がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

【注意喚起】カンゾウは明日葉です

2024-10-20 08:39:19 | 健康・病気

前回の記事の最後に、デザイナーフーズ計画でがん予防効果が認められた食品として、ニンニク、キャベツに次いで3番目にカンゾウとあるのは「鹹草」と書く植物で、明日葉(あしたば)を意味することをご紹介しました。

参考までに、『大日本国語辞典』(上田万年・松井簡治:著、富山房:1941年刊)には、次のように書かれています。

あしたば
【あしたば】(上田万年・松井簡治:著『大日本国語辞典』より)

ところで、このことがどれだけ知られているか確認するため、インターネットでデザイナーフーズを検索してみたところ、カンゾウは「甘草」のことだとする誤った情報が広く流布していることが判明したので、注意喚起をさせていただきます。

まず、本ブログの「1-2.デザイナーフーズ計画」でご紹介した図は、2006年に放送された「放送大学」の「食と健康 第13回 がん予防に期待がもたれる成分」(講師:大東肇)より書き写したものです。(ただし、セリ科植物などに具体的な食品名を付加しました)

そして、その元ネタは、『がん予防食品 フードファクターの予防医学への応用』(シーエムシー:1999年刊)という本の第1章「デザイナーフーズとファンクショナルフーズ」(大澤俊彦:著)に書かれている次の図だと思われます。

デザイナーフーズの原図
【デザイナーフーズの原図】(『がん予防食品 フードファクターの予防医学への応用』より)

もしこの図のカンゾウが甘草なら、最初から甘草と書いていたでしょう。

ところが、同じ著者が書いたインターネット上のPDFファイル『がん予防と食品 ーデザイナーフーズからファンクショナルフーズへー』(大澤俊彦:著、日本食生活学会誌Vol.20 No.1 (2009))では次のようになっていました。


【間違ったデザイナーフーズの図】(大澤俊彦:著『がん予防と食品 ーデザイナーフーズからファンクショナルフーズへー』より)

大澤俊彦氏は、名古屋大学名誉教授という肩書をお持ちなので、どうやらこの情報が原因で甘草がデザイナーフーズであるという誤った情報が広く流布したのではないかと思われます。

調べてみると、『健康食品事典』(東洋医学舎:1984年刊)という本には、甘草に含まれるグリチルリチンに制がん作用があると書かれているのですが、そもそも甘草は生薬ですから、デザイナーフーズとして食品リストに載ることなどありえません。

しかも、甘草には副作用として偽アルドステロン症が報告されており、具体的には、浮腫、高血圧、低カリウム血症、横紋筋融解症といった症状がでることがありますから、個人の判断で甘草を長期間服用することは危険です。

もし、がん対策として甘草を常用されている方をご存じでしたら、ぜひこの情報をお伝えください。

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台湾の薬草療法

2024-09-08 08:38:47 | 健康・病気

今回は、長年がんの薬草療法を研究した医師が書いた『半枝蓮等の生薬は癌に良く効く』(芳沢正隆:著、癌薬研究所:1986年刊)という本をご紹介します。

この本は、66ページしかないのですが、各種のがんに有効な生薬を網羅してあるので、専門家が薬草療法を行なう上でも非常に参考になる貴重な資料だと思われます。

著者の芳沢正隆氏は、1942年から1970年の28年間にわたり台湾をはじめ中国各地をまわって、いわゆる家伝秘方と称される漢方処方と生薬を探索収集し、5つの処方にまとめ上げたのですが、それなりに治療効果はあるものの作用が緩慢だったそうです。

そこで、消炎・鎮痛・解毒・殺菌・排膿等の作用を有する「半枝蓮」(和名:ヤンバルナミキソウ)と「白花蛇舌草」(和名:フタバムグラ)に眼を付け、1969年にがん治療に併用してみたそうです。

治療を受けたのは台湾に住む38歳の家庭の主婦で、左側の乳がんを患い、一時は遺書を残したほど悪化していたそうですが、服薬後、がんは一時腫大したものの、その後がん細胞は破壊されて縮小し、服薬1か月で家庭内の仕事ができるようになったそうです。(今も健在と書かれています)

芳沢氏は、その後も様々ながん患者の治療を行ない、半枝蓮の効力が最も良く、白花蛇舌草がこれに次ぐことを確認しました。

そして、半枝蓮、白花蛇舌草、ハトムギ、スイカヅラ花、甘草、サルトリイバラ、山馬茶、サカキカヅラの8つの薬草を使った新処方にたどり着いたそうです。(乾燥品の1日量は、甘草以外は各12g、甘草のみ8g)

