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como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

龍馬伝 第16話「勝麟太郎」

2010-04-18 22:48:14 | 過去作倉庫07~10
 先週、このドラマにおける勝麟太郎のことを「きっと金八先生」とかいって、冷やかし半分の予測をしたんですが、いやー驚いた。やっぱり武田鉄矢って名優かもしれない。なんと、これがほんとに勝麟太郎でした!
 実際の勝よりだいぶ年食って(ほんとはこの時点で40歳)たり、武田節としかいいようのない、おなじみの声とセリフ回しだったり、まずどっから見ても武田鉄矢なんですが、なのに勝海舟なんだよね、これが。それも魅力的な。何だろうね、この人の存在感って。
 っつうわけで、1話ごとにあがったり下がったり、乱高下している「龍馬伝」、今週はまた、大当たりの回でございました。素晴らしかった。実をいうと、久しぶりに…児玉清のお父ちゃんの退場回いらいかな、ちょっと泣きそうになってしまったです。誰も死んだわけじゃないけど。このドラマの世界観に、大げさにいうとグッと来てしまったんだわね。ドラマが始まってはじめてのことです。
 あの…不謹慎を承知でいいますけど、いま(平成22年4月)紛糾している、「普天間基地移設、5月決着」の騒ぎを毎日見てると、どうしても、幕末の日本を大混乱に陥れた「5月10日攘夷実行宣言」を連想して、ただ事でなく不安な気持ちになるんです。140年を経て同じことをやっている、この閉塞感とかどん詰まり感とか、、幕末のふつーの庶民が感じてたであろう社会不安とリンクして、妙に切々と実感できたりするんです。こんな日本に誰がした…って気分のとこに、ドラマとはいえ、パーンと風穴をあけたような、今週の龍馬伝の展開は、思わず涙ぐむほどの爽快感にみちたものでした。
 こういうふうに、ある時代の日常に格別のインパクトをあたえられるのっていうのは、大河ドラマ冥利に尽きるのかもしれません。龍馬伝に期待したいのは、むしろそっちの効果なのかもしれない、ってあらためて思ったりしました。
 では、龍馬伝16話です。今週もお付き合いよろしく!

 加尾ちゃんと別れて、京都から江戸に舞い戻ってきた龍馬は、一直線に桶町千葉道場を目指します。そこには、一別いらい4年ものあいだ龍馬を待っていた佐那ちゃんがいて……ってことなんですが、佐那ちゃんて、龍馬と別れるとき「もう江戸に戻ることはありません」みたいなこと言われて、未練を断ち切ったはずじゃなかったですっけ。それでも4年も待ってるって、男としては、かなり鬱陶しいというか、怖い女のような気がするんだが…。そう見えないのは、まあ、可愛いのは得ってことですね。
 龍馬が佐那ちゃんと結婚して千葉道場にはいってくれる、と信じた重太郎さんは、アホみたいに一直線の龍馬の発言でアッサリ裏切られます。「越前藩邸に連れてって、松平春嶽公を紹介してくださいっっ!」…つうのでした。
 しかも、春嶽公に会ってどうしたいかというと、勝麟太郎に紹介してほしいからだと。これって、重さんにとっても、もちろん春嶽公にとっても、無茶苦茶失礼な話だと思うんだが…。まあ、そこは、ようは天然は最強ってことですね。
 で、佐那ちゃんに縫ってもらった紋付を着て、龍馬は重さんといっしょに越前藩邸を訪問、政治総裁職である松平春嶽公に会います。えーと…ちなみに、春嶽様はこの時点で36歳でいらっしゃるのですが、安政の大獄で失脚し公職を解かれ、また政治総裁職に復帰したところで朝廷からの攘夷の圧力など、相当の浮き沈みと心労を経たためか、見た目70歳過ぎのように老け込んでおられます。
 だけどココロは青年大名の春嶽様は、フットワークが軽く、一介の脱藩浪人の龍馬なんかに気軽に会うし、天下に君臨する政治総裁職の元越前藩主という身に「お願いがあります。勝麟太郎様を紹介してください」なんつって超失礼な頼みごとをされても、「ホホ…面白いヤツ」とかいって、鷹揚に取り計らってくれるわけです。まあ、春嶽様のお殿様気質とか、お人柄の良さというものは表現されている気がしますけど…。
 龍馬を勝に紹介するために出てきただけの人とも思えませんが、今後、この濃すぎ渋すぎる外見がどう生きてくるのか、いまのところ未知数です。

