晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

素敵な夢を・・から、晴れ上がった空のように~

2008年12月27日 | 
ブログ、タイトルを久々に変更しました!
「晴れ上がった空のように・・」
 
以前の「素敵な夢・・」は、やはり、サザンの有名な曲とあって、検索すると、たくさんの方がタイトルに使っているんですね。最近気づきました。

新しいタイトルを・・と、いろいろ思案しました。これが結構難しい。悩んだ末やっと、決めました。

雨あがりの次の日など、空が青々と晴れ上がり、一点のくもりもなく高々として、とても気持ちいいです。
そんな空に遭遇すると、吸い寄せられるように空を見上げてうっとりとしてしまいます。
心までが晴れやかになる心地よさです。大空を見上げるのは大好きです。
飛行機を見つけたときは、尚、ラッキーな気分ですね。

混沌とした、今の時代。いろんなことがあります。
でも、心は常に、晴れ上がった空のように、清々しい青さで、高く、そして広くありたいなぁ・・と。

そんな意味もこめました。

尊敬する、司馬遼太郎さんの「21世紀に生きる君たちへ」
の中の一節からも、ヒントをもらいました。

さて・・今年も残すところわずかとなりました。
来年は私のブログも4年めになります。
つたない、私の記事をたくさんの方が読んで下さって、貴重なコメントもいただいて、深く感謝しております。

来年も、よろしくお願いします





アカシア香る

2008年12月22日 | 
アカシア香る
藤堂志津子 著 2001年

文庫でも出ていますが、図書館で見つけて読みました。

45歳の加地美波は、札幌で高校の同窓会会館の管理人として住み込みで働き始めた。病気の母の看病のため、東京での仕事をやめて郷里に戻ってきたのだ。その母も他界して・・傷心の美波をみかねて高校の同窓生が「仕事」を斡旋してくれたのですが・・
女性としての生き方・・
仕事、家族、友達、恋人・・不倫。
傷つきながらも、自分らしく凛として生きていく「美波」に共感をいだきます。

地元の高校の同窓生たちとの30年たっても変わらない、家族のような親しみやすさで、何かにつけ集まっては助け合う関係はうらやましいですね。
同窓会でのタイムスリップするような懐かしい雰囲気はとても理解できます。

「中学のときから、君のことが好きだったんだ!」再会した音村と思いがけない展開で、男女の関係になってしまう。それも美波の繊細な女心がぴったりはまってしまった様子は感覚的にとても自然に感じられた。
濡れ場のシーンはさらりと・・(あれれ?期待をうらぎるようで)
真理子さんだとこうはいかないでしょうが・

上質の小説に仕上がっていると思いました。

「午後の音楽」小池真理子 著
やっと、入ってきました~

電子メールでの往復書簡による小説です。携帯小説ではありません。瀬戸内寂聴さんは「パープル」さんでだしましたが・・





花まんま

2008年12月15日 | 
花まんま
朱川湊人 著 2005年

大阪出身の朱川湊人さんがこの作品で133回直木賞を受賞された時から、ずっと読みたい、と思っていました。
昭和30年から40年、少年時代をすごした彼の体験記のような懐かしい物語の
6編です。

昭和がクローズアップされ、映画、夕陽丘の三丁目・・もずいぶんとヒットしましたね。あのころを子供時代と重なった私たちは、郷愁の思いを抱いたものです。

この小説も昭和30年、40年代の大阪の下町を背景にノスタルジックで切ない、でも懐かしくて、あたたかい・・そんな思いがする物語ばかりでした。

大阪弁がやさしい・・
ネイティブな発音で読んでいるのは私くらい?なんて自慢できるくらい、楽しく読みましたよ!

関西の独特の雰囲気もとてもうまくでていて、思わず笑みがこぼれそうでした。
6編、どれもみな秀作といえるけど、・・
私は「トカビの夜」と、「花まんま」
が、特によかったです。

トカビ・・在日韓国人への差別。さりげない物語だけど、切ない思いがそこはかとなく漂います。パルナスのお菓子!?同年代の私たちにはそれだけで、当時がよみがえる響きがありますよね。

花まんま・・
これは不思議な物語。一瞬、辻一成の「白仏」を思い出した。
生まれ変わりの話ですが。花まんま、とはおままごとで、お花で作ったご飯のことです。
ホラーミステリー?と思わせる、展開です。でも最後はほのぼのと兄妹愛で、読後にはあったかい気持ちが残りました。

関西出身の方以外にも、是非お勧めしたい一冊になりました。

闇の子供たち

2008年12月03日 | 
闇の子供たち
梁石日 著 2002年 
この夏、映画公開され話題になった原作です。
やっと読みおえました・・

タイで行われている、幼い子供たちの売買春や臓器移植を目的としたや人身売買を描いた衝撃的な問題作です。

あらすじは・・
タイ北部山岳地帯に住むヤイルーンは8歳。実の親に、貧しさから売られてしまいます。
バンコクの売春宿に連れて行かれ、日本や欧米のペドファイル(幼児性愛者)達の玩具とされてしまいます。一年後、エイズを発症したヤイルーンは商品にならないため、食事も与えられずゴミ袋に入れられて、捨てられる。そして今度はその妹の
センラーも売られてしまう。
バンコクに拠点をおく、社会福祉センターでは、そんな子供たちを救うため、少ない資金のなかで懸命に活動をしています。その中に日本からやってきたボランティアの音羽恵子がいた・・

最初のくだりでは、子供たちを「調教」とよばれる訓練で、大人たちの性の奴隷となるように仕込まれるのですが、あまりにも悲惨でむごたらしくて、目をおおいたくなるような内容です。
正直、ショックです。もしこれが事実なら・・と思うと背筋が凍りそうでした。

歳はのいかない罪のない子供たちが、まるで虫けらのごとく扱われるのです。

鬼畜!人間じゃないでしょう!
何度も心の中でつぶやきました。そして、誰か、助けてあげて!と・・

でも、残念ながら子供たちを救出する術はどこにもありません。真実を暴こうとしても不正を正そうとしても、闇の巨大な力で封じこまれてしまうのです。
政府、警察、もみてみぬふり。そこには利権がからみ、そしてバックには麻薬ルートにも通じるマフィアもからんでいるのです。

なんと恐ろしいことでしょう・・。巨大な力に飲み込まれた貧しい国は自分達の子供さえ守れないのです。

おりしも、
ニュースをにぎわした、タイ国際空港の占拠事件。
反政府の市民団体が一週間近くも空港を占拠、政府の解散を訴えました。
首相が退陣して、収束へと向かったようですが、すぐには民主化が進むとは思えず、懸念がのこります。

東南アジアの貧しい国ぐにには同じような問題をかかえているといいます。
グローバル経済が進み、貧富の差はますます拡大するなかで、今でも貧しさから学校にも行けず、食うや食わずの子供たちが大勢います。

平和な日本で暮らしている私たちには人ごとのようにしか聞こえないでしょう。
では、どうしたらいいの・・?
むなしい疑問がわきます。

まず、現実に目をむけ、真実を知ることから始めなければならないでしょう。

この作品を映画によくできたものだな、と感心しますが、実際映像を見るのは勇気がいるでしょうね。

そういえば、
タイでは、「観光立国のタイのイメージが悪くなる」
という理由で公開されるのが中止になったそうです。

限りなく真実に近い映画・・なのでしょうか。

ちょっと、気持ちが暗くなります。

話題を変えて・・
小池真理子さんの新刊「午後の音楽」
楽しみにしているのに、私の手にまだ入ってきません