使い方は、上記8種類の乾燥生薬を水約450ccに入れ、約150ccになるまで煎じつめて、温かいうちに服用します。(朝1回煎じたら、同日の薬を夕方更に煎じて朝夕2回飲む)

また、重症がんや肉腫・リンパ腫にはメシマコブやコフキサルノコシカケとの併用がよいそうです。

なお、もし個人でこの処方を試す場合は、生薬は一般的に金気(かなけ)を嫌うので、煎じる際には土瓶を使うようにしてください。

これによって、早期がんや手術後の早期転移がんでは、服薬1か月ないし1か月半位で患者は日常生活ができるほど回復し得るものの、2~3年の中期がんや3年以上の長期がんは治癒効果が遅く、延命効果も早期がんほどは良くないそうです。

これは私の見解ですが、やはり治療効果を上げるためには、薬草だけに頼らず、本ブログの「癌はこれで治る」でご紹介したがん治療の五原則を同時に実行するのが最善だと思います。

他に役立ちそうな情報として、がんや肉腫を予防するには、マツタケ・ナメコ・エノキタケ・シイタケ等の常食が有効であると思われるそうです。

台湾では、芳沢氏の尽力に加え、この薬草療法で治ったがん患者たちの宣伝活動によって、半枝蓮が一般社会で高く評価されるようになり、かつて「死症」と言われたがんも、今(1985年)では恐れられていないという状況になったそうです。

最後に余談ですが、本ブログの「1-2.デザイナーフーズ計画」でご紹介した、がん予防効果が認められた食品の図において、ニンニク、キャベツに次いで3番目にカンゾウとありますが、これは鹹草と書く植物で、明日葉(あしたば)を意味することがこの本を読んで分かりました。

芳沢氏によると、明日葉はがん治療に併用され、がん予防にも賞用されるそうなので、大いに利用したいものですね。

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丸山ワクチン

2024-08-11 08:28:22 | 健康・病気

前回は蓮見ワクチンをご紹介したので、今回は、非常に有名な丸山ワクチンをご紹介しましょう。

参考にした文献は、『結核菌体抽出物質(丸山ワクチン)に魅せられて ―ある病理学者の研究白書―』(川崎医科大学 実験病理:編、木本哲夫・丸山ワクチン患者家族の会岡山支部:1987年刊)という小冊子で、これは病理学専攻の医学博士:木本哲夫氏の講演の記録です。

まずは基礎知識からご紹介すると、丸山ワクチンは、人型結核菌体(青山株)から抽出した多糖体アラビノマンナンを主成分とするものだそうです。

また、丸山ワクチンは、もともとは結核の特効薬として丸山千里博士が開発したもので、結核に効く薬ががんにも効くというのは不思議な感じがしますが、実はこの薬にはコラーゲンを増殖させる効果があり、これががんの病巣を包囲することによって治療効果を発揮するのだそうです。

逆に言うと、コラーゲンが増殖するのに時間がかかるため(数か月)、丸山ワクチンには即効性がありません。

したがって、木本氏は、がんと診断されたら直ちに丸山ワクチンによる治療を開始すべきだと語っています。

丸山ワクチンの優れた点は、副作用がないこと、肝臟への転移がんに有効であること、悪性黒色腫に有効であること(動物実験)、がん性潰瘍が治ること、高齢者の免疫力の増強効果などが挙げられるそうです。

また、この小冊子には、生後1年の小児がん(ウィルムス腫瘍)摘出後、肝臓に転移したがんに丸山ワクチンを使用して良性の腫瘍に変化した事例が紹介されていますが、確かに乳幼児の場合は、本ブログの「癌はこれで治る」でご紹介した方法を実践するのは困難でしょうから、丸山ワクチンの使用を第一に考えるべきなのかもしれません。

なお、丸山ワクチンにも弱点があり、病状が進行して腹水がたまる時期になると、丸山ワクチンは役に立たないそうです。

したがって、そうなった場合は、前々回ご紹介した「BRP療法」を試すべきなのかもしれませんし、そもそもそれ以前に、本ブログでご紹介した食事療法や物理療法を併用することが大切なのではないかと思います。

丸山ワクチンは、がんの治療薬としては認可されておらず、医学界では冷遇されていますが、丸山ワクチン・オフィシャルサイトの情報によると、すでに42万人がこの治療を受けているそうです。

丸山ワクチンにご興味のある方は、『ガンからの生還 丸山ワクチンで救われた人々』(今井米子:著、長崎出版:1984年刊)という本に、様々な種類のがん患者(あるいはその家族)の体験談が紹介されていますので、ぜひ参考にしてください。

