スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

選挙ポスター 『保守党』編

2006-09-16 06:56:09 | 2006年9月総選挙
もう残り時間が無くなってきたのですが、右派ブロック4党の選挙ポスターも駆け足で見ていきましょう。

まずは、党首のどアップから。

彼の名はFredrik Reinfeldt、41歳。彼の属する保守党は4年前の総選挙で大敗を期す。当時の党首は責任を問われ辞任に追い込まれ、あとを次いだのが彼、というわけ。当時38歳。そんな若さで党首になれてしまうのが、スウェーデン社会の面白いところ。若さだけでなく、能力もあり、彼のお陰で今回の総選挙では政権交代も現実のものとなるか・・・?(そうなれば、スウェーデン史上最年少の首相が誕生するかも)

左:「スウェーデンには新しい労働党が必要」(彼が党首になってから大きく路線変更した保守党は、自らを“社会民主党に代わる新しい労働党”として生まれ変わった(つもりでいる?))
右:「国民みんなが、働いて得た給料から1000クローナ(15000円)を手元に残せるようにする」(皆に等しく1000クローナずつの所得税減税。つまり、低所得者に比較的有利にしようという保守党の新しい路線)

左:「病気にかかったとき、必要なのは医療であって、順番待ちの番号札ではない」
右:「中学校を卒業する生徒すべてが、高校に入るためにちゃんとスウェーデン語を綴れるようにすべき」(国語を含む重要科目の強化)

左:「静かに寝るために、人々が施錠を二重にする必要はないはず」(治安の強化)
右:「安心感を感じさせてくれる言葉と言えば:夜の映画、深夜バス、夜の散歩」(夜でも皆(特に女性)が安心して外を歩けるように治安の強化)

左:「雇用、学校、医療をしっかりさせてくれる新しい政党がスウェーデンに誕生した。その名は“保守党”」(二番目のポスター同様、自らは衣替えして、福祉国家を重視するようになったことを強調。)
右:「“絶好調のスウェーデン” 仕事を持つ人にとってみれば、簡単に言えることだけれど・・・。」

「デモ行進が始まってから115年。ついに、耳を傾けてくれる人々が登場した・・・!」(これまでの路線を離脱し、“労働者にやさしい”保守党を強調。労働運動に積極的に耳を傾けているのは、もはや社民党ではなく、保守党だと訴えている。)