 そう、今週は、OPクレジットの段階で、幕末のメジャー級キャラがゾクゾクと出てきて、いよいよ幕末ドラマが動き出した感があります。いままでのようにやる気なさげな「そのとき歴史が動いた」の再現ドラマ風じゃないです。
 武市半平太を護衛に京都から出張ってきた三条実美公は、将軍徳川家茂を下座において勅書を披露し、徳川家茂は上京し、帝の御前で攘夷実行をお誓いせよと申し渡すわけです。これを、「いまさら攘夷など、どーしろというのだっ!」と、幕府の重鎮たちがうろたえ騒ぐ…というシーンなのですが、そのへんの殿中描写は、なんだかんだ言っても「篤姫」のほうがそれらしい空気感あった気がする…。お公家さんとか大名とかの立ち居振る舞いに、どうもそれらしい風格っつうか、もっともらしさに欠けてて、なんか殿中というより、そこらへんの零細企業が税務署に立ち入られたみたいなんだよね。
 で、青年将軍家茂を脅しあげた三条公は、松の廊下で控えた半平太に「金200枚もくれおった、ホホホ」とか言うんですが、このときの半平太さんのリアクション、「クッ、さすが徳川…余裕がある」かなんか、これもろ鷲津政彦でさー、ウケたウケた。セルフパロディかと思った。
 さて、上京して攘夷実行を誓えったってどうするか…と狼狽する将軍と幕閣たち、そこへ一人「わたしに任せなさい!」と胸を叩いた男がいます。いま幕府が強くならなくてどうします!わたしが言って天皇にそう言ってやります!!…そう、誰あろう一橋慶喜なんですが、なんとこの慶喜、眉毛が無いよ!!
 すげー。これも意表をつかれた。同じように眉毛が薄い、目が泳いでるあの人を強烈に連想してしまった。マジで天皇に「トラストミー!」とか言いそうで…そして、5月基地移設…じゃないや攘夷実行を誓ってしまいそうで……。ただ事でなく生々しい不安感を感じましたよ。大丈夫か、この人って。いや、首相じゃなくて一橋慶喜の話なんですけど。

 で、今週の本題。龍馬、勝に会いに行くの段です。
 天下の政治総裁職にわざわざ紹介してもらう、そのくらいしなきゃ会えないような人…って設定のわりに、土佐からいつの間にか出てきていた饅頭屋の長次郎が弟子入りして、お茶汲みやってたり。敷居が高いんだか低いんだか、よくわかりません。
 少し前から気になってたのは、人口に膾炙してますように「龍馬は勝を斬るつもりで会いに行って、その場で門人になった」という、そのあたりをどう処理するかって問題でしてね。どう考えても「斬りにいく」って雰囲気じゃないし…なんか会う前から一方的に心酔しちゃってるし。
 で、勝にあった龍馬は、先生の面接試験を受けて、ボロボロの結果に終わります。勝先生は、おうっ、おめー面白い男だっつうけど、どう面白いんだかオイラに見せてくんねえ、なんでオイラに会いに来たんだか、言えっつうんだコラ、みたいなことをペラペラペラッと捲くし立てて龍馬を圧倒します。この勝の突っ込みまくりの芸風って、なんかビートたけしの喋りがモデルのようだわね。
 その勝の突っ込みに、いえ、ワシはただ黒船を日本で作ってるというので…なんかわからんけど、凄いから弟子にしてください!…かなんか。勝は、手にした帳面に思いっきり×を書きまくり、ダメ、話になんない、帰んな!…と。
 この、勝のアバウトな人物評とか、半紙にメモの書きまくりというのは、実話だったみたいですね。しかも日付の感覚がちょっと欠落している人で、何年何月ということがメモできず、後年自伝を書くときに大混乱を起こして、それでまた後世の史家にも混乱をもたらしたわけですが…ま、それは余談です。
 でも、龍馬はこんなに面接試験に苦労したのに、長次郎がなんですんなり弟子になってるか、そこは説明なかったよね。さらに、長次郎が土佐を出てきた理由が、「わしはこれから商売をする、江戸仕込みのこの頭脳を使わなくては勿体無い」と弥太郎に言われ、江戸ってそんなに凄いのか!と思ったからだというのも…。弥太郎の出番が、今週はこれだけだったのも…なんか、ちょっとアバウトすぎる感じがしたけど…まあいいや。

