como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

平清盛 第37話「殿下乗合事件」

2012-09-23 23:29:03 | 過去作倉庫11~14
 もう、今週はビックリしました。すばらしかったです。
 いやあ、「清盛」に関してはもうかんぺきに見放しモードでいた私も、唸らずにはいられませんでした。なんですかこのクオリティ。どうしちゃったんですか。何事がおこったんですか。
 やはり大河ドラマは捨てたものではない。今回はホントにそう思いました。まあ、いままでのチープな流れをくんで、フッと失笑しちゃうようなところも、ないではなかったのですが、そんなのも気にならないくらいでした。
 と、のっけから「清盛」を激賞している自分に、それこそ「どうしたんですか?」と、自分で突っ込みたいんですけど、今回はしょうがないやね。ホントよかったもん。
 まあ、良かった回はいろいろ言わず、いってみまショー、まずこちらから。

大河ドラマ
「草萌える」
 第7話 「源氏再起動」

 今週は本編の清盛のほうが、めずらしくも圧倒的に良い出来だったので、草萌えるのほうがあまりに寂しくても…そんなに…ううう(泣)。でもいいかげん始動してほしい。こんなに頑張って大河ドラマの枠立てて、ずっと待ってるんだから。来週は来週は、って期待し続けるのもう限界。
 と思ったら、やっとこさ始動しました。まあ、最後の最後でだけど。予告編詐欺はもうあきらめましたので、最後の一言詐欺は勘弁してほしいとおもう私です。

 前回、まさこちゃん(杏)にふん捕まって、「わたしを殺してくれえー、殺してくれえー」などと口走ったスケ様(岡田将生)は、なんてこった、今週になってもまだ鬱状態から浮上しておりません。こんなに長いとなにが鬱の原因だったのかも忘れられてしまいますが…。
 といっても伊豆の山の中のこと、気を晴らすものもないので、案じたトークロー(塚本高史)は、スケ様を時政おんじ(遠藤憲一)の自宅に連れていきます。ここで畑仕事の手伝いとか、ニワトリの餌やりとかしてお天道様にあたり、農家のご飯を食べたりすれば夜も眠れて、心の病にもよかろう…という配慮だったのですが、それがたまたま、蛭ヶ小島界隈のオッチャン達の無尽の日(無尽なんて知らんわね、ふつうは)でした。
「こいつ誰?」と言われて返事に困ったおんじは、いや、これは親戚の子で…とかいい加減なことを言ってしまいます。オッチャン達は、素性を深く聞きもせず、おー親戚の子か、時政殿の親戚とは思えない美形だけど(?)まあよく来た、一緒にメシ食っていけやれ、とかいって、どっかの田舎礼賛番組みたいに迎え入れてくれるわけです。
 でも、そこでの話題はあんまり楽しいものではなく、遠い都の平家の悪口中心です。こんなど田舎のわりに情報が早く、都でおこっていることはほぼリアルタイムに入ってくる。そこでスケ様は、聞きたくもない平家の話題、それも週刊誌のすっぱ抜き記事みたいなのをしょっちゅう耳にすることになり、そして…
…っと、あいだ40分ほどをすっとばして、どんだけオッチャン達の無尽に参加したのかわかりませんが、ある日、名もないオッチャンに、「もとはといえばあの平治の戦での義朝様のていたらくがすべての原因」といわれたことで、スケ様は覚醒するのですね。
「源氏は滅びてなどいない!源氏は死なない!源氏は永遠に不滅だ!!」
…っと。
 誰か知る、日本の歴史の大いなる転換点に、この伊豆は蛭ヶ小島の、名もない土豪のオッチャンのひとことがあったことを

 そして、今回は牛若丸は欠番ですが、やがてその牛若丸の運命に浅からぬ縁を持つ藤原秀衡(京本政樹)が御登場です。
 ごーか絢爛な奥州藤原家の館で、優雅に、どっかのホテルで京本政樹の着物お見立て会みたいに、高そうなファブリックに埋もれている秀衡様。今回はお顔見せだけだけど、金持ちっぷりは見ただけでわかりました。でも、メイクがタカラヅカみたい(笑)。これも都とは異質な北方人種である藤原家の、異質性の表現なのか?
 
