最近、がん患者を温熱療法で治療されている方から、玄米を炒ると抗がん作用がアップするという話を聞きました。そこで、その話の元ネタを調べたところ、どうやら『がん患者は玄米を食べなさい』(伊藤悦男:著、現代書林:2009年刊)という本が起源のようでした。
この本の著者の伊藤悦男氏は、琉球大学の名誉教授で、玄米の抗がん作用を長年研究し、玄米には2種類の抗がん性成分、RBAとRBFがあり、これらは玄米を炒ることによって身体に吸収されやすくなることを明らかにしたそうです。
ちなみに、RBA(Rice Bran A)は、分子量が約100万ほどの多糖類で、α-グルカンという構造を持っていて、これがリンパ球を刺激して免疫力をアップさせるそうです。
また、RBF(Rice Bran F)は、不飽和アミノアルコールのスフィンゴ糖脂質とポリペプチドから成る物質で、これががん細胞のATP産生を阻害し、アポトーシス(細胞の自然死)を引き起こすそうです。
難しい話はこれぐらいにして、早速、抗がん作用をアップさせる玄米の調理方法をご紹介しましょう。
◆用意するもの 玄米:4.5カップ、白米:0.5カップ (10人分)
1.玄米をボールに入れ、水を注いで揉み洗いする
2.玄米をザルに移し、流水で軽く研ぎ洗いする
3.玄米の水気を切り、フライパンか中華鍋に移し、強火で5~6分炒る
4.火を消し、水800ccを加える
5.玄米を炊飯器に移す
6.別に研いでおいた白米0.5カップと水500ccを加える
7.炊飯器のスイッチを入れる
以上で完了だそうです。私が玄米を炊く場合は、玄米をぬるま湯に12時間以上つけるようにしているのですが、この方法だとそういった手間が不要になるので、かえって簡単かもしれませんね。
また、Amazonのレビューを見ると、さらにおいしく炊く調理方法も載っていたので、私もこれからおいしくて健康的な玄米の炊き方にチャレンジしてみたいと思います。
なお、玄米について国立国会図書館デジタルコレクションで調べたところ、『増訂三版 化学的食養の調和』(角地藤太郎:著、角地藤太郎:1911年刊)という本に、狐色に炒った1合の玄米に水5合を加え、1合になるまで煎じつめた「玄米スープ」が、病人にとって起死回生の妙薬であるという記述があります。100年以上も前から、炒った玄米の健康パワーが知られていたとは驚きですね。