ヴァンフォーレ甲府熱血サポーターへの道!!

山梨に住むユタカのブログ。地元ヴァンフォーレを応援してこのブログもなんと19年目を迎えました。ACL効果でJ1昇格だ!

V・ファーレン長崎戦を振り返る【J2第24節】

2024-07-20 | Weblog
7月14日にホームで行われた2024年明治安田J2リーグ第24節V・ファーレン長崎戦ですが、試合結果は2対2の引き分けに終わりました。ヴァンフォーレの得点は後半に挙げた村上選手とピーターウタカ選手のゴールでした。


☆先発変更は4人&渋谷選手復帰&村上選手リーグ戦初出場
前節のリーグ戦では敗れたものの、週中に行われた天皇杯3回戦のセレッソ大阪戦では勝利を収め大塚新体制初白星を飾ったヴァンフォーレ。J1クラブに勝てたその勢いをリーグ戦での勝利に繋げたいところ。この一戦を臨むにあたり大塚監督は先発を4人変更することを決断。今津選手と三平選手に代わり孫選手とピーターウタカ選手を起用。そして山内選手に代わってケガから復帰し先日チームへの再登録が発表された渋谷選手がいきなり先発に復帰。そして天皇杯で良いプレーをみせていた大卒ルーキーの村上選手が右のウイングバックで先発に抜擢されました。なかでも注目なのがGK渋谷選手と村上選手。第10節熊本戦以来14試合ぶりの復帰となった渋谷選手は、コ・ボンジョ選手や山内選手ら若い選手には見られない落ち着きと豊富な経験をチームに還元してくれることを期待されていました。そして村上選手はこの試合がリーグデビュー戦となります。一般的に試合経験を積み重ねていくと次第にチーム戦術に縛られていき個性の発揮が難しくなっていくと言われているので、今回村上選手にはデビュー戦らしくハツラツとした失敗を恐れない思い切ったプレーをしてほしいですね。

☆耐える前半
ヴァンフォーレはチームで前から圧力をかける意識は高いものの効率的に相手をハメに行くプレスができずその網をかい潜られ、攻め込まれる場面がスタートから続きます。それは先頭にいるウタカ選手のプレッシャーが甘いためにそこが相手の脱出口となり、その後の中盤でのボール回しへと繋げられていました。それによってこちらは前に行くディフェンスから慌てて守備ブロックを形成するディフェンスへと体勢を切り替えなければいけない機会が多くあり、選手への精神的な負担がかかっていたと思います。しかしヴァンフォーレは長崎に攻め込まれながらもゴール前でスペースを消すディフェンスはできており、ある程度は侵入されてもシュートスポットでは全力で圧力をかけにいく手法で粘り強い守備を披露。J2得点ランキングトップ独走中のエジガル・ジュニオ選手やマルコス・ギリェルメ選手など強力なブラジル人の攻撃陣が揃う長崎に対して、そのディフェンススタイルがうまく噛み合っていたと思います。長い時間自陣ハーフコートでのプレーを強いられ、まさに耐える展開だったと思います。前半のほとんどの時間は健闘していた守備陣でしたが、前半アディショナルタイムに長崎のリズミカルなパスワークに翻弄されて失点。終了直前で0対1にされハーフタイムに入ります。

☆村上選手ラッキーなプロ初得点
守勢のまま前半が終了し0対1で折り返した後半のスタートで巻き返しを図るため大塚監督が動きます。3バックの中央にいた山本選手に代えて、ボランチの位置から積極的な攻め上がりができる木村選手を投入。それまでボランチにいた林田選手が3バックに下がり、木村選手が中盤の底のポジションに入ったことで中盤の動きが活性化。後半2分の得点も木村選手が左サイドを駆け上がり相手DFの幅を作ると、左サイドから中央&右サイドと横パスを繋いでいきボールを受け取った村上選手が左足でゴールに向かっていくようなクロスボールを供給。そのクロスボールに対して長崎の選手が頭で触り軌道が変わると、突然自分のもとにボールが向かってきたGKは反応するものの十分に弾き切れずにゴールへと吸い込まれていきます。少しオウンゴール臭のする得点でしたが村上選手はプロ初ゴールを記録。ヴァンフォーレがすぐさま同点に追いつくことに成功します。

☆完璧な連携の逆転弾
後半早々に1点を決めてチームに勢いがついてきたヴァンフォーレ。攻勢のまま迎えた後半13分にもスコアが動く場面が訪れます。自陣から素早く攻守を切り替えて中盤で中山選手と鳥海選手がボールを繫ぐと、右サイドの上がり目のポジショニングをとっていた村上選手にパスを渡します。村上選手は縦に仕掛けるふりをして体勢を切り替えて左足でクロスボールを供給。1点目と同じような軌道のクロスがファーサイドの奥に飛んていくと、そこにアダイウトン選手が飛び込みヘディングで折り返したようなかたちとなり、最後はゴール前で待っていたウタカ選手が冷静に押し込んで勝ち越し点を決めます。ウタカ選手はこのゴールで今シーズン8得点目。このシーンでは自陣からカウンターを発動させると、中山→鳥海→村上→アダイウトン→ウタカ選手と左から右へとダイナミックに展開できたことが良かったですね。そしてスピード感があったのも素晴らしい。相手も左から右へとスピーディーに回されているとDFラインが左右に揺さぶられて中央のディフェンスが固めにくくなります。そこを村上選手のサイドチェンジ気味のクロスボールによって完全に長崎の守備が不安定となり、ウタカ選手のゴールのお膳立てができました。相手守備の崩し方としては今シーズンこれまでのNo.1と言っても過言ではないくらい完璧な連携での逆転弾でしたね。

☆ラストワンプレー悪夢の被弾
後半13分に勝ち越したヴァンフォーレ。その後も交代枠を使いながら試合を優位に進めます。長崎は交代カードをすべて使い切ってからフアンマ・デルガド選手が負傷するアクシデントもあり終盤は10人でのプレーを強いられるものの、懸命に戦って1点のリードを保ちます。ヴァンフォーレは今津選手の起用で守備力の強化&前線を走り回れる三平選手を投入して逃げ切り体勢へ。そして迎えた後半アディショナルタイム。敵陣深くのコーナー付近でボールキープし時間を使い7分と表示されていたアディショナルタイムも9分に突入。長崎はパワープレーを仕掛けてラストワンプレーでゴール前に複数人がなだれ込んだ結果、ゴールを強引にこじ開けて同点とします。ヴァンフォーレとしたら目の前まで迫っていた勝利の勝ち点3が寸前で逃げていく痛恨の被弾に選手もサポーターも呆然。そのまま2対2の引き分けという結果で試合終了となりました。