 で、「龍馬は勝を斬りにいって」云々の定説の取り扱いなんですけど、これが上手くさばいてましてね。勝を斬りに乗り込んだのは、龍馬ではなくて、半平太だという設定なんです。勝のメモ魔と、メモは取りまくっても人名と日付が混乱してるという史実エピを、うまいこと逆手にとったね~。
 攘夷でゴリゴリになってる半平太は、帝が攘夷実行を命じるために将軍家茂をお召しになっているのに、一橋慶喜を代理で差し向けた、こんな侮辱があっていいのか!みたいなことをいい、返事しだいでは勝を斬る、みたいな態度をとります。半平太の裏には、忠犬イゾ公こと以蔵がいて、マッドな目をしてプレッシャーをかけてるわけですね。
 そんな半平太に、勝は定番どおり、「この地球儀を見ねえ、世界っつうのはこんなにデカくて日本は…」云々と説教をかますのですが、半平太は、「そんなこと知ってます。国の大小じゃなく、神州日本を異国に荒らされないことが重要!」と聞く耳を持ちません。
 で、半平太は帰るとき、長次郎に目をとめて、「饅頭屋ごときがなんで勝の書生になってるんだ」と侮蔑もあらわにいいます。このときの長次郎のリアクションが、すごく良かった。
「武市様、饅頭屋ごときなんて言葉を使う人になってしまったのですか」
 そう…。下士の身分に呻吟していた半平太は、いつのまにか、そんな上から目線の人間になり、忌み嫌っていた上士とそっくりの態度をとるようになっていたんですね。

 で、半平太に捨てゼリフ的に「坂本龍馬なんて男は、ワシらの仲間ではありません。あいつは藩も大名もいらないと抜かすような外道ですき!」と言われた勝は、その言葉に、ハッとひらめくものを感じます。もしかしたら、自分が門前払いした男は、自分の探していた男かもしれない…。
 というわけで、勝と龍馬の二回目の邂逅となります。どうしたら日本守れると思うか、焦らなくていいからジックリ考えて、自分のことばで話してみな…と、まるで金八先生のように、ゆっくり誘導し、あたたかく見守る勝。龍馬は、「日本は四方を海に囲まれた国ですから…」と、地球儀を見ながら自分の答えを探し出していきます。
 そう、四方を海に囲まれた国が防衛をするには、何処にも負けない海軍を作ればいい。戦をするんじゃなくて、強い海軍力があれば、外国の軍事介入を許すこともなくなる。軍事力を持つのは、それを使わないためなんだ!!…と、まあようは戦略的核兵器構想みたいなことを、自分の頭から取り出していく龍馬でした。
 それこそが、勝がひとりで構想していたことだったので、勝は、龍馬がその答えを探し出すのを感動して見守ります。そして、「坂本龍馬、オレの弟子になりな!」と…。
 いや、なんかこのくだりは、ほんとによかったですね。そして、勝は、自分が乗りくんで渡米した咸臨丸に龍馬をつれていくのです。そこで、クルーが全員日本人なのに感激する龍馬に向かって、咸臨丸の苦難の航海のなかで、藩も大名もなかった、全員日本人だった。外海に出て、みんな日本人になっていったんだ…ということを切々と語ります。これも、いやー、なんかもうヤラレタって感じ。ちょっと泣きそうになっちゃった。
 やはり、大河ドラマには、日本人に「希望」を感じさせるなにかが大事なんだ、と思いましたよ、うん。そして、この場面、いろいろ不安を抱かせた福山雅治サンは、見事に堂々とした、日本人が誰でも愛する「坂本龍馬」になりきっていたように思います。

今週の半平太さん 
同じ地球儀を見てのリアクションの違いに、龍馬との決定的な距離感を感じさせる演出がうまかった。それよかウケたのは、「クッ、徳川幕府…」の場面でしたけど。キャッ、鷲津サーン!(壊) とすると、やっぱり黒半平太は鷲津政彦だったのか!?

 次週…いよいよ、あまり出番のなかった容堂公が真の姿をあらわにするのですね。弥太郎も久々の露出、そして…半平太さん、いよいよ「腐った土佐を買い叩く!買い叩く!」…となりますかどうか?!
 また来週っ!! 


