今週はなかなか面白かったです。
前回までがずっと続けて展開がかったるくて、みてて薄気味悪いところまでいったのですが、今週は具体的な史実をひろっていることでもあり、またその展開がわりとめまぐるしく、忙しいので、へんなオリジナルの介入が比較的少なくてすんだのが良かったのでしょう。
説明もたいへんだったと思いますが、うん、こういうのは、展開が急なので事情を説明する工夫でいっぱいいっぱいで、BL同人誌まがいのことなんかやってる暇がないくらいで丁度よいのですよ。
といっても、大河ドラマの基準からいえばほんと、かろうじて平均点くらいで、うまく史実をさばいてドラマに織り込んだとはとても言えないのですが、まあそれでも、先週あたりまでのドヨーンと停滞した空気よりずっとマシです。
以上、また来週。
…って言いたいとこだなあホントは、
いやあ、今週はほんと書くことないんですもん。なんか今週のをみていて、まあ、やっと話が動いたことでもあり、それなりに満足はしたんですけどね、なんか今後のことを考えると、かなーり白けた気分になってしまったのも事実なので。
そのへんのことはおいおい書いていくとして、また今週も、ここから。
大河ドラマ
草萌える 第6話「ミラクルボディ、遮那王」
「清盛」本編があまりにもお粗末くんなので、もうこっちのストーリーを強引に大河ドラマと認定し、年末までモチベーションを維持するしかない、とまあ、無理を承知ではじめたこのレビューなんですが、そんなわたしを嘲笑するかのように、この「草萌える」篇のほうが、ぜんぜん話がうごかなくなってしまいました。
予告編を見るたび、来週こそ、来週こそ…と思うのに、どーいうことなの。今週もまだスケ様(岡田将生)は廃人状態から抜け出してない。もう1か月にわたって、憔悴しきった顔をしてフラーリフラーリ、蛭ヶ小島の界隈を徘徊している。これはほとんど、予告編詐欺といっていいのではないでしょうか?
ま、とにかく今週のスケ様は、前回、地引網みたいなので捕獲され、金時娘の政子(杏)と出会うんですけど、今週はなにをしたかといったら、ぶっ壊れた目をして、まさこちゃんに「わたしを殺してくれえー、殺してくれえー」と、抱きついて懇願するという。セリフとアクションはたったそれだけ。それだけですねん。
いやあもう、仏の顏も三度、美少年の徘徊も三回が限度で、4話もおなじようなことをやっていてはこちらも付き合う気力がございません。
しかも、まさこちゃんったら、森の中で出会った自殺志願者を、そのまま放置して逃げ帰ってしまうんだよ。思いとどまるよう説得もこころみず。人としてだめだろう、それは。
まさこちゃんはさすがに良心がとがめ、自殺志願者が無事でいるかどうか、こっそり、ストーカーか覗き魔のように見守るんですけど、お父ちゃん(遠藤憲一)にみつかって、首根っこ掴まれる。
「ここにだけは絶対に来てはならない!!」
見ただけで妊娠するぞ、ってなお父ちゃんの勢いですが、自分が「大地を守る会」の宅配みたいに、毎日大根とか菜っ葉とか持ってきて(この菜っ葉にちゃんと虫食い穴があったりするのが何気に細かいと思う)、「スケ様、きょうは御気分は?」とかネットリと見守っている相手に、自分にの娘には「絶対近づいてはダメ。ダメったらダメ!!」とか言っても説得力ないですよね。
しかも、ダメだと言われれば必ずやるのが反抗期の若者の常であります。そして来週は……って、来週は来週は、と期待し続けるのも今回が限度だよもう。ほんとに、今度こそ予告編詐欺でないことを願うわ。
そしてスケ様の弟、牛若こと遮那王(神木龍之介)は、鞍馬山のお寺にこもって、地味な日々を送っています。
遮那王をみまもる鞍馬寺の和尚様が、「遮那王、しっかりと勉学にはげんでおるかな~」とか言って、なめるようにネットリとみつめる視線がちょっと気持ち悪いのは、司馬本「義経」で、遮那王はこの和尚様にあんなことやこんなことをされてた…という設定が初期設定とし刷り込まれてるせいだと思います。和尚さんに罪はありません。
しかも和尚さんは遮那王を覗いてたら(違う?)、廊下に降った雪に足を滑らせ、あわわわわ…と廊下から転落しそうに。あわや、というとこで和尚さんをガシッと抱き留め、「和尚様、大事ございませぬか」と尋ねたのは、なんと、数メートルは離れたところで写経をしていた遮那王ではないですか。
遮那王、驚異の空中感覚。
ぜひとも、高感度特殊カメラを両面テープで全身に貼り、遮那王の動きを解析してNHK特集でやってほしいところです。そんなノリのテコ入れ番組なら、わたし見るし(笑)。視聴率にも貢献するとおもうのですが如何?