☆引き分けた要因は?
この試合引き分けた要因としてチームに詰めの甘さが感じられましたね。大塚監督が指揮官に就任して数試合公式戦をこなしてきたので、彼がこれから推し進めていきたいサッカースタイルが選手たちにはある程度分かってきたと思います。前半は耐える展開が続いていましたが、1点を追いかける展開になってからは選手たちの尻に火が付いたように積極性が増し後半は特に長崎に対して優勢に進める機会が作れました。逆転に成功し勝利まであと一歩のところまで相手を追い詰めたのは良かったのですが、やはり新体制となって間もないということで戦術面ではない精神的な未熟さが露呈してしまったように思います。いくら頑張って組織的に試合を進めていても、前半&後半がスタートするタイミングや終わるタイミングというのはどうしても気が緩みがちになってしまいます。チームが成熟し成績が伴った強さをみせているクラブというのは精神面が充実しており、キックオフから終了のホイッスルが鳴らされるまで集中力が保っている印象があるので、1試合のアディショナルタイムで2度の失点をしている今のヴァンフォーレはそこまでの成熟レベルに達していないのが事実としてあると思います。それは経験を積み重ねていくことで解決していくと思うので、この失敗を糧にして悔しさのパワーで今後の精神面の引き締めを図ってほしいと思います。終了直前で追いつかれての引き分けはどうしても印象が悪いのですが、冷静に考えてみると首位争いをしている強豪クラブ相手に低調なチーム状態のヴァンフォーレが勝利目前の引き分けに持ち込んだ結果は評価して良いと個人的には思います。勝てなかったのは残念ですが、無敗記録が続く好調なクラブに現状のチームが善戦した自信は今後の試合に活かせるでしょうね。


…この引き分けにより今シーズンのヴァンフォーレの成績は、6勝8分け10敗の勝ち点26で順位は16位となっています。10試合勝ちなしの状態は更新中でJ3降格圏内の18位鹿児島との勝ち点差はわずか ‘3’ となっていますが、まだまだ慌てる時期ではありません。焦ってしまうと本来の実力が発揮しにくくなるので、今のうちに勝ち点を少しずつ積み上げていき、危険水域を抜け出してセーフティゾーンに入りたいですね。そしてこれからパリ五輪が開幕するためJ2リーグは約2週間の中断期間に入ります。すでに戦力の入れ替えなどが発表されていますが、中断期間明けに全力が出るような万全な準備をしてほしいと思います。



【ヴァンフォーレ甲府×V・ファーレン長崎|ハイライト】2024明治安田J2リーグ第24節|2024シーズン|Jリーグ

ピックアップV・ファーレン長崎戦!

2024-07-15 | Weblog
ヴァンフォーレが戦った試合で特に印象に残ったプレーやゴール&応援など、X(旧Twitter)やYouTubeに上げられたヴァンフォーレ関連の記事や動画の投稿を少し緩く紹介していくこのコーナー。なお試合日翌日に更新予定です。

今回の対象試合は7月10日にホームJITリサイクルインクスタジアムで行われた2024年明治安田J2リーグ第24節V・ファーレン長崎戦です。





リーグデビュー戦となった村上選手の同点ゴールシーン。後半開始早々2分、右サイドを仕掛けた村上選手が左足でゴールに向かっていくような軌道のカーブがかかったクロスボールを挙げると、そのクロスを相手DFが頭で触りさらにGKが手を伸ばすものの弾き切れずボールがゴールに吸い込まれていきます。村上選手はリーグ戦デビューとなったこの試合でいきなりプロ初得点をマーク。ゴール自体は決して狙ったものではなくクロスボールが相手選手に当たって運良くゴールに向かっていった印象でしたが、公式記録は立派な村上選手のゴール。彼は天皇杯からウイングバックに挑戦していますが、このゴールといいこれから紹介するウタカ選手のゴールへのお膳立てといい、この試合でインパクトのある活躍を残したと思いますね。





後半13分のピーターウタカ選手の勝ち越しゴール。右サイドにいた村上選手がファーサイドの奥深くに1点目と同じような体勢で左足の巻いてくるような軌道のクロスボールを供給。そこにダッシュでアダイウトン選手が走り込みなんとか頭で中央に折り返すと、ゴール前で待っていたウタカ選手が冷静にゴールに沈め、ヴァンフォーレが逆転に成功します。ここの場面でも村上選手のプレーが冴え渡っており、アシストにはなりませんでしたが得点に結びつく活躍を残しています。そしてアダイウトン選手の懸命な折り返しも良かったですね。そこで相手は触ることを想定していなかったので、折り返された際の守備の準備ができていませんでした。冷静にゴールに押し込んだウタカ選手もさすがです。





試合結果を伝えるクラブ公式のポスト。試合は後半アディショナルタイム9分に追いつかれて引き分けととても悔しい終わり方でしたが、冷静に考えると首位クラブ相手に低調なチーム状態のクラブが勝利まであと一歩のところまで追い詰めたので評価できる引き分けだったと思います。





試合後キャプテン関口選手の魂の訴え。直前で勝利が逃げていった今回の悔しい経験を脳内に刻み込み、次は同じ事態が二度と起こらないように集中力を最後まで切らさないで戦いたいですね。このシーンは関口選手の気持ちがビシビシと伝わってきます!





この長崎戦にはFCふじざくら山梨に所属している背番号10菅百花選手がキックインのセレモニーに参加。菅選手を含めてふじざくらの選手たちは10日の天皇杯3回戦セレッソ大阪戦にも来てくれたようで、ヴァンフォーレに興味を持ってくれることはサポーターとしてとても嬉しいですね。個人的にもなでしこリーグ2部の中断期間が明けたら年内にもう一度ふじざくらの応援に行こうと思っています。今から楽しみだ!





UTYのスゴろくでもおなじみの気象予報キャスターの米津さんも観戦に来てくれたようですね。日常の天気予報はもちろんですが、試合前日に教えてくれるスタジアムのピンポイント予報も参考にさせてもらっています。毎回ありがとうございます!