44 コメント

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はぐらかし大王 (世棲)
2010-04-18 23:47:47
庵主様、こんばんは~。
今週はハイテンションのあまり、45分が本当にアッという間でした!鉄矢さん、名演技を通り越して“勝 海舟”本人が降臨してましたね。実際もあんな感じでまくし立てる人物だったんだろうな…と一つニンマリです。
千葉兄妹と龍馬のやりとりも、龍馬のはぐらかし方がまた…いやァズルい男です(笑)現場でも鉄矢さんが福山さんに龍馬談義をしようとしてはぐらかされるそうですが、福山さんのはぐらかし方が絶妙との事だとか。しかしコミカルな後で千葉道場が時代から取り残される様も描かれると、一抹の寂寥感も漂わせ心憎いです。完全に福田脚本&大友Dの真骨頂です!!

今回は結果オーライでしたが、武市一派の噛ませ犬ぶりエスカレートも凄まじいです…長次郎への一言は、龍馬だけでなく弥太郎の引き立て役にもなってました。「支配する」「支配される」、この二者択一でしか人を見られないのでは?いや、封建社会では龍馬や弥太郎、春嶽公の方が珍奇だったという事でしょうね。
今作の武市描写は色々言われていますが、『竜馬がゆく』では「何でそんな格調高い人物が、暗殺団のボスになったか分からない」と司馬御大にバッサリ切り捨てられてました。
御大があえて言及しなかった点をより具体的に描こうとすると、あ~んな感じになるのは仕方無いですかなァ………。。。

一瞬だけ映った公使館焼打ち、主賓はいませんでしたが(笑)ハイテンションな周囲の中で久坂1人だけ微妙な表情で良い味出てました。確か彼は、計画に反対してましたね?福田氏が山口出身なせいか、長州キャラには意識か無意識か思い入れが伝わってきます!その1000分の1でも武市や収二郎に回せたら…って、やっぱり無理でしょうね(苦笑)
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板ばさみ幕府と日本政府 (SFurrow)
2010-04-19 00:00:34
私も思いましたよ!「今の状況と二重写しじゃん」5月までの決着、ということでこの時期を想定して脚本書いたのかな~
そして勝海舟@武田鉄矢、心配された江戸弁もよどみなかったですね。変に巻き舌ふうでなくて却って良かったと思います。そして半平太ご一行も勝に会いに来たのは、あれあれと思いましたが、なるほどそういう成り行きにしたか。勝の「教育力」により、竜馬がこれまでモヤモヤとして言葉にならなかった自分の考えを形にしていく…つまり第一部で、竜馬が何考えてるのか?というのがわかりにくかったのは、このための伏線であったと。
ただ難しいのは、「幕府も藩もない日本人としての国民」にしても、「海外の技術を学んで追いつき追い越す」にしても、今の私たちにとって当たり前の考え方が当時は誰も考え付かない発想だったのだということを視聴者に納得させるのが、第一部では弱かったんですよね~~だから「なんか急にスラスラわかっちゃった」みたいな感じはちょっとありましたわな。
でも、福山vs武田の熱気あふれるやり取りは見ていてすがすがしかったですし、黒船に乗って最高に気分が高揚する所も素直に見られました。最後にちらっと出てきたジョン万次郎も、篤姫の時の万次郎より私的には好きかも…(まだわかんないけど)

話は変わりますが、今日から始まった9時からのTBSの東野圭吾原作ミステリードラマですが、またまた香川さんが出てる!それも主人公は秋山騎兵隊長で、女優陣はといえばノボさん母に半平太奥さん…う~むいいんだろうか。
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Unknown (いろはにゃん)
2010-04-19 00:15:19
庵主さまコンバンワ♪
今回はクレジットの段階でいろいろ名前が出てきて期待しつつ鑑賞!となりました。

自分的に期待していたのが 田中哲司さん演じる徳川慶喜公だったのですがいやはや
まゆげうす!!とびっくりしました。笑

これからが楽しみですが♪ 

長次郎と武市さんのやりとり…。

長次郎の言葉がよかった。めちゃくちゃよいシーンだったです。

あと 問題の(笑)勝海舟の武田鉄也さんなんですが、予告見た時から思ったよりいい感じ
かも?なんて思ってましたが okかな?!。

黒船に乗ってはしゃいでいる龍馬を見る勝さんが教え子を見守る金八さんみたいで、いい風に金八具合が作用してるかなぁなんて笑
あのシーンは龍馬かわいいなーなんて思いながらこちらはほほえましくなっちゃったりしました。

