晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

沈黙のひと

2013年02月18日 | 
沈黙のひと  小池真理子 著

やっと、読み終えました~

長編で・・連載。そして書籍刊行。

恋愛小説の第一人者と呼ばれ真理子さんですが、家族小説の奥深い物語です。

出版社に勤める衿子と、母、子供のころ別れた父、義理の妹、母達。そして父はパーキンソン病を
患い、動くことも言葉も失い沈黙の中で老い、亡くなってしまう。

実のお父様の介護体験を通しての作品なんだろう、と思いました。

静謐で美しい文章。いつもながら細かな心理描写には、つい感情移入してしまう。
同じように老いた母や亡くなった父のことを思ってしまいました。。
ちょっと、
暗くなりがちな物語ですが、最終章では・・衿子の号泣シーンが出てきたらどうしよう・・
なんて、はらはらしながら読んだものです。
でもよかった。
あっさり「完」であった。

本を閉じてから、呆然と亡き父のことを思いだし、つい、目頭が熱くなりました。

ひとは皆いつか死んでしまう。普遍的なことです。
どんな人生だったか、すべてはだれにもわからないまま、死んでいくのですね。
家族の思いは独りよがりなのかもしれない。

衿子の父への深い愛情とやさしさが、心にしみました。

真理子さんと衿子が重なるようでした・・
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小さいおうち

2013年02月07日 | 
小さいおうち  中島京子 著

2010年第143回直木賞受賞作品です。

赤い色の表紙の中心に丸いイラスト。その中には窓に立つ二人の女性が手をつないでいる・・
ちょっと古めかしいような懐かしいような絵。
そうです・・
読み終えてから「あっ!」と、皆さん思うでしょうね~。

久々に美しい日本語の小説を読みました。

昭和初期から終戦直前まで、東京の家庭で女中としてすごした女性「タキさん」の手記を中心に物語は
進んでいきます。
当時の市井の暮らしが実によく描かれていて、「これって、実在した人物なの?」
と、フィクションなのを疑うくらいでした。

私も子供の頃、祖母や母から戦時中の話を聞かされたのを思い出し、学童疎開やら、配給米やら、進駐軍やら
・・なんとなく懐かしい記憶をたどりましたよ。
昭和の暮らしぶりを
著者は(おそらく)膨大な資料をくまなく調べたんだろうな~と感心。
意外にも、穏やかな古きよき時代の空気がいいですね。

美しい奥様の秘めた恋。。。
「家政婦は見た!」なんて、安っぽい話ではないですよ~
タキちゃんは本当に奥様のことを必死で守ろうとしていたんですね~
最終章で事実が明らかになって、鳥肌が立つような感動を覚えました!

昭和から平成にかけて長い時間を駆け巡る
壮大な人間ドラマ・・ロマンだね。

山田洋二監督で映画化されるらしいです。

いや~映画にしてほしくないなぁ・・
いつも裏切られるから・・

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