この日は市川三郷町と富士川町のサンクスデーだったので、YSK e-comさんと市川三郷町がタッグを組んだ激励花火がハーフタイムに打ち上がっていました。この光景をスタジアムで見ると今年も夏が来たなぁと実感できますね。後半直後に得点した村上選手もこの素晴らしい花火に触発されたんだと思います。きっとね。


…以上です。

試合結果【V・ファーレン長崎戦】

2024-07-14 | Weblog
【2024年明治安田J2リーグ第24節】

◇試合結果◇
△ヴァンフォーレ甲府2-2V・ファーレン長崎△
※一時逆転もラストプレーで追いつかれ引き分け

◇得点者◇
前半46分(長)加藤
後半2分(甲)村上
後半13分(甲)ピーター ウタカ
後半54分(長)澤田

◇試合会場◇
JITリサイクルインクスタジアム(山梨県)

◇入場者数◇
8003人

◇今シーズンのホームゲーム累計入場者数◇
10万6217人(1試合平均8851人)

◇データ◇
    甲府 長崎
40% ボール支配率 60%
13本 シュート数 14本
365本 パス成功数 602本

◇今シーズンの成績◇
6勝8分け10敗(勝ち点26) 16位

◇今シーズンの勝ち星表◇
→◯◯✕◯△△✕◯✕△
 ○✕✕○△✕✕✕△△
 ✕△✕△
※今シーズンリーグ戦の試合をこなす度に◯△✕で結果を積み重ねていきます。一番右&下段が最新の結果です。

◇ヴァンフォーレ甲府メンバー◇


◇試合ハイライト動画
2024.07.14 2024明治安田J2リーグ 第24節 vs.V・ファーレン長崎

本日V・ファーレン長崎戦!見どころ紹介

2024-07-14 | Weblog


ヴァンフォーレ甲府本日試合があります。2024年明治安田J2リーグ第24節ホーム山梨県甲府市のJITリサイクルインクスタジアムにてV・ファーレン長崎戦です(18時キックオフ)。


◇中継情報◇
DAZN
エフエム甲府

◇試合会場周辺の天気情報◇
tenki.jp 7月14日 6:00発表
JITリサイクルインクスタジアム(山梨県)
曇り☁時々雨☔(夏日)
最高気温:28℃(キックオフ時∶25℃) 最低気温:23℃
降水確率
6時~12時:40%
12時~18時:60%
18時~24時:70%


◇ホームゲーム交通アクセス情報◇
ヴァンフォーレ甲府の試合を観に行こう〜スタジアム交通アクセス編2024年修正版〜


◇見どころ紹介◇
【V・ファーレン長崎】
☆今シーズンの成績:14勝8分け1敗(勝ち点50) 1位
☆ここ最近5試合の試合結果
→△○○△○
☆注目選手
エジガル・ジュニオ選手∶J2得点ランキングトップ独走の14得点を挙げているブラジル人FW。長崎の得点源。
フアンマ・デルガド選手∶188cmの長身を活かした圧倒的な競り合いの強さを発揮。今シーズンは切り札として勝負どころで起用されている。
マテウス・ジェズス選手∶大柄な体格をダイナミックなプレーに活かすCH。特に攻撃参加時は要注意。

☆予想布陣:4-1-2-3
☆予想スタメン

※選手とフォーメーションは実際と異なる可能性があります。

☆前節の試合ハイライト動画
【公式】ハイライト:V・ファーレン長崎vsロアッソ熊本 明治安田J2リーグ 第23節 2024/7/6



【ヴァンフォーレ甲府】
☆今シーズンの成績:6勝7分け10敗(勝ち点25) 15位
☆ここ最近5試合の試合結果
→△△✕△✕
☆注目選手
鳥海選手∶天皇杯C大阪戦で決勝点を記録。その良い感覚をこの長崎戦でもみせられるか注目。
アダイウトン選手∶縦に速いチームの攻撃を支える重戦車。彼が伸び伸びと勝負できる環境を作りたい。
関口選手∶リーグ戦も天皇杯にもフル出場が続いている主将。最近の3バックのキーマンとして活躍中。

☆予想布陣:3-4-2-1
☆予想スタメン

※選手とフォーメーションは実際と異なる可能性があります。

☆前節の試合ハイライト動画
【公式】ハイライト:ヴァンフォーレ甲府vs徳島ヴォルティス 明治安田J2リーグ 第23節 2024/7/6



☆五輪中断前ラストゲーム
現在J2リーグは第23節まで消化。これから7月27日から8月11日にかけてパリオリンピックが開幕するため今回の第24節をもってひとまずリーグ戦は中断期間に入ります。中断期間後の第25節は8月3日の群馬戦となるので期間は約3週間。約3週間試合が行われないとなるとこれまでのチーム状態が一旦リセットされることが予想されます。なのでこの中断期間に入る前のラストゲームとなる今回の長崎戦で勝利を収め、良い雰囲気のままパリ五輪を迎えたいですね。

☆これまでの継続?天皇杯撃破の勢い?
大塚新監督が指揮官に就任して公式戦3試合目となる今回の試合。前節の徳島戦では篠田監督から引き継いだスタイルを継続し前半を中心に積極的なプレーができていましたが、後半ミスが重なり逆転負けとなってしまいました。そして中3日で迎えた天皇杯3回戦ではケガ人の復帰やリーグ戦では出番に恵まれていない選手たちがメンバーに加わり新たなチーム編成で臨んだことがプラスに働き、J1で5位につける強豪セレッソ大阪に延長戦の末に勝利することができました。篠田監督から続くこれまでの継続性を大事にしてきて徳島に敗れはしたものの少しずつ上昇の兆しをみせているリーグ戦のメンバー構成か、普段あまり出られていない選手を起用しセレッソ大阪を打ち破った天皇杯3回戦の実績を重視するのか、どちらの経験を今回メンバー構成のベースとして選ぶのか大塚監督の選択が見ものだと思います。

☆攻撃陣が強力な長崎
現在首位にいる長崎。長崎には超強力な外国籍選手が在籍していることでも知られており、特に攻撃陣に能力の高い選手がいます。その筆頭候補として挙げられるのが33歳のエジガル・ジュニオ選手。身長は174cmとそれほど上背はないのですが、相手DFとの駆け引きが非常に上手くタイミング良くその裏のスペースに抜け出す術を身につけています。今シーズンはすでに14得点を挙げる絶好調ぶりで、フアンマ選手を抑えてCFの1番手として先発出場する点取り屋でもあります。また長崎と言えばフアンマ・デルガド選手というイメージを持ってる方がいると思いますが、フアンマ選手も決して悪いコンディションではないのが長崎のポジション争いの凄いところ。後半途中から勝負どころの時間帯で必ず起用されており、大柄な体格を活かしたポストプレーで次々とチャンスを作り出します。切り札と呼べるフアンマ選手がベンチにいる長崎の状況はJ2でも反則級の選手層の厚さと言えるでしょうね。彼らの他にも決定機を演出して自らも積極的にゴールを狙っていけるタイプのマテウス・ジェズス選手もおり、外国籍選手の個の力はJ1でも十分戦っていけるようなレベルの水準だと思います。

