まさかのロスタイム2発被弾！逆転負けで2回戦敗退【天皇杯福井ユナイテッド戦】

9日にJITリサイクルインクスタジアムにて行われた天皇杯 JFA 第101回全日本サッカー選手権大会2回戦福井ユナイテッドFC戦ですが、試合結果は1対2でヴァンフォーレは敗れてしまいました。ヴァンフォーレの得点は前半に挙げたパウロ・バイヤ選手のゴールでした。


この試合の注目点は2つ。まずは精神的な勝負に負けたこと。ヴァンフォーレは前半23分にパウロ・バイヤ選手の得点で先制。リーグ戦のメンバーからガラリと変えた構成でこの試合に臨んでいるヴァンフォーレは、この開始早々の得点により急造チームにみられる一種のフワフワ感がなくなりチームとしての落ち着きを取り戻していきます。この後はヴァンフォーレが試合の主導権を握り、パウロ・バイヤ選手を中心として中村選手も積極的にシュートを狙う場面が続きます。しかし前半は優勢の展開を維持しながら進めていきますが、シュートを6本近く放って決定的なチャンスを迎えながらも追加点が奪えなかったことが後々の展開に響いてくることになります。ハーフタイムに入り山本選手に代えて小柳選手を投入。冷静な判断力でチームを落ち着かせていた山本選手が交代したことで、時間が経つにつれてゆっくりと展開の風向きが変わり始めていきます。優勢に試合を進めていたヴァンフォーレでしたが、後半の中程の時間帯になると連携がうまく取れずに攻め迷いが生じる場面もみられるようになり次第に一進一退の攻防に。三平選手や長谷川選手などの交代カードを使っても流れが変えられないヴァンフォーレ。うまく攻撃ができなくてもすでに1点のリードを奪っている状態なので、終盤の残りの時間を耐えようとがむしゃらに同点に追いつくためにパワーを使ってくる福井の攻撃を防ごうと試みます。しかし懸命に耐えていたヴァンフォーレの精神状態は後半アディショナルタイムの失点によって崩壊。リードを守り切れなかったショックと目前に迫っていた白星が逃げてこのまま終わってもさらに延長戦を戦わなければいけないマイナス要素が選手たちの気持ちに重くのし掛かったと思います。集中力を切らした後半アディショナルの一瞬を福井は見逃さず、クロスボールを金村選手が合わせて決勝点。まさかの後半アディショナルタイム2失点によっての逆転負けは、相手に番狂わせを起こさせる痛すぎる敗戦となりました。

この敗戦の要因はズバリ精神力が耐えられなかったこと。幸先良く先制点を奪ったまでは良かったのですが、その後攻めても追加点が奪えなかったことや細かなプレーでのミスが積み重なっていったことで自分たちのリズムを自分たちで狂わせてしまった感がありましたね。最後までやりきるプレーから中途半端な消極的なプレーが試合中に増えたことで相手に付け入る隙を与え、Jリーグクラブ相手でもそんなにチーム力の差を感じずにもしかしたらもしかするかもという自信を福井に植え付けてしまった気がします。それによってアグレッシブなプレーが増えた相手は攻勢を続けてヴァンフォーレにプレッシャーを与えていき、そのプレッシャーに耐えられなくなったヴァンフォーレはなんとか耐えてきた精神力が失点した影響で一気に崩壊し集中力も切らしてしまいましたね。90分間の試合時間のうちで最初に一気に上がったチームのバイオリズムがだんだんと右肩下がりになっていく流れを止められなかったことが最後の逆転シーンに繋がりました。もちろん試合勘の乏しい慣れていない選手たちが多かった影響もありましたが、やはりプロクラブとして社会人クラブに負けてしまった事実は恥ずかしいし、勝たなければいけない試合に勝てなかった結果を重く受け止めなければならないと思います。

良かった注目ポイント2つ目は新外国籍選手のパウロ・バイヤ選手がゴールを奪えたこと。この試合5月9日の第13節東京V戦で途中出場以来の公式戦登場となったバイヤ選手は久しぶりの出番を掴み、このままではいけないという意識が積極的なプレーに表れていましたね。前半23分の得点も含めてゴールが見える位置では積極的に狙っていくアグレッシブさを発揮し、前半のヴァンフォーレのシュートシーンのほとんどとなる本数を記録。またCKやFKなどのセットプレーのキッカーに立候補し次々とチャンスを演出するなど、開幕前の評判のような助っ人に相応しい活躍を残したと思います。しかし攻撃面では積極性があって良かったものの、守備面は課題でチームとして組織的に相手を追い込むディフェンスの参加に戸惑いをみせるなど、まだまだ経験と周囲の助言が必要なレベルだと感じましたね。早くチームの守備のやり方に順応して攻守においてチームに貢献できるようにバイヤ選手には頑張ってほしいと思います。


天皇杯初戦（2回戦）敗退＆プロチームが社会人クラブに負けることはとても恥ずかしいこと。結果が出なかった事実を重く受け止めながらも、この試合に出場した選手は普段リーグ戦で出番の少ない選手が多かったので、試合勘と公式戦を戦った自信を得られたと思います。アピールできた選手やアピールできなかった選手もいるかと思いますが、ここでの経験を持ってリーグ戦出場に活かせるように良い状態で次に繋げてほしいですね。悔しい気持ちはありますが、次の試合ももうすぐ控えているのでいち早くリーグ戦に切り替えましょう！

そして天皇杯ではこれから福井ユナイテッドFCを応援しましょう！



【ハイライト】天皇杯JFA第101回全日本サッカー選手権大会2回戦 vs.ヴァンフォーレ甲府[J2]

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福井ユナイテッドFC公式チャンネルが上げた試合ハイライト動画。福井の選手や監督のインタビューもありますが、バイヤ選手のゴールシーンも載っています。





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