もし、人生が一度きりであれば、誰しもやりたいことをやって楽しく生きればいいと思うでしょう。
そして、嫌なこと、辛いこと、苦しいことからはできるだけ逃げるのが正しい生き方だと思うでしょう。
しかし、肉体が死を迎えた後も魂が生き続けるとしたら、事情はまったく違ってきます。
死後の世界は霊界ともよばれますが、霊界は数学に例えると虚数のようなものだと思います。
虚数iは、i×i=-1という不思議な数で、あるのかないのかよく分からない数ですが、虚数を導入することによって、二次方程式は必ず解くことができようになります。
霊界も、あるのかないのかよく分からない世界ですが、霊界が存在すると考えれば、人生の目的を理解することが可能になります。
この世の人は、自分が誰でどこから来たのか知りませんが、その理由は、この世が精神的な修業の場だからだと多くの宗教家が説いています。
もともと我々の故郷は霊界で、普段はそこで楽しく暮らしていているそうですが、霊界では思ったことがすべて実現するので、そこにいても精神的に向上することが難しいそうです。
そこで、ときどき修行のためにこの世に生まれてくるわけですが、その際、霊界での記憶が残っていると修行にならないので、生まれてくるときにそれまでの記憶を忘れるのだそうです。
逆に言うと、霊界の住人はそれぞれ修行すべき課題を持ってこの世に生まれてくるわけで、我々は生まれる前には自分の人生の目的を知っていたことになります。
つまり、我々は永遠に生き続ける精神的な存在であり、人生の大きな目的は自分自身を精神的に向上させることで、そのために各個人のレベルに応じた課題をこなすべく今の人生を生きているというのが真相のようです。
青森では、厳寒の頃に「地吹雪ツアー」というのをやりますが、長い人生の中で1度くらい地吹雪を体験するのも悪くないと思われる方は多いでしょう。
永遠に生き続ける魂にとっては、どんなに苦労の多い一生も「地吹雪ツアー」に行くようなもので、苦労も貴重な体験なのだと思います。
ひょっとすると、がんになることも生まれる前から予定されていたことで、がんを経験することも人生の目的の一つなのかもしれません。