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como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

平清盛 第2話「無頼の高平太」

2012-01-15 23:16:31 | 過去作倉庫11~14
 はい、そんなわけで、むちゃくちやテンションが低い状態で始まった「平清盛」。わたくしとしても、レビューを完遂させる自信は全くないので、とりあえず「清盛」のカテゴリも立てずに、仮視聴期間として3か月見てみる、ということで始まりました。
 ところが、そんなわたくしの視聴意欲に火をつけるような事件が先週、ありました。もうみなさんご存知と思いますが、これです
 いやー、イイね!こういうバカが見当違いのバッシングをしたりして、またそれが一定の影響力をもって伝播したりなんかすると、猛然と「バカじゃねえか。きちんとドラマを見ろドラマを!」という怒りが湧いて出て、一気に前のめり姿勢になるのは、古くは「新選組!」のときとおなじ、わたくしののめり込みパターンなんですよ。ありがとう兵庫の知事さん!あなたが的外れなバッシングでボケをかましてくれなかったら、今週もわたしは低体温で、「なーんかねー、ヘッ」みたいな冷笑姿勢で第二回を見ていたと思うのよ。
 というわけで、兵庫の知事のバッシングというこの上ない発奮材料をうけて、今週からちゃんとカテゴリも立てました。頑張って応援します!ええ!…まあ、いちおう暫定3か月(継続)ってことで…

 第2話「無頼の高平太」

 えーーっと、大河ドラマは初回は時間も長いし、お祭り感が強いので、まず別物と考え、本来の作品カラーが出てくるのは平常運転が始まる第2話、全体の基本フォーマットが明らかになるのが第3話、というのがお約束です。
 そんなわけで、今週から「清盛」の作品カラーが出てきたと思うんですけど、そのカラーというのは…

「やっぱ、マンガだったわ」
 

 まあ……マンガじゃないものを見られればそれに越したことはないですが、たとえマンガでも、安っぽいマンガでなければまあいいです。なんせここ3年、安いマンガ以下のクオリティのものが続いたのだから、同じマンガでも、見ごたえのあるマンガであればヨシとしますわ、とりあえず。そう、JINのような…ってそれは望みすぎかもわからんけど。

 さて、先週のラストで、親父の忠盛(中井貴一)に泥の中につっ転ばされ、「おめーは犬だよ!」と罵倒された平太少年は、若者に成長しました。今週から本役の松山ケンイチが演じます。
 平太少年は、「死にたくなければ強くなれ!」というお父さんの教えを胸に刻んで強く生き……たってこともなく、複雑な家庭環境のため、グレてしまい、賭場にいりびたってケンカやバクチにあけくれる不良青少年になっていました。家庭内暴力も激しく、おとなしく出来の良い弟(大東駿介)に乱暴をしたり、お母さん(和久井映美)につっかかったり、恥ずかしいほどわかりやすい反抗期を過ごしております。
「大人は汚ねえっっ!!オヤジみたいになりたくねえっ!!」
みたいなことを言ってお父さんにも反抗したりして。
 んな平太少年を、首根っこを押さえて元服さす日が来るんですけど、たぶんこのとき平太少年は11歳か12歳じゃないかな…と思う。そうか……。まあいいけど、軽く去年の「6歳の上野樹里」問題を思い出すよね。今週の平太少年はまだ中間子役で良かったんじゃないかと思います。中間(ティーン)子役だったら、ここまでウスラ恥ずかしい空気にならなかったと思うし。
 まあ、ウスラ恥ずかしさを我慢して進めますと、元服する平太少年の首根っこを押さえる役で登場するのが、広瀬中佐…じゃなくって伊勢から来た侍の伊藤忠清(藤本隆弘)という人です。ほんとに力づくで首根っこを押さえつけて、烏帽子をかぶせるまでホールドしている、という役です。
 そんで、小僧に無理やり烏帽子をかぶせて元服さす烏帽子親の役が、藤原の家成(佐藤二朗)という人です。この人も鉄漿をつけてて眉毛がなく、非常に怪しくてよかったうえに、なんで貴族は法王の圧政を止めないんですか!そんな大人にオレはなりたくねえっ!とかいって抵抗するガキに、「法皇様はご高齢でお耳が遠く、遠くで吠えても聞こえません。おそば近くによって吠えませんとね~」とささやくのがさらに気色わるくて、非常に良かったですね。
 先週の中井貴一とか、今週の伊東四朗もそうなんだけど、ガキの恥ずかしい青春の主張を冷たく一蹴する「面妖なオトナの世界」が存在感あっていいですよ。とりあえず、ガキの主張を全肯定しないところに、ささやかですが希望が持てます。

