納棺夫日記 青木新門 著
先ごろ、文春文庫の新刊で入ってきたこの本ですが、映画「おくりびと」
の原作になった・・というキャッチコピーに何気なく軽い気持ちで読んでみました。
・・・
「納棺夫」とは、死人を棺に入れる仕事のことです。
著者が作った造語のようです。そう、著者の自伝的日記からできた本なんです。
仕事に行き詰っていた、青木さんが新聞広告求人欄でみつけた葬儀社に就職したことから始まっています。当時、生まれたばかりの子供の粉ミルクにも事欠く生活にやむなく、入った会社で、ひょんなことから納棺の仕事にたずさわります。
毎日毎日、死人と向き合っているうちに青木さんは
人間の「生と死」について深く考えさせられるようになります。
途中、仏教や宗教、哲学の話になってそれもとても専門的で、私にはとても理解できないレベルの内容です。
びっくりなのは自然科学の知識も詳しいのです。
この本は15,6年前に書かれたものですが、すでに彼は「ニュートリノ」の存在をとりあげています。親鸞が説いた「阿弥陀如来の光」を、ニュートリノのひかりに照らし合わせて述べています。つまり、ローソクの光とか太陽の光といった視覚的に見ることが可能な光ではなく、太陽や月の光を超えた、永遠で透明な光のことだと言ってます。
はかり知れなくきわもなく、すべてのものを通す、永遠に存在する・・
そんな不思議な光を、臨終のきわにみるのだそうです。
もともと詩を書いていた著者らしく、病者の正岡子規の文学や、弱者にたった宮沢賢治の作品などたくさんとりあげていました、詩人に対するこだわりも感じられます。
終わりのページの高史明さんの解説はわかりやすかった。知識不足の私には最後に「なるほど!」と、また感動してしまいました。
わずか、200ページほどですが、
人間として大切で根源的なことが書かれた本です。
悩み惑う、今、この本に出会えたことを幸せに思います
先ごろ、文春文庫の新刊で入ってきたこの本ですが、映画「おくりびと」
の原作になった・・というキャッチコピーに何気なく軽い気持ちで読んでみました。
・・・
「納棺夫」とは、死人を棺に入れる仕事のことです。
著者が作った造語のようです。そう、著者の自伝的日記からできた本なんです。
仕事に行き詰っていた、青木さんが新聞広告求人欄でみつけた葬儀社に就職したことから始まっています。当時、生まれたばかりの子供の粉ミルクにも事欠く生活にやむなく、入った会社で、ひょんなことから納棺の仕事にたずさわります。
毎日毎日、死人と向き合っているうちに青木さんは
人間の「生と死」について深く考えさせられるようになります。
途中、仏教や宗教、哲学の話になってそれもとても専門的で、私にはとても理解できないレベルの内容です。
びっくりなのは自然科学の知識も詳しいのです。
この本は15,6年前に書かれたものですが、すでに彼は「ニュートリノ」の存在をとりあげています。親鸞が説いた「阿弥陀如来の光」を、ニュートリノのひかりに照らし合わせて述べています。つまり、ローソクの光とか太陽の光といった視覚的に見ることが可能な光ではなく、太陽や月の光を超えた、永遠で透明な光のことだと言ってます。
はかり知れなくきわもなく、すべてのものを通す、永遠に存在する・・
そんな不思議な光を、臨終のきわにみるのだそうです。
もともと詩を書いていた著者らしく、病者の正岡子規の文学や、弱者にたった宮沢賢治の作品などたくさんとりあげていました、詩人に対するこだわりも感じられます。
終わりのページの高史明さんの解説はわかりやすかった。知識不足の私には最後に「なるほど!」と、また感動してしまいました。
わずか、200ページほどですが、
人間として大切で根源的なことが書かれた本です。
悩み惑う、今、この本に出会えたことを幸せに思います