スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

「EUROVISION SONG CONTEST」 (中)

2005-03-13 06:18:30 | コラム
前に書いたように、Melidifestivalenに出場するアーティストはそれほどレベルが高くない。えっ、何でこんな曲が? って、スウェーデン人の感性を疑いたくなるような曲も登場する。それでも、面白いことに、予選で披露された曲がラジオで流されるようになり、ふだん何気なく耳にする機会が多くなってくると、だんだんと耳に馴染んできて、あっれ、この曲、実は結構いいじゃない、という錯覚に陥ってくるのだ。(スウェーデン人の友人にこれを話したら、彼らも同じ経験を毎年すると言う声が何人かから返ってきた)例に漏れず今年もそうだ。最近ラジオでよく流れる「Refrain, Refrain」という曲は予選落ちをしたのに、今じゃ何故かヒットリストに名を連ねている。我々の耳も当てになったもんじゃない!

とまあ、曲は二流だけれど、曲だけがMelodifestivalenのすべてではない。アメリカ映画の祭典Oscarが単に映画の表彰式であるだけではなく、衣装やモードを披露する場所でもある。Melodifestivalenでも各アーティストが様々な派手な衣装を駆使して舞台に立つ。こういう意味でも、国民にとっての位置づけとしては日本の「紅白歌合戦」に近いと思う。



昨日の決勝で優勝者が決まり、男性歌手Martin Stenmarckが全ヨーロッパの大会“Eurovision Contest”へスウェーデン代表として出場することが決まった。毎年、前年の優勝国がホスト国となり大会をアレンジするので、今年の全ヨーロッパ大会は昨年の優勝国ウクライナの首都キエフで5月の終わりに行われる。(以前のブログ →クリック

それぞれの国から国内大会を勝ち抜いてきた代表が一堂に会し、今年は史上最多の40カ国が参加する。40カ国にもなると、一晩ですべての曲を披露することができなくなるので、昨年の大会であまり成績がよくなかった国は前予選を通過しなければ、本大会に進めない。

本大会は全ヨーロッパに生中継される。そして、各国内で電話投票が行われ、それをもとに各国での人気順位が決まっていく。そして、それを全ヨーロッパで集計することで、ヨーロッパ全体での順位を決めていくのだ。規模がでっかい! 投票におけるミソは、自分の国の代表には投票できないこと。だから、スウェーデンに住む人はスウェーデン代表には投票できない。

さて、ヨーロッパの本大会Eurovision Contestだが、各国を代表するアーティスト達もそれほど、そーれほど、レベルが高いわけではない。しかも、ヨーロッパといっても広い。文化も違えば、好みも異なってくる。だから、ある国で国民の一番人気を獲得した曲が、他の国の人には大したことないどころか、とんでもない駄作!ということもよくあるのだ。

(・・・続く)

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