7月下旬以降、新型コロナウイルスの感染者数が急増していますが、その原因はデルタ株とよばれる変異種によるものだとされています。
これについて、日本医事新報社・Web医事新報に、「デルタ株は極めて感染力が強く重症化しやすい─米国CDCの見解」（菅谷憲夫：著、2021年08月21日発行）という記事が掲載されていたのでご紹介します。
これは、米国疾病管理予防センター（CDC）が新型コロナウイルスに関する情報をまとめたスライドファイル
を公開していて、そこに書かれたデルタ株の情報について解説しているものです。
それによると、デルタ株は従来株の約4倍の感染力があり、これに感染した人は、ある意味、全員がスーパー・スプレッダー（多くの人への感染拡大の原因となる患者）となるそうです。
また、カナダの報告によると、デルタ株の感染によって、従来株と比べて、入院は2.2倍、ICU収容は3.9倍、死亡は1.9倍増加したそうです。
さらに、ワクチン（ファイザー、モデルナ）の発病防止効果は、従来株に対しては95%でしたが、デルタ株に対しては60％台に低下するため、ワクチン接種による集団免疫の獲得は困難なのだそうです。（なお、これはイスラエルのデータで、他の国ではもっと高い値が報告されています。）
ただし、依然として90%の重症化防止効果はあるので、著者の菅谷氏はワクチンの接種を強く勧奨すべきであると語っています。
本ブログの「新型コロナウイルスについて」という記事でご紹介したように、こういった状況はこの先何年も続くと思われますから、がんで闘病中の皆様には、より一層気を引き締めて生活していただきたいと思います。
なお、具体的な対策については、本ブログの「新型肺炎対策について」、および「新型コロナ肺炎重症化について」という記事に書いてありますので、よかったら参考にしてください。
