スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

スウェーデンで手にした意外なもの

2006-03-31 07:13:55 | コラム
もうお気づきかもしれませんが、少し前から、このブログのタイトルは日本語だけの『スウェーデンの今』になりました。日本語だけでコンパクトに行きたいと思います。ホームページやブログなどでリンクを貼っていただいている方は、できたら変更をおねがいします。

------
ヨンショーピンでの日本語の授業の後は、帰りのバスまで少し時間があるので、たいてい参加者と適当なおしゃべりをする。数週間前のこと、生徒である高校生の男の子数人が群がってきた。DVDを手にしている。「先生、これ見た? 貸してあげる」という。何かと思って見ると、ローマ字(できたらひらがなで書いて欲しかったな)で"Densha Otoko"と書いてある!

日本の情報に疎くなってしまうのは仕方ないと思うけれど、恥ずかしいことながらこの「電車男」を初めて知ったのは去年の年末。映画もTVドラマも見たことなかった。こんなことまで、この高校生ら、よく知ってるなー。しかも、彼らが手にしていたのは映画版ではなくて、TVドラマ版。TVドラマなんか、よく手に入れたな、と感心してしまった。11回分がちゃんと一つのDVDに圧縮して入っているのだそうだ。

ノートパソコンをいつも背負って来ているで、帰りの高速バスの中で再生してみてビックリ。これは市販のDVDをコピーしたのじゃなくて、テレビの放送そのものの録画だったのだ。というのも、各回の最初には、テーマソングが流れ、ドラマの合間にはコマーシャルまで入っているのだ。

しかも、英語の字幕つき。近頃は、TVドラマでも文字放送を選べば、英語の字幕が見られるということだろう。しかも、この字幕、普通の映画に見られる簡単な英訳じゃなく、単語のびっしり詰まったかなり細かい英語字幕。それが、次々切り替わるので、たまに一時停止でもしないと、ついていけないくらいだ。「オタク」はもちろんのこと「萌」なんていう“専門用語”にもちゃんと解説がついている。

彼らに感想を聞いてみると、面白かった、というのだ。「萌」とか「メイド喫茶」とか、理解しているのかと疑問に思うけど、英語の字幕のおかげで大丈夫だったよ、とのこと。むしろ、私のほうこそ、理解できていないと思う・・・。

スウェーデンの高校生たちに、一応、念を押しておいた。日本語を勉強して、マンガやアニメが読めるようになるのはいいけど、あぁはならないでね。そうしたら、俺たちもメイド喫茶に行きたいって返事。日本のサブカルチャーが海外に伝わるのは面白いことだと思うけれど、こんなことまで伝わってしまうのは、なんと表現したらいいか、ちょっとだけ情けないな・・・。

この録画の出所はどこかと聞いてみると、もちろん、インターネット。最近は映画だけじゃなくて、テレビドラマなんかのデジタル録画も、放送後すぐにインターネット上に流れて、スウェーデンでも入手可能になるのだそうだ。

恐るべしインターネット。恐るべしスウェーデンの高校生!


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
電車男 (キコママ)
2006-03-31 11:22:48
いや~ 電車男見たい~

男子高校生すごすぎます!
返信する
Unknown (とおりすがり)
2006-03-31 12:39:20
でも日本のカルチャーが理解されてるってだけで、単純に嬉しくもありますがね。中国行ったときに、日本人が中国に対して抱いているイメージが、いか現実とかけ離れているか思い知ったので、スウェーデンで日本に対する認識のバイアスがかかるのはやむを得ないかと。知られないよりはましなような気もしますが。
返信する
Unknown (Yoshi)
2006-04-02 19:17:32
日本にしてもどの国にしても、たくさんの人がいるので、どのイメージが“現実”か、なんて判断はできないかもしれません。だから、その国に対するイメージにバイアスがかかるのは仕方ないでしょう。中国のことは分かりませんが、日本社会のある一面として「電車男」は、的を射たイメージを与えてくれていると思います。



って、そこまで深く考えてかいた訳ではありません。とにかく、こんなのがスウェーデンでも広まっちゃうと、スウェーデン人からまたいちいち説明を求められるようになってしまう・・・。私の知ったこっちゃないのに・・・。
返信する

コメントを投稿