晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

狂王の庭・2

2005年10月14日 | 
3日ほど前に「狂王の庭」を読み終えました。すぐに記事を書きたかったんですが、小池文学の世界に浸ってしまい、しばし放心状態でした。

多くの人がこの作品を読んでさまざまな感想を持ったことと思います。
年齢や性別、既婚か独身か・・などによって理解の仕方が違うと思うのですが、

私としては、小池真理子がいままで一貫して描いてきた「恋愛小説」の世界・・
いわば、集大成のようなものを強く感じました

時代は昭和27年・・さかのぼって物語りは始まり、小池の類まれな手腕によって
華やかな階級社会で生きる男女の許されない恋物語が描きだされていきます。官能的な芳香が漂う中で、いつものようにぐいぐい、本の中に引き込まれていく・・快感!でした

この上なく美しくも儚く、そして悲しい・・
大人の純愛なんですね・・

主人公の杳子は、終始一貫して自分の考えを変えることなく、凛とした、女性の強さを感じます。一方でとても孤独なんですね。孤独の中で生きる強さ・・気品すら感じます。

「私も杳子のような女性になりたい・・」

本を閉じた時、止め処なくあふれる涙に心も震え・・その夜は切ない思いでいっぱいになりなした



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