細かいことのようですが、時政おんじが有機野菜を差し入れたり、緑のむせかえるような伊豆の山のなかでスケ様とまさこちゃんと緊縛プレイをやったりしているのと、雪の降る廊下で和尚さんが足を滑らせる鞍馬山と、同時進行の、同じ季節の出来事とは思えないんだけどねえ。
季節はいつなんでしょうか。まあ、なんか通年汗ばんでるようでいて、唐突に雪が降ってたり、季節がめちゃくちゃなのはこのドラマのつねですけど。
また来週!
「平清盛」第36話の部。
今週はよかったです。とくによかったのは、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/d2/e22ba08a3fae18f6a03e02132ae7a1d7.jpg)
いやあ、いいわよね。ヒゲデビューも思った以上にイイですよ。
なにがイイって、ダメ大河の常として世界中が主人公マンセー(逆マンセーも含む)にはしり、主人公に敵対するのはことごとく、バカか小物に貶められているこの世界観のなかで、気品を保って、主役たる父親に「NON」を表現する。その孤立感とか痛々しさも含めて、存在感になんともいえぬ美しい愁いがあります。すばらしい。
なあんて褒めるとまた…
あ、いや、それはともかく。今週のお話は、
○キヨモリ(松山ケンイチ)と天台座主・明雲(腹筋善之助)が仲良くなったので、嫉妬した後白河上皇様(松田翔太)は、出家して法王になるにあたり、園城寺の坊さんを戒師にする。天皇家の出家を取り仕切ってきた比叡山がこの仕打ちに怒る。
↓
○成親ちゃん(吉沢悠)の知行地の尾張で強訴があって、家来が日吉神社の神人を殺しちゃったので、親会社の比叡山は成親ちゃんを流罪にしろといって強訴を出します。それも、治天の君の居る院御所じゃなくって、幼少の天皇の御所に神輿を繰り出すという、当てつけまがいの行為にでたので、自分とこに強訴にこないことに法皇様が怒る
↓
○で、義兄の成親ちゃんに泣きつかれた重盛(窪田正孝)が、フル武装して、ご安心ください、武力で乱を鎮めて御覧にいれますとか言うんだけど、福原にいるキヨモリから、一切手えだすな、と指示が。成親くらい流罪にしてからチャラにするのは簡単だから、比叡山と喧嘩すんじゃねえ、と。
↓
○重盛は、義兄さんにタンカ切った手前、悩むんだけど、お父ちゃんにはさからえず、平家は御所に強訴鎮圧の兵はだしません、と言う。言ってブーイングを一身に浴びる。屈辱にふるえる重盛。
↓
○そんで成親ちゃんは流罪にきまって、叡山も納得し、御所の神輿も撤収されるんだけど、成親ちゃんの流罪を白紙にするかわりに時忠(森田剛)が出雲に流罪にされちゃったので、こんどは平家のなかでゴタゴタする。
でも時忠の叔父上は、出雲イイトコいちどはおいで、酒はうまいしネエチャンきれいだ、とか言ってたじゃないですか。流罪上等じゃないですか、と抵抗するものの、今回はやけに強硬にゴネる時忠。
↓
○成親ちゃんが簡単に赦免されたので、叡山がまたデモをおこす。困り果てた平家留守部隊のとこに、キヨモリから、とりあえずフル武装で兵を六波羅に集結させて、なんもしないで待機しとけ、と指令がでる。この武装集団は圧力になって、後白河院と摂関家兄弟が、血相変えて六波羅に飛んでくる。なんのつもりだとか言われても、「父ちゃんがそう言うから…」とも言えず、困り果てる重盛、そこへ…
↓
○キヨモリが、盛国だけつれて、フラッと現れるんですよ。「いやあ、みんなで叡山に上るのもいいかなとおもって。最近行ってねえし」とか言うキヨモリ。平家の圧力に踊らされたとに気づいて、憤然と引き揚げていく後白河院と藤原兄弟。
そんなわけで、都の権力者たちは、平家一門の武力の圧力に自分たちがいかに無力か気づいてしまい、キヨモリの存在感の大きさにも気づいたのでした。
↓
