わたしたちの洋書の森

「洋書の森」のとっておきの話をご紹介

「夏の翻訳文化祭2017」レポートPart I

2017年08月22日 09時35分45秒 | 魔女のきのっぴー

魔女の「きのっぴー」です。

19日(土曜日)は洋書の森の「夏の翻訳文化祭」、お手伝いといいながらしっかり参加し、楽しんできました。予想以上の充実ぶりに感嘆です。

1限目の講師は松丸さとみさん。エリザベス2世女王とトランプ米大統領の英語を比較し、要所要所で動画を入れてわかりやすく英語と米語の違いを語ってくださいました。それだけでなく、米語と英語の歴史や今後の展望についても、ご自身の経験など身近な視点で話してくださり、大変興味深い講義でした。何よりも、イギリス愛にあふれるとても魅力的な語り口に、会場の皆さんも引き込まれていたのを肌で感じました。彼女とはお友達としても親しくしていますが、つき合うほどに多才な(多彩な)面を見せてくれて、ほんとうに素敵なひとです。

2限目の講師は、早川書房の編集本部本部長、山口晶さん。事前に受講者から寄せられていた質問にお答えいただく形式でした。質問も回答もかなり具体的で、例えば「リーディングや持ち込みはどのようにすればいいのか」→「持ち込み企画は会社というよりも編集者個人で受けていることなので」(中略)「編集者と知り合うのも一手。編集者も訳者の人となりを知っていれば信頼度が高まる。出版関係の集まりや読書会に積極的に参加するのもいいのではないでしょうか」(この通りの言葉ではなかったと思いますが。)などなど。他にも緊急案件で3週間で仕上げた本の話など、具体的な書名や訳者名を出して話してくださったので、お話にどれも説得力がありました。ふだんあまり聞けないお話が聞けて喜んだ翻訳者がたくさんいたのではないでしょうか。

3限目の講師は、井口耕二さん。今回のお題は「翻訳環境あれこれ」。文字通り、井口さんご自身がお使いになっている椅子やディスプレイ、キーボード、マウスなどのハード面から、入力の工夫やミスを防ぐための方策などのソフト面に至るまで、実物の写真を見せながら具体的にお話ししてくださいました(個人的には猫ちゃんつきのキーボードがお気に入り)多忙なスケジュールを管理し、仕事の質を保つために実に様々な工夫を常日頃からしていらっしゃることがわかり、やはり一流の方は、一歩先を読みながらこういう地道な作業をきちんと続けているのだなあと、改めて感じ入りました。

一日を終えて感じたのは、やはりお三方の仕事に対する愛と前向きな姿勢でしょうか。それと、自分の立ち位置を確かめながらも常に2、3歩先を見ている。これ、当たり前のようだけれど実はかなり難しいのでは。少なくとも私はすぐ忘れて、目先のことであっぷあっぷしてしまいます。せっかくこんな魅力的な方々のお話を聞くことができたのだから、自分もきちんと成長しよう!と、前向きな姿勢だけは取りえである私は思ったのでした。

講師の皆様、参加者の皆さま、充実した1日をほんとうにありがとうございました。26日にも、これまた魅力的な講師の方々をお迎えして第2弾が開かれます。まだ申し込み可らしいので、気になっている方はどうぞ!


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