☆鍵は中盤
長崎の基本的なフォーメーションは4-1-2-3。これはチームの攻勢時に力を使えるシステムと言えますが、逆を言えば守備に不安を抱えるシステムとも言えます。先日行われた天皇杯のセレッソ大阪戦のように奪われたら失点のリスクは背負うものの最終ラインの深い位置でビルドアップを行いプレスに来る相手をできる限り引きつけ、奪おうと陣形が前のめりになったところで一気に相手の背後のスペースにロングフィードを送り込むカウンター攻撃の戦術が有効になってきます。そして長崎の中盤は1アンカーと2CHの3人で構成されているので、アンカーの両脇にスペースが空きやすい構造となっています。もしカウンター攻撃を仕掛ける際はここのスペースを効果的に使って攻撃の起点にしてほしいですね。ポストプレーヤーや技術の高い選手がポジショニングを取り、そこを経由してさらにスピーディーな速攻を仕掛けられたら決定機はやってくると思います。セレッソ大阪も強力な外国籍選手が揃う4-2-3-1の攻撃的なチームだったので、イメージ的にはタイプが似ている彼らと対戦する感覚で試合を行えば計画的に試合を進められると個人的には思いますね。

☆先制逃げ切りのかたちに
この試合でヴァンフォーレが勝利するためには先制点は非常に重要。もし先にリードすることができたら追いつくために攻撃的になる相手の出方を窺った戦略が立てられます。長崎の切り札フアンマ選手を投入してきたらマンシャ選手をマンマークにつける作戦も採れます。スコア的にも常に先にイニシアティブを握ることで、現在首位の好調な相手チームの攻守のリズムを崩すことにも繋がってくるので、ホームの利を活かして序盤から積極的に仕掛けてほしいと思います。


…長崎は首位にいるクラブなので相当強いことは覚悟しなければいけません。また連続無敗記録を現在21試合に伸ばしているところも驚異的。ホームで行われるこの夏場のビッグマッチに大勢のサポーターが駆けつけると思いますが、大塚新体制に変わり天皇杯でC大阪を撃破した自信をこの長崎戦でも発揮して立ち向かってほしいと思います。勝ってさらに浮上へのきっかけを掴みたいですね。

セレッソ大阪戦を振り返る【天皇杯3回戦】

2024-07-13 | Weblog
7月10日にJITリサイクルインクスタジアムで行われた天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会3回戦 セレッソ大阪戦ですが、試合結果は2対1でヴァンフォーレが勝利しました!ヴァンフォーレの得点は後半に挙げたピーター ウタカ選手と延長後半に挙げた鳥海選手のゴールでした。


☆戦線離脱から3人復帰
リーグ戦から中3日で行われたこの天皇杯3回戦セレッソ大阪戦。選手たちの疲労の影響も考え、この試合では半数程度のメンバーの入れ替えを実施。ウタカ選手や佐藤選手などのベテラン勢の他にキャプテンの関口選手がリーグ戦に引き続き先発出場。他にはケガで戦線離脱していた選手たちが続々と復帰しており、孫選手が第12節愛媛戦以来の公式戦復帰。また第11節群馬戦以来のメンバー入りとなるエドゥアルド マンシャ選手もベンチに復帰しているので、選手層の薄さで悩んでいたCBのポジションの問題はここから解消に向かうと思います。そして飯島選手や村上選手など2回戦から存在感を示している選手の先発起用もありましたが、なかでも個人的に注目していたのが武富選手。第20節いわき戦でケガから復帰し、時間を限定して途中出場し徐々にコンディションを上げてきました。武富選手は京都時代にウタカ選手と一緒にプレーしていた経験があるので、今回先発でコンビを組むことによって良い連携からC大阪ゴールにいかに迫れるか期待されていたと思います。それと孫選手&マンシャ選手とともに三沢選手も今回戦線復帰してベンチに入っているので、復帰組を加えた新たなチームの組み合わせの可能性を見てみたいチーム編成となりましたね。

☆ポゼッション+カウンター
ヴァンフォーレはスタートから攻守に積極的に動き、組織的な守備によって効果的に相手にプレッシャーをかけていきます。守備時は3バック+2ウイングバックで5バックを構成し、2ボランチが中央に蓋をすることで鉄壁の守備ブロックを形成。相手にスペースを与えないディフェンスができていました。C大阪はなかなかシュートシーンまで持っていくことができなかったのですが、そこでゴール前に放り込む方法を取っても187cmの孫選手の競り合いの強さが発揮され、ハイボールを次々と跳ね返していきます。この守備の安定が今回の試合では効果的で、ヴァンフォーレが試合を優位に進めるための土台になっていたと思います。そして繫ぐ意識が高かったのも良かったポイント。C大阪の選手たちはプレスの鋭さと攻守の切り替えの速さでJ1とJ2のレベルの違いを生み出そうとしていましたが、自分たちが奪おうと動いてもボールを取れない感覚があったと思います。それほどヴァンフォーレの選手たちはうまくボールを回しており、相手のプレス回避ができていました。あと最終ラインまで戻して繫ぐビルドアップ時の意識が今回みられましたが、リーグ戦のときのような攻撃がうまくいかないから戻す消極的な仕切り直しではなく相手が粘り強く追ってくるなかでの最終ラインでの繋ぎだったので、危険な位置でのプレスを回避できたときには相手のDFラインの裏に広大なスペースが広がっていました。そこに素早くロングフィードやスルーパスを送ることで一気に攻守を入れ替えることに成功。ボールを繫ぐポゼッションと相手の裏を突くカウンタースタイルがうまく融合できていたのもこの試合良かったポイントだったと思います。

☆ウタカ選手がこじ開ける
スコアレスで折り返した後半の立ち上がりすぐに試合が動きます。後半1分、右サイドでボールを奪った飯島選手が前方を走るウタカ選手にスルーパスを供給。抜け出したウタカ選手は右サイドを駆け上がりドリブルを続けると、エリア付近でゴールに近づく動きをみせて相手マーカーを振り切り、GKのタイミングを外したシュートを決めます。ウタカ選手が走っていた右サイドの他に中央を駆け上がっていた選手もいたので相手はウタカ選手に集中できなかったことを利用したしたたかな得点でしたね。今大会3得点目となるゴールでヴァンフォーレが先制点を挙げることに成功します。