○さらにオマケとして、ヒビッた後白河院が時忠の流罪をチャラにして、それだと帳尻があわないので成親ちゃんを解官して、その地位を時忠にくれてやったので、コロコロ変わった末に結局成親ちゃんがビンボくじを引いたことになってしまい、成親ちゃんは平家を深く恨むようになりました。
…という流れで、このとおりけっこうめまぐるしいので、アホな創作エピを入れている隙はありません。良いことです。
京都と福原の連絡が早すぎて、ケータイとかネットとか使ってんじゃないか?みたいなとこをのぞけば、さばき方もまあまあだったと思います。
あと成親ちゃんの意地悪っぷりが相変わらずすてきで、重盛と飲みながら、こっそり横向いて「ケッ、小物が」とかいうあたりなんか、ベタだけど板についてて、なかなか良かったですよ。
んで、前述しました「しらけた」というのはどの点かといいますと、もうずーっと平家の「わが世の春」みたいなのをやってるわけですよね。
それは間違ってないですし、このあと殿下乗合事件があって、鹿ケ谷の陰謀があって、以仁王の乱があって…と、定番の源平ものの流れにのって「驕れる平家は久しからず」という方向で流れていくのはいいんですけど、じゃあこういうのが、キヨモリがさんざん言ってた「面白く世を生きてえ~」とか「新しき政をやるゾ~」とか、そのあたりの夢の実現なのか?
結局、新しき世とかなんとか、口三味線だったんですよね。新しいったって何が?そこ、なにも説明してないし。日宋貿易とか遣宋使の話も、口で言うだけで具体的な話としてはひとつも出てこない。ウサギ丸(加藤浩次)が三回に一回くらい出てきて、「お前はすげえー、とてつもないやっちゃでえ~」とかいうだけで、そのあたりをフォローしているわけですか、もしかして。
どこが新しいんだよ、そんな話の。
そういう意味で、スコーンと白けてしまったのですけど、まあ、前から言ってるけど粗末な創作よりも、定番のエピソードを素直にやるほうがずっと見られるので…。
とりあえずはこのまま「驕れる平家は…」の方向で自動運転していったほうが良いだろう、とは思います。もう、思いっきり雅にしちゃって。ワイルド方向としては、「草萌える」の今後に期待していますから。
前回までがずっと続けて展開がかったるくて、みてて薄気味悪いところまでいったのですが、今週は具体的な史実をひろっていることでもあり、またその展開がわりとめまぐるしく、忙しいので、へんなオリジナルの介入が比較的少なくてすんだのが良かったのでしょう。
説明もたいへんだったと思いますが、うん、こういうのは、展開が急なので事情を説明する工夫でいっぱいいっぱいで、BL同人誌まがいのことなんかやってる暇がないくらいで丁度よいのですよ。
といっても、大河ドラマの基準からいえばほんと、かろうじて平均点くらいで、うまく史実をさばいてドラマに織り込んだとはとても言えないのですが、まあそれでも、先週あたりまでのドヨーンと停滞した空気よりずっとマシです。
以上、また来週。
…って言いたいとこだなあホントは、
いやあ、今週はほんと書くことないんですもん。なんか今週のをみていて、まあ、やっと話が動いたことでもあり、それなりに満足はしたんですけどね、なんか今後のことを考えると、かなーり白けた気分になってしまったのも事実なので。
そのへんのことはおいおい書いていくとして、また今週も、ここから。
大河ドラマ
草萌える 第6話「ミラクルボディ、遮那王」
「清盛」本編があまりにもお粗末くんなので、もうこっちのストーリーを強引に大河ドラマと認定し、年末までモチベーションを維持するしかない、とまあ、無理を承知ではじめたこのレビューなんですが、そんなわたしを嘲笑するかのように、この「草萌える」篇のほうが、ぜんぜん話がうごかなくなってしまいました。
予告編を見るたび、来週こそ、来週こそ…と思うのに、どーいうことなの。今週もまだスケ様(岡田将生)は廃人状態から抜け出してない。もう1か月にわたって、憔悴しきった顔をしてフラーリフラーリ、蛭ヶ小島の界隈を徘徊している。これはほとんど、予告編詐欺といっていいのではないでしょうか?