 次回はやっと、京の五条の橋の上、大の男の弁慶が、長い薙刀振り上げて…というくだりまで達するようで、次こそ話が動き…ますかねえ?次こそ次こそ、と言い続けて久しいのだけど。頼んますひとつ。

平清盛 第37話
家電殿下乗合事件」

 はい、今週は、有名は有名だけどそんなに重大でもないエピソードを、けっこう重大に脚色した回であり、非常に見ごたえもあり、良かったです。

 福原に引っ込んだキヨモリ(松山ケンイチ)は、日宋貿易やるやる詐欺国家経済良くするする詐欺、との非難の声を真っ向から受けて、今週はほんとに、日宋貿易の現場に乗り出しました。
 まあ、それも、例によってキヨモリ様マンセーマンセー! おまえはスゴイやっちゃでえ~byウサギ丸、というワンパターンが中心の、他愛もないっちゃない話ではありましたが、今回はそれをうまく殿下乗合事件と、重盛(窪田正孝)の苦悩とシンクロさせていたのも上手だったと思います。
 今回、キヨモリと宋とのネゴシエーター役として登場したのが、死んだはずの家成卿が宋にわたり、赤マフラーを巻いてよみがえった謎の中国人(桜金造)です。え、違う? 
 相手が赤マフラーでは怪しい密輸業者みたいなので、正式な国交を開くため、キヨモリは、福原に宋の要人と、治天の君たる後白河法王をよんで握手させようと考える。ゴシラを福原によんで日中国交を結ばせるため、時忠(森田剛)に策略を任せます。って大丈夫かよこいつで。
 時忠は、めずらしい赤い羽根でインディアンアクセサリーみたいなのをたくさん作り、自分の郎党たちにもつけさせて御所を練り歩き、赤い羽根の服でコスプレさせた美少女に踊らせて、法皇様にも見せびらかします。コスプレ大好きな法皇様は、それなに?それはなんという鳥の羽??っとすぐ興味をもちますが、時忠はじらし、「こんど福原に宋人がくるので、直接会って たずねたらどう??」と。
 そんなことしなくても、11月はじめには街頭にいっぱい出回るし、NHKのアナウンサーも胸につけてテレビに出るんですけどね…って違うかそれは。
 しかも宋へのプレゼントは、例の藤原秀衡を鎮守府将軍という要職で釣って、よこした付け届けを横流ししただけで、元手かかってないんですけど。赤い羽根も、秀衡の付け届けからガメたもんなんだよね。そのへんセコイというか、ちゃっかりしてるというか。

 さて、こんなことで平家が世にときめいているのが、当然公家勢力は気に入らないわけです。公家勢力。公家勢力ったって、これがあまりにビンボ臭いメンツ。藤原基房(細川茂樹)・基実(相島一之)兄弟に、伝兵衛(=藤原経宗。有薗芳記)その他。
 そんで家電摂政様が、「平家などものの数ではない。思い知らせてくれるわオホホホホ~~」と眉なし鉄漿の口で高笑いするという…。これって顔芸としてはかなりキテるんだけど、なんかノリがショッカーの親玉みたい。そういえば家電摂政様は前世で、仮面ライダーもなさってましたね。
 いや、仮面ライダーもなさってるけど、平家公達ズの一角、平重衡もなさってんのよ、前世で。七生生まれ変わって、とんでもない変貌ぶりですね。その重衡ですが、子役から役変わりして、今回からは辻本祐樹君が演じています。裏大河「血風録」のときから注目の俳優さんだったので、素早く反応しました。

 で、今回活躍するのは子役の資盛です。重盛の二男として甘やかされて育った資盛は、礼儀を知らず、狩りの帰りに家電摂政のお輿に行き合ってしまっても、作法通りに乗り物を降りて道を譲る、ということができませんでした。かねて平家の専横を面白からず思ってた摂政様は、相手が重盛の二男坊だとわかって、あえてお供の者をけしかけ、ガキを乗物から引きずりだして打擲を加えるという手段に出ます。平安時代の生麦事件といえば理解が早い(か?)
 資盛が辱められたことで、平家ではみんなが怒って、報復しましょうというんだけど、棟梁の重盛は、「礼を失していたのは資盛。平家も公家となった以上、有職故実に従うことが大切で、無礼な振る舞いは許されない」と、もっとも至極なことをいってはねつけます。
 ところが家電摂政は、どーせマジメ人間の重盛のことだから、なんにも出来ないで詫びを入れて来るにきまってんじゃんよ、とかいってバカにしてたものの、いざホントに詫びを入れられると、怖くなっちゃったんですね。平家一門の報復が。弟の基実も、兄上なんてことをしたのです~、あな恐ろしや~~、とか言って脅すし。そんであわてて実行犯の伴の者を解雇したり、菓子折もってあやまりに行ったりします。
 こんなに下手に出られても、重盛は、いや!誰がなんつっても資盛が悪いのだ。摂政様が下手に出るには及ばない、と。ガキのしつけは社会のルールを教えるのが大切!赤信号、みんなで渡れば怖くないではいかんのだ、信号は守らなくては!手をあげて横断歩道を渡りましょう!!
…と、あくまで言い張る重盛。いや、ほんと正しいし、だれが見てもこれが当たり前なんですけど、孤立しちゃうんだよね、これで。かわいそうに。わりと常識的だった時子さん(深田恭子)も、「わが子が辱められて悔しくはないのかえ」とか言ってるしさ。
 