☆レオ・セアラ選手らブラジル人3選手同時起用
先制点から8分後にC大阪の渡邉選手に素晴らしいミドルシュートを決められて同点となったこの試合。さらにC大阪は後半16分に畳みかけるようにベンチに温存していたレオ・セアラ選手やカピシャーバ選手&ルーカスフェルナンデス選手のブラジル人選手3人を同時起用し勝ち越しを狙っていきます。現在J1で得点ランキングトップを独走しているレオ・セアラ選手を含めた交代投入にスタンドのサポーターにどよめきが起こりますが、ピッチにいる選手たちにはすでに想定されていることであり、とても落ち着いていたと思います。C大阪は前に重心を傾けることでヴァンフォーレの守備陣に守りを意識させて猛攻を仕掛けたいと思っていたはずですが、こちらは守りながらも常にカウンター攻撃の機会を窺っていたのでC大阪はどこかしら攻撃に全集中できない姿がありましたね。彼らブラジル人選手3人に意識し過ぎることなくうまく適切にディフェンスの対処ができていたと思います。

☆劇的鳥海弾に導いたポストプレー
90分で決着をつけたかったC大阪は延長戦に突入すると運動量が減少。ファビアン ゴンザレス選手や三沢選手&水野選手や内藤選手を投入したヴァンフォーレの攻撃陣がイニシアティブを握る時間が増えていきます。しかし肝心のゴールが奪えないまま延長前半が終了し、この同点のままPK戦にもつれ込むことを想定し始めた延長後半7分に劇的なドラマが生まれます。鳥海選手が良い位置でボールを受けると、エリア前方にポジショニングをとっていたファビアンゴンザレス選手の足元にパスを出します。ファビアンゴンザレス選手は相手を背負いながら長い手足のリーチを活かしてポストプレーを行うと、左に流れた鳥海選手に楔のパスを供給。その流れのままパスを受け取った鳥海選手はスピードを殺すことなく左前方に移動しながら左足でファーサイドを狙ったシュートを放ち、それが見事ゴールに吸い込まれていきます。劇的な鳥海選手のゴールに沸く選手やチームスタッフたち。スタンドのサポーターも狂喜乱舞でその喜びを爆発させます。もちろん鳥海選手の技巧的なシュートやゴール前に入っていく動きなども素晴らしかったのですが、個人的にはファビアンゴンザレス選手のポストプレーが良かったですね。最近の試合ではなかなかみられなかったゴール前で体を張って攻撃の起点となり、そこを効果的に使ってゴールまで持っていけたのはなによりのチームの収穫点だったと思います。ファビアンゴンザレス選手の頑張りと鳥海選手のアイディアで生み出した素晴らしい決勝点でしたね。試合はこのリードを最後まで守り切ったヴァンフォーレが2対1で勝利を収め、強豪セレッソ大阪から金星を挙げました。

☆勝因は?
ヴァンフォーレがこの試合勝利できた勝因として、戦略的な試合の進め方ができたことを挙げたいと思います。ヴァンフォーレは前線で精力的にプレスをかけに行くことは忘れず、相手に前目の位置でビルドアップさせないような工夫を行います。また守勢の展開になったら人数をかけて守備ブロックを形成し相手に前方のスペースを作らせないディフェンスを敢行。スペースが使えないC大阪は空中戦を挑みますが、競り合いに強い孫選手を中心に粘り強く跳ね返すことができていましたね。ディフェンス面で安定していたからこそ、こちらもカウンターで仕掛けようとする余裕が生まれていたと思います。また敢えて自陣深くでビルドアップを続けることにより相手をできる限り引きつけることに成功。C大阪の陣形が前のめりになることでそのDFラインの後方にスペースが発生し、ヴァンフォーレはそこからロングフィードを蹴り込むことで一気に攻守が切り替わるシーンが多々みられました。何度か自陣深くで相手に引っかかってボールを奪われそうになる危険なシーンはありましたが、前方のスペースをカウンターで裏を狙うウタカ選手や飯島選手&鳥海選手などもいたのでその戦術が今回C大阪にうまくハマったと思いますね。最近のリーグ戦では攻撃できず仕切り直して戻す行為が目立っていましたが、今回のは意図のある後方でのビルドアップだったのでとても効果的でした。

そして交代枠の使い方も良かったポイント。C大阪はブラジル人選手を3人同時に起用した時間帯で一気に流れを引き寄せて試合を決めようとしていた思惑でしたが、ヴァンフォーレはその流れを食い止めて耐え切ったのが大きかったですね。その後相手はインパクトのある交代カードが切れなくなり試合の流れを変えることができませんでした。一方のヴァンフォーレは相手より常に交代カードを残している展開となっており、相手の出方を窺った選手起用ができていました。もちろん先手で仕掛けていくことも時には大切なのですが、相手のブラジル人選手対策で長身のCBマンシャ選手を送り込めたように、要所要所で冷静な相手の対策ができていたことが良かったですね。


…この勝利によりヴァンフォーレは3回戦を突破しラウンド16進出が決定。12日に行われた組み合わせ抽選会でラウンド16は鹿島アントラーズと対戦することが決まっています(場所はJITリサイクルインクスタジアムで8月21日に開催)。鹿島とはこれで3年連続天皇杯で対戦。過去2年はヴァンフォーレが勝利を収めて勝ち上がっているので、鹿島は3年連続で負けないように相当な覚悟でリベンジに燃えていると思います。J1で優勝を争う強豪クラブとまた試合ができるのは天皇杯の舞台の魅力だと思います。その高まる高揚感をこれからも大いに楽しみましょう!



【天皇杯】セレッソ大阪を延長戦で撃破!3年連続BEST16進出!

ピックアップ天皇杯セレッソ大阪戦!

2024-07-11 | Weblog
ヴァンフォーレが戦った試合で特に印象に残ったプレーやゴール&応援など、X(旧Twitter)やYouTubeに上げられたヴァンフォーレ関連の記事や動画の投稿を少し緩く紹介していくこのコーナー。なお試合日翌日に更新予定です。

今回の対象試合は7月10日にJITリサイクルインクスタジアムで行われた天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会3回戦 セレッソ大阪戦です。



【ジャイキリ】天皇杯 3回戦 ヴァンフォーレ甲府 ピーターウタカ選手が先制ゴールをドリブルで運んで決める VS セレッソ大阪 2024/7/10


後半開始直後のウタカ選手の先制ゴールシーン。後半が始まった直後で少し気の緩む時間帯だったのをウタカ選手は見逃しませんでしたね。C大阪の3バックの左脇スペースに潜り込み、ゴールに向かって走っていく味方を囮に使いながら深くドリブルできたのが良かったポイント。すでにエリア内に入り込んでおり、対応する相手DFもファールしてはいけないとディフェンスの圧が弱くなっていたこともプラスに働きました。それが相手の足に当たってもウタカ選手のそばからボールが離れなかった要因になっていたと思います。リーグ戦では抜け出してもなかなか決め切れないことが多いウタカ選手ですが、相手のレベルがかなり高い試合だったので闘志がいつもより燃えていたということでしょうか。いずれにしてもナイスゴールでした!