ま、とにかく今週のスケ様は、前回、地引網みたいなので捕獲され、金時娘の政子(杏)と出会うんですけど、今週はなにをしたかといったら、ぶっ壊れた目をして、まさこちゃんに「わたしを殺してくれえー、殺してくれえー」と、抱きついて懇願するという。セリフとアクションはたったそれだけ。それだけですねん。
いやあもう、仏の顏も三度、美少年の徘徊も三回が限度で、4話もおなじようなことをやっていてはこちらも付き合う気力がございません。
しかも、まさこちゃんったら、森の中で出会った自殺志願者を、そのまま放置して逃げ帰ってしまうんだよ。思いとどまるよう説得もこころみず。人としてだめだろう、それは。
まさこちゃんはさすがに良心がとがめ、自殺志願者が無事でいるかどうか、こっそり、ストーカーか覗き魔のように見守るんですけど、お父ちゃん(遠藤憲一)にみつかって、首根っこ掴まれる。
「ここにだけは絶対に来てはならない!!」
見ただけで妊娠するぞ、ってなお父ちゃんの勢いですが、自分が「大地を守る会」の宅配みたいに、毎日大根とか菜っ葉とか持ってきて(この菜っ葉にちゃんと虫食い穴があったりするのが何気に細かいと思う)、「スケ様、きょうは御気分は?」とかネットリと見守っている相手に、自分にの娘には「絶対近づいてはダメ。ダメったらダメ!!」とか言っても説得力ないですよね。
しかも、ダメだと言われれば必ずやるのが反抗期の若者の常であります。そして来週は……って、来週は来週は、と期待し続けるのも今回が限度だよもう。ほんとに、今度こそ予告編詐欺でないことを願うわ。
そしてスケ様の弟、牛若こと遮那王(神木龍之介)は、鞍馬山のお寺にこもって、地味な日々を送っています。
遮那王をみまもる鞍馬寺の和尚様が、「遮那王、しっかりと勉学にはげんでおるかな~」とか言って、なめるようにネットリとみつめる視線がちょっと気持ち悪いのは、司馬本「義経」で、遮那王はこの和尚様にあんなことやこんなことをされてた…という設定が初期設定とし刷り込まれてるせいだと思います。和尚さんに罪はありません。
しかも和尚さんは遮那王を覗いてたら(違う?)、廊下に降った雪に足を滑らせ、あわわわわ…と廊下から転落しそうに。あわや、というとこで和尚さんをガシッと抱き留め、「和尚様、大事ございませぬか」と尋ねたのは、なんと、数メートルは離れたところで写経をしていた遮那王ではないですか。
遮那王、驚異の空中感覚。
ぜひとも、高感度特殊カメラを両面テープで全身に貼り、遮那王の動きを解析してNHK特集でやってほしいところです。そんなノリのテコ入れ番組なら、わたし見るし(笑)。視聴率にも貢献するとおもうのですが如何?
細かいことのようですが、時政おんじが有機野菜を差し入れたり、緑のむせかえるような伊豆の山のなかでスケ様とまさこちゃんと緊縛プレイをやったりしているのと、雪の降る廊下で和尚さんが足を滑らせる鞍馬山と、同時進行の、同じ季節の出来事とは思えないんだけどねえ。
季節はいつなんでしょうか。まあ、なんか通年汗ばんでるようでいて、唐突に雪が降ってたり、季節がめちゃくちゃなのはこのドラマのつねですけど。
また来週!
「平清盛」第36話の部。
今週はよかったです。とくによかったのは、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/d2/e22ba08a3fae18f6a03e02132ae7a1d7.jpg)
いやあ、いいわよね。ヒゲデビューも思った以上にイイですよ。
なにがイイって、ダメ大河の常として世界中が主人公マンセー(逆マンセーも含む)にはしり、主人公に敵対するのはことごとく、バカか小物に貶められているこの世界観のなかで、気品を保って、主役たる父親に「NON」を表現する。その孤立感とか痛々しさも含めて、存在感になんともいえぬ美しい愁いがあります。すばらしい。
なあんて褒めるとまた…
あ、いや、それはともかく。今週のお話は、
○キヨモリ(松山ケンイチ)と天台座主・明雲(腹筋善之助)が仲良くなったので、嫉妬した後白河上皇様(松田翔太)は、出家して法王になるにあたり、園城寺の坊さんを戒師にする。天皇家の出家を取り仕切ってきた比叡山がこの仕打ちに怒る。
↓
