がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

分化誘導療法

2011-06-15 16:58:06 | 健康・病気

白血病には様々な種類がありますが、急性前骨髄球性白血病に関しては、レチノイン酸という薬がよく効くそうです。

レチノイン酸というのは、ビタミンA(レチノール)の誘導体(活性型ビタミンA)で、このレチノイン酸を服用するだけで、9割以上の患者が寛解(治癒ではなく、症状の解消)に至るそうです。

ここで少し、白血球の種類と白血病についてご説明しましょう。

白血球は、顆粒球、リンパ球、単球の3つに大きく分けられ、顆粒球は好中球・好酸球・好塩基球に、リンパ球はB細胞・T細胞・NK細胞に、それぞれ分類されます。

なお、白血球の様々な細胞はそれぞれ役割が異なり、リンパ球のなかのNK細胞(ナチュラルキラー細胞)ががんを攻撃する主役です。

こういった白血球の様々な細胞は、基になる細胞(骨髄の造血幹細胞)が様々に分化し成熟することによって作られますが、この造血幹細胞の遺伝子に異常が起きて白血球の分化・成熟が止まり、白血球が未分化のまま増殖して骨髄や血液中に増加する病気が急性白血病です。

そして、前骨髄球というのは、造血幹細胞が好中球へと分化・成熟する過程の一段階で、ここで白血球の分化・成熟が止まったまま増殖するのが急性前骨髄球性白血病です。

ところで、レチノイン酸は、アメリカではシワやニキビの治療薬として、また、皮膚の若返り薬として使用されているそうです。

その効能は、表皮の細胞分裂を促進させることだそうで、つまり、細胞の分化・成熟を促す作用があるため、急性前骨髄球性白血病に効果があるようです。

このように、未分化のまま増殖を続けるがん細胞の分化・成熟を促す治療法を分化誘導療法といい、抗がん剤に比べて副作用が非常に少ないのが特徴です。

また、急性前骨髄球性白血病に限らず、がん細胞というものは基本的に未分化のまま増殖するそうなので、分化誘導療法の他のがんへの応用が期待されているようです。

素人考えで恐縮ですが、食事療法でがんが治るのも、ひょっとすると、体内の環境が改善されて、がん細胞の分化・成熟を促すスイッチが入るのかもしれません。

また、以前ご紹介したゲルソン療法では、人参ジュースを大量に飲むそうですが、人参にはβ-カロテン(ビタミンAの前駆体)が多く含まれているので、これもがん細胞の分化誘導と関連があるかもしれません。

なお、余談ですが、アメリカでは、レチノイン酸の一種のイソトレチノイン(商品名はアックテイン)が、よく効くニキビ治療薬として用いられているそうです。

しかし、ご存知の方も多いと思いますが、ビタミンAには催奇形性があり、妊娠中にビタミンAを多く含む野菜ジュースなどを大量に飲むことは、奇形児を生む危険を高めます。

このアックテインにも強力な催奇形性があることが分かっていて、「妊娠中は禁忌」という警告文をつけて販売されているそうですが、多数の若い女性に処方されたため、中には妊娠した人もいて、実際に38%という高い発生率で奇形児が生まれたそうです。

このため、この薬は日本では許可されていません。

もし、個人輸入でニキビ治療薬や若返り薬を購入する場合は、こういった点にもご注意ください。

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村