【ジャイキリ】天皇杯 3回戦 ヴァンフォーレ甲府 鳥海芳樹選手が逆転ゴールを決めゴール裏の甲府サポと共に喜びを爆発させる VS セレッソ大阪 2024/7/10


延長後半の鳥海選手の決勝ゴールシーン。鳥海選手がゴール前にいたファビアンゴンザレス選手にショートパスでボールを預けて自身はそのまま左前方に走り出します。相手を背負ってポストプレーを行ったファビアンゴンザレス選手は鳥海選手の動きに合わせて楔のパスを送ると、うまく相手マーカーを剥がせた鳥海選手はファーサイドのゴールネットに左足でシュートを流し込みました。動きながら要所要所で技術をみせていく彼らしいゴールが試合の決勝点に。もちろん鳥海選手のシュートも良かったのですが、それと同等くらいにファビアンゴンザレス選手のポストプレーも素晴らしかったですね。このようなプレーがリーグ戦でも増えていくとチームの攻撃の起点になれる存在へと変わっていくと思います。





試合終了し勝利に喜ぶコーチ陣とベンチの選手たち。こうやって見ると佐藤選手とウタカ選手に喜びのドサクサに紛れて頭を叩かれているなど、大塚監督と選手の距離がとても近く感じます。これから兄貴的な存在の指揮官として選手たちとさらに良い関係性を構築してほしいですね。





勝利試合恒例の輝く夜空チャント。これまでの天皇杯はゴール裏がガラガラなイメージがありましたが、今大会は2回戦も含めてぎっしりサポーターで埋まっています。白熱した試合&勝利できた喜びもプラスされ、とても良い雰囲気のゴール裏を作れていると思います。そんな状態で輝く夜空を歌えるなんて最高ですね。





ゴール裏でのマイクパフォーマンスを行う武富選手。武富選手は挨拶後に甲府ロマンのチャントを促して締めるのが通例となっていますが、今回はVictoriosoをチョイス。好きなチャントが増えているということなんでしょうかね。





ラストに試合結果と鳥海選手の得点後の様子を伝えるポストを紹介。ゴール裏に全力ダッシュする選手とスタッフたち。特にブルノ通訳が意外と速い(笑)


…以上です。

試合結果【天皇杯3回戦セレッソ大阪戦】

2024-07-10 | Weblog
【天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会3回戦】

◇試合結果◇
○ヴァンフォーレ甲府2(延長)1セレッソ大阪✕
※延長戦での死闘を制しラウンド16に進出!

◇得点者◇
後半1分(甲)ピーターウタカ
後半9分(C大)渡邉
延長後半7分(甲)鳥海

◇試合会場◇
JITリサイクルインクスタジアム(山梨県)

◇ヴァンフォーレ甲府メンバー◇


◇試合ハイライト動画◇
【ハイライト】第104回天皇杯 セレッソ大阪 vs.ヴァンフォーレ甲府|3回戦



◇ラウンド16◇
8月21日(水)に開催されるラウンド16の対戦相手は、7月12日の組み合わせ抽選会で決定。

本日天皇杯3回戦セレッソ大阪戦!見どころ紹介

2024-07-10 | Weblog


ヴァンフォーレ甲府本日試合があります。天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会3回戦 山梨県甲府市のJITリサイクルインクスタジアムにてセレッソ大阪戦です(19時キックオフ)。


◇中継情報◇
なし

◇試合会場周辺の天気情報◇
tenki.jp 7月10日 6:00発表
JITリサイクルインクスタジアム(山梨県)
曇り☁のち雨☔(真夏日)
最高気温:32℃(キックオフ時∶27℃) 最低気温:23℃
降水確率
6時~12時:20%
12時~18時:50%
18時~24時:30%


◇見どころ紹介◇
【セレッソ大阪】
☆天皇杯成績
2回戦∶3-1 ジェイリースFC
得点者∶渡邉、阪田、為田

☆2回戦スタメン

※清武選手は鳥栖に期限付き移籍決定

☆2回戦の試合ハイライト動画
【ハイライト】第104回天皇杯 セレッソ大阪 vs.ジェイリースFC|2回戦



【ヴァンフォーレ甲府】
☆天皇杯成績
2回戦∶2-0 Honda FC
得点者∶ピーター ウタカ2

☆2回戦スタメン


☆2回戦の試合ハイライト動画
【ハイライト】第104回天皇杯 ヴァンフォーレ甲府 vs. Honda FC|2回戦



☆リーグ戦とは別物
2022年大会以来2度目の天皇杯優勝を目指すヴァンフォーレ。長丁場のトータルの成績が重要なリーグ戦とは違い、天皇杯は一発勝負勝ち上がりで勝敗が決するトーナメント戦なので一戦一戦の調子の良さが求められます。その戦い方に関してはヴァンフォーレは過去に優勝までの道のりを歩んできているので、今回も準備や心構えなどその貴重な経験を活かしてほしいですね。低迷しているリーグ戦のことはひとまず置いといて、この天皇杯の舞台でまた新たな気持ちで臨みたいところ。しかもヴァンフォーレは先日指揮官が交代し大塚新監督が就任したばかりなので、フレッシュさや思い切りの良さなど新体制の良い部分をこの試合で全面に発揮してほしいと思います。

☆ベンチに主力が控えるC大阪
今回の対戦相手のセレッソ大阪。J1では現在5位につけている強豪クラブで、天皇杯では2回戦で大分県代表のジェイリースFCを3対1で下しこの3回戦に勝ち上がっています。このときは普段出番にあまり恵まれていない若手選手中心のメンバー構成で戦っており、主力選手を出さなくても危なげなく勝ち進んでいます。しかし今回は優勝経験のあるヴァンフォーレが相手ということと、前回覇者として臨んだ2018年の天皇杯の舞台でC大阪は4回戦でヴァンフォーレに小瀬で延長戦の末に敗れています。当時コーチだった小菊監督は苦い思い出として残っていると思うので、若手主体のチーム構成は変わらないと思いますが勝ち進めるための準備をしっかりしてきそう。それはベンチに現在J1で得点ランキングを独走中のレオ・セアラ選手やブラジル人のカピシャーバ選手&日本代表の毎熊選手などの実力者を帯同させると予想でき、いざというときには途中起用して普段のチームの力を発揮できる環境を作り出すことが推測されます。まずヴァンフォーレは彼らを引っ張り出させるための先制パンチをC大阪に与えなければいけません。そして彼らの猛攻に耐えたその先に勝利という二文字が見えてくるでしょうね。

