「高名の木登りと言ひし男、
人をおきてて、高き木に登せて・・・」で始まる一節。
私は時折、稽古最後の講話で、
この吉田兼好、徒然草「高名の木登り」の例えを話します。
試合や稽古、学校生活、家庭生活で最後の段階でも
油断しないように、との例えで引用します。
剣道を始めたばかりの初心者の子供たちは、
楽しく剣道に慣れ親しむことを優先して、
遊びと並行して稽古を進めます。
が、目標を持って当教室に入会した小学4年生Rinは、そうはいきません。
小学生高学年に応じた稽古のメニューと、日常生活のあり方まで示唆します。
例えば、試合や審査があった翌日の稽古は休まない。
節目の年度末、年度始めの稽古は休まない。
挨拶と報告、返事の重要性など、数え上げればきりがありません。
先日の出稽古の際には、昼食時に箸のもち方まで苦言しました。
なによりこのブログで、いつ自分のことの小言を言われるかビクビクものです。(笑)
昨年の夏休みから当教室に通うようになり、
手のマメがやぶれ、右足の親指の付け根がきれ、
呼吸困難で泣き出し、
すぐ母親のところに駆け寄り
なんだかんだと理由をつけSOSを発信する。
が、今年からのRinはチョッと違う。
8時からの居残り稽古も自分から積極的だ。
顔つきが昨年と違う。
私以外の大人の先生との稽古にも慣れてきた。
この慣れてきた頃にいつも話すのが、「高名の木登り」。
油断大敵、「心して降りよ!」
Rin、頑張れ!仲間に感謝だ。