて、今もなお現役であったなら・・・。
このアルバムは正にそういう想像力を膨らませてくれます。
そしてこういう良い作品を広くブラジル音楽ファンに親しんでもらうためには、もっと商品説明を頑張んないとな、サンバタウン(←と自らに言い聞かせる)。

福助ジャケには福がある!
まあ、今日はそういうオチで、ひとつよろしく