☆ケガ人の復帰&若手の台頭
ヴァンフォーレはようやく長いこと戦線離脱していた選手たちの復帰が目の前に見えています。まずは4月24日に右太ももを負傷し離脱していたブラジル人DFエドゥアルド マンシャ選手のメンバー入りが濃厚。長身で競り合いに強い彼が戦線に戻ってきたらCBの選手層が薄い状況からの脱却を図れると思うので、チームとしたら大きな戦力アップになりそう。またGK渋谷選手も全体練習に復帰しています。彼も試合勘を早く取り戻すためにこの試合出場するかもしれませんね。最近の試合で少しずつ出場時間が増えてきた武富選手も完全復活間近だと思うので、ケガ人の復帰が大塚監督のメンバー編成の幅を広げてくれそうですね。そして若手の台頭にも注目。飯島選手のシャドーや、水野選手と村上選手のサイドのポジションが特別な存在感を示してくれたらこの試合はもちろん、今後の試合でもジョーカー役として期待できると思います。

☆先制点が大事
相手のセレッソ大阪はチーム力がとても高いチーム。選手の個のレベルも高く一度相手のペースになってしまったらその流れを止めることが難しくなると思うので、できればヴァンフォーレがスタートから奇襲を仕掛けて先制点を狙っていきたいところ。そしてリードしている状態で相手の勢いが落ち着いてきたらこちらが優位に試合を進めることができそう。そして先ほども言ったように相手はベンチに実績十分な強力なFWを用意していると思います。彼らが途中出場してきたときには過度に意識し過ぎないように慌てず冷静に全体を見た守備対応を行いたいですね。個人的にはセットプレー時の集中力がヴァンフォーレ勝利の鍵になると思います。


…前々回大会に優勝したことで、この大会の注目度が山梨県中で高まっています。おそらくゴール裏はぎっしり埋まることが濃厚なので、その熱い応援で選手たちを後押しして次のラウンドに進められるようにしたいですね。J2のクラブがJ1のクラブを打ち負かすジャイアントキリングを今大会もみせてほしいと思います!

徳島ヴォルティス戦を振り返る【J2第23節】

2024-07-09 | Weblog
7月6日にホームで行われた2024年明治安田J2リーグ第23節徳島ヴォルティス戦ですが、試合結果は1対3でヴァンフォーレは敗れてしまいました。ヴァンフォーレの得点は前半に挙げた三平選手のゴールでした。


☆大塚新監督初陣&先発変更は2人
7月2日に篠田監督との契約を解除し新たに大塚コーチが監督に昇格したヴァンフォーレ。新体制となって初めて戦う公式戦が今回の徳島戦でした。先発メンバーは前節から2人変更。ピーター ウタカ選手に代わり前節ケガから戦線復帰した三平選手が第14節秋田戦以来のスタメン&そして木村選手に代わり中山選手が今シーズン初先発を飾ります。特に注目されていたのは23歳の中山選手。最近途中出場が増えていたものの今ひとつ篠田監督の信頼を得られていなかった彼でしたが、コーチを務めていた大塚監督に日々の練習の努力が認められて先発に大抜擢。動きながらゲームメークできるタイプの中山選手が、チームの攻撃のリズムを巧みに作り出してくれることを期待されていたと思います。

☆様子を窺う相手に対して積極的に仕掛ける
試合の立ち上がりは慎重にこちらの戦い方を窺う徳島に対し、ヴァンフォーレは積極的に仕掛けていきます。陣形をコンパクトに保ち中盤でプレスをかけやすい環境を形成。そして三平選手を中心に前からディフェンスに行くことで相手のパス回しに圧力をかけることに成功。それによって徳島のパス回しが不安定となり、中盤でマイボールにできる回数が増えてヴァンフォーレが攻勢に移る機会が巡ってきましたね。アダイウトン選手や関口選手など両サイドが駆け上がってチャンスを作り、そこに鳥海選手や三平選手が絡んでフィニッシュを迎える場面が多々みられました。またセットプレーのシーンでもCKから山本選手が惜しいヘディングシュートを放つなど、前半にかけて相手を押し込むことができていた印象。そのアグレッシブな姿勢がこれから取り上げる三平選手のゴールに繋がっていきますが、欲を言えば試合展開が優位な状況のときに1点だけではなく複数得点を狙いたかったですね。

☆三平選手の存在感
今回9試合ぶりの先発出場となった三平選手。ケガで負傷離脱する前はファーストディフェンダーとして計算された追い込むような前線のチェイシングでチームの組織的プレスに貢献していましたが、この試合でも後から付いてくる選手にプレスが行きやすい前線のプレスを敢行。ベテランらしからぬ精力的に広大なエリアを動き回ることで、こちらに試合のペースを引き寄せる原動力となっていましたね。前半39分の先制ゴールのシーンもアダイウトン選手がサイドで突破を仕掛けた影響で相手DFラインがその動きに合わせるように下がっていたところ、三平選手は敢えて前にポジショニングを取らず一歩下がってゴール前に入っていたことがフリーの状態を生み出す要因に。アダイウトン選手がフリーの彼を見つけてマイナスのクロスを供給。少し体勢が詰まり気味にはなっていましたが、うまく左足で当ててボレーシュートをゴールにねじ込みます。三平選手は今シーズン4得点目。相手のDFをよく観察してクロスの供給者に上げやすい環境を作り出していたことがゴールできた決め手になったと思います。

☆ミスが重なった連続失点
1対0と1点のリードで前半を折り返したヴァンフォーレ。しかし徳島は後半からチアゴ・アウベス選手に代えて坪井選手を投入したことで試合の流れが変わっていきます。後半12分、徳島の前線の動きが活発化しヴァンフォーレの最終ラインのビルドアップが乱れて高い位置でボールを奪われると、最後は坪井選手に流し込まれ同点に追いつかれてしまいます。さらに徳島の猛攻が続き、左サイドからのクロスを押し込まれ逆転。試合終了間際には横パスを相手にインターセプトされてカウンターを許し、守備対応にあたった林田選手も振り切られ坪井選手にゴールを決められて万事休す。1失点目はプレスの影響を受けずに前向きにパス回しができていた前半からは一転して鋭いプレスを受けたので、そのペースの違いにチーム全体が一瞬消極的になったのが失点の背景としてあります。その状態で自陣深くで今津選手がパスミスをしてしまったので守備の切り替えが追いつかなかったですね。2点目も今津選手がクロスに目線を合わせるのかゴール中央でマークしていたブラウンノア賢信選手に目線を合わせるのか迷っていたので対応が中途半端になった気がします。3点目も今津選手のミスが絡んでいますが、このシーンは後半アディショナルタイムということもあって早急に1点を奪わなければいけない状況にチームは追い込まれており、相当なリスクをかけて進めていた上での積極的なミスだったので致し方ない面もあります。今津選手は始めの失点に絡むミスによって気が動転し正常な思考でのディフェンスができなかった状態だったかもしれませんが、そういうときは他の守備陣が彼をフォローしながら助け合って励まし落ち着かせる努力をしなければいけません。その姿勢が今回充分ではなかったと言わざるを得ないと思いますね。ただしミスは誰にでも起こります。今津選手には今回の失敗を糧にして精神的に乗り越え、さらなるレベルアップを図ってほしいと思います。

