スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

嵐のあとの晴れ間

2008-10-14 08:24:03 | スウェーデン・その他の経済
先週末は、G7の会合と同じ頃、ユーロ圏諸国およびイギリスも大きな会合を開き、金融危機に共同して対処して行くための協議を行った。

そして、英・仏・独などヨーロッパの主要な国では、以前挙げた(1) 政府による債務保証 や、(3) 政府による直接的な資本注入 といった方法による救済策が打ち出されることになった。

<注: 前々回の『銀行救済の様々な手段』は少し書き足しました>


先週は底なし沼のように下落を続けていたヨーロッパの株式市場は、それに呼応するかのように、開くや否や暴騰。夕方までその上げ幅が維持された。


SVTのニュースより

テレビやラジオのニュースを見聞きしていると、伝わってくる雰囲気は「嵐が過ぎ去った後の晴れ間」と呼べるくらい、ニュースを読み上げる人の表情や口調からも安堵感が伝わってくる。手放しで喜ぶのはまだ早いんじゃない、と言いたくなるけど。


ここまで大規模な共同行動がとられたのは歴史的なこと、とヨーロッパの国々では報じられている。

ターボ資本主義(turbo capitalism)は死んだ。その葬式代を払う羽目になっているのは、今や政府である。」ドイツの新聞はこう風刺したという。

そこまで危機的な状況にはないスウェーデンも、週末のユーロ圏諸国の合意にならって、危機に備えた新しい制度作りを行っていく、と発表している。ついこの間、引き上げられたばかり預金保険の対象額の上限も、再検討され、また引き上げられるかもしれないという。


やっぱり、ソラマメ君が一番「輝いて」いる

あれだけ審議にてこずったアメリカとは違って、ヨーロッパの対応は素早かったように感じる。

こういう書き方をすると大変皮肉になるのだが、今の状況に手をこまねいていると、行き着く先はどうなるのか、どこの国も日本の失敗例を知っているので、その轍を踏まないように躍起になっているのではないかと思う。

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