アメリカのがんの現状を少し調べたので、報告したいと思います。
アメリカ国立がん研究所(NCI)の統計によると、主要ながんは、肺がん、前立腺がん、乳がん、大腸がん、膵臓がんで、2007年の10万人あたりの死亡率(年齢調整死亡率)は以下のようになっています。
肺がん 白人:約52人、黒人:約56人 (1991年頃から減少)
前立腺がん 白人:約22人、黒人:約51人 (1994年頃から減少)
乳がん 白人:約22.5人、黒人:約32人 (女性のみ、1991年頃から減少)
大腸がん 白人:約16.5人、黒人:約23人 (白人は1980年頃から減少、黒人は1991年頃から減少)
膵臓がん 白人:約10.6人、黒人:約13.5人 (白人は1998年頃から微増、黒人は1993年頃から微減)
また、2010年の推定死亡者数と推定罹患数は以下のようになっています。(NCIの各種がんのホームページを見ると2011年と書かれているものもありますが、おそらく2010年のことかと思われます)
肺がん 死亡:15万6,940人、罹患:22万1,130人
前立腺がん 死亡:3万3,720人、罹患:24万890人
乳がん 死亡:3万9,520人、罹患:23万480人(女性のみ)
大腸がん 死亡:4万9,380人、罹患:14万1,210人
膵臓がん 死亡:3万7,660人、罹患:4万4,030人
これを見ると、アメリカではがん死亡率が減少しているとはいえ、肺がん、前立腺がん、乳がんの死亡者数は多く、特に前立腺がんと乳がんは、人口比を考慮しても事態は日本より深刻なようです。
意外だったのは大腸がんで、よく「欧米人は肉食だから大腸がんが多い」と聞かされていたのですが、2009年の日本の大腸がん死亡者数は4万2434人ですから、人口比を考えると、日本の方がはるかに事態は深刻なようです。
なお、前立腺がんは男性にしか発生しないので、数は少なくても率は高く(約2倍に)なります。(乳がんも同様)