勝さん年取りすぎかなと思いましたが
福山龍馬の感じくらいだと武田鉄也さんで
いいのかもなと思いました。

でわ お邪魔いたしました。
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こんばんわ^^ (ai)
2010-04-19 00:15:26
もうすぐいよいよ武市さん、イゾ子の最大の見せ場ですね。もうこれがうまくいったら、今年の大河は文句ないよ・・。。なんて思いますが・・えげつなくやってくれぇ!

司馬さんに洗脳されてるのか既成事実で作り上げられた竜馬ファンなのか、だんだん自分が今の大河から置いてかれているようです。

もう少し見たら魅力を認識できるのかもしれません。後から、気がつくことも多いので。

長次郎、本当に良かったです。イゾ子の斬ろうとする手の感触も勝さんを見る目も良かったです。

竜馬は私にはもう分からないです。まだ・・まだなんです;勝さんは最初は金八先生、後から少し勝さんぽかったかな・・でも。って言えばきりないですが・・もっと軽くニヤニヤしながら、相手の言い分を聞いて鼻で笑ってるような・・おおらかで、竜馬を上回る夢想家で、それでいながら将軍や竜馬どんな民にもひやりとする様な芯をつく・・そんな勝さんでいてほしいんです。。。´ω`;
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鉄矢マジック (うまのすけ)
2010-04-19 00:28:22
お邪魔します。
サブタイトル通り勝麟太郎のインパクトが強烈でした。

何よりも演じている武田氏が実に楽しそうにやっているなあ、と思いました。
そりゃ自身が信奉している龍馬の師匠を演じているわけだから嬉しいに決まってるし。

一般的に言われている龍馬が勝を斬りにいって、逆に弟子入りしてしまう、というくだりは
今作の龍馬では考えられない展開ですから、
どうするのかと思えばなるほど、こういうことにしたのか、と感心しました。
また、龍馬の「試験合格」に間接的ながら半平太の訪問がアシストしてしまっていたのが面白いですね。

武田氏はなんというか、有無を言わさないリアリティがあるというか、
失礼ながらあの強烈で暑苦しいキャラが観る者を納得させる力がある、
まさに鉄矢マジックというべきでしょう。
かつて「太平記」で楠木正成を演じ、
それまでの(もっとも楠木の映像化はほとんどされていないと思いますが)二枚目キャラを
見事に塗り替えた実績を持っている方ですから
やはり名優なんでしょう。

勝以外に良かったシーンとしては、長次郎の半平太への反論、
そして咸臨丸を見て、乗って大はしゃぎする龍馬ですね。あれは爽快感がありました。

そういえば、勝の帳面に書かれていた坂本龍馬という文字の坂が阪になっているように見えましたが、
そうだとすれば登り坂の坂と言っていたけど結局間違えている、
勝の性格を表現していたのでしょうか?

それでは失礼します。
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間違えました!訂正 (SFurrow)
2010-04-19 00:41:21
TBSドラマですが「半平太奥さん」は間違い、「弥太郎奥さん」でした。すみません。
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Unknown (みず)
2010-04-19 02:13:47
こんばんは。勢いのある回でしたね。


不安と期待の勝先生、これなら大丈夫だと安心しました。ご本人の思い入れがよい方へ作用している感じがします。
地球儀好きですね、勝先生。なのに龍馬にも武市にもあっさり「知ってます」と言われてちょっと可哀想でした(笑)


饅頭屋の人間観察力みたいなの、いいですね。冷静に見極めている感じが。武市への言葉もよかったですが、自分の思いがハッキリとしてゆく龍馬を見ている表情もよかった。


龍馬もまぁ、よかったのはよかったんですが、何だか急にはっちゃけていて、私はちょっとついていけない感じもありました。キャラが繋がらないというか…戸惑いが。
きっと、先週の「その人こそ!」という異常に入れ込んだ気持ちのまま突っ走ってるということなんでしょうが。