 そんで、この事件はキヨモリの耳にも入ります。
 折も折とて、福原に宋の外務大臣(?)を迎えて法皇とご対面、という一大イベント。手土産にクジャクの羽扇を贈られて気に入り、ご満悦の法皇様は(それ持ってどうすんだ?ジュリアナ東京で振り回して今様でもうたうのか??)、日宋貿易にもいとも簡単にゴーサイン。
 こんな感じで上昇気流に乗ってるので、都に憂いごとを抱えてちゃ幸先が悪いわな、と感じたキヨモリは、またぞろ時忠に始末を命じます。
 でも、憂いっていってもぜんぜん深刻じゃない気がしますけどねえ。どうでしょ。強硬な都の公家勢力(笑)だって、一回観光バスで福原につれてきて、酒や食い物や女をあてがってもてなせば、簡単に変節しそうなメンツだしさ。
 そのへんに若干の温度差は感じるものの、とにかく時忠は、こういうこと命じられたら張り切る張り切る。もとヤンキーの腕によりかけて、家電摂政の御輿を襲撃するわけだ。それはもう、ボコボコに。

 そして何も知らない重盛が参内すると、公家さんたちが、恐れおののき、ひれ伏して自分を見る。目が合うと「お許しを~」とかいう。なにより当の摂政様が、「ひえぇええ~悪うございましたあぁ~~」とか、見苦しいばかりの怯えっぷりで、これはどうしたことか。「えっ、貴方知らないの??」と逆に驚かれた重盛は、事情をきいて、摂政様襲撃現場に走ります。
 そこには、ボコボコにされた御輿とともに、例の、時忠のチーマーの印の赤い羽根が落ちていました。
 ショックを受けた重盛が帰宅すると、家族が満面の笑みで、「お父さんお帰りなさあい~~」と。いやあさすが兄上様、手をあげて横断歩道を渡りましょう!とか言っといて、忘れたころにオトシマエつけるなんてニクイニクイ。マジ怖いすね~兄上~~、とかいってめちゃめちゃにヨイショされます。んで資盛も、ノー天気な顔をして「父上ありがとうございましたー」とかいうもんで、重盛も調子を合わせて「んっ、まあな」とか言って鷹揚にニッコリするしかありません。
 そして、夜、一人になった重盛は、写経しているときに何かがブチっと切れ、号泣するんですね。写経をグチャグチャに破りながら。で、その紙にたまたま「不惜身命」って書いてたのがまた、痛々しいんだわ。
 夫の精神状態に驚愕した経子夫人(高橋愛)が、旦那様を抱きしめると、重盛は号泣しながら、「わたしは父上にはなれない」と言うわけです。抱き合って涙する夫婦…うう。
 でも、重盛もそう言うけど、彼の年にキヨモリは、もうどうにもならないアホの子だったし、あなたのほうがずっと上等なんだけど…。それ、だれか言ってやんないのか。盛国(上川隆也)とか。いや、それより重盛に、とりあえず盛国みたいな人がついてたら、だいぶ違ったかもしれないって話なんですけどね。
 ということで、父に及ばないことで絶望して号泣する重盛と、父を侮辱されて奮い立つ頼朝と、源平の両御曹司が明暗を分けたところで、次回に続く。

 とにかく今週は、圧倒的に重盛@窪田正孝君の演技をほめちぎりたい。
 童顔でたよりなげな二世から、棟梁の重責を負うプレッシャーまで、成長も感じるし、その痛々しさも、ほんとに身を切るまでにせつなく、見事に演じてます。こんなに皮膚感覚として、ピュアな痛々しさを伝えられる演技力は貴重。
 とりあえず重盛の、あまり長くない今後の分だけは(涙)、「清盛」が猛烈に楽しみになってきました。もちろん頼朝の今後も込みでw
 また来週っ!


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