スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

Mr. 時報さん?

2006-04-02 19:12:36 | スウェーデン・その他の社会
スウェーデンでももちろん電話の時報がある。「×時×分×秒」と機械の音声が流れるのだが、日本と同じように女性の声。スウェーデンでは俗に「Fröken Ur (Mrs.時報さん)」と呼ばれている。

昨日のラジオのニュースだと、女性が時報を伝えるというのは、女性が電話交換をしていた頃の古い習慣なので、男女平等の観点から、これからは機械の時報も男性の声に切り替えたい、という提案が国会に提出されたというのだ。つまり、これからは「Herr Ur (Mr.時報さん)」になるのらしい。

これに対して、いくつかの政党の党首が賛否のコメントを発表した。また、国の平等オンブズマンは「男性だけにしてしまうと、これはこれで偏ってしまう。一番いいのは10秒おきに、男性と女性を切り替えること」と、多少批判的。

なんだか、大げさな議論だな。国会を通さないといけないことなのか・・・?と不思議に思った。しかも、10秒おきに声を入れ替えるなんて、面倒だな、と。すると、ニュースの最後に「では、Mr.時報さんならどのように聞こえるのか、試作品を聞いてみましょう。」と、試しに作った時報が流れる。「ピ、ピ、ピ、ピーン。4月1日午後6時をお知らせします。」そして、ニュースが終わる。

まてよ、今日は4月1日。そう、エープリル・フール(Aprilskämt)だったのだ。スウェーデンのメディアは毎年こうやってジョークを流す。しかも、時には本当にもっともらしいので、信じてしまうものも多い。しかも、次の日になるまで、あれは悪い冗談だったと言わない。

ヨーテボリ新聞のジョークはこうだった。「中央駅前のSystembolaget(国営の酒屋)がイメージ・アップを図るために、今日に限って、お酒をドイツ並みの値段に割り引く。ただし、割引が効くのは、去年きちんと税金を納めた人に限るので、去年の確定申告書と納税証明書を持参することが必要。」これで騙されて、Systembolagetに殺到した人が何人もいたとか。慎重な人はSystembolagetに電話を入れえ問い合わせた。そこで、今日は何月何日、と聞き返されて、やっとエープリル・フールに気がついた、なんてこともあったそうだ。

たまに、こうして伝えられた“偽り”ニュースが、外国の通信社にも信じられてしまって、その国の<国際欄>に並ぶこともなる。ストックホルムの日刊紙DNは「ストックホルムでは自転車と歩行者の衝突事故が多発しているので、一部の自転車・歩行者道に20kmの制限速度を設ける」と伝えた。「自転車だけでなく、ジョギング愛好者も20kmをオーバーした場合は、罰則の対象になる」とも書いた。まんまと引っかかったのは、なんとアイスランドの新聞。昨日の国際ニュースの7番目に取り上げられてしまった。

去年のエープリル・フール


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