○成親ちゃん(吉沢悠)の知行地の尾張で強訴があって、家来が日吉神社の神人を殺しちゃったので、親会社の比叡山は成親ちゃんを流罪にしろといって強訴を出します。それも、治天の君の居る院御所じゃなくって、幼少の天皇の御所に神輿を繰り出すという、当てつけまがいの行為にでたので、自分とこに強訴にこないことに法皇様が怒る
↓
○で、義兄の成親ちゃんに泣きつかれた重盛(窪田正孝)が、フル武装して、ご安心ください、武力で乱を鎮めて御覧にいれますとか言うんだけど、福原にいるキヨモリから、一切手えだすな、と指示が。成親くらい流罪にしてからチャラにするのは簡単だから、比叡山と喧嘩すんじゃねえ、と。
↓
○重盛は、義兄さんにタンカ切った手前、悩むんだけど、お父ちゃんにはさからえず、平家は御所に強訴鎮圧の兵はだしません、と言う。言ってブーイングを一身に浴びる。屈辱にふるえる重盛。
↓
○そんで成親ちゃんは流罪にきまって、叡山も納得し、御所の神輿も撤収されるんだけど、成親ちゃんの流罪を白紙にするかわりに時忠(森田剛)が出雲に流罪にされちゃったので、こんどは平家のなかでゴタゴタする。
でも時忠の叔父上は、出雲イイトコいちどはおいで、酒はうまいしネエチャンきれいだ、とか言ってたじゃないですか。流罪上等じゃないですか、と抵抗するものの、今回はやけに強硬にゴネる時忠。
↓
○成親ちゃんが簡単に赦免されたので、叡山がまたデモをおこす。困り果てた平家留守部隊のとこに、キヨモリから、とりあえずフル武装で兵を六波羅に集結させて、なんもしないで待機しとけ、と指令がでる。この武装集団は圧力になって、後白河院と摂関家兄弟が、血相変えて六波羅に飛んでくる。なんのつもりだとか言われても、「父ちゃんがそう言うから…」とも言えず、困り果てる重盛、そこへ…
↓
○キヨモリが、盛国だけつれて、フラッと現れるんですよ。「いやあ、みんなで叡山に上るのもいいかなとおもって。最近行ってねえし」とか言うキヨモリ。平家の圧力に踊らされたとに気づいて、憤然と引き揚げていく後白河院と藤原兄弟。
そんなわけで、都の権力者たちは、平家一門の武力の圧力に自分たちがいかに無力か気づいてしまい、キヨモリの存在感の大きさにも気づいたのでした。
↓
○さらにオマケとして、ヒビッた後白河院が時忠の流罪をチャラにして、それだと帳尻があわないので成親ちゃんを解官して、その地位を時忠にくれてやったので、コロコロ変わった末に結局成親ちゃんがビンボくじを引いたことになってしまい、成親ちゃんは平家を深く恨むようになりました。
…という流れで、このとおりけっこうめまぐるしいので、アホな創作エピを入れている隙はありません。良いことです。
京都と福原の連絡が早すぎて、ケータイとかネットとか使ってんじゃないか?みたいなとこをのぞけば、さばき方もまあまあだったと思います。
あと成親ちゃんの意地悪っぷりが相変わらずすてきで、重盛と飲みながら、こっそり横向いて「ケッ、小物が」とかいうあたりなんか、ベタだけど板についてて、なかなか良かったですよ。
んで、前述しました「しらけた」というのはどの点かといいますと、もうずーっと平家の「わが世の春」みたいなのをやってるわけですよね。
それは間違ってないですし、このあと殿下乗合事件があって、鹿ケ谷の陰謀があって、以仁王の乱があって…と、定番の源平ものの流れにのって「驕れる平家は久しからず」という方向で流れていくのはいいんですけど、じゃあこういうのが、キヨモリがさんざん言ってた「面白く世を生きてえ~」とか「新しき政をやるゾ~」とか、そのあたりの夢の実現なのか?
結局、新しき世とかなんとか、口三味線だったんですよね。新しいったって何が?そこ、なにも説明してないし。日宋貿易とか遣宋使の話も、口で言うだけで具体的な話としてはひとつも出てこない。ウサギ丸(加藤浩次)が三回に一回くらい出てきて、「お前はすげえー、とてつもないやっちゃでえ~」とかいうだけで、そのあたりをフォローしているわけですか、もしかして。
どこが新しいんだよ、そんな話の。
そういう意味で、スコーンと白けてしまったのですけど、まあ、前から言ってるけど粗末な創作よりも、定番のエピソードを素直にやるほうがずっと見られるので…。
とりあえずはこのまま「驕れる平家は…」の方向で自動運転していったほうが良いだろう、とは思います。もう、思いっきり雅にしちゃって。ワイルド方向としては、「草萌える」の今後に期待していますから。