☆圧力をかけるも得点は奪えず
後半22分に逆転弾を許し追いかける展開へと変わったヴァンフォーレ。その前の後半18分にウタカ選手と小林選手をピッチに送り込み、さらに後半27分には武富選手と木村選手を投入。最後の交代枠として後半35分に佐藤選手を使いますが、攻撃の有効手段は最後まで生み出せず。終盤は攻勢を仕掛ける場面が明らかに増えましたが、守りを固める徳島守備陣を崩し切れずに試合終了。ラストにダメ押し点も決められて1対3で敗れてしまいました。

☆敗因は?
この試合敗れてしまった要因として、後半の相手のペースの変化についていけなかったことを挙げたいと思います。徳島はチアゴ・アウベス選手を先発で使っていましたが、彼は前線の守備をあまりしないタイプの選手。攻撃的な技術は高くてもスピードはあまりないのでヴァンフォーレとしたら長身のブラウンノア賢信選手も含めて前半はDFラインの裏抜けに警戒しなくても良い状況でした。しかし後半からそのチアゴ・アウベス選手に代わりスピードがあり献身的に前線のチェイシングができる坪井選手を起用したことで、前半のように落ち着いてビルドアップできない状況が生まれてしまいます。そしてテクニックやパワー系の柿谷選手やカイケ選手を諦めて組織的プレスに積極的に参加できるタイプの杉本選手や内田選手&髙田颯選手や杉森選手を次々と投入したことで、チームとして攻守にアグレッシブさを取り戻せた印象でしたね。その相手の勢いに完全に飲み込まれた感があったので、早急にその勢いのあるプレスをかい潜るプレス回避の方法を模索すべきでした。そして前半は三平選手が体を張り前線で起点となっていたので前目でボールを保持できていましたが、彼が負傷で退くと途端に前線で起点が作れなくなりました。その影響でクリアしても相手にボールを拾われてまた守勢の状態が続く展開が多くなったのも、試合のペースが握れなかった要因だったと個人的には思いますね。そして体力的なペース配分も気になります。スタートから攻守にアグレッシブな姿勢で臨むのはもちろん大切な心がけなのですが、この暑さでは90分間ハイペースで動き回るチームスタイルを継続できないのは確実。前半攻め続けた影響が後半の途中から動きのキレの鈍さとして表れていたと思うので、積極的に試合を進めたい大塚監督の思惑もあるかもしれませんが、攻めの時間帯と守る時間帯をチームであらかじめ決めて90分間もつような計画的なペース配分で試合を進めてほしいですね。


…この敗戦により今シーズンのヴァンフォーレの成績は、6勝7分け10敗の勝ち点25で順位は15位に転落しています。大塚コーチが監督に昇格して新体制で臨むスタートの試合でしたが、初陣は残念ながら黒星となりました。これでヴァンフォーレは9試合勝ちなしの状況が続いていますが、試合中には戦い方に可能性が見えた瞬間もありました。うまくできなかった点を反省することももちろん大事ですが、今回はポジティブになれる点をピックアップして自信を持ってこれからの試合でプレーできるように、次に向かって気持ちを切り替えてしっかり準備して臨んでほしいと思います。



【ヴァンフォーレ甲府×徳島ヴォルティス|ハイライト】2024明治安田J2リーグ第23節|2024シーズン|Jリーグ

ピックアップ徳島ヴォルティス戦!

2024-07-07 | Weblog
ヴァンフォーレが戦った試合で特に印象に残ったプレーやゴール&応援など、X(旧Twitter)やYouTubeに上げられたヴァンフォーレ関連の記事や動画の投稿を少し緩く紹介していくこのコーナー。なお試合日翌日に更新予定です。

今回の対象試合は7月6日にホームで行われた2024年明治安田J2リーグ第23節徳島ヴォルティス戦です。





前半39分の三平選手先制ゴールシーン。中盤で中山選手が溜めを作り左サイドを駆け上がったアダイウトン選手にスルーパス。アダイウトン選手は相手マーカーをドリブルで振り切り、エリア深くでマイナスのクロスボールを上げます。そのクロスボールにゴール前で合わせたのは三平選手。左足で直接ボレーを放つと相手GKの手を弾きゴールに吸い込まれます。三平選手は第11節群馬戦以来久しぶりの得点。このゴールはダイレクトにボレーで合わせた三平選手も素晴らしかったのですが、その前の中山選手とアダイウトン選手の連携プレーが良かったですね。中山選手はアダイウトン選手の良さを最大限活かすジャストタイミングのパスを供給しています。このような縦に速い仕掛けが増えてくると得点の匂いがしてきますね。





試合結果を伝えるクラブ公式のポスト。結果的には後半3失点を喫して逆転負け。ミスが直接失点に結びついていたのは残念ですが、逆にチームとしても悪かった点がはっきりとして修正がしやすいと思うので、次こそは同じ過ちをしないように精進してほしいですね。ちなみにミスは誰にでも起こります。そこからの精神的なリカバリーが選手をさらに成長させると思います。





試合終了後ゴール裏に挨拶に来た選手を出迎えるサポーターたち。苦しい状況が続いていますが、成績が悪いからここでチームを見捨てるのではなく一緒に浮上させていく方法を我々サポーターも寄り添いながら考えたいですね。そのためのエールがこのチャントに込められていると思います。





この試合が初陣となった大塚新監督。新体制と言っても低迷したチーム状態を引き継ぎ、選手も変わらないためかなり難しい船出となりますが、コーチだった経験から選手と身近に接することができるメリットを監督としてもうまく活かしてほしいと思います。頑張れ大塚監督!





ヴァンフォーレパークでのマスコットショー。音楽に合わせてティータイム中だったフォーレちゃんとティスちゃんが鋭く反応。可愛い姿を見せてくれていますね。





ラストもヴォルタくん。…なんでそうなるん?



…以上です。