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蓮見ワクチン

2024-07-28 08:39:41 | 健康・病気

前回は、がんを注射で治す方法をご紹介したので、今回はそれに関連して、『癌の新研究 ガンは注射(ワクチン)で治る』(蓮見喜一郎:著、学風社:1960年刊)という本をご紹介しましょう。

この本の著者の蓮見喜一郎(はすみきいちろう)氏は、明治37年生まれで、大正14年に千葉大学医学部を卒業し、昭和6年以来がん研究に着手し、昭和12年に医学博士となった人物だそうです。

この本によると、蓮見氏は、昭和22年に世界で初めてヒトがんウイルスの電子顕微鏡写真の撮影に成功し、その結果、がんの原因はウイルスであり、これを撲滅する方法は免疫療法でなければならないと主張するに至ったそうです。

そして、がんのウイルスを紫外線等で減毒して、病原性を失わせたワクチン(蓮見ワクチン)を作成し、このワクチンを患者に注射する免疫療法によって、第一期(がんが近くのリンパ腺にまだ転移していない状態)、第二期(がんが近くのリンパ腺に転移した状態)のがん患者はほとんど完全に治癒したそうです。

また、第三期(発生場所から遠く隔った、無関係の場所にがんが転移した状態)の重症患者でも何%かは全治し、がんの再発もほとんど予防できたそうです。

ただし、この蓮見ワクチンに対しては、熱烈な支持者がいる一方で、強く批判する専門家も多く、どう評価していいのか迷うところですが、専門家が蓮見氏を嫌う理由は、以下のような蓮見氏の考え方に原因があったのかもしれません。

◆『癌の新研究 ガンは注射(ワクチン)で治る』本文199ページ2行目から

 ガンは、何等かの刺激によって起るという、漠然たる考えからは、ガンは切りさえすればい
い。切ればガンは治るといった方法が出てくるわけですが、外科的に、ガンを手術いたします
と、その大多数は再発という形で、わずかの間隔をおいて、また、ガンが再発してまいります。
 再発の場合には、その発生した場所によって、隣接臓器にも非常な影響をあたえ、二度目の
ガンは手術ができないとされています。そのために、再発ガンは、実際には、お手あげの状態
になっているのが現状であります。
 その再発ガンの予防のために、まだ、ガンが再発しない時期から、ラジゥム、コバルト、ア
イソトープなどの放射性物質を使って治療いたします。
 しかし、こうした予防措置を講じている場合ですら、手術後の再発は日常茶飯事なのであり
ます。要するに、放射線療法では、患者にも苦痛を与え、しかも、再発の措止すらも困難であ
るというのが、残念ながら、現状であります。
 “ガンは治る″という豪語も、見方によれば一つの虚勢とも見られます。

これは、手術や放射線照射ががんの原因を治療していないことから、当然の指摘ですが、この本が出版された1960年当時は、本ブログの「早期発見早期治療のウソ」でご紹介した田崎勇三氏が、早期発見・早期治療でがんは根治すると日本全国に宣伝していた時期ですから、蓮見氏の正論が医学界の支配者層を敵にまわすことになった可能性はありそうです。

私としては、第三期の重症患者の治癒率が「何%」程度しかなかったことが問題だと思うのですが、蓮見ワクチンを批判する専門家の論点はそこではなく、例えば『「癌と外科医・内科医」―医学とヒューマニズム―』(小田切信男:著、東京独立ロゴス社:1968年刊)という本によると、蓮見氏の説は非科学的で、彼はがんでないものをがんと称しているにすぎないというものでした。

しかし、『いのちと医学の間 ガン治療をめぐる医学界の黒い霧』(村上信彦:著、大和書房:1966年刊)という本によると、逆に大病院でがんの診断を受け、蓮見ワクチンで助かった人が多数いるそうなので、これは水掛け論的な感じもします。

また、現代では、子宮頸がんがヒトパピローマウイルスによって引き起こされるとして、予防ワクチンを打つよう盛んにキャンペーンが行なわれているわけですから、単なる商売上の問題として、ワクチンが作れなかった人々による妨害だったのかとも思われるのです。

なお、蓮見ワクチンを使った実際の治療法は、『蓮見ワクチン病症別療法 Ⅳ 子宮ガン・乳ガン・膀胱ガン・前立腺ガン・直腸ガン』(村上信彦:編、細川書房:1971年刊)という本によると、一般的には普通ワクチンとよばれるものを月6回(5日に1回)注射し、がん反応がマイナスになればしだいに注射の回数を減らしていくそうです。

