スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

自らの失敗にめげない強さ!

2007-11-05 06:22:32 | コラム
テレビの生放送中にはハプニングが付き物だが、カメラの前で吐いてしまったのはスウェーデンではこの人が初めてかもしれない。別に、早食い競争の番組でも何でもない。電話による視聴者相手のクイズ番組の最中の話。司会者は無名の女性。ある男性が電話で答えを言おうとしている時のこと。

(下の動画は音が出ます。ちょっと音量を下げたほうがいいかも)



10数秒間、沈黙が流れる。電話をかけてきた男性も多分あっけに取られていたに違いない!

彼女を立派だと思うのは、画面から消えてわずか10数秒で再びカメラの前に現れ、番組を続けているところ。もちろん本人は顔から火が出るほど恥ずかしい! でも、ハプニングを克服するためには、自分からカメラの前に出て行かなければならない、とっさにそう判断したのか・・・? 彼女のアドリブには感服。(それにしても、テレビ局のスタッフよ、もっと助けてあげようよ!)

再び戻ってきた直後、彼女は開き直ってこう言っている。「これだけは言わせて!今日は生理痛なんだ。これは生放送なので、どんなハプニングも起こりうるんだ。でも、これだけは弁解させて! 生理痛なので気分が悪くなることだってあるんだ。・・・」

9月下旬の出来事だった。深夜の視聴率の一番低い時間帯の番組なので、実際に見た人は少なかった。でも誰かがYoutubeにアップした途端、たちまち広まって、彼女は今や世界的に有名人。10月のある週ではYoutubeで人が最も見た動画だった、とか言う噂も。

その後、あるトークショーにも登場し、事後談を語っている。「有名人になったことで、他の番組や局からいろんなオファーはなかったか?」と訊かれ、「まだ、ない。でもこれから来てくれたらいいな。」と答えている。そしたら、「あれは実は一躍有名になるため綿密な計算(PRトリック)だった、って噂もあるよ」と横の人が言っているが、「そんなことはない」と否定した上で、「あの番組の後、テレビに再び出ることもためらったほど。Youtubeにアップされないことを願った。」と答えている。


(1回目の嘔吐の数分後、実は、スタジオ内のその悪臭もあって、再び気分を催して嘔吐。しかし、その時はうまく画面の外に出ることができたらしい。)

あのハプニングがなければ、トークショーに出るチャンスもなく、雑誌や新聞に取り上げられることもなく、無名の人で終わっていたかもしれない。恥ずかしい失敗を、自分にとってのプラスに見事変えたEva Nazemsonに万歳!

(それにしても、こんな小さなクリップにも英訳をつける人がいるのもスゴイ。)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