 ただ、困るのは、どうして元服したのにまた童形にもどって、烏帽子もかぶらずほっつき歩くことになるのか。
 ううっまたしても髪型問題かよ…(脱力)。当時の成人男性は、被り物をかぶらず頭頂をさらすのは、下半身を露出させるくらい恥ずかしいことであった、とものの本にはあります。だとしたら、いつぞやの主人公の前髪問題どころじゃねーな…。
 マンガっぽい世界観なのは別にかまわないけど、ビジュアルまでマンガをなぞってしまっては大河ドラマの面目がないと思いますので、そういうところは、あるていどキッチリやっていただかないと困ります。あ、いや、兵庫の知事じゃなくワタシがこまる。だって、そーゆーの気になって話のほうを受け付けなくなるもの。

 あと、こっ恥ずかしい魂の主張をしてんのは主人公だけじゃなくって、先週、強引に退位させられた鳥羽上皇(三上博史)もそうなんですね。
 これがまた、目えギンギラに血走らせて、堀川局(りょう)という眉なし女房に「そなた朕のことを笑っているのだろう。親父に間男されて妻を玩具にされて、それでも妻のとこに嬉々として通ってくる情けない野郎とか思っておるのだろう」とか言って身悶えて、そのうち妻のタマ子(壇れい)がやってくると「ああ…ベイベー……」とかいってデレデレになっちゃったりして。これってなんか羞恥プレイ??みたいなアブノーマルっぷりなんですね。
 いや、平太少年もそうなんだけど、第一回から何年たってんのか、その間ずーっと、毎日毎日「オレは誰なんだあっっ!!」とか「朕は哀れな男…」とか、自虐的なことばかり言って、泣いて騒いで荒れ狂って毎日過ごしてたんだろか。どんな異常な状況でも、のみこんでしまえば、それは日常の一部として、もうちょっと淡々としてるもんだと思いますけどねえ。んな年がら年中ハイテンションでグレたり荒れたりして暮らしてらんないですよ、普通
いや、上皇の場合はこれが趣味というか、プレイなのかもわからんが(爆)

 そう、今週は
伊東四朗イイよ伊東四朗

 という回でしたね。まあ、怪しくて怪しくて。こういう怪物キャラが大河ドラマに現れたのは久しぶりなので、ほかのことには目をつぶり、とりあえず電線音頭を踊っていました、今週は。

 白河法皇の専横はエスカレートし、ベイベーたま子をセガレとシェアして子を産ませたり、松田聖子を愛人として侍らしたりだけではすまず、てめえの後生のために殺生を禁ずるとかいって、漁師の網を没収して御所で焼いたりとかします。当然、漁師のスズキ丸(上川隆也)親子は失業して餓死寸前となり、闇で漁をしてしょっ引かれてしまいます。
 元服した平太少年あらため清盛は怒り心頭に発し、お父ちゃんのところにいって、院にかけあってスズキ丸親子を助けて下さい!と言うんですが父ちゃんは相手にしない。イカッた清盛は「罪なき民を泣かせて武士など名乗れるかっっ!!」といって家を飛び出すんですが、父ちゃんなぜかウルウル感動し、「ををっ、あのドラ息子が自分を武士と申したぞ!」とかいって嬉しそう。
 ってか父ちゃんがそんなところで完結して喜んでいる場合じゃなくって、清盛は、ほんとに院のところに掛け合いにいくんですね。
 こういうことは、もうどうでもいいっちゃいいんですけど、いちおう、権勢並ぶ者無き法王のお住まいなので…。元服しても烏帽子もかぶらないような変な生き物がやってきて、「院に会わせてください」っつって、取り次ぐ家来も家来だけど会うほうも会うほうだよね。セキュリティレベル低すぎだろ。そこらへんのお寺の方丈さんじゃないんだから。
 で、瞼の父とのご対面となるんですけど、瞼の父は冷酷で、お前のカアチャンは白拍子で、下賤の遊び女だったんだぞ。王家に災いをなすという子を孕んで、堕ろせつっつったら逃げおって、お前を産みおって、だもんだからお前が座ってるそこんとこで、お前の目の前でワシが殺したんだ、とか言います。
初めて知る出生の秘密に、屈辱に打ち震える清盛。なんで、なんでそんな下賤な生き物であるこの私を生かしておいたのです、と 瞼の父に突っかかります。すると父は、フフフそれはな…
そちにもこのモノノケの血が流れておるからだっ
をうっっ!! 基本フォーマットがけっこうしょーもなくても、たまに、こういうガツンと説得力あるセリフとか、存在感が露出すると、見ているほうも一瞬本気になっちゃうよね。
 まあ、それで院のお住まいのあまりのセキュリティレベルの低さとか、清盛の無帽の問題がチャラになってるもんでもないけども。だから、しょうもないところでボロをださないでもらいたいなあ、と思うのね。ホント