また、重症の場合は患者自身の尿から自家ワクチンを作成し、症状によっては栄養注射や増血剤を併用することになるそうです。

蓮見ワクチンによる治療を受けることは現在でも可能なので、ご興味のある方は「珠光会」で検索してみてください。

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免疫監視療法

2024-06-23 08:46:56 | 健康・病気

今回は、『見えてきたガンの征服 生命の力が生み出したBRP療法』(佐藤一英:著、実務教育出版:1995年刊)という本をご紹介します。

この本によると、著者の佐藤一英(さとういちえい)医師は、1972年に次のような「免疫監視療法」を考案したそうです。

1.まず、がん細胞に放射線の微量照射、あるいは抗がん剤の微量投与をしてがん細胞に刺激を与え、がん細胞は体内に巣くう異物であり、免疫系が攻撃する対象物であるという目印をつけてやる。

2.そこにがん患者以外の健康人から採取した免疫の主役であるリンパ球を少量注入して、そのリンパ球に患者の体内のがんの存在は異物であると捉え、攻撃すべき対象であることを強く認識させる。

3.注入された少量の他人のリンパ球は、患者の体内のがんは異物であり攻撃対象であるという情報を持つことになり、患者自身のリンパ球に対してこの情報を伝える。

4.それまでがんがあっても攻撃もせず存在を許容していた患者体内のリンパ球は、注入された他人のリンパ球(異物)と、もたらされた新たな情報によってがんを強く攻撃し排除するようになる。

この治療法は、延命効果まで含めると30~60%に治療効果が認められ、これによって末期がんから奇跡的に回復して通常の生活に戻ることができた人もいたそうです。

そして、1980年には、偶然に「BRP療法」を発見したそうです。

発見のきっかけは、別の病院で進行胃がんの手術を受け、退院後は抗がん剤を服用し続けていた69歳の女性が、症状が悪化して佐藤医師のところに運び込まれてきたことで、早速「免疫監視療法」を開始したところ、この患者はなんとか流動食が摂れるまで回復したそうですが、腹水が溜まった状態は改善せず、腹腔が膨満して苦しいという訴えがあったそうです。

しかし、単純に腹水を抜くと、そこに含まれるタンパク質(アルブミン)を失うことで患者の状態が悪化する可能性があるため、患者自身の腹水からアルブミンを取り出して患者の血中に戻してやることを思いつき、腹水を採取して安全性を確認した後、これを精製して得られた自家アルブミンを患者に注射したそうです。

すると、その翌日には患者の症状が劇的に改善したため、がん患者から得られる自家アルブミンには、単にアルブミンタンパクだけではなく、何かがんに有効な、生命現象の賦活に重要な役割をする特殊な物質が含まれているに違いないという結論に至ったそうです。

そこで、この未知のタンパク質をBRP(Bio-Reproducing-Protein=生物組織再生化タンパク質)と名付け、無害性を可能な限り精密に調べて問題がないとなった時点で、他のがん患者にも投与してみたところ、BRPはどのような種類のがんに対しても効果を発揮することが判明したのだそうです。

佐藤医師の治療法は、これまで聞いたことがなかったので、どこまで信用できるか疑問でしたが、調べてみると、福島大学名誉教授の経済学者・相澤與一氏が、「佐藤療法」でがんを克服した体験を語っていました。(『一社会政策研究者の中間回顧(下)』より)

それによると、相澤氏はイギリス滞在中に悪性リンパ腫で大腸の一部を切除する手術を受け、帰国後の検査で、少なくとも肝臓にはかなりの浸潤(転移)があることが判明し、抗がん剤投与を勧められたそうです。

しかし、退院後にイギリスで2週間おきに2回受けた抗がん剤の副作用がひどかったため、奥様が代替療法を捜し求め、彼に佐藤一英医師の免疫療法を受けさせたところ、たった1回の点滴処置が劇的に奏効して肝臓への浸潤が消滅したのだそうです。

したがって、この治療法はそれなりに信用できると思われますし、治療回数も少なく、副作用もないので、これまで標準とされてきた方法(手術、抗がん剤、放射線)に代わって、「佐藤療法」はこれから大いに注目されることになるかもしれませんね。

「免疫監視療法」や「BRP療法」は、現在でも「横浜サトウクリニック」やその他の協力病院で受けることが可能なようなので、ご興味のある方は『見えてきたガンの征服 生命の力が生み出したBRP療法』の巻末の一覧表をご覧ください。

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