晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

ブルース

2015年03月30日 | 
ブルース 桜木柴乃 著

リクエストからずいぶんと待たされました。
 
装丁といい、最初のモノクロの写真といい、、暗いなぁ・・
桜木柴乃の匂いがしてきそう~と期待にワクワクしながら読み始めました。

舞台は北海道道東の港町のはずれ。生まれつき手足の指が6本ある影山博人。
どん底の生活から這い上がり、地元を牛耳る影山グループを創業。
その数奇な人生にはいつも女の物語があった。

じめっとして暗い雰囲気はやはり釧路なのかな。
行ったことないのでわからないけれど、ずいぶん桜木さんの小説でそんなイメージを植え付けられたみたい。

しかしながら・・
これはやはり桜木柴乃の作風なんでしょうね~いつもながら性描写がすごい。。イえ、文学的?
というか、ちょっとアブノーマルかな~
こんな場末の男女を書かせたらたぶん彼女の右に出る書き手はいないでしょう。

博人の恵まれない生い立ちも切ないがその指に?!翻弄されてめらめらと欲情に溺れてしまう女も
すごいです。。

多指症。あるんですね。
博人は自ら包丁で断ち切ったけれど。なんと恐ろしい。
しかし
どうやって詐欺まがいの(詐欺)ことをしてビルやら店舗や借金の債権など横取りしたのかなぁ・・
プロセスが物足りないです。

最終章は、やっと幸せな雰囲気でよかった。
まちこと結婚したのも思わず、「よかった~」


冷蔵庫を抱きしめて

2015年03月30日 | 
冷蔵庫を抱きしめて   荻原 浩 著

現代の若者が抱える心の闇にせまる短編集です。
久々の荻原さんでしたが、やっぱりおもしろい。荻原さん健在!で楽しく読めました。

DV男に悩むシングルマザー。。子供にまで手を出しちゃいけません
ひそかにボクシングジムでトレーニング。結末はズバッとパンチで男をブッ飛ばす~
痛快で拍手喝采でした^^
表題の「冷蔵庫を抱きしめて」は摂食障害に病む新婚妻。
そう、本の表紙がやけにリアル。
やさしい旦那にたすけられ、上手くいきそうな結末。
もう一つの自分がこの世にいる!
アナザーフェースはまるで都市伝説、ドッペンゲンガー。ぞくっとさせられる物語でした~