 さて、瞼の父とのご対面で、対決の決意が固まった清盛は、とうちゃんに、「舞を習いたい」と言い出します。そんで、どのくらい習ったのかわからないけど、石清水八幡宮に院が行幸する折に、神前で舞を奉納するという大役を務めることになります。
…ってそれはいいんだけど、どういう段取りでそんな名誉の大役を務めることになったのか、ザッとでいいから説明してくれんと。あんまり簡単だから、大した名誉の大役じゃないみたいに見えちゃうよね。
 で、本番の日。この日はお風呂にも入り、メイクも装束もバッチリ決めた清盛は、石清水八幡宮で、院と祇園女御、貴族たちが居並ぶ中で舞を奉納します。
 大河ドラマにおける歌舞音曲、というのは案外だいじなポイントで、とくに主役クラスが舞を舞ったりするのが序盤に出てくると、けっこう今後展開するドラマのレベルがわかってしまったりするものなので…。思わず緊張して見守ってしまいましたが、いやもう、これが。
 良いとか悪いとかいうレベルじゃないわな…。爆笑。いや、いいよもう。許すわ。マンガという次元で許す。石清水八幡宮に奉納の舞が、スターウォーズの世界なんだもん。これならいっそ剣がペカーッと発光してそこに雷が落ちたりするくらいまでやったら良かったのに。微妙に半端なもんだから、ちょっと見てて恥ずかしい感じのほうが先行してしまったのは残念なことでした。
 しかも、権勢並ぶ者なき(しつこいね)白河法皇が行幸されるというのに、警備の者はなにやってたのか、そもそも警備員が居たのか、ここも異様なセキュリティレベルの低さで、下賤の者のスズキ丸なんかが、塀の上に潜んでて、演技中の清盛にハッシ!と剣を投げたりするわけですよ。で、その剣を院の鼻先スレスレでぶん回して、♪ヨイヨイヨイヨイ、オットットットッ…っと、んでフィニッシュはガンっと地面に突き刺したなんかして。目の前で電線音頭もビックリなものを披露され、「なかなかおもろい剣舞であった…」としか言えんわな、これ。
 
 で、また「オレは親父のようにはならねえっ!!!面白く生きてやる!!」とかいって、清盛青春の暴走宣言になるんですけど、そんなことより大爆笑なのが、また塀の上に曲者が!これが、なぜか忍者みたいな装束に身を包んだ玉木宏が笑顔でこんにちは。「父上―!」とかいって、呼ばれた源為義(小日向文世)が、おうっ武者丸、きてたのか!なんつって。あのよー、あんたこの場の警備をするべき立場でしょうよ。警備員が曲者にニコニコ手を振ってていいのかよ。
 っとまあ、呼び物のいけめん玉木宏の登場にしてはあまりな脱力もんでしたけど、これが今後の展開を物語ってる…んじゃなければいいですけどね。

 今週の最後は、白河院が、お堂で読経している最中に倒れておっ死に、諸々の権力均衡がくずれて世は乱世になだれ込む…というとこで終わりです。伊東さんおつかれさまでした。2話で退場って、残念だなあ。ってか、この人退場させちゃって来週からだいじょぶか、って不安のほうが強いわ。
 あと、どうでもいいけど、予告編でも清盛が無帽の童形だったのが、やっぱり強烈に不安…。

 んでは、また来週っ!