千葉兄妹の兄バカコントはもういいって感じですが、紋付を喜んでもらって嬉しげな佐那さんはよかったです。


とさきんトリオは…今回だけを見れば、一昔前の漫画に出てくるような物凄いベタなライバルキャラって感じが…もしくは吉本新喜劇やVシネの悪役組っぽい感じ(苦笑)


来週はいよいよ容堂さん本格的にご登場なのでしょうか、期待したいところです。



うまのすけさんへ

「阪」の字、私もあれ?と思いましたが「坂」の異体字であるので、どちらも「さか道のさか」で問題ないのかなと解釈してます。
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気持ちのいい海舟 (嘘苦斎)
2010-04-19 07:05:36
勝麟太郎が地球儀を持ち出して説教しようとすると
「知っちょりますき」と言われて黙らされてしまうシーンが、
龍馬と半平太で2回繰り返されたのが笑えました。
なんか、勝が金八先生に変身するところをサッと止められているような気がして(笑)。

武田鉄矢の勝に全然違和感がなかったのは僕も意外でうれしい驚きでした。
江戸弁も結構歯切れよく話せていましたし、
龍馬とろくに目を合わさずに早口でまくしたてていくのも江戸っ子っぽい感じがしました。
東京に住んでいても僕は山の手の方なんで江戸弁なんてまず聞かず、
正しい話し方なのかどうかは分かりませんが(笑)、
ちゃんとそれらしく聞こえることが何よりも大事です。

2回目に勝の屋敷を訪れた龍馬が、
1回目で追い返されたのを根に持っているのか膨れっ面なのがかわいかった(笑)。
勝の方は、「龍馬と話してる!」という武田鉄矢の喜びが顔に出てしまっている気がして微笑ましかった。
緊張する龍馬を優しく誘導して答えさせる勝の様子が、
1回目と対照的で温かい気持ちになりました。

殿中の描写が「篤姫」の方がましだったという庵主様の感想には全く同感。
三条実美の口上は、帝の言葉を述べているにしては早口過ぎて全然重みがないですし、
実美が帰った後に幕閣の面々が書院の中で歩き回る姿は、
不良中学生が休み時間の教室をたむろしているよう。
将軍がいるというのに立ったままタメ口きいてるというのはあり得ないでしょう。
慶喜の眉毛がないのは面白いけど、
話し方や動作がそこら辺のあんちゃんみたいで嫌だなあ。

佐那ちゃんが相変わらず耐えるだけの女だったのが残念。
今後、龍馬を張り倒して奮起させるくらいの活躍をしてくれるとよいのですが……。

弥太郎のシーンがあれだけというのも物足りなかったなあ。
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お久しぶりです (りんりん)
2010-04-19 09:57:22
コメントするのは久しぶりですが、毎週見てますよ。

今週は面白かったですね~。最後に龍馬が咸臨丸に乗り込んだ時のはじけっぷりも良かった。

庵主さまもご指摘の通り、武田鉄矢は誰を演じてもやっぱり最終的に武田鉄矢になってしまうのですが、ここではちゃんと勝先生に見えてしまうのが不思議ですね。

でも、途中で勝先生が「この、バカチンがぁっ!」って言い出さないかとちょっとハラハラしました(笑)
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ジョン龍馬?! (世棲)
2010-04-19 18:52:08
管理人様、度々失礼致します。
ジョン万次郎が登場して思い出しましたが、ユーヨーカの回で「ジョン龍馬」という言葉が出てきましたね。今作の龍馬の描写が平和主義者なのに賛否両論ですが、ニューヨーク→ジョン→平和主義というと福田氏は龍馬をジョン・レノンに見立てている面もあるのかなァ?と、ふと考えました(間違ってたら、すみません…)。

そう考えると、ジョン=ビートルズに対抗しようとしたローリング・ストーンズの当時の中核2名(ミック・ジャガーとブライアン・ジョーンズ)が弥太郎と武市に思えなくもないです。片やビートルズ解散後も精力的にストーンズを盛り立て実は経営者としても抜かりのないミック=弥太郎、片や卓絶した芸術的才能を持ちながら己の考えに固執する余りミックと対立、非業の死を遂げたブライアン=武市…すみません、恐ろしくマニアックな話題になってしまいました!

福山氏も本職はミュージシャンですが、幕末志士もロックンローラーも“独立自尊の精神”という意味では共通してますね。
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