晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

長いお別れ

2015年09月13日 | 
長いお別れ  中島京子 著

つい最近、新聞で中央公論文学賞(だったと思う・・)を受賞したと知った。
そうとはしらず、ずっとリクエストして待たされていたのが偶然やってきた。
ラッキー!でした。

物語は・・

帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。
妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をする――。

東家の大黒柱、東昇平はかつて区立中学の校長や公立図書館の館長をつとめたが、十年ほど前から認知症を患っている。長年連れ添った妻・曜子とふたり暮らし、娘が三人。孫もいる。

“少しずつ記憶をなくして、ゆっくりゆっくり遠ざかって行く”といわれる認知症。ある言葉が予想もつかない別の言葉と入れ替わってしまう、迷子になって遊園地へまよいこむ、入れ歯の頻繁な紛失と出現、記憶の混濁--日々起きる不測の事態に右往左往するひとつの家族の姿を通じて、終末のひとつの幸福が描き出される。著者独特のやわらかなユーモアが光る傑作連作集。

今、日本は世界にも類をみない急速な高齢化とそれに伴う介護の問題が深刻です。
私も高齢の親と介護に直面していて、他人事ではありません。

著者はご自分の家族をモデルにして執筆されたと聞いています。
とてもリアルで、共感できた。

QOL・・qoality of life

人生の最後に自分らしく生きる、とはどういうことだろう?人によって様々だと思う。
幸福とは?家族が思いめぐらすと、自分を通しての幸福になってしまって、本人の思いを想像するのは
難しい。。

チューブのつながれ、酸素を供給され栄養剤を注入され、これでは生きているとはいえないでしょう。

暗く、不安がつのるテーマですが、中島京子さんらしく、ユーモアを交えやさしく温かい家族愛にあふれています。
また一つ、おすすめの作品が増えました。

記事にはUPできませんでしたが、以下の著書も読了しました。

絶唱・・・湊かなえ 著
クローズド・ノート・・・雫井脩介 著