がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

禊(みそぎ)式強健法

2015-07-26 15:37:59 | 健康・病気

『現代強健法の真髄』(大津復活:著、大同館書店:1918年刊)という本をご紹介しています。今回は第9回目です。

◆禊(みそぎ)式強健法

禊は、心身の穢れを払う神事で、神社に奉仕する人なら禊を行なうのは当然という先入観をお持ちの方もおられるかもしれませんが、実は、禊の行は長く忘れられていたそうで、明治時代の後期に川面凡児(かわつらぼんじ)氏がそれを復興し、大正時代には広く神社界の注目を集めるようになったそうで、今日行なわれている禊行はすべて川面凡児氏に由来するそうです。(以上、『古神道の本 甦る太古神と秘教霊学の全貌』(学習研究社:1994年刊)より)

ところで、神社に奉仕する人が病弱では、神国日本が立ち行きませんから、当然のことながら、禊の行は健康にもよいということになります。実際、禊に参加することによって健康になったという例が多いそうです。

有名人の例としては、医学博士で「ビタミンの父」として知られる高木兼寛(たかきかねひろ)男爵が、70歳の高齢で禊の行に参加し、体調不良が改善した体験談が掲載されています。

禊の概略は、以下のようになります。

1.振魂(ふるたま): 両手を組み合わせ、数十分間連続して全身を猛烈に振り動かす。

2.気合運動: 下腹に力を込め、気合と共に櫓(ろ)を漕(こ)ぐ動作を繰り返す。

3.雄健(おたけび): 直立不動の姿勢で神我一体の自覚を喚起する。

4.雄詰(おころび): 気合を発して周囲の悪魔を威圧し善化する。

5.伊吹: 腹式呼吸で鼻から息を吸い、丹田を緊張させた後、口からゆっくりと吐き出す。

6.食事: 朝夕2食、5勺(0.5合)の粥に梅干し2つ、ごま塩少々。

これを見ると、単なる呼吸法だけでなく、全身運動を伴うので、健康効果も大きそうですね。ただし、これらは本を読んだだけでは実行不可能ですから、禊にご興味のある方は、必ず熟練者の指導を受けるようにしてください。

次回は最終回で、その他の健康法についてのお話です。

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藤田式息心調和法

2015-07-19 15:31:37 | 健康・病気

『現代強健法の真髄』(大津復活:著、大同館書店:1918年刊)という本をご紹介しています。今回は第8回目です。

◆藤田式息心調和法

藤田式息心調和法は、藤田靈齋氏が主唱した強健法で、肉体で最も大切な呼吸と、精神で最も大切な観念を、同時に鍛錬して調和させることを目的としています。

まず、呼吸法について説明すると、姿勢は自由で、立っていても、座っていても、寝ていても可能ですが、次の点に注意する必要があります。

1.背筋を伸ばし、下腹を前に張り出して力をそこに満たし、鳩尾(みぞおち)は力を抜いて凹ます。

2.首はまっすぐにし、肩の力を抜き、両手は体に近づけ、口は閉じ、目は軽く閉じて腹の中を観る心地にする。

3.呼吸は腹式呼吸で、鼻から静かに息を吸いながら下腹部を膨らませる。

4.息を吸い終わったら、下腹部に気力を満たすようにして息を止める。

5.その際、ごくわずかだが鼻から息を出し、胸が苦しくならないようにする。また、息を止める時間は人それぞれで、無理のないようにする。

6.息を吐き出す際には、最初、下腹を張り出すようにし、鼻からソロソロと線香の煙のように息を出すと、そのうち下腹が凹んでくるので、下腹を緊張させるようにして息を吐き切る。

次に、調心法ですが、これは呼吸と同時に次のように強く念じます。

3と同時に、「空気中に充満している不可思議な霊薬が鼻から入ってきた」

4と同時に、「その霊薬が、患部にめぐってゆき、現に病気を治しつつある」

6と同時に、「もはや病気はすっかり治り、病毒を息とともに吐き出している」

この呼吸法(3~6)を数十回繰り返し、その後、静息(下腹だけに力を入れた胸式呼吸)でしばらく休みます。

これは、以前ご紹介した『願望を実現する「正心調息法」』とよく似ていて、とても興味深いですね。

なお、インターネットの情報によると、藤田氏は真言宗の僧侶だそうで、そのためか、この修行法は最終的に「反省と感謝」にまで行き着き、人格形成にも役立つようです。

また、初伝(初心者レベル)から中伝(中級)、奥伝(上級)と、高度な技法も伝わっているそうなので、前回ご紹介した岡田式静坐法と同様、藤田式息心調和法も熟練者から直接指導を受けるのが望ましいと思われます。

次回は、禊式強健法についてのお話です。

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岡田式静坐法

2015-07-12 06:46:54 | 健康・病気

『現代強健法の真髄』(大津復活:著、大同館書店:1918年刊)という本をご紹介しています。今回は第7回目です。

◆岡田式静坐法

岡田式静坐法は、岡田虎次郎氏が広めた心身修養法で、この本に「今更紹介する迄もない」と書かれるほど全国的に大流行したそうです。

また、岡田氏の邸宅跡は愛知県田原市の観光地になっており、岡田氏は地元の名士だったようです。なお、田原市観光ガイドを見ると、岡田氏の名前は「虎二郎」となっています。

岡田式静坐法の特徴は、全身の力を臍下丹田に籠(こ)めることで、そのために独特の姿勢(臀部は後方、腰は前方、胸をすぼめ鳩尾(みぞおち)を落とす)で正座し、息を吐くときに腹を出す「逆呼吸」を行ないます。

岡田式静坐法の姿勢

また、この本には、岡田式静坐法は「病気の退治法」であると同時に「精神の修養法」であると書かれていて、単なる健康法を超越した存在だったようです。したがって、岡田式静坐法を習得する際には、熟練者から指導を受けるのが望ましいと思われます。

なお、前回ご紹介した二木謙三氏は、1873年生まれで93歳まで生きたそうですが、岡田虎次郎氏は、1872年生まれで49歳のときに亡くなったため、その後、岡田式静坐法は急速にすたれてしまったそうです。

ただし、岡田式静坐法は現在でも継承されていて、「静坐の友」というサイトがあるので、よかったら参考にしてください。

次回は、藤田式息心調和法についてのお話です。

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二木式腹式呼吸法

2015-07-05 15:05:20 | 健康・病気

『現代強健法の真髄』(大津復活:著、大同館書店:1918年刊)という本をご紹介しています。今回は第6回目です。

◆二木(ふたき)式腹式呼吸法

二木式腹式呼吸法は、医学博士の二木謙三氏が提唱した呼吸法です。二木博士は幼少のころから病弱で、頭痛、虫歯、胃弱、便秘や下痢、皮膚全体の湿疹、腎臓炎、筋肉炎、神経衰弱などに苦しんでいたそうです。

博士は、16、7歳のとき、身体を強くしたいと思っていたところ、偶然、平田篤胤翁の『志都乃石室』を知り、

「無念無想で居れば、何にも病気に罹らぬ。本当に元気が内に充ちて居れば、病気は来らぬ。病は精神から起るから、精神を鎮める事が大切である。そして精神を鎮め、元気を内に充実するには、息を吸うて、臍の下から足の方に力を入れて呼吸すると、是だけで総ての病気が癒(なお)る。」

との記事に共鳴し、腹式呼吸を始めたそうです。すると、次第に体調が良くなり、知らぬ間に病気が治っていたそうです。

二木式腹式呼吸法を実行する場合、姿勢は自由で、立っていても、座っていても、寝ていても可能です。座ってやる場合を例にやり方を説明すると、以下のようになります。

1.両膝を少し開いて正座し、背骨をまっすぐにし、肩の力を抜いて、両手を膝の上に置く。

2.腹を前に出すようにして息を吸う。このとき、腹を指で押してみて、固くなるように息を吸う。

3.息を止め、精神を落ち着けてから、腹を凹ませながら静かに息を吐く。

4.吸うときよりも吐くときに注意して力を入れ、かつ、長く、そろそろと息を出すことが大切。

5.吐く息は少々残るようにする。すなわち、八分入れて八分出すようにする。

6.呼吸は基本的に、鼻から吸って鼻から出す。

7.この呼吸法をやっていない場合でも、できるだけ腹の固さを維持するように心掛ける。

なお、呼吸の回数は自由ですが、疲れる前にやめるようにしてください。また、急にやると腹筋が痛くなる場合があるので、普段運動していない人は、徐々に回数を増やすようにしてください。

次回は、岡田式